PICO公式サイトにPICO Connect 10.5.10のインストーラーが公開されるようになりました。PICOストアのバージョンも10.5.10にアップデートされています。
リリースノート
- バージョン:10.5.10
- 日付:2025-03-31
- ファイルサイズ:179MB
- ヘッドセットでのデスクトップストリーミング中のシステムバーチャルキーボードのサポートが追加され、WindowsとMacの両方に対応しました(PICO 4 Ultraのみ)
- PCソフトウェアのリフレッシュレートオプションを削除しました。ゲームストリーミングのリフレッシュレートは、ヘッドセット設定(最大90Hz)のリフレッシュレートに合わせて設定されます。
- UAC処理を最適化:Windows画面がロックされている場合や、管理者権限プロンプトが表示されている場合でも、デスクトップストリーミングが機能するようになりました。
- フレームレートが50Hz未満になるようにフレーム補間を調整しました。これにより、パフォーマンスの向上、レンダリング負荷の軽減、遅延の低減、ジェロエフェクト(こんにゃく現象)の最小化が実現します。(画質に影響する可能性があるため、通常のレンダリングには推奨されません)。
- オーディオ設定を最適化:ノイズ削減を無効にするオプションを追加し、ステレオ録音におけるオーディオクリッピングを抑制します(OSバージョン5.13.0以降のPICO 4 Ultraで利用可能)。
- その他の既知の問題を修正しました。
システムキーボード対応やUAC関連の最適化
PICO本体のシステムキーボード(英字配列)が利用できるようになったほか、UACの権限周りが調整されたらしくPICO Connect上でUACのダイアログをクリックできるようになっていました。
リフレッシュレート設定とフレーム補間に関する調整
リフレッシュレート設定の項目が削除
PICO Connectからリフレッシュレートの設定が削除されました。PICO本体のリフレッシュレート設定と常に一致するようになったので、PICO 4 Ultraの場合は規定で90Hzとなります。72Hzで動かしたい場合はPICO 4 Ultraの省電力モードを有効にする手段がありますが、視界が若干狭くなるなど弊害があります。パフォーマンス設定で「ハイマルチウィンドウパフォーマンス」に変更しても72Hzで動くのはホームスペースのみで没入型のアプリには影響しません。
また、PICO Connectの設定ファイルに記述しても機能しないようです。Connectアプリは開発者向け設定のパフォーマンス調整ツールの対象ではないので、72Hz強制は行えませんでした。他に方法があるかは確認中です。
フレーム補間の調整
PICO Connect 10.4.5までの「フレーム補間」は、ネットワークの問題でフレームが欠落したものを補完する目的で実装されていました。PICO Connect 10.5.10からは高性能ではないPCで十分なフレームレートが出ない状況で使用することを想定した機能に置き換わっています。
フレーム補間を有効にすると(90Hzの場合は)フレームレートの上限が45FPSに設定され、レンダリングの負荷や遅延を減らします。また、従来発生していたブレや歪みも低減されました。但し、あくまでもフレーム生成による偽のフレームが使われるので、普段は使用しないことをおすすめします。
本機能はSteamVRのモーションスムージング設定がオフになっていても動作することと、再起動を必要とせずリアルタイムにオン・オフが可能でした。状況に応じて使い分けても良いかもしれません。
マイクのノイズ削減の調整、無効化もできるように
PC側の仮想マイクデバイス(PicoStreamingMicrophone)は、PICO 4及びPICO 4 Ultraの両方でステレオマイクという扱いに統一されています。PICO 4 Ultra 5.13.0.U以降を使用する場合は音質の改善もされているようです。僅かにこもった音が軽減されたように聞こえますが、声によると思うので個人的にはなんとも言えません。
そしてこれまで強制的に有効だったノイズキャンセリング機能は、今回からオフにできるようにもなっています。オフにした場合はマイクブーストもなくなって音量が下がるので、マイク音量を少しだけ上げる必要があります。
その他には、ストリーミング時に規定のマイクを変更する機能が設定から有効にできます。
以前よりもクリッピングが起こりにくくなっていますが、VRChatで使用する場合はVRChat内でコンプレッサーやマイクブーストが掛かるのでPICO Connectのマイク音量はかなり控えめに設定しておくことをおすすめします。(VRChatは30~50辺りで調整し、PICO Connectは30ぐらいまで下げて良さそうという感じでした)
【今後に備えて】アップデートエラーが起こるときは
PICO 4 UltraのConnectアプリが自動アップデートされても、公式サイトにインストーラーが公開されるまで数日の遅れが生じます。今後もアップデートの際にソフトウェア更新エラーに遭遇する方が居るかもしれません。その場合は、一度再インストールを行ってからアップデートを再試行するのをおすすめします。