こちらはPICO Motion TrackerとSlimeVRに対応した他のトラッカーを組み合わせて、足首をくるくると回せるようにしてみようという記事です。トラッカーの組み合わせにはStandableを使用します。
突貫作業で書いたので、動画を含めた細かいところはそのうち加筆・修正するかもしれません。
概要
ざっくりとした図解
PICO Motion Trackerの足首は位置だけを使い、SlimeVRに接続できるトラッカー(Joy-Con、HaritoraX、Rebocapなどでも可)を足の甲に取り付けて回転情報だけを取ってStandableで組み合わせます。
SlimeVRで使用することを想定していない製品を使用すると、保証が無効になったり予期せぬ故障が生じる恐れがあります。当サイトではそれらについての責任は負いかねますので予めご了承ください。
本来SlimeVRで全身を動かすにはSlimeVRトラッカーが最低5個必要ですが、単に回転情報だけが欲しいのでSlimeVRトラッカーは2個あればOKです。最小構成では、PICO Motion Tracker足首2個+SlimeVRトラッカー足の甲2個の合計4個だけでやれます。
SlimeVR単体でもやれる?
そもそもSlimeVRには足首と足の甲にSteamVR上で利用できるトラッカーを1つずつ割り当てて、1つのトラッカーとして使う機能が存在します。しかし、PICO Motion TrackerとSlimeVRトラッカーが同じ位置に出てきてしまうので、結局のところStandableで優先順位を設定して片方のトラッカー動作を隠す必要がありそうです。
SlimeVR側へPICO Motion Trackerのデータを送ってSlimeVRで補正を掛けたトラッカーを出力し、それをStandableのプロキシトラッカーでリンクした後にPICO Motion Trackerの優先順位を下げて……とやると、PICO側のドリフト補正とSlimeVRのドリフト補正がバッティングしておかしくなりやすいようです。
PICO Motion TrackerをSlimeVR内で組み合わせたり、各種補正を掛けたりする使い方を上手く行く形で伝えるのが非常に難しく感じたので、そちらのやり方については一旦保留にしておきます。(じっくり試してから書くつもりです)
あくまでも今回の記事は、PICO Motion Trackerに対して足首の回転情報を加えることだけを目的としています。
SlimeVRの設定
ダウンロードとインストール
トラッカーの電源を入れて装着する
ダイソーの便利ベルトなどを使って適当に固定しておきます。
固定されていればなんでもいいので、お好みの方法で取り付けてください。
以降は、トラッカーがPCとSlimeVRに接続済みであるという前提で話を進めます。
トラッカーの接続方法についてはお手持ちのSlimeVR対応トラッカーの説明書をご確認ください。今回はSlimeTora v1.5.3を使ってHaritoraXワイヤレスを接続しています。以下はv1.4.0の古い記事ですが今も大体同じ感じです。

Joy-Conを使いたいって場合は以下のアプリケーションを活用してみてください。
いずれの場合もSlimeVR用トラッカーではないものを接続する方法ですので、万が一のことがあっても責任は負いかねますので予めご了承ください。
SteamVRトラッカーの自動設定を外しておく
設定を開いて自動設定をオフにしておきます。「Automatic tracker assignment」をオフ、「Left foot」と「Right foot」をオンにしておいてください。
今回はトラッカーを足の甲にだけ装着するという変な使い方をするため、自動設定だとトラッカーがSteamVRに送られません。(足首扱いで設定しても動きそうな気はしますが、とりあえずこの設定で進めます。)
トラッカー割り当て
SlimeVRウィンドウの左側から「トラッカー割り当て」を選んで、「左足先」と「右足先」にトラッカーの割り当てを行います。
どちらのトラッカーを選べば良いのか分からないときは、割り当てたいトラッカーを2回タップすると選択されます。
マウントキャリブレーション
割り当てを終えたら、使い始める前にキャリブレーションが必要になります。「ホーム」に表示を切り替えておいてください。本来は立ち上がって行う操作ですが、足の甲2個しか使わないので椅子に座ったままやれます。
まず、足を真っ直ぐ揃えて「リセット」ボタンを押します。左右どちらのリセットボタンでも同じなので、右に表示されるチェックリストに従って進めても構いません。
次に、「リセットマウンティング」または「Body」のボタンを押します。スキーポーズをするように言われますが、足の甲にしか付いてないので姿勢を変えないまま行っても構いません。
最後に、つま先立ちの状態で「Feet Calibration」または「Feet」を押してください。座ったままでも構いません。
全て完了すると、VRChatの設定を確認するように言われます。「Go to VRChat Warnings」を押すと現在の設定を確認できますし、「Ignore」で無視することもできます。
VRChatの設定はStandable側で一括設定が可能なので、今回は無視しておきましょう。
ホームに表示される棒人間の足元を見て、足先だけが動いていることを確認してください。
ボディプロポーション
足の甲にしか取り付けていないので、真面目にやらなくても行ける気がします。こちらの説明も省略します。
PICO Motion Trackerの設定
PICO Motion Trackerは最低2個あれば十分です。
PICO Motion Trackerを5点トラッキングにして膝を装着しても構いませんが、今回は「膝」を使用しない方向で設定をします。あとはいつも通りの状態で接続しておいてください。但し、「手首」や「肩」のような使用しない部位はオフにしておいた方がトラブルになりにくいとは思います。
Standableの設定
購入とインストール

基本的な使い方を把握している前提で進めます。ちょっと内容が古くなっていると思いますが、「なんもわからん!」って方は非公式のマニュアルかバージョン3.0アップデート時の記事を読んでおいてください。


事前設定
詳細設定の「ミックストラッキング」で「プロキシトラッカーを使用」にチェックが入っていることを確認します。これがオンになっていないとトラッカーのリンクが行えません。リンクしたトラッカーは非表示にされてしまうので、一応「トラッカーを保持」にもチェックを入れておくほうが良いでしょう。
「起動時にバインドを復元」は次回起動時に前回の状態を自動復元してくれる機能です。便利な機能ですが、SteamVRとVRChatを再起動したときに、トラッカーのリンク状態が復元されると何か困ることがあればチェックを外しましょう。
「デバイスロックでオフセットを固定」はTポーズキャリブレーションを行ってもリンク位置が変わらなくなります。Standableの扱いに慣れないうちはオフの方が良いかもしれませんが、こちらについてもお好みで設定してみてください。
次に「キャリブレーション」で「ペンシルポーズ(足を揃える)」のチェックを外しておいてください。PICO Motion Trackerの自動補正と相性が悪い場合があります。
もし、VRChatのトラッキング設定を変更したことがないのであれば、「その他」から「推奨VRChat設定を適用」を押すと推奨設定に変更してくれます。VRChatの再起動が必要です。
その他の細かい設定については以下。体型比率を調節したいときなど、動作の調整をしたいときにお役立てください。

トラッカーをリンクさせてVRChat内で使う
SteamVRステータスで確認する
PICO Motion TrackerとSlimeVRトラッカーを接続した状態で、SteamVRを起動しましょう。PICO Connectを使用していますが、Virtual Desktopでも構いません。
足先を2つ用意したので、SlimeVRのアイコンが2個点灯していれば準備OKです。見当たらないか、全て灰色に消灯している場合は設定ミスをしている可能性があります。その場合はSlimeVRの設定を開いて「Automatic tracker assignment」をオフ、「Left foot」と「Right foot」をオンにしておいてください。
Tポーズを取ってリンクさせておく
Standableの設定をしたいので、VRChatのキャリブレーションを行う前にまずはTポーズを取ってトラッカーをリンクする必要があります。
StandableにはTポーズキャリブレーションという機能があり、Tポーズを取るだけでStandableのプロキシトラッカーにPICO Motion Trackerなどがリンクされるようになります。
VRChatのキャリブレーション後にやっても構いませんし、ちょっとズレた気がするな~ってときにもTポーズを取れば現在の姿勢を直立状態と見なして再リンクを行い、トラッカーを揃えてくれます。
SlimeVRトラッカーは「回転のみ」に設定する
TポーズキャリブレーションをしてからStandableの「デバイスマネージャー」を開くと、「human://LEFT_FOOT」と「human://RIGHT_FOOT」がそれぞれ「左足」と「右足」に割り当てられているのが見つかるはずです。これがSlimeVR側のトラッカーなので、歯車アイコンを押して設定を変更しましょう。
位置が遠かったりすると割り当てされていないかもしれませんので、手動で「左足」「右足」に割り当てすることもできます。
デフォルトでは「フル(6自由度)」に設定されているので、プルダウンメニューから「回転のみ」に変更して右上の「閉じる」を押して戻ります。「human://LEFT_FOOT」と「human://RIGHT_FOOT」の両方で行ってください。
回転のみに設定すると、アイコンの色が緑色に変わっていることが確認できます。鍵アイコンを押すと設定をロックできます。
PICO Motion Trackerは「位置のみ」に設定する
次にPICO Motion Trackerの設定を変更します。「LeftFoot」「RightFoot」と書かれているトラッカーがPICO Motion Trackerです。実はトラッカー名は変更できるので、「Tracker」と書かれた部分を押して名前を変更しておくと分かりやすくなります。
こちらも歯車アイコンを押してそれぞれの設定を変更しましょう。「位置のみ」に設定します。
状態を確認する
以下のような形になっていればOKです。設定に間違いなければ鍵アイコンでロックしておきましょう。
但し、ミックストラッキング設定で「デバイスロックでオフセットを固定」がオンになっている場合は、ロック状態でStandableのTポーズキャリブレーションを行ってもトラッカーのリンク位置が変更されないので注意してください。
Left/RightWrist(肘)などのトラッカーに胸や腰が割り当てられてしまう場合は、手動で変更してロックを掛けておくこともできます。
VRChatのキャリブレーションを行う
Launch Padの「キャリブレーション」を押していつものようにキャリブレーションをします。Standable側の機能でTポーズをするとアバターにStandableのプロキシトラッカーがスナップされます。
Standableには自動キャリブレーション機能があるので、Tポーズを取らなくても全自動でVRChatのキャリブレーションを済ませることも可能です。VRChatのキャリブレーションボタンを押すと全自動で実行されますが、自動キャリブレーションが完全に終わるまでは身体を動かさないように気をつけてください。
それぞれアイコンの意味は以下の通りとなります。アライメント調整についてはここでは説明しませんので、解説記事を参照してください。
動作を確認しよう
足首を回したりして動作を確認してみましょう。VRChatのメニュー画面を出しているときは、トラッカーも表示されます。
さて、よく見ると地面にトラッカーが埋まっていて、その場で回転だけしていることに気が付くかと思います。恐らく殆どの方は地面の中に埋もれてるので、OVR Advanced SettingsのSpace Dragを使わないと見えないはずです。
このVIVEトラッカーの見た目をしているのが、SlimeVRで足の先として設定したトラッカーです。(※VRChatの設定でトラッカーのモデルをスフィアからシステムに変更しているとVIVEトラッカーの見た目で表示されます)
SlimeVRトラッカーはStandableのプロキシトラッカーに回転だけを反映するのが目的なので、その場から移動しなくても問題ありません。
また、トラッカーの位置情報はあくまでもPICO Motion Tracker側のものなので、つま先立ちは上手くできても座った状態で足首を動かすときは地面に埋まってしまうことがあります。
挙動が少々怪しいときもありますが、最小構成だと足首にPICO Motion Trackerと足の甲にSlimeVRトラッカーの合計4つだけで実現できるのでお手軽ではあります。
トラブルシューティング
トラッカーの設定をしたけど足首が回らない
先にVRChatのキャリブレーションを行ってしまったなどで、PICO Motion Trackerが直接アバターにくっついている可能性があります。SlimeVRトラッカーが回転のみ、PICO Motion Trackerが位置のみになっていることを確認してから、もう一度VRChatのキャリブレーションを行ってみてください。
いつもと比べて全体の動きが変
体型比率がPICO Motion Trackerのデフォルトの位置とズレていることが主な原因だと思われます。上手く調整してみましょう。(人によるかもしれないので詳細については一旦保留)
自動Tポーズキャリブレーションをオフにしたあと、Standableの足首だけをオンにして他はPICO Motion Trackerをそのまま使うようにする手もあります。
膝が思うように動かない
StandableとPICO Motion Trackerの両方で膝をオフにしてみましょう。
両方ともオフにしたらVRChatのキャリブレーションをやり直します。膝のトラッカーがない状態であれば、VRChat側で膝の調整が行えるようになります。この方法はPICO Motion Trackerを5個装着している場合でも有効です。
ドリフトしたときはどうすればいい?
PICO Motion Tracker側のドリフト補正
位置のドリフトはPICO Motion Tracker側の管轄なので、足元のトラッカーを見える状態にしてしばらく見つめていると元に戻ります。もちろん、キャリブレーションをし直しても構いません。PICO Motion Trackerのキャリブレーションを終えた後はVRChatのキャリブレーションをしなくても、TポーズをするだけでStandableが再リンクしてくれます。
SlimeVRトラッカー側のドリフト補正とバインド設定
SlimeVRトラッカー側がドリフトしたときは、足を真っ直ぐ揃えてから「リセット」を押せばOKです。足の甲しかないので、リセットは座ったままでも問題ありません。回転のドリフトは「ヨーリセット」で補正するのが基本ですが、今回のような使い方では全部「リセット」で良いでしょう。
また、コントローラーから「リセット」を呼び出すこともできます。まずはSteamVRの設定を開いてください。
「コントローラ>バインド設定UIを表示」と辿ります。
下の方へスクロールして、「SLIMEVR-BINDINGS-PROVIDER」を選んでください。
バインド設定が開くので、現在のバインドの欄にある「編集」を押します。
JoyStickのクリックなど、好きなボタンにアクションを割り当てます。「リセット」を呼び出す場合は「fullreset」を選んでください。
- yawreset(ヨーリセット)
- fullreset(リセット)
- mountingcalibration(Body)
- feetmountingcalibration(Feet)
- toggletracking(トラッキングの停止・再開)
VRChatの操作と被るのを避けるために「コード」としてボタンの同時押しで実行したい場合は、予め使いたいボタンを「+」ボタンで利用可能にしておいてから、コード側を設定してください。
ドリフト補正のタイミングは?
PICO Motion Trackerで回転ドリフトが起こるのは主に足首と膝です。膝はオフにしてありますし、足首も位置しか使わないように設定したので位置のドリフトを気にするだけで済みます。
そのため、回転ドリフトが起きているときはSlimeVRトラッカー側がドリフトしています。足先の向きがズレているときは、両足を真っ直ぐに揃えてSlimeVRの「リセット」を行うだけです。今回のような使い方(膝なし)であれば、PICO Motion Tracker側の回転状態は気にする必要がありません。
- PICO Motion Trackerは位置ドリフト
- SlimeVRトラッカーは回転ドリフト
とだけ覚えておけば、どちらのドリフト補正を使えば良いのか判断できます。
Standableのプロキシトラッカーに意図しない部位がリンクしてしまった
距離が近いトラッカーが誤って違う部位にリンクしてしまったときの対処法です。例えば肘のトラッカーが腰のプロキシトラッカーにリンクしてしまうことがあるかもしれません。
デバイスマネージャーで間違ってリンクしているトラッカーを見つけて、正しい割り当てに手動で変更しましょう。
そのあと、鍵アイコンを押してロックを掛けておくと、Tポーズキャリブレーションを行ったときに割り当てが勝手に変わらなくなります。但し、ミックストラッキング設定で「デバイスロックでオフセットを固定」がオンになっている場合は、ロック状態でStandableのTポーズキャリブレーションを行ってもトラッカーのリンク位置が変更されないので注意してください。
Standableのプロキシトラッカーからズレた位置でリンクしてしまった
「デバイスロックでオフセットを固定」をオフにしてから、Tポーズキャリブレーションをしてみてください。オフセット固定がオンのままデバイスマネージャーで割り当てをロックした状態だと、プロキシトラッカーとのリンク位置(オフセット)もロックされてしまいます。
PICO Motion Trackerだけを使うときに足の向きが変わらない
SlimeVRを使用せずPICO Motion Tracker単体で使用するときは、Standableを使用せずにVRChatのキャリブレーションを行うか、デバイスマネージャーからPICO Motion Trackerの「右足」「左足」が「位置のみ」になっているのを「フル(6自由度)」に戻してください。
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