Vulkanのスコアが上がった?Pixel 8 Pro Android 15でのパフォーマンスをチェック(25年3月)

前回から半年ほどほったらかしていました。GPUカーネルドライバがアップデートされており、Vulkan周りが変わったと聞いたので、一応確認してみました。

それとやっとSceneが動作するようになっていたので、今回は簡易的ではありますがフレームレート等の計測を行っています。突貫作業でやっているのでちゃんと5%Lowの結果が出るまで動作確認を取らないなどの雑な計測となっており、あまり比較できるデータもないので厳密なことはしていません。

Pixel 8 Pro本体は純正のシリコンケースを取り付けています。

  • Pixel 8 Pro(BP1A.250305.019)
  • GPUカーネルドライバ r51p0-00eac0

前々回

Pixel 8 Pro 6月アップデートでのパフォーマンスをチェック(24年6~9月)
Pixelに6月のアップデートが配信されました。今回の更新で壊れていたFPSカウンターが直りましたので、動作テストを再開してみようと思います。ゲームダッシュボードのFPSカウンターはAndroid 15が出る頃までほったらかしになるのでは?...

前回

Pixel 8 Pro Android 15アップデートでのパフォーマンスをチェック(24年10月)
久しぶりの記事更新です。今回はいつも以上に中身がありません。Pixelデバイス向けにAndroid 15が配信されました。前回から大きな変化はなく、FPSも純正のダッシュボードでしか情報が取れないのであまり詳細な情報はございません。のんびり...

ざっくりと動作テスト

AnTuTu Benchmark v10.1.5

スコアは微妙に下がってますが、温度は35.5度止まりでした。前回は38度まで上がってます。

25年3月24年10月
総合11157251144596
CPU325797323304
GPU383479419818
MEM208049208973
UX198400192501

Geekbench 6

AnTuTuの結果的にCPUに変化はなさそうなので、GPUのベンチマークのみ測定。

確かにVulkanはやけに高いスコアが出ていました。半年前に計測したスコアが6286だったので随分と上がっています。

ついでに確認したOpenCLはあまり変わりない様子。(※1文字違いで紛らわしいですがOpenGLではないので注意)

原神 Ver5.4

原神はVer5.0でナタ編が始まってから45FPSを切る場面も多くなり、相変わらず微妙に感じられます。

最高設定になっているのを確認し、ナタを歩き回りつつ適当に戦闘して動作を確認してみました。

結果としては以下の通り。CPUを使うことが多いからか消費電力も大きめです。元々CPU周りが厳しいのでGPUドライバーが更新されたとしても変化があるとは考えにくく期待はしてませんが、まぁこんなもんかなぁという感じでしょうか。

5% Lowが24.8FPSなのでちょっとなぁと。そういえば原神には24FPSという設定がありましたね。そこまでシビアなゲームじゃないので遊べないこともないのですが。

OpenGLで動作しているはずなのでGI Tunerを利用してVulkanでの動作も見てみましたが、CPUがボトルネックになっているので変化はなさそうに見えました。じっくり確認しないと差が分からない気がします。(※利用は自己責任でお願いします)

でもそれ最高設定だよね、もう少しなんとかならない?

なんとかなりそう。

グラフィックの負荷を下げたら、発熱も減ってもう少しパフォーマンスを維持出来るかもしれません。最低設定にしてレンダリング精度だけを高まで上げました。

レンダリング精度高、アンチエイリアス無効

今回はアンチエイリアスまで切ってしまいましたが、流石にアンチエイリアスぐらいは有効にした方がいいですね。

アンチエイリアスをTAAに設定した場合

10分間の計測中、ナタを歩き回ったり戦闘を行ったりしました。途中、ワープを3回していますのでロードを挟みます。

ほぼ一瞬とはいえ最大フレームレートは50FPSから60FPSになり、平均33.7FPSから43.9FPSぐらいまでは上がりました。消費電力も6Wから4W台まで下がっています。

オシカナタ入ってすぐの広場に移動し、ワープによるロードを挟まない戦闘部分だけを計測すると以下のようになりました。

できるだけ元素爆発を使用してみましたが、エフェクト等を切った最低設定ベースなので流石にもたついたりはしませんでした。温度上昇が控えめになったりGPUの消費電力が下がったことで、それとなくCPU使用率が高くなっているようにも見えます。まぁ、非root状態ではGPU負荷などが取れないので詳しいことは分かりませんし、多くのことを推測や憶測で語らざるを得ない状況ですので話半分に思ってもらえればと。

ただ、少なくとも戦闘中に30FPSを下回る状況はかなり減るので、原神はCPUがボトルネックになるからといってグラフィック設定を下げることに意味がないわけではなさそうです。

崩壊:スターレイル Ver3.1

最高設定では30FPS程度になるので早々に諦め、快適に遊べそうなラインを狙って中設定をベースに解像度とキャラ品質だけを最も高い設定に変更してみました。聞くところによるとグラフィック設定の「通常モードがVulkan」で、「互換モードがOpenGL」らしいので通常モードを選択しています。互換モードだと移動時や読み込み時にかなりもたつきやすいです。

ロード画面を含めない状態での戦闘時のフレームレートは以下の通り。1分程度倍速オートで動かしてみた感じでは大きな問題はなさそうに見えます。

また、ピノコニーのクロックボーイ広場周辺を歩き回った際の引っ掛かり具合なども短時間ながら確認しました。

結果としては、先程のものとそれほど変わらない様子でした。こちらもテレポートなどで生じるロード画面は含めていません。互換モード時(OpenGL)ほど酷くはありませんが、通常モード(Vulkan)でもオブジェクトなどの読み込みが入ったときに一瞬引っ掛かるときがたまにあるようです。

GPU負荷が高いゲームということもありますので、更に負荷を下げてみます。解像度を最高、キャラ品質を高、アンチエイリアスをTAAにした以外は全て最低に設定しました。

シャドウなどをオフにしているのであっさりとした感じになっていますが、解像度とキャラ品質は最も高い設定になっているので、ぼやけたりはしていません。個人的には許容範囲です。

フィールドの移動と戦闘を通しで行って、数分だけ計測した結果は以下の通り。グラフが急激に下がっている部分は戦闘開始前のロードです。

ロード画面を挟んだので最低フレームレートが17FPSとなっています。設定が下がっているので当たり前ではありますが、45FPS以上はしっかりと出ており、体感ではスムーズに動いているように感じました。フレームレートが60FPSに張り付くことはありませんでしたが、解像度を最高から下げると60FPSを維持出来る場面が増えるかもしれませんね。

アクションゲームではないので先程と大きく変わらないような印象がありますが、温度や消費電力を下げる目的で設定を下げても良いかなといったところでしょうか。

ゼンレスゾーンゼロ Ver1.6

動きのないシーンでのフレームレートだけは以前よりも良くなっているようでした。去年の7月に44FPS、10月に53FPSしか出せなかった以下のシーンで60FPSが出るようになっています。

で、肝心のゲーム部分に関しては正直厳しいところがあり、最低設定にしても以下のような感じとなりました。

判定が緩めとはいえアクション性の高いゲームなので最低でも45FPSは欲しいところですが、30FPSを下回らないで済むかどうかぐらいとなっています。タッチした際の反応も鈍く感じられましたので、設定で30FPS固定にして遊ぶ場合でもどうかな……といった印象があります。

原神よりはフレームレートが出ているように見えますが、残念ながら体感では原神よりも体験が悪く感じられました。ゲーム性が異なるので急な操作に対応できずかなり遊びにくいですね。

モンスターハンターNow v95.0

前回と同様に、モンスターハンターNowは快適に遊べると言っても良い感じになっています。

最高設定時はモンスターのグラフィックによってはフレームレートの低下が感じられましたし、フィールド画面からモンスターとの戦闘への切り替え時は引っ掛かりがあります。マルチプレイ時は中~高設定ぐらいにしておけばストレスなく遊べると思います。

中設定と最高設定での比較をしてみましたが、ソロプレイ時は最高設定でも比較的スムーズに動作していました。

高設定で1戦だけ4人マルチプレイをした場合は以下のような感じ。パフォーマンスは相手にするモンスターにもよるのですが、大連続狩猟で4人マルチプレイでの5連戦をしても動作が引っ掛かって危なくなる状況はなかったのであまり心配は要らないです。これがPixelであることを考えるとこの結果に文句はないでしょう。

Pikmin Bloom v115

フレームレートの落ち込みが激しくて操作がもたつくので、しばらくPixel 8 Proでは起動するのを控えていたゲームです。惰性で毎日触っているゲームですが、POCO F6 Pro(Snapdragon 8 Gen 2)で遊んでいるときと比べても、そこまでストレスを感じないレベルの動きになっているように感じました。

シーンの切り替え時にフレームレートが大きく落ちますが、それ以外で動作がガクガクとしてツラいという感じはあまりしません。まぁ、流石に最新のiPhoneでぬるぬる動いてるのと比べると明らかにフレームレートが低いんですが、Android版だと多分こんなもんです。

学園アイドルマスター Ver.1.10.1

久しぶりなので遊び方を忘れていますが、最高設定にして1回分プレイを行いました。倍速のスキップを使用しながらなので1プレイあたり30分ぐらいです。

温度周りを見たかったので今回はあえて最高設定にしていますが、普段は解像度以外の設定を下げておくのが無難かと思います。

端末の温度に関しては10分ぐらい遊ぶと40℃まで上がり、25分程度で44℃まで上がっているようです。最後の方はライブシーンなので30~40FPS辺りでの動作となりました。グラフィックが乱れるといった不具合もなさそうです。

動作自体は特にストレスを感じなかったのですが、40℃を超えてくるとケース越しに熱を感じるのが難点だと思いました。欲張って全部最高設定にするのはやめておきましょう。

それとなく変わった気もするが……。

長らく詳細なパフォーマンス測定が行えない状況だったため、以前と比較できる情報が乏しいのですが、パフォーマンスが大きく変わったような様子はなさそうです。OpenGLで動いているゲームや、CPU性能が重要なゲームは以前と変わりないと思います。発熱に関しては温度上昇が更に緩やかになっている気もします。GPUに負荷が掛かると44℃までは上がるので、グラフィック設定は中設定ぐらいを狙って調整しておくと快適に遊べる時間が長くなると思います。

GPUドライバーのアップデートでVulkanのベンチマークスコアが上がったことから、Vulkanを使って動いているゲームであれば幾らか良くなっている可能性はあります。しかしCPUやメモリ、ストレージの速度といった他の部分が足を引っ張ることが考えられるので、劇的に良くなるという期待はしないほうが良いでしょう。とはいえ、1年ぐらい前の散々な状況からはかなり改善されたように思います。ちゃんとパフォーマンスの改善が行われているという点は評価したいです。(GPUドライバー周りはGoogleではなくArmの手柄じゃないのかというのはさておき)

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