2024年10月15日、PICO 4 UltraにPICO OS 5.12.0.Uアップデートが配信されました。ようやく手元の環境にOTAが降ってきましたので、記事にしています。
【2024/11/10追記】公式サイトにも反映されました。
アップデート内容
バージョン:5.12.0.U
サイズ:718MB
リリース日:2024/10/15
- PICO Connectのアップデート:スマートフォンの画面ミラーリングと操作をサポートしています。PICOモバイルアプリの最新バージョンが必要です。どの主要なアプリストアでも入手できます。
- Bluetoothキーボードとマウスを接続して、ホームスペースで使用できるようになりました。
- ビデオプレーヤーの主なアップデート
- シースルーモードでビデオを視聴できるようになりました。再生するウィンドウの位置やサイズを変更できます。
- 再生コントロールバーと設定ページのUIを改善しました。
- ブラウザにマルチウィンドウ機能を搭載しました。右上の[…]をクリックして新しいウィンドウを開き、ドックをクリックして複数のウィンドウを表示できます。
- イマーシブビューでの空間型ビデオや写真の視覚効果を最適化し、写真アプリでコンテンツを切り替える際のアニメーション効果を改善しました。
- パノラマスクリーンの距離を調整しやすくしました。ドックの下のコントロールバーだけでなく、任意のアプリウィンドウエリアを指して、グリップボタンを押したままジョイスティックを使ってパノラマスクリーンの距離を調整できます。
- Friendsアプリのチャット&プレイエクスペリエンスを向上させました。
- 素早く簡単にルームを作成できるようにしました。
- キーボードのアップデート
- 自動修正オプションを[設定]>[一般]>[キーボード]で管理できます。
- Bluetoothキーボード使用時に、[設定]で言語の切り替えショートカットをカスタマイズできます。
- キーボードの安定性を向上させ、複数の問題を修正しました。
- ハンドトラッキングアルゴリズムのアップデート
- ハンドトラッキングの遅延を全般的に短縮し、よりタイムリーに反応するようにしました。
- ジェスチャーポインターの効果を最適化しました。
- 遮断時および高速な動きでのトラッキングの安定性を向上させました。
- 指の柔軟性を向上させました。
- ピンチしてクリックする際の誤タッチ確率を低下させました。
- コントローラーのトラッキングアルゴリズムアーキテクチャをアップグレードし、コントローラーが死角から視野に戻る際の回復速度を向上させました。
- Motion Tracker
- 長時間横たわり、トラッキングを停止する場合に対応する[スリープ検出]設定を追加しました。[Motion Trackerアプリ]>[設定]>[実験的な機能]でオフにできます。
- ジャンプやつま先でタップする動作の認識機能を向上させ、リズムゲームの不検出率を改善しました。
- 座位でい続けるとドリフトが発生する問題を最適化し、ウエストトラッカーを装着して横たわっているときの脚のポーズの精度を向上させました。
- 既存のクイックパススルーモードをコントローラーボタンまたはジョイスティックを押して操作できるようになりました。
- システムパフォーマンスを最適化して、消費電力を削減しました。
問題の修正:
- プレイ境界線外でドックのイマーシブ/シースルーボタンをクリックできない問題を修正しました。
- ストロボ照明下でのシースルーモードのちらつきを修正しました。
- 特定の状況下でコントローラーのキャプチャボタンが反応しなくなる問題を修正しました。
- 一部のBluetoothイヤホンの互換性の問題を修正しました。
- 特定の状況下でAI生成環境をダウンロードできない問題を修正しました。
- 特定のアプリケーションの小さなマイク録音量を修正しました。
主にコントローラーやハンドトラッキング、トラッカーの動作が改善
操作周りのアップデートが主なようです。
コントローラーやハンドトラッキングについて
コントローラーのトラッキングがロストした後、再びトラッキングカメラの視界内に戻ったときの復帰速度が上がっているのは確認できました。例えば、VRChatのキャリブレーションでTポーズを取ったときに手が引っ掛かってすぐ戻ってこなかったのがいくらか改善されています。ハンドトラッキングの遅延も小さくなりましたので、随分と操作しやすくなったように感じます。
PICO Motion Trackerの改善について
PICO Motion Trackerの動作については、足首に加えて腰も追加した3点で動作させた際の安定性が向上したようです。足首2点だけでは座っているときに徐々に立ち姿勢になってしまうのか変わらないようですが、腰を含めた3点で動かしている状態でのドリフトは少しマシになったように見えます。アップデート前に足首と腰の3点トラッキングで少し使った感じでは、膝周りが左右にドリフトしやすい印象がありました。
椅子に座っていて徐々に脚が埋まる件については、腰のトラッカーが服に隠れることなくちゃんと見えている状態であれば補正してくれるようです。まだ検証できていませんが、トラッカーがトラッキングカメラに映る方が安定するので腰トラッカーの位置は前の方が良いかもしれません。椅子に座っていて足首が隠れていても腰さえトラッキングされていれば直立姿勢にはならず、いくらか安定しているように見えました。
横向きに寝ているときの姿勢が改善されているとのことですが、アップデート前がどうだったのかは確認できていません。うつ伏せや仰向けの時に膝を曲げるのは可能でしたが、横向きだと脚が伸びきった状態で殆ど動かせないようです。
また、V睡する方が経験していたであろう「トラッカーの自動スリープ」で身体が飛んでしまう現象について。Motion Trackerアプリのバージョンは2.0.3になり、設定で自動スリープの無効化が行えるようになりました。こちらについては自分が長時間寝転がれないのでちょっと試せないのですが、完全に静止していると5分後にヘッドセットの方がスリープしてしまう問題があるので解決はしていないものと考えています。
バッテリー消費も改善?
アップデート前に測定した際は10分で12~13%の消費でした。(PICO Connect HEVC 150Mbps / PICO Motion Tracker2個接続 / ディスプレイ最大輝度)アップデート後に似たような条件で測定してみたところ、PICO Motion Trackerが3個に増えている状態でも10分で10%の消費のようです。短時間の測定かつ全く同じ条件ではないのでデータとしては微妙です。但し、アップデート前は20分で37℃まで上昇していた本体温度が、1時間ほど使用しても33℃程度で安定しているという大きな差がありました。
Bluetoothキーボードやマウスに対応
Bluetoothキーボードやマウスが使用できるようになりました。
マウスを接続するとカーソルとして白い円が表示され、左クリックとマウスホイールが動作するのを確認できました。マウスなら誤操作は少なくなりますし、細かな操作がしやすいと感じました。キーボードも日本語変換にかなり癖があるものの動作しています。Ctrl + スペースで言語切り替えを行い、日本語入力時はカーソルキーで変換候補を選んでスペースキーで確定するようでした。
しかし、残念ながらPICO Connect上ではどちらも利用できませんでした。キーボードとマウスの入力はPICO Connectで接続したPCへは送られません。現時点ではPICO 4 Ultra内部での利用に限られるようです。
PICO Connectでスマートフォンをミラーリング可能に
今までPCの画面しか表示できませんでしたが、スマートフォンの画面もミラーリングが行えるようになりました。(アプリバージョン10.2.7から対応)
スマートフォン側で準備をする
まずスマートフォンのPICOアプリでマイページを開き、ミラーを選択します。
オーディオとシステム通知の権限を要求されるので許可しておきます。
アクセシビリティサービスも有効にします。
Androidスマートフォン側はこれで初期設定が完了です。
開始ボタンを押すと、スクリーンレコードするときと同じように「1つのアプリ」か「画面全体」のどちらをミラーリングするか聞かれるので選んでください。
PICO 4 Ultra側で接続操作をする
スマートフォンの方で接続待機すると、「My Phone」という項目が出てくるのでそれを選ぶとミラーリングが開始されます。
SteamVRを使用中でも、ホームボタンを押してドックを表示するとスマートフォンの画面を確認できます。
Android標準機能でキャスト可能なものなら表示できます。ロック画面など、セキュリティ上表示できない画面があります。また、マルチタッチには対応していないので、アクションゲームはお勧めしません。
スマートフォン側の推奨設定と注意点について
- スマートフォンの「自動ロックをオフ」にするか、「最長時間に設定」するとスリープに入って操作できなくなるのを防げます。
- 「ジェスチャーナビゲーション」ではなく「3ボタンナビゲーション」にしておくとタップのみでホームや戻る操作が行えるので、操作がしやすくなります。
- 5GHz帯のWi-Fiを使用して同一ネットワークに接続するのをお勧めします。
- アクセシビリティサービスはPICOアプリを終了すると自動的にオフになる仕様となっています。
- 使用するタッチキーボードによっては、セキュア入力機能により画面に表示されないことがあります。
iPhoneでも利用できる?
ミラーリングまでは行えましたが、なかなか操作を受け付けてくれません。AssistiveTouchを使うことでBluetoothマウスを使用するときのように操作できるのですが、Bluetoothデバイスとしての接続が上手く行かないことが多かったです。
iOS 18.0.1とiOS 18.1で試してみましたが接続されないことが多いです。iPhone 12 miniとの相性が悪いだけかもしれませんし、iOSが新しすぎて動作していないのかもしれませんが……。
ブラウザのマルチウィンドウ対応
ブラウザ右上の「…」ボタンから新しいウィンドウを開くことが可能になりました。ドックのブラウザアイコンを押すと、現在開いているウィンドウをサムネイルで表示してくれます。
その他
ビデオ再生周りの改善の他に、シースルーモードの歪みが軽減されているらしいです。テキストの表示品質も改善しているそうです。
今後のアップデートについて
以前提示されたOTAプラン通りであれば、次に控えているのはPICO Connectでのデスクトップ3画面表示とウルトラワイドスクリーンへの対応でしょうか。どういう感じになるのか楽しみですね。
2024/11/10:文面の修正や追記、公式からの情報を追記など