Pixelに6月のアップデートが配信されました。
今回の更新で壊れていたFPSカウンターが直りましたので、動作テストを再開してみようと思います。ゲームダッシュボードのFPSカウンターはAndroid 15が出る頃までほったらかしになるのでは?と予想していましたが、見事に外れました。良かったですね。ただ、TakoStatsやSceneでのFPS取得は行えませんし、CPUやGPUの温度も不明です。root権限を取ってまで試すつもりはありませんので、温度はバッテリー温度だけのレビューとなります。
価格と単純な性能が釣り合ってない事もあり、とりあえずGoogleのPixelにしておけば大丈夫だろうと思って選ぶと痛い目を見るのは相変わらずです。今後中古で安く売っているのを見かけたときや、ゲーム目的ではないけれども時々遊ぶ事があるという人が、どの程度妥協できるのかの参考になればと思います。
- Pixel 8 Pro(AP2A.240605.024 / AP2A.240705.005 / AP2A.240805.005 / AP2A.24.09.05.003)
前回はこちら
6月から9月まで大きな変化がなさそうだったため、Android 15リリースまではこの記事に追記する形で更新する予定です。
ドライバの更新とDisplayPortミラーリング対応
2024年6月のアップデートで、USB Type-Cケーブルを使った外部ディスプレイへのミラーリングが正式対応しました。GPUのカーネルドライバも「r46p0-01eac1」から「r47p0-01eac0」に更新されています。
以前から細工をすると有線ミラーリングの動作はするものの、安定はしないという感じの話があったようなので、安定するまで封印されていただけなのかなと感じました。てっきりデスクトップモード対応までお預けしてるのかなと思っていましたが、そういうわけではなかったようです。
ベンチマークテスト
ひとまずベンチマークテストを行っておきます。(6月分のみ)
AnTuTu Benchmark v10.1.5
AnTuTuはPlayストアで配信されていないので、初回のテスト時からアップデートをしていません。
似たような温度(38℃ぐらい)で測った前回と比べると、108万から115万点に上がっていました。GPUとメモリのスコアが若干上がったように見えます。
発熱時の挙動に関しては、GPUは制限せずにCPUを制限するという方針に変わりはないようです。
Geekbench 6
GPUのカーネルドライバが更新されていたので、Vulkanのスコアだけチェックしましたが「6286点」と前回から特に変化はないようです。
3DMark Wild Life Extreme Stress Test
こちらは12月のとき以来のテストです。流石に気温も10℃以上は上がっており、同条件でのテストではありませんので予めご了承ください。
バッテリー温度は27℃スタートでしたので、23℃からスタートした時と比べて最低スコアがより低くなっていますが、あまり変化はないようです。
ゲームパフォーマンスレビュー
12月時点で60FPSで安定して遊べたタイトルや、入れ直すのが億劫だったものは除外しています。一部タイトルのみ7月や9月アップデート後に確認してあります。
Pikmin Bloom v96.0
iOS版と比べてAndroid版は明らかに動作がモタつくタイトルです。
先月までは画面を切り替える度に長めの読み込みが入ってしばらく操作ができない状況でしたので、しばらくの間はiPhone 12miniで遊んでいました。現在はそのようなこともなくなってストレスが減りましたので、Pixel 8 Proでのプレイに戻しました。
フレームレートは相変わらず低く、20~50FPSを不安定に変動します。
モンスターハンターNow v77.0~83.0
以前は低設定で60FPSどころか、50FPSすらろくに出ていませんでした。少し前からパフォーマンスが良くなっていたように感じていましたが、FPSカウンターが復活したことで改めて確認したところ、大型モンスター相手でも最高60FPSが出せるようになっていました。
最高設定で30FPSを下回るような事もほぼなく、少しは設定を高めにしても大丈夫そうに見えます。但し、スタッタリングは発生しているので、常時60FPSで安定しているわけではありません。モンハンNow側がパフォーマンスを改善している可能性もあるのでなんとも言えませんが、以前よりも安定感が増しました。
4人マルチプレイでも40~45FPS程度は安定して出ています。バッテリー温度も控えめで、40℃を上限に比較的快適に遊べそうです。
Pixel 8 Pro 9月のアップデート(AP2A.24.09.05.003)を適用後にモンハンNow(v83.0)で久しぶりに遊んでみましたが、スムーズに動いています。低設定と最高設定の両方で4人マルチプレイを行ったところ、どちらも55~60FPS程度出ていました。時々引っ掛かって45FPSになる事がある感じでしたが、かなり遊びやすくなっています。
勝利の女神:NIKKE
フレームレートを見なければ比較的スムーズに動いているように見えるのですが、こちらはフレームレートが火力に直結してしまうゲームなので、60FPSが出せない時点で厳しいです。30~50FPSの間で変動している感じは前回から変化がなさそうでした。
原神 Ver.4.7
バージョン4.7アップデートから、スマホ版の「レンダリング精度」に「最高」が追加されるようになりました。
Pixel 8 Proにおいてはレンダリング精度変更によるパフォーマンスへの影響はほぼ無く、低設定にしても軽くはなりません。かといって重くもならないので、いっその事レンダリング精度は「最高」にしてしまっても良いかもしれません。また、他の設定もパフォーマンスにあまり変化がないのですが、シャドウ品質だけは中からフレームレートに明らかな影響がありました。
最も軽いであろうモンド内で時々60FPSになりますが、基本的には30~50FPSの間をうろつくような感じでした。先月までの検証で「少なくとも常時30FPS以上は出ていそう」と述べましたが、その感覚は合っていたようです。移動時に時々モタつく事はありますが、元素スキルや元素爆発の発動時に必ず引っかかるという事はありません。「快適」とまではいきませんが、30FPSか45FPSの設定で「普通に」遊べる感じでしょうか。
バッテリー温度は最高でも41℃で、上がり方も緩やかです。40分程度のんびり遊んでいましたが、大きな不満はありません。デイリーをサクッとこなすぐらいは問題なく遊べるでしょう。
原神 Ver.5.0
原神はバージョン5.0アップデートでグラフィック周りに変更が入ったらしく、動作要件が上がっています。影響のあるSoCに関してアナウンスがありましたが、GoogleのTensorシリーズには特に言及がなかったので、それほど悪影響はないようです。
Pixel 8 Pro(AP2A.24.09.05.003)においては、主に足を引っ張っているのがCPU側ということもあり、影響は軽微であると感じられました。とはいえ、30FPS程度は出ているものの通常プレイにおいて45FPSまで行くことはあまりない様子でしたので、若干重くなった気がしないでもないというか……。
崩壊:スターレイル Ver.2.2~2.3
しばらく遊んでいなかったので、ようやく少しは進めました。羅浮に辿り着いたところですね(遅い
最高設定では、倍速でのオート戦闘時に50~60FPSの間を変動しつつ動作しました。低設定や高設定でも55~60FPSあたりで動作しています。
フィールドでは、ヤリーロ-Ⅵの行政区で50~60FPS程度です。12月のときは立ち止まっていても最高設定で60FPSは全然出なかったと思うのですが、今は時々60FPSが出ています。
バッテリー温度は10~15分程度で42~44℃まで上昇します。今回試した中では最も熱くなりました。
主にGPUを使うゲームのようですので、高温時にCPUパフォーマンスが制限されるだけのPixel 8 Proでは発熱してもパフォーマンスの低下は感じられません。
GPUに掛かる負荷が他よりも高いせいか、原神と比べて温度の上がり方が急激だと感じました。それに43℃となると結構気になる温度なので、発熱を考慮して設定を少し下げるか、30FPSで遊ぶのが良さそうに思えます。
Pokémon Masters EX ver 2.45
まぁ……相性の悪いタイトルはある……。仕方ないね。うん。
スノウブレイク:禁域降臨 バージョン1.8.0
久しぶりにプレイしました。最高設定で最大60FPS、時々50FPSぐらいまで落ち込む感じです。
すぐに41℃あたりまで温度が上昇してしまうので、最高設定のまま遊ぶのはちょっと微妙そうです。11月頃に遊んだ際はなんとなく違和感があった気がするのですが、現在は表示の異常は感じられませんでしたので大丈夫そうに思います。引っ掛かる感じも減ったような気がしますが、どちらも動画などで記録していなかったのではっきりしませんでした。
鳴潮 Ver.1.0
鳴潮はパニシング:グレイレイヴンと同じ開発元のゲームです。
折角なのでどんなもんかなと様子見してみましたが、安定して60FPSで遊べるパニグレと違って、フレームレートは30~50FPSと不安定です。まだリリース直後ということもあり、今後のアップデートで良くなるとは思いますが、今のところは快適ではないと感じます。これに関してはiOSやPC版でも重くなることがあるとのことですので、Pixel 8 Proの動作確認でチョイスしたのは不適切だったかなと思いました。
現状は低設定でも複数体との戦闘時に30FPSを切ることがあるので、パリィやジャスト回避といったアクション重視のゲームであることを考えると厳しいように思います。
学園アイドルマスター Ver.1.1.1~1.2.3
話題の新作。基本的に1人しか表示されない為、7万ポリゴンぐらいのリッチなモデルを堪能できるとかなんとか。他のアイマス作品はPixel 8 Proでも60FPSで安定動作するので期待値は高めです。(※アイドルマスターシャイニーカラーズ SongforPrismはアンチエイリアスを切るという条件付きで60FPS動作していました。)
えー……。インストール前からかなり不穏な感じが漂っていますが、2時間ほど遊んでみた限りでは特に問題はありませんでした。Pixel 8aなどで不安定という話もあるようですが、それも6月のアップデートでは改善しているらしいとかなんとか。
さて、とりあえず高設定/60FPSで遊んでみましたが問題はなく、早送りしながらのプレイでもモタついたり異常な動作をすることはありませんでした。但し、True Endを見られるほどしっかりとやったわけではなく、軽く触った程度なので、どこかでコケる可能性はあるかもしれません。
最高設定/60FPSにすると、ホーム画面などで60FPSが出せない事がありましたが、それでも変な引っ掛かりは感じられません。バッテリー温度も40℃ぐらいで済みますので、崩壊:スターレイルほど気にする温度にならない点は安心できます。
30FPS設定であればバッテリー温度は35~38℃で快適に遊べましたし、一時的に40~41℃になる事があってもすぐに下がります。バッテリー消費の方は、最高設定/30FPSで大体2時間遊んで25~30%ぐらいでした。長時間プレイできそうです。
まだじっくりと遊んでいないのでなんとも言えませんが、今のところは不安定な感じもなければ過熱することもないので多分遊びやすい部類だとは思います。
2024/07/11追記:True Endまで確認しました。最高設定でおよそ40FPSとなりますが、30FPSを切ることはありませんでした。
基本的に常時40FPSで、一部演出で30FPS台になることがある感じです。「月村 手毬 Luna say maybe」では表示の不具合は見受けられませんでしたが、他のアイドルではどうなるか分かりません。
Pixel 6やiPhone 12といった動作に問題のある機種で確認はしているそうなので、今後は大丈夫ではないかと思われます。
学園アイドルマスターの アイドルをより輝かせる ライティング手法 – Speaker Deck https://speakerdeck.com/cyberagentdevelopers/xue-yuan-aidorumasutano-aidoruwoyorihui-kaseru-raiteingushou-fa
ゼンレスゾーンゼロ Ver1.0
Pixel 8 Proの7月アップデート(AP2A.240705.005)適用後にプレイしました。6月とあまり変化はなさそうなのでついでに。
ちょっと高めの設定で遊んでみたところ、とりあえずチュートリアルの時点では問題なくプレイできました。知り合いから聞いた話ではベータテスト時はムービーが酷くカクつく問題があったようですが、Pixelの動画周りの不具合は3月のアップデートで修正されているので大丈夫でした。
屋内では60FPS出ていますが、六分街に出ると38~45FPSぐらいまで下がって重たいです。
設定を変えても軽くはならないようなので、発熱を考慮して見た目が気にならない程度に設定を下げておくのが良さそうです。30~50FPSの間で動作しており、大体40FPSで遊べるぐらいとなりました。
GPU側は高温でもパフォーマンス制限があまり掛からないからか、温度はかなり上がりました。バッテリー温度は45℃まで行きます。
また、会話パートでは3Dモデルの品質が高くなる(?)ようですので、ここでもフレームレートが下がりました。
アクションゲームなので、アクションパートが酷く重くなかった事にはひとまず安心ですかね。フレームレートは低めですが、動作が止まったりするような不安定さは感じられませんでした。
悲惨ということはなさそう
やたら沢山試してみた12月時点と比べると、今回は真剣に検証していないゲームもあるのですが、安定感は増してきているように思います。まぁ……5年以上経つような古いゲームは、仕方ないところはあるでしょう。それ以外は改善が見られますから、前向きに捉えても良いと思います。
崩壊:スターレイルやゼンレスゾーンゼロのように発熱が大きめで心配になるゲームもありますが、多くの場合はバッテリー温度40℃が上限でした。冬場と比べて気温が上がっていてもパフォーマンスが落ちていないのも良いですね。多少温度が高くなっていても新しめの重量級タイトルでも45FPSなら遊べる感じです。30FPS以上はちゃんと出ているので、モバイル向けで一般的な30FPS設定でも構わないのか、それとも高品質な60FPSじゃないと満足できないのかによって評価が変わってくるのではないかなと感じました。(個人的には可能であれば60FPS欲しいけれども、45FPSぐらい出せていれば問題にはならない派です。)
とはいえ、最初からこのぐらいの状態で出して欲しかったのが本音です。Pixel 8aが出る頃にはマシになっているだろうと考えていましたが、微妙に間に合ってなかったのは少し残念でした。ゲーム関連を抜きにしても、グラフィックス周りは6月のアップデートまでDisplayPortでのミラーリング機能を封印していたぐらいですから、なんと言えばいいのやら……。
CPUボトルネック以外の理由で不自然なほどにパフォーマンスが悪いだとか、表示が壊れるといった不具合はソフトウェア的な問題だと考えていますので、本来の性能を発揮できるところまで(ベンチマーク結果相応の動作をするようになるまで)は見届けたいところです。出来が悪いと言うのは自由ですが、言いっぱなしはちょっと無責任かなとも思いますし、直ったところや改善点があればちゃんと発信したいですね。
Pixel 9シリーズが発売されてPixel 8シリーズは投げ売り状態になっているようですし、「サポート期間が長くてついでにちょっとゲームが遊べたら良いなぐらい」であれば購入するのもありではないかと思います。
次に新しく記事を書くのは、Android 15アップデート後の予定です。
2024/07/04:ゼンレスゾーンゼロを追加
2024/07/11:学マスとゼンレスゾーンゼロについて追記、その他いくつかの手直し
2024/09/14:少し遊んだのでモンハンNowや原神について更新、文章の手直し