フルトラっぽくなれる、「Standable: Full Body Estimation」を試してみた!

3点トラッキングでもフルトラのように振る舞えると話題の「Standable: Full Body Estimation」を購入してみました。

お値段は2,300円。

Standable: Full Body Estimation
Standable: Full Body Estimation
開発者: Standable
金額: 2300 JPY

頭と手の位置関係から下半身の動きを推定して、足や腰の仮想トラッカー(全部で8点)を良い感じの位置に動かしてくれるアプリケーションのようです。足を自由に動かせるわけではありませんが、追加のカメラやトラッカーの装着を必要とせずフルトラしているかのように振る舞えます。

普段から座ってお喋りしかしてない人や、踊ったりポーズをつけたりしない人には丁度良いかと思います。横になったときも良い感じにしてくれるので、VR睡眠にも良いかもしれないという意見もあります。

実行環境

  • Ryzen 7 5800X3D
  • Radeon RX6800
  • ALVR v20.0.0 Nightly(※もしかするとStableのv19だと上手くいかないかも?)(※Stableもv20がリリースされました)
  • Virtual Desktop 1.29.10
  • Quest 2
  • Standable: Full Body Estimation v1.1
  • Windows 11 Pro 23H2

インストール(説明にはなってない)

ALVR Nightlyでの説明になります。

ALVRの初期設定だとALVR以外のアドオン・ドライバ類が蹴飛ばされてしまうので、自動登録をしないようにして全て手動で登録して動くようにしておきます。

首をかしげながら試行錯誤してたので、ちゃんとした手順が説明できません。ごめん。

ALVR経由で起動して、以下のようになればOKです。Virtual DesktopやQuest Link/Air Linkを使用するなど、ALVRじゃない方は特に苦労しないと思います。単にインストールした時点でSteamVRのアドオンに登録されているはずです。

トラッカーの設定

認識されたら、SteamVRの設定内にある「コントローラ」から「トラッカーの管理」を開きます。

/devices/standable/*となっている全ての仮想トラッカーを適切な役割へと設定します。

  • Chest → 胸
  • Left Elbow → 左肘
  • Left Foot → 左足
  • Left Knee → 左膝
  • Right Elbow → 右肘
  • Right Foot → 右足
  • Right Knee → 右膝
  • Waist → 腰

多分これであってるはずです。間違っていたら鼻で笑っておいてください。

キャリブレーション

最初にキャリブレーションを行います。これはSteamVRを起動する度に毎回行う必要があるとのことです。

コントローラーを地面に置く

「ベースステーションを利用するHMD」を利用している場合に必要な操作です。(Quest 2などインサイドアウト方式のHMDの場合は、何もせずともデフォルトの床の高さを自動的に利用します。)

23/05/14追記:コントローラーを地面に置いてからヘッドセットとの高さが120cm離れると、床の高さがコントローラーの置いてある高さに設定されるようです。この操作はいつでも行えますので、うっかりコントローラーを置いてしまって設定がおかしくなってしまったときは、再設定してみましょう。

  1. コントローラーを地面に置きます。
  2. コントローラーを地面に置いたまま、まっすぐ立ちます。
  3. これで設定が完了するので、コントローラーを拾います。

クイックキャリブレーション

  1. Tポーズを取ります。
  2. その状態で、親指を立てた状態👍から手首をひねって親指を下げます👎
  3. 仮想トラッカーが身体に密着するので、Tポーズで再び手首をひねる操作をしてキャリブレーションモードを終えます(※下を見ず、まっすぐ前を見ること

身体に密着している状態(真下を見ている)

キャリブレーションモードを終えると足のトラッカー(膝かな?)が奥へと飛んでいきますが、位置ではなく方向を設定する用らしいのでこれで正常なはずです。

この操作(👍→👎)がなかなか上手くいかないのですが、頑張って……。

v1.1からは最初からキャリブレーションモードで起動するようになりました。

v1.1の更新で、キャリブレーションモード時にメッセージが表示されるようになりました。

VRChat内での設定

情報は以下のパッチノートを元にしています。(2023年5月 v1.1の更新)

Patch Notes for May 14 (v1.1) :: Standable: Full Body Estimation Events & Announcements
View full event information here:

事前準備

VRChatでは、アバターの測定方法を腕の長さではなく「アバターの高さ」に設定し、肩のトラッキングを無効にして頭の位置を固定する頭とお尻の両方を固定すると良いとのことです。

※これは古いUIのときの設定画面

身長設定とFBT Spine Modeの設定

「Lock All」から「Lock Both」に表記が変更されています。

FBT Tracker Modelはお好みで

肩のトラッキングを無効にする

v1.0では頭を固定する設定でしたが、v1.1では全てを固定する設定に変更されました。なんかすっぽかしてるかもしれませんが、これで事前準備は完了です。

トラッカーをSystemに設定すると、トラッカーの3DモデルがVRChat内に表示されるようになります。v1.1で追加されたキャリブレーションモード中の表示は仮想トラッカーを使って行っているので、VRChat内でそれを表示したい場合には必要な設定です。

あとはいつも通りキャリブレーションするだけですが、これも手順があります。

VRChat内でのキャリブレーション

VRChatのキャリブレーションモードに入ると、アバターがTポーズになります。Standable側のキャリブレーションモードも開始するために、自分もTポーズを取ります。

まずTポーズを取る

その状態で「手首をひねる」と先程と同じようにトラッカーが整列するので、先にトリガーを引いて確定します。

トラッカーが移動した状態

VRChatのキャリブレーションモードを終えても、そのままでは足が直立状態で動かないので、もう一度手首をひねってStandable側のクイックキャリブレーションモードを終了します。

寝転がったときに、ちゃんと足が横へ移動してくれたらOKのはずです。公式の説明動画を観た限りでは、これで設定完了のようです。

上手く体操座りにならない?そんなときは

座ったときに、足が身体に埋まってしまって上手く体操座りをしてくれないかもしれません。

足が身体に埋まってる状態

とりあえずの対処方法ですが、「Adjust FBT」を利用してトラッカーの位置調整をします。少しだけ足を前に出すと、とりあえず解決します。設定画面の下にある「Show Advanced Settings」と書いてある部分を押すと項目が出てきます。

Adjust FBT

座った状態で実行し、トリガーで掴んで足を前に出します。やり過ぎると立ったときに後ろのめりになるので注意。

少しだけ前に出す

ちょっと前に出しすぎたので後ろのめり気味

これだと前に出しすぎたかもしれない(スカートは全然弄ってないので足の貫通は勘弁ね)

これが正しい対処方法かと言われると、なんか違う気がするなぁと思います……。他のアバターでも同じようになりますし、ある程度妥協しています。

【追記】v1.1でちょっと改善されました

v1.1での未調整状態

トラッカーの位置調整をしなくても、少しマシな状態になりました。

寝そべるときの体勢も改善したとのことです。(※「頭を固定する」設定から、「全てをロックする」設定に変更する必要があります。)

一部のトラッカーを無効にしたい場合

sfbe_settings.txtを書き換えることで対応できます。

C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\Standable Full Body Estimation\sfbe_settings.txt

例えば肘トラッカーを無効にする場合は、left elbowとright elbowを0にします。

3点トラッキングが豪華になった感じ

フルトラか?と言われると全くもってフルトラではないのですが、3点トラッキングの不満点が2,300円で解消できるようになりました。自分はあまり入り浸っていないので分からないのですが、肘にも仮想トラッカーが入っているので、上半身の動きが結構自然な感じになったとの評判です。

腰にトラッカーが入ったことで、身体の向きを変えずに顔だけ横を向けるという当たり前の事がやれますし、割と自然な形で寝っ転がったりするので結構楽しめました。ただ、お辞儀するのは無理そうですね。

仮想トラッカーなので電池が不要ですし、実体がないので、物理的に身体に装着する必要もないので非常に楽です。SteamVRのアドオンとして動作するので、制御用アプリケーションをいちいち立ち上げる必要もありません。ただ、手首をひねるキャリブレーション方法が少しやりづらいのがネックかなと思います。

今後のアップデートで改良されたり、新機能が追加されるかもしれませんのでなかなか期待が持てます。現状でも満足できる人は居ると思いますし、個人的にはとても満足しました。

2023/05/16:v1.1アップデートについて追記。
2023/06/03:説明画像の差し換え、トラッカーの表示について追記。
2024/01/10:現在のVRChatのUIに合わせて内容を編集。

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