「Standable: Full Body Estimation」を使用すると、PICO Motion Trackerの位置合わせが楽になったり、スリープするなどしてPICO Motion Trackerが切断されてしまっても身体が吹き飛ばずに済みます。
色々と設定がありますが、とりあえずPICO Motion Trackerと併用する前提での設定をします。(Standable:FBE単体の機能についてはあまり説明しません)
忙しい人のための概要
- PICO Motion Trackerは足が垂直になるように軽く開いてキャリブレーションしよう
- Pencil Poseは無効の方が都合が良いよ
- 足の幅のアライメントは弄らず、プロポーション設定でHip Widthを弄った方が良いかもしれないよ
- 高さがおかしいときは床の高さを調整するかStandableをリセットしよう
- Preserve Trackersを有効にしておくと、Standableとリンク後もPICO Motion Trackerが隠されずに表示されたままになるよ
- 困ったら公式ドキュメントを読もう
Standable:FBEと組み合わせるとできること
トラッカーの自動位置合わせ
Tポーズを取ったときにカチッと音がして、アバターの各部位にトラッカーを合わせてくれます。
トラッキングロスト時のフォールバック
ヘッドセットがスリープするなどしてPICO Motion Trackerがロストしたときに、Standableのトラッカーが代わりを務めてくれます。
トラッカーのスムージング
遅延する代わりに動きが滑らかになります。
メイン画面での設定
Standableとリンクしたい部分だけを有効にする
HipsやChestといった部位をクリックすると、Standableのトラッカーをオン・オフできます。左にある電源ボタンを押すと全てオン・オフ可能です。その他にもオーバーライド機能がありますが、とりあえずそれだけ覚えておけば大丈夫です。
挙動がおかしくなるなどの理由で、StandableとPICO Motion Trackerをリンクさせたくない部位があればオフにしておきましょう。
Tポーズキャリブレーションを使用できるようにする
メイン画面の「T-Pose Calibration」にチェックを入れると利用可能になります。恐らくデフォルトで有効になっているはずです。
Pencil Poseについて
Pencil Poseを使用する場合は、Tポーズキャリブレーション時に両足をピッタリとくっつける必要があります。これに関しては公式ドキュメントの動画を確認するのが最も分かりやすいです。

後述する「直立時の自動補正」の影響で、足をピッタリとくっつけると徐々に位置がズレてくるPICO Motion Trackerとは相性が良くないように思えますので、個人的にはPencil Poseを無効にしておく方が扱いやすいと思います。
キャリブレーション方法
Tポーズを取るとStandableがキャリブレーションモードに入りますが、少々コツが必要です。
Tポーズにはコツが要る
Tポーズキャリブレーションが動作するコントローラーの向きは決まっています。Tポーズをしてから1.5秒経ってもカチッという音と共にトラッカーがアバターに吸着しない場合は、Tポーズのやり方が間違っています。
コントローラーのボタン面が正面を向くような持ち方をしてみてください。
StandableのTポーズキャリブレーションが動作したら両トリガーを引いてVRChatのキャリブレーションを済ませ、そのまま腕を下ろします。コントローラーのトラッキングが飛んで上手く下ろせない事が多いので、トラッキングカメラに映るように少し前寄りに腕を下ろすと良いかと思います。
足を肩幅程度に軽く開くことを心掛ける
「PICO Motion Trackerのキャリブレーション」と「VRChatのキャリブレーション」の両方で「足を軽く開いて」両足が真っ直ぐになるよう心掛けると良いと思われます。というのも、PICO Motion Trackerは直立時に左側の姿勢に補正しようとするので、Pencil Poseを使用して足をピッタリくっつけてキャリブレーションしてしまうと徐々にズレが生じるようになります。
床やベッドの高さを調整
床の高さを確認
メイン画面右下の「Floor & Bed Settings」を押すと、床とベッドの高さ設定が行えます。
基本的にはそのままで大丈夫なはずですが、床の高さがマイナスなどになっている場合は0に戻す必要がありそうです。あるいは、床にコントローラーを置いてから立ち上がり、「Calibrate Floor」を押して床の高さを自動設定します。
PICO本体側の床の高さがズレている場合は、先にPICO側を修正してください。
「フロアの調整」ボタンからPICO側の床の高さを調整できます。
詳細設定を行う
メイン画面右下の「Advanced Settings」から詳細設定が行えます。
Tポーズキャリブレーション時の挙動を変更する
T-Pose Calibration Timer
Tポーズを取ったときに誤爆してしまわないように、Tポーズキャリブレーションが動き出すまでの時間を設定できます。設定するには「T-Pose Calibration Timer」の値を変更します。
デフォルトでは、Tポーズを取ってから1.5秒後に動き出す設定になっています。
Calibration Use Base Floor
キャリブレーション時にSteamVRの床の高さを使うようになります。
キャリブレーションはSteamVRの床の高さを使いたいが、キャリブレーション後はStandableの床の高さを使用したいなどの特殊な用途で使用するものだと思われます。
PICO Motion Trackerとリンクできるように設定
MixedTrackingの項目を設定します。
Use Proxy Trackers
「Use Proxy Trackers」を有効にしておくと、Tポーズキャリブレーション時にPICO Motion Trackerとリンクするようになります。
Preserve Trackers
通常はStandableとリンクした後にPICO Motion Trackerが非表示になりますが、「Preserve Trackers」をオンにしておくと隠さず表示されたままになります。PICO Motion TrackerがStandableとリンクされたまま隠れてしまうと困る事情があれば、Preserve Trackersをオンにしてください。
Link Range
PICO Motion Trackerとリンクする距離を設定します。そのままで大丈夫ですが、変な場所とリンクされたり右足と左足が逆にリンクされてしまうようであればリンク距離を小さくします。
プロポーション設定
Standableのトラッカー位置を調節できます。リンク時にPICO Motion Trackerの位置が変わってしまうので、ここの設定を誤ると挙動がおかしくなります。
こだわりたい場合はともかくとして基本的には触らないでおき、触るとしてもHip Widthあたりを少し弄る程度に留めて様子見するのが良さそうだと思います。
アライメント設定
足の幅、足の角度、トラッカー全体の前後の位置を変更できます。
初期設定は「Alignment Defaults」で調節できますが、PICO Motion Trackerと合わせる場合はあまり弄る必要はなさそうです。
Stance Adjustmentを変更すると足がハの字になるので、PICO Motion Trackerの自動補正の都合上プロポーション設定のHip Widthで調節する方が上手く動作するような気がします。
フォールバック時の設定
以下のような状況で、PICO Motion TrackerからStandableに制御が移ります。
- PICO Motion Trackerのトラッキングが失われたとき(Tracking Status)
- PICO Motion Trackerが身体から大きく離れたとき(Distance)
- PICO Motion Trackerが完全に切断されたとき(Complete Tracking Loss)
フォールバックに移行する時間などが設定可能です。お好みで調節しておきましょう。
Virtual Desktop
Auto Detect VD Issues
Virtual Desktopと併用するときの問題を自動的に回避する設定です。デフォルトで有効になっています。
Disable Velocity Math
Virtual Desktop用の不具合回避策を手動で設定したい場合はこちらを有効にします。
その他
Basic Smoothing
トラッカーのスムージングが行えます。滑らかに動くようになりますが、その分遅延が発生します。0から10までの値を設定できます。
結構きつめにスムージングが掛かるので、設定するとしても値は1で十分だと思います。違和感があれば0のままにしておいてください。
困ったときのリセット
身長設定や床の設定がおかしくなってしまった場合は、「Reset Profile File」を押してリセットを行い、Standableを再起動します。
それでもどうしようもないときはStandableを一度アンインストールしてから再インストールしましょう。
今回使用したVRChatワールド:PICO Carnival
過去記事
