PICO OS 6やProject Swanについて発表、PICO Developer Special Eventまとめ

2026年3月2日、PICOは新しいPICO OS 6の発表とフラッグシップ製品のProject Swanについての一部を公開しました。

PICO OS 6の特徴として、統合レンダリングアーキテクチャの「PICO Spatial Engine」や直感的なインタラクションを提供する「Intuition」、オープンなエコシステムとなる「Openness」の3つを掲げています。

動画の内容を元に執筆しているため、誤りがある可能性があります。予めご了承ください。公式サイトからの情報は以下。
https://developer.picoxr.com/pico-os-6/

イントロダクション

これまでのPICOとこれからについて

PICOは2025年に誕生し、この10年間で10種類のXRヘッドセットと5世代にわたるOSをリリースしてきました。

過去2年間の間に未来を見据えて設計していた、PICO OS 6について本日初公開します。これは2D、3D、バーチャル、リアルをシームレスに融合するシステムです。

PICO OS 6の3つの原則

PICO OS 6は効率性、直感性、オープン性の3つの原則に基づいて構築されています。

Efficiency

PICO Spatial Engine

マルチタスクといった効率性は既にPCやタブレットでは解決済みの問題ですが、XRでは従来のアプローチは通用しません。2Dや3D、仮想環境、現実世界といったものを応答性を維持しながら共存する必要があります。

PICO OS 6では、「PICO Spatial Engine」と呼ばれる統合レンダリングアーキテクチャを搭載しています。これはグラフィックス処理の仕組みを根本的な変えるもので、アプリレベルではなくOSレベルでのレンダリング制御や動的リソースの割り当てを行うことで、複数の2D/3Dアプリの調和による真の空間マルチタスクが実現します。

例えばブラウザなどの2Dアプリを開いたまま、フレンドの3Dアバターと一緒に3Dのテーブルゲームをプレイできます。

Intuition

Cloud Crystal

PICO OS 6では、ユーザーに合わせて調節できる入力システムを設計することで自然で直感的なインタラクションを実現。

アイトラッキングやハンドトラッキングといったインタラクションはもちろん、ゲームやクリエイティブな作業にはPICOコントローラーやモーショントラッカーが使用できます。また、マウスやキーボードの操作性も抜群です。

その直感的なOSに合わせた新しいデザイン言語として「Cloud Crystal」を提供。重たさを感じさせず、それでいてしっかりとした存在感があります。

部屋の明るさが変化すると、空間の雰囲気に合わせてUIは動的に変化します。これにより、テキストやその他の資格要素が常に鮮明で精細に保つことができます。

Openness

PICO OS 6は、Spatial、OpenXR、Web、WebXR、Android、PC VRといった幅広いアプリエコシステムをサポートするよう設計されています。

既存のアプリライブラリにも深く取り組んでおり、人気のVRゲームは新しいOS上での完全な互換性があり、優れたパフォーマンスを発揮します。PICOはこれらのエコシステム全体はプラットフォームと同等の柱だと考えており、XRに真に必要なのはオープン性です。

PICO Spatial UI

まずネイティブの空間アプリの開発向けに、新しいPICO Spatial UIが設計されました。空間インターフェースをコンポーネントベースのAPIに抽象化し、デザインガイドラインやFigmaアセット、コンポーネントライブラリなども提供されます。

全てのUI要素は照明やマテリアルの変化に均一に適応するので、明るい環境や暗い環境でも明瞭で安定したインターフェースが実現します。これにより、環境に応じたUIの切り替えコストが削減できます。

spatial-design | PICO Developer

PICO Spatial SDK

PICO Spatial Engineではリアルタイムオクルージョン、テキストの明瞭度、マルチモーダルインタラクションといった要素を意図的に考慮してシステムレベルで処理します。

空間オーディオや自然な物理特性、パーティクルやライティングといった要素にも対応し、これらの共有空間の複雑さの解決のためのコードを書く必要はありません。

また、コアMR機能も提供されます。空間のラベリングや検出、持続的な空間アンカーにより、ユーザーの環境に適合した安定したコンテンツの作成が可能です。

PICO Spatial Engineは最新のECSアーキテクチャに基づいて構築されているため、長期的な拡張性を実現できます。これらの機能はKotlinと慣れ親しんだ宣言型UIフレームワークを使用した「PICO Spatial SDK」を通じて利用できます。

開発を更に容易にするために、Android Studio内で実行できる「PICO Spatial Plugin」と「PICO Spatial Editor」も提供されます。

spatial-toolkit | PICO Developer

Web Spatial

SpatialをWebに導入するのも簡単です。HTMLやCSS、Reactといった使い慣れたツールを使って構築できる「Web Spatial」というオープンソースフレームワークも提供されます。

わずか数行のコードでブラウザを使用したXRアプリを作成でき、軽量で高速です。

Web SpatialはPICOに限らず、あらゆる環境で実行できるオープンソースのフレームワークです。PCやモバイル、PICO OS、vision OS、Android XRなどの空間コンピューティングプラットフォームで動作します。

WebSpatial
WebSpatial is a set of spatial APIs and ready-to-use SDK that extend the standard 2D Web ecosystem to support spatial co...

ゲームエンジンSDKを引き続きサポート

最後に、ゲームデベロッパーに向けて。

PICO OS 6では、Unity、Unreal Engine、OpenXRなどのゲームエンジンによるワークフローも引き続きサポートします。UtilityとUnreal Engineについては特別なサポートにより、他の全てのものと並行して動作可能なMRゲームを構築できます。

ゲームをしながら動画を観たり、友達とチャットをしたりしながら同時にプレイできます。この全く新しいゲームスタイルは、複数のウィンドウやソーシャル機能を備えたデスクトップゲームに近いものです。ネイティブのWebエンジンでも、ゲームエンジンでも、その境界はもうありません。

PICO OS 6のまとめ

PICO OS 6は統合レンダリングアーキテクチャであるPICO Spatial Engineから始まり、空間マルチタスクや環境理解、自然なインタラクションを実現します。

開発者向けには使い慣れたコードでの開発や直感的なツールだけではなく、広大なアプリエコシステムへの完全なサポートも提供します。

全てのツールは既に提供を開始

これらのツールはすべて、今日から利用可能でdeveloper.picoxr.comから提供されます。

新しいPICO Emulatorを使えば、ヘッドセットなしでもすぐに使い始めることができます。PCまたはMacでビルドやテストといったことが可能です。

Project Swan

PICOは過去3年間、「Project Swan」と呼ばれる新たなフラッグシップデバイスの開発に取り組んできました。

Project Swanの目標は、XRの根幹をなす技術的なボトルネックを打破することです。

鮮明なmicroOLEDと光学系

XRデバイスをモニターの代わりとして使うには、テキストが完璧に見えている必要があります。それにはPPDが少なくとも40以上必要です。従来のデバイスでは20PPD程度しかありませんでした。(※PICO 4 Ultraの場合、平均20.6PPDで中央部が22.5PPD)

この問題を解決するために、PICOは新しいmicroOLEDを開発しました。最新スマートフォンのピクセル密度の約9倍となる4000ppiを実現し、カスタム光学系と組み合わせることでProject Swanは平均40PPD、中央部で45PPDを超えています。

これは、Swanを物理モニターの代わりとして使用するのに必要な鮮明度を満たしています。

MR用のカスタムチップとデュアルチップ設計

ヘッドセットでMRを実現するには、シーンを捉えるセンサーからディスプレイを通して人の目に届くまでの間に膨大なパイプラインを経由する必要があります。

標準的なソフトウェアとハードウェアでは、人間の視覚システムの厳しい要求を満たすことができません。

そこで、2022年から独自のカスタムシリコンの設計に着手し、MR向けのチップを開発しました。

自社設計の複数のコンピューティングユニットを統合しており、超低遅延で複数のセンサーからデータを融合できます。これにより、高品質のシースルーで現実世界のリアルな表現を構築します。

また、正確な位置決めと安定したアイトラッキング・ハンドトラッキングも実現し、システム全体のエンドツーエンドの遅延は僅か12ミリ秒にまで低減します。これが画面を見るのと、まるで現実にいるかのように感じるのとの違いとなります。

そして、このような体験を実現するにはパワーも必要となります。

PICO独自のデュアルチップ設計により、Project SwanにはカスタムXRチップに加えてフラッグシップSoCも搭載されています。これは現在PICO 4 Ultraに搭載されているSnapdragon XR2 Gen2と比べてパフォーマンスが飛躍的に向上し、CPU・GPUの性能は2倍以上になります。(※公式サイトにCPUパフォーマンスが+133%、GPUパフォーマンスが+127%向上という記載あり、それぞれ2.33倍と2.27倍に相当)

このカスタムXRチップとフラッグシップSoCの組み合わせで、鮮明なデュアル4K映像を実現します。これら全てのハードウェアイノベーションと、PICO OS 6の空間アーキテクチャを組み合わせることで決定的な結果が生まれます。

最高の品質を求める人のために設計したProject Swanは、PICOの最も先進的なフラッグシップです。今日紹介したのはそのほんの一部であり、Project Swanには他にも多くの技術的ブレイクスルーが詰まっています。現在、この製品をお届けするための最終段階にあります。詳細については正式リリースまでお預けとなり、2026年グローバルリリースを目指しています。

クローズドベータテストを実施

Project SwanとPICO OS 6をいち早く体験したい方のために、グローバールでの早期アクセスプログラムが開始されます。XRプラットフォームに関する深い専門知識を持つ厳選された少数の方を対象に、クローズドベータテストに参加可能です。

早期アクセスプログラムへの応募は、picoxr.comから今すぐ可能です。

Resources | PICO Developer
PICO Unveils OS 6 and Previews 2026 Flagship "Project Swan": Launching Global Early Access Program | PICO Developer
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