何らかの理由でリカバリ領域を消してしまった、もしくはOS無しのジャンクを入手したなどの理由で、Diginnos DG-D08IWB(raytrektab DG-D08IWPについては後述)をUSBメモリよりWindows 10をクリーンインストールした場合についての記事です。
はじめに
DG-D08IWBはドスパラで販売されているWindowsタブレット。CPUはAtom Z3735Fでメモリは2GB、eMMCは16GBもしくは32GBのインチのタブレットです。OSなしのジャンクを入手しました。
細工することでLinuxのインストールも可能ですが、Ubuntu 17.10.1を試してみたところ、タッチパネルが反転し、センサは上下左右あべこべとなり、Bluetoothとサウンドが利用できませんでした。
タッチパネルやセンサがめちゃくちゃなのは未調整のWindowsでも同じことなので、同じようにキャリブレーションできればよいと思うのですが、如何せん全く知識がなく、xrandrでコネコネしてみたり、xinput-calibratorを使ってみたりしましたがにっちもさっちもいかず……。(goodixのタッチパネルドライバを弄れば良さそうですが、パッチ書いてビルドなんてそんな……。)慣れた環境のがまだなんとかなるだろうということで、Windowsを新規に入れてみた次第です。
Windows 10をクリーンインストールしてしまった場合、いくつかのドライバがインストールされておらず、タッチパネルや各種センサ、サウンド、バッテリ残量が利用できない状態となります。

このままではとても使えない。
今回インストールしたのはWindows 10 Home 32bitで、バージョン1709(ビルド16299.125)です。
DG-D09IWのドライバを利用する
DG-D08IWB向けのドライバは提供されていませんが、似たような構成のDG-D09IW用のドライバはあるので必要な部分だけ代用します。
まずは、USBハブにWindowsインストール用USBメモリとキーボードを繋いでWindowsをインストールします。マウスもつなぐと電力不足になるかもしれません。
インストール後、Wi-FiやBluetoothは利用できますので、インターネットに接続し、ドスパラのドライバダウンロードページへ行きます。
中途半端な状態で操作をするのはとてもしんどいので、予め別のPCでダウンロードと展開を済ませておき、microSD等に入れておくとスムーズです。
ここで、プラットフォームドライバとタッチパッドドライバ、(一応)TXEドライバをダウンロードします。
Gセンサードライバは入れたところで上下左右反転した動きをするだけなので、DG-D08IWBに対応したものをダウンロードします。
一通り準備ができたら、キーボードを外してマウスのみにしてもOKです。いっそ全部Bluetoothで接続するのもありですね。
プラットフォームドライバ
ダウンロードしたプラットフォームドライバ一式は、そのまま入れようとしてもインストーラが機能しません。Driversフォルダ内にカテゴリ分けされて並ぶそれぞれのドライバを手動で入れていきます。
まず、I2Cフォルダ内のiaioi2ce.infを右クリックしてインストールを選択します。画面が暗転したり、デバイスの切断や接続がしばらく続きますので、落ち着くまでしばらく待ってから一度再起動しましょう。

I2Cドライバを入れた後
この時点でバッテリー残量表示などが使えるようになっているはずです。続いていくつかのドライバをインストールします。
- BMフォルダ内のIntelBatteryManagement.inf
- DPTFフォルダ内のDptf.inf
- GPSフォルダ内のBcmGnssBus.inf
- (一応)Sensorsフォルダ内のACC_SensorDriver.infとGYRO_SensorDriver.infとHIDFusion.inf
それぞれinfファイルを右クリックしてインストールすればOKです。キーボード操作の場合はShift + F10で右クリック扱いになります。
調子に乗って片っ端から入れていたところ、MAG_SensorDriver.inf入れようとしたあたりで突然画面が消えてその後OSが立ち上がらなくなりました。再インストールする羽目に。
残念ながら原因は特定できませんでしたので、操作を完了しましたと出てから次を入れるように慌てず操作し、不必要なドライバをむやみやたらに入れないよう注意します。もしかするとSensorsは入れなくてもいいかもしれません。
TouchPadドライバ
packageフォルダ内のGoodixTouchDriver.infをインストール。
また、別途DG-D08IWB用のTouchSetting.gtをどこかから拾ってきてC:/Windows/INFに入れます。これがないとタッチパネルが反転したままになります。
センサドライバ
これに関してだけはDG-D09IWではなくDG-D08IWB向けのドライバがあるので、それをインストール。DG-D09IWのものを入れてから存在に気が付いたので、うまく動作しないときはDG-D09IW向けを入れてからアップデートしてみましょう。
インストールするには、Install.batを管理者として実行します。
TXEドライバ
これは入れてもエラーコード10でデバイスを開始することができませんでした。「Intel Trusted Execution Engine Interface」です。

ダメでした……はて。まぁなくてもええやろ。
カメラドライバ
恐らくアウトカメラがSONYのIMX、インカメラがOmniVisionだと思うのですが、DG-D09IW用のドライバを突っ込んでもカメラへ接続することはできませんでした。気が向いたら使われているのがどのカメラモジュールなのかを調べようと思います。
システムの圧縮
今回利用しているのは16GBしかないモデルなため、Windows本体や仮想メモリなどに半分以上取られてとても厳しい状況です。なんとかします。
管理者権限のコマンドプロンプトにて「compact /compactos:always」するとWindowsのシステムファイルを圧縮して容量をあけることができます。それなりに時間がかかるので、電源につないでおきます。
実行したところ、システムファイルを8.06GBから6.26GBまで圧縮できました。
もちろん、圧縮したファイルを利用する際にはファイルを展開するためのCPUリソースが必要になりますし、少なからずパフォーマンスの低下につながるはずです。今のところは問題を感じていませんので、とりあえずこのままにしておきます。
Windows 10 1803へのアップデート
1709から1803へアップデートしてみました。
空きが5GBしかなかろうと、16GB程度のUSBメモリを挿しておけばWindows Update経由でもバッチリいけます。電源を確保しながらUSBメモリを挿し込む環境が用意できない場合、バッテリーがギリギリかもしれないので、そこだけ注意してください。
raytrektab DG-D08IWPでは?
こちらもドライバのバックアップを取らず初期化すると大変な目に遭います。幸いペンは動作するので、DG-D08IWBと比べると案外なんとかなるのですが、やはりタッチパネルが激しくずれて詰みます。
つまり、TouchSetting.gtだけがどうにもなりませんでした。これは機種固有の設定ファイルになるので、IWB用のものはIWPでは使えません。
最低でもTouchSetting.gtだけはバックアップを取っておきましょう。