PICO 4 Ultraを身近に使ってるフレンドがいたりして、時々実施される特別セールで新たに入手した方もいらっしゃるかと思います。そのまま使おうとすると「つまずいてしまうポイント」がいくつかありますので、無事PC版のVRChatが始められるところまで説明していきます。
2025年7月15日更新
時々セールをしているPICO 4 Ultra
過去にはVRChatと協議して用意された、PICO 4 UltraとPICO Motion Trackerのセットとなる、「PICO 4 Ultra GIFT SET」が1,068セット数量限定で販売されました。ポリウレタン製フェイスカバーやクリスマスカードも同梱されます。
本来なら89,800円+11,800円で税込み101,600円してしまうところ、なんと税込み86,800円と格安価格で販売されていました。4月に「PICO Motion Tracker Waist Version」が出たときも、先着でトラッカー3個を無料進呈するキャンペーンが実施されました。
今後もセット販売があるかもしれないので、要チェックですね。
(※正規販売店はAmazon、ヨドバシカメラ、ビックカメラだけですのでご注意ください。)
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Amazonプライムデーで特価79,800円のセールが行われたこともありました。
本体のセットアップ
PICO 4 Ultraの電源を入れたら、まずは画面に出る指示に従って最初のセットアップを済ませておきましょう。ホーム画面まで辿り着いたらスタートです。
コントローラーやカメラの不具合や、レンズの歪みがないか確認しよう(初期不良チェック)
もしかすると文字が歪んで見える個体があるかもしれませんので、よく確認しておきます。
多少の歪みは仕様ですが、文字が酷く歪んでいて画像すらも歪むようなら初期不良です。PICOのサポートに問い合わせて修理や交換をしてもらってください。
シースルーモードのカメラや、コントローラーの動作もついでに見ておくのをおすすめします。
PICO OSのアップデートをしよう
不具合の改善などが含まれていますので、設定からOSアップデートを行っておきます。PICO OSは致命的な不具合なども少なく比較的安定しているので、アップデートをしても大丈夫です。
2025年3月26日時点での最新版はバージョン5.13.3.Uです。
PICO Motion Trackerを繋いでみよう
プリインストールされているMotion Trackerアプリで、トラッカーの接続が行えます。
最初にやることといっても「ペアリング」と「身長設定」ぐらいです。
身長設定がどうにもしっくりこないときは、Motion TrackerアプリではなくVRChat内の身長設定やトラッキング設定を変えた方が良さそうです。足首に装着する際は、ズボンの裾などでトラッカーが隠れないように気をつけてください。取り付ける向きもボタンやLEDがある方が上になります。
2回目以降はPICO Motion Trackerの電源を入れて足首に装着し、キャリブレーションを行うだけとなります。2回目以降のPICO Motion Trackerのボタン操作は以下の通りです。
- 短押し:電源オン
- 2秒長押し:電源オフ
- 6秒長押し:ペアリング
PICO Motion Trackerを3個接続するときは
腰にもトラッカーを取り付けて、3個セットで使用するときは追加の設定が必要です。
Motion Trackerアプリの設定ボタンから設定を開き、使用Trackerの上限を「3個のトラッカー」に変更します。
ウエストトラッカーの位置は「ウエストの前面」と「ウエストの後ろ」のどちらかが選べます。
普段使いやよく分からない場合は「ウエストの前面」がおすすめです。
姿勢や使い方次第で前面にあると邪魔になる場合は、「ウエストの後ろ」に設定します。
キャリブレーション後は床の高さも確認しておこう
PICO Motion Trackerのキャリブレーションを完了すると3Dモデルが表示されますが、この3Dモデルが浮いていたり沈んでいる場合は床の高さを調整する必要があります。
モデルビューの左上に表示されている「フロアの調整」ボタンを押して調整をします。
「設定>安全保護>フロアレベルの調整」からも同様の設定が行えます。
キャリブレーションができなくなったときは
キャリブレーション時はトラッカーが服などで隠れないようにして、トラッカーが垂直になっている事を確認してください。特に腰トラッカー装着時に斜めになっていると上手くキャリブレーションが進まない事があります。
PICO Motion Trackerが接続されており、取り付ける向きも上下逆になっていないにもかかわらず、キャリブレーションが動かなくなった場合はペアリングの解除を試します。トラッカーの詳細情報ボタンからペアリングを解除できます。
一時的に2個に戻したいときは
ペアリングの解除はしなくても、足首用2個だけ電源を入れればそのままキャリブレーションが可能です。既に3個繋がっている状態であれば、腰用のトラッカーの電源ボタンを2秒長押ししてオフにしたらOKです。
時々ファームウェアアップデートを確認しよう
稀にPICO Motion Trackerのファームウェアアップデートが配信されていることがあります。詳細情報は不明ですが、接続安定性や精度向上といった改善が含まれている可能性があるため、最新の状態にしておくのが望ましいでしょう。
アップデートは特に通知されないので、手動での確認が必要です。
足首用を腰トラッカーとして固定したい
PICO Motion Trackerは足首の2個だけで利用可能ですが、3個目を買ってきて腰に取り付けると座ったときの動作が安定します。現在は腰用1個が販売されているので、基本的にはそちらを追加購入すればOKです。
今のところ3個が上限ですが、PICO OS 5.14.0.Uでは5個まで対応する予定とのことです。

もし足首用2個を追加で買っている場合は腰固定用のベルトはないため、適当に延長するか別のベルトに簡易固定するなどして装着をします。
写真の場合は、DAISOで買ってきたGIベルトに面ファスナーを使うことでPICO Motion Trackerを固定してあります。
近所に100円ショップがあれば長さなどを確認してから購入できますし、こだわりがなければ最安で済ませられると思います。
PC側の準備
Windowsの修復やグラフィックドライバのクリーンインストールを行っておく
Windowsやドライバー類が壊れているところへSteamVRやPICO Connectをインストールしても正常に動作しない可能性が大いにあります。壊したつもりがなくても、知らないうちにあちこち壊れていることはよくあるので、土台となる部分をしっかり整えておきましょう。
「設定>システム>回復」から「Windows Updateで問題を解決する」を選んでWindowsの再インストールをする方法もありますが、今回はコマンドで簡単に修復をしておきます。
Windowsのメンテナンス
- コマンドプロンプトやターミナルを管理者権限で起動する
スタートボタンを右クリックすると、ターミナルを管理者権限で起動する事ができます。
- DISMコマンドを実行して修復に必要なファイルを準備する
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
お使いのPCによっては時間が掛かる場合があります。
- システムファイルチェッカーを実行する
sfc /scannow
DISMが終了したら続けてSFCを実行します。こちらも時間が掛かる場合があります。
- 実行結果を確認する
「Windows リソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。」あるいは、「Windows Resource Protection で破損したファイルが見つかり、正常に修復されました。」と表示されていれば完了です。
修復に失敗した際は、セーフモードで実行する必要がある場合も。
グラフィックドライバのクリーンインストール
DDU(Display Driver Uninstaller)をセーフモードで実行して、グラフィックドライバを完全に削除した状態でドライバの再インストールを行ってください。AMD Radeon環境の場合は、AMD Cleanup Utilityを使用することもできます。
Microsoftアカウントを使用している場合は、セーフモードに入る前にサインインオプションの変更する必要があります。「セキュリティ向上のため、このデバイスではMicrosoftアカウント用にWindows Helloサインインのみを許可する(推奨)」のチェックを外しておいてください。(セーフモードではPINでログインができない為)
こうすることで、セーフモード時にパスワードでログインが可能になります。


グラフィックドライバのバージョンについて
AMD Radeonの場合
Radeonの場合は最新のドライバーをインストールして正常に動作することを確認しています。但し、バージョンによってはブラウザの動作が怪しかったり、他のゲームなどでスタッタリングするなどして安定しない可能性もあるので、比較的安定しているオプショナルの25.4.1かWHQL通過版の25.3.1で当面の間は様子見するのもありです。(※Virtual Desktopでの推奨バージョンは25.3.1です)
注意点として、25.3.1~25.4.1ではSteamVRがメモリリークする不具合がありますので、SteamVRの設定で「モーションスムージング」をオフにしておいてください。ドライバー関連の情報などは以下をどうぞ。

24.12.1以降のドライバーを使用する場合、VRChatで「–disable-amd-stutter-workaround」を起動オプションに入れておくとスタッターの問題がなくなり非常にスムーズに動くようになります。(※単なる不具合の可能性もあるが、ドライバーの更新によりかつての不具合対策が不要になったという可能性もある)(※PICO Connectでのみ有効、Virtual Desktopは設定の必要はないものの一応覚えておくと良い)
NVIDIA GeForceの場合
一度もドライバーのインストールやアップデートをした記憶がない場合、560.94(32.0.15.6094)が自動インストールされている可能性があります。ドライバーバージョンによっては、長時間プレイ中にエンコーダーが応答しなくなり映像が停止するトラブルに遭遇することがあるようですので、動作がおかしい場合はバージョンの確認とアップデートをしてください。
GeForceは572~576系ドライバーで多数の不具合が確認されているため、GeForce RTX4000番台までをお使いの場合はひとつ前の566.36にしておくのが無難かと思われます。(※566.36までのドライバーは5080や5090などに非対応なので注意しましょう。)
RTX5000番台の場合は最新の576系ではなく572.83であれば安定するという情報もあります。不具合の例としてはプレイ中に急にSteamVRがクラッシュしたり、AV1コーデック使用時に緑のバーが表示される不具合が起きたりします。RTX5070Tiを使用した環境で「ドライバーバージョンを572.83に変更すると、急なクラッシュやAV1コーデックの不具合が直った」との報告が2件ありました。(※572.83が全ての環境で上手く動作するとは限りません。)
Game ReadyドライバかStudioドライバのどちらを選ぶかについては、VRChat以外にも最新のゲームをいち早く遊ぶ目的があるならGame Readyドライバをインストールします。Studioドライバはクリエイティブ用途での動作確認が行われているため、安定性重視ならStudioドライバにしておくと良いでしょう。(※例えばUnityやPhotoshopなどでアバターの改変をするようなものが該当します。)
SteamVRとVRChatのインストール
Steamをインストールして、SteamVRとVRChatを入れます。(詳細は割愛しますが、必要に応じてOVR Advanced SettingsやXSOverlayなどもインストールしましょう。)

かつてはPICO固有の問題が生じることもありましたが、現在は大丈夫です。もし、今後のSteamVRアップデートで不具合が生じた場合は、ベータの項目からbeta及びpreviousを選択してみることも可能です。
PICO Connectのインストール
PICO 4 UltraをPCで使うために、「PICO Connect」をインストールします。同じダウンロードページにある「ストリーミングアシスタント」は入れないでください。
現在はALVRやVirtual DesktopでもPICO Motion Trackerを動かせるようになりましたが、Virtual Desktopの場合はハンドトラッキングに非対応です。ハンドトラッキングを使いたい場合は、PICO ConnectやALVRが必要です。
Virtual Desktopを使用する際の設定方法や注意点などは以下を参照してください。

ログイン不要、ゲストモードでOK
ログインをする必要はありません。
ログインすると自動接続する便利な機能が使えますが、そのぐらいの差しかありません。また、過去に誤配信されたバージョン10.3.9などの中国版には日本などのアカウントではログインできない仕様があるので、中国語のログイン画面が出てきてログインできなくても慌てないように。
バージョン10.3.10からはちゃんとグローバル版が配信されていますので、まだ10.3.9の方は必ず公式サイトからダウンロードして手動でアップデートしてください。
ログインする場合は「自動起動」と「最小化」に注意!
ログインすると「自動接続」「起動時に開始」「終了時にシステムトレイに最小化」が使用可能になります。
このうち、「起動時に開始」「終了時にシステムトレイに最小化」に注意。Virtual Desktopなどと併用する際に裏でPICO Connectが起動したままとなるので、トラブルが起こる原因となります。
- 「起動時に開始」はWindows起動時に自動的に起動するオプションです。
- 「終了時にシステムトレイに最小化」は閉じるボタンを押したら最小化してタスクトレイに常駐したままになる機能です。
タスクトレイにPICO ConnectとVirtual Desktopの両方が居座っている場合、SteamVRを立ち上げても接続が行えなくなります。必ず片方が終了していることを確認しましょう。
ネットワークアダプターの省電力設定を無効化する
デバイスマネージャーからネットワークアダプターのプロパティを開き、省電力設定を無効化します。この操作が必要ないPC環境もありますが、PICO Connect使用時に頻繁に切断されたり映像が停止したりする場合はこの対策が必要です。
また、関連するかもしれない情報として、認識不良防止のために「USBのセレクティブサスペンド」も無効にしておくことをおすすめします。こちらはコントロールパネル側の電源オプションから変更可能ですが、SteamVR起動時に高パフォーマンスプロファイルに切り替わるはずですので、そちらの方を変更しておいてください。
PCと接続する
PICO Connectを起動する
まずはPC側でPICO Connectを起動しておいてください。まだSteamVRは起動しないでください。
接続ボタンを押してPICOをPCと接続する
次にPICO側でConnectアプリを開き、「接続」ボタンを押すとPCに接続されます。
Wi-FiやUSBの表示が「2.4GHz」や「USB 2.0」とオレンジ色の文字で表示されている場合は低速な接続方法となりますので、5GHz帯のWi-FiやUSB 3.0のポートへの接続を推奨します。
また、Wi-Fi接続の場合はPCとPICOは同じネットワークに接続されている必要があります。2重ルーター状態になっているとPCが検出できません。Wi-Fi接続を使用する際は、PC側はWi-Fiではなく有線LANで接続されていないと不安定になるので気をつけてください。
PCと接続されたら、「SteamVRを起動」ボタンを押します。
するとSteamVRが起動して、ホーム画面からSteamVRの画面に移行します。
左手コントローラーのメニューボタンを押すとSteamVRのオーバーレイメニューが表示できます。
SteamVRステータスの表示について
コントローラーやトラッカーが正常に認識されていれば、「SteamVRステータス」に以下のように表示されます。
PICO Motion Trackerを使用していない場合は、ヘッドセットとコントローラーだけが表示されます。
もしPICOをPCと接続する前にSteamVRを起動してしまった場合は、コントローラーやトラッカーが表示されません。一度SteamVRを閉じて、PICOとPCを接続した状態でSteamVRを起動してください。
ルームセットアップを要求される場合は
SteamVRを起動した際に、ルームセットアップを要求されてしまう場合はルームセットアップのウィンドウを閉じてしまうか、「立位のみ」の設定を選んで適当に進めることができます。
PICOがスリープ状態になると「次へ」が押せなくなりますので、頭に被ったまま鼻の隙間から覗き込みながら適当に進めるか、近接センサー部分を隠してスリープしないようにしてから進めてください。
「ヘッドセット障害物あり」と表示されて進めない場合は、PICOをPCと接続せずにSteamVRを立ち上げてしまっている可能性があります。あるいは、PICO ConnectとVirtual Desktopが同時に起動している状態となっており問題が生じている事も考えられます。
タスクトレイを確認し、PICO ConnectかVirtual Desktopのどちらか一方だけが起動している状態にしてから、PICOをPCと接続をした後にSteamVRを起動してください。
床の高さなどのルームスケール設定はSteamVRが起動する度にPICO 4 Ultra本体のものが使われるので、SteamVRのルームセットアップは重要ではありません。もし適当にルームセットアップして床の高さがおかしくなっても、SteamVRを立ち上げ直すとPICO 4 Ultra側で設定された床の高さに戻ります。
PICO Connectの各種設定
無事SteamVRの画面にたどり着けたら、画質や音量といった各種設定をします。
解像度やビットレートを上げすぎないようにしよう
最初は「スムーズ設定」と「最低ビットレート」で動作確認をしておきましょう。どこまで設定を上げられるかはお使いのPCスペックとWi-Fiの速度次第です。特にVRChat目的の場合はCPU・GPU共にかなりのスペックを要求されます。内蔵グラフィックスでのプレイは難しいです。
また、解像度設定を上げるとPICO 4 Ultra側で処理する解像度も上がるので、バッテリー消費が増えます。
設定 | 解像度(グラフィックボードの目安) |
---|---|
スムーズ(Smooth) | 1728px(GTX1070/RX5500XT) |
標準画質(Standard) | 1920px(RTX2070/RX5700XT) |
高画質(High) | 2208px(RTX3070/RX6800XT) |
超高画質(Super) | 2592px(RTX3090/RX6950XT) |
ウルトラHD(Ultra) | 3120px(RTX4090/RX7900XTX) |
ウルトラHD+(Ultra+) | 3480px(RTX4090/RX7900XTX以上) |
Wi-Fiが十分高速だったりUSB接続で使用するという前提で、ギリギリまでビットレートを盛りたい場合はAVC(H.264)コーデックを選択しますが、そうでなければHEVC(H.265)やAV1に設定しておくほうが画質とビットレートのバランスが取れていて安定しやすいです。
AVC(H.264) | 高ビットレートを設定する場合に有用、低ビットレートでは品質が悪くなるため使用しない方が良い |
---|---|
HEVC(H.265) | 品質とエンコードサイズのバランスが取れており、Wi-Fi接続時に有用 |
AV1 | PICO 4 Ultra専用、HEVCと比べて低ビットレート時でも品質が高い |
コーデック | Wi-Fi接続時 | USB接続時 |
---|---|---|
AVC(H.264) | 20~300Mbps | 20~1000Mbps |
HEVC(H.265) | 20~150Mbps | |
AV1 |
PICO Connectに関する詳細情報は以下。

音声出力デバイスは接続前に設定しておこう
PCの音声をPICO本体から出力したい場合は、音声出力デバイスを「ヘッドセット」に設定します。この設定はPICOをPCに接続する前に行わないと上手く音が出ない事があるようです。
イヤホンジャックがないので有線イヤホンを使うにはUSBから音声出力する必要がありますが、USBハブを経由すると動作しないなどの制約があってあまりおすすめはしません。Bluetoothイヤホンを繋ぐ方法もありますが、混線具合によってはあまり安定しない場合があることや、イヤホンのマイクが使われてしまう場合に細工する必要があり少々面倒です。
手元の環境では、PCにアンテナ付きのBluetoothアダプターを繋いで、PCからBluetoothイヤホンを使用するのが安定しました。(※Bluetoothイヤホンのマイクは使用しません)
マイクの音量を下げよう
マイクの音量は50から上げないようにしてください。100はもってのほかです。バリバリに割れます。
「ヘッドセットのマイクのノイズ削減」がオンになっている場合は、30ぐらいで十分だと思われます。特にVRChatでは追加のマイクブースト処理が入ってしまうので、PICO Connectのマイク音量はかなり小さくする必要があります。
「ヘッドセットのマイクのノイズ削減」を使うなら「VRChatのノイズ抑制」などに注意
「ヘッドセットのマイクのノイズ削減」がオンになっている場合はPICO Connect側でノイズキャンセリングが動作するので、VRChatの「ノイズの抑制」はオフにします。「マイクが有効になる音量」も0~2%程度で大丈夫です。上げすぎると声が途切れたりします。
「ヘッドセットのマイクのノイズ削減」が有効の場合、PICO Connect側のマイク音量が30ぐらいでもブーストが掛かっているため、VRChat側のマイク音量は50程度で十分聞こえると思います。自分の声の大きさに合わせてVRChat側を調整すると良いでしょう。気持ち小さめからスタートしてフレンドの方と相談しながら音量を上げていくのがおすすめです。
PCのファンや扇風機の音、マウスやキーボードの音はPICO Connectのノイズ削減で十分ですが、周りがあまりにも雑音だらけでどうにもならない場合は、VRChat側の「ノイズの抑制」をオンにする必要があるかもしれません。
設定例
色々と試してみたところ、VRChatで使用する際の目安として以下のような感じになりました。(※PICO 4 Ultraの場合)
PICO Connectの音量 | VRChatのマイクの出力音量 | |
---|---|---|
パターンA(音圧控えめ) | 20 | 80前後 |
パターンB(しっかり) | 30 | 50前後 |
音圧控えめのパターンAは、低い声や大きな声の方で上手く機能しそうな感じがありました。パターンBは声が高音寄りの方や、小声の場合に音割れしない程度にしっかりめに聞こえるようになると思います。声質によってはどちらも聞こえ方が全く変わらない可能性もあります。
実際にどう聞こえるかは分からないので、何人かのフレンドに協力してもらってパターンAとパターンBの両方を試し、好評だった方をベースにVRChat側の音量を微調整してみるのが良さそうです。
ちなみにPICO Connectの音量を15まで下げてしまうと、VRChatのコンプレッサー処理で持ち上げるにしても小さすぎるようで、フレンド曰くなんとも言い難い違和感があるとの事でした。これらはあくまでも目安ですので、自分に合った設定を探してみてください。

【Tips】VRChat内で自分の声を確認するには
VRChatでの聞こえ方を確認する方法です。相手との距離によっては音が割れる事があったので確認しておくと良さそうです。
アバターではなくワールド用のプロジェクトを作成してテストビルドするという手段を用いると、VRモードとデスクトップモードのローカルテスト用のVRChatを同時に起動できます。
アバターのアップロードをするときと同じようにUnityを使用します。ワールド用のVRChatプロジェクトを作成して、そのままVRChat SDKのBuilder画面を出します。VRで動かす準備をするために必ずPICO Connectを接続しておいてください。
「Force Non-VR」にチェックが入っているとデスクトップモードで起動します。まずは「Build & Test Your World」に設定してBuild & Testボタンを押してVRChatを起動してみましょう。
VRChatが起動できたのを確認したら、VRChat内でマイクのミュートをしておいてください。今度は「Test Your Last Build」に変更します。
1つ目のVRChatをVRモードで起動している場合はForce Non-VRにチェックを入れてからTest Last Buildボタンを押します。デスクトップモードで起動していた場合はチェックを外してから起動します。(Force Non-VRのチェックの有無は手順が逆でも大丈夫だと思います。)
PICOを装着して、少し後ろに下がるともうひとりの自分がエラーアバターなどでそこに立っているのが分かると思います。VRモードとデスクトップモードのどちらもPICOのマイクを使う設定になっている状態ですので、VRChatの設定で片方がミュートになっていれば声が二重に聞こえてくることはないはずです。
アバター同士が重なるほどの至近距離に移動したり、普段フレンドと会話をするぐらいの距離に移動したりしながら、マイク音量の調整を行います。
マイクの遅延対策をする
PICO Connect使用時に限って、VRChatのワールド移動時にマイクがオン・オフされてしまい、遅延が発生する問題があります。こちらはWindowsのサウンド設定などを開きっぱなしにしておくことで回避可能です。
VRChatを起動していない状態で、タスクバーにマイクのアイコンが出ていればOKです。常にマイクが使用中になっていれば良いので、マイクを使用するアプリケーションであれば何でも構いません。例えばOBSなどを開いておくのもありです。
また、「このデバイスを聴く」を使って、適当なデバイスにマイク音声を流しっぱなしにすることでも回避できます。こちらのが手間が省けて手軽ですが、ループバックする設定にしたことを忘れてしまわないように気をつけてください。
コントローラーの動作確認
コントローラーに問題がないか確認します。SteamVRのメニューは左手コントローラーのメニューボタンを1回押すと出てきます。(2回押すとデスクトップに戻ります)
「コントローラ」から「コントローラのテスト」を選んで動作確認をしておきましょう。
PICOコントローラーはスティックが帯電してしまう事があるので、タッチセンサーがおかしくなったと感じたら「コントローラのテスト」で確認しましょう。ピースサインのまま変えられなくなるなどのトラブルが起きたときは、バインド設定で無効にします。

滅多にドリフトしないことに定評がありますが、もし買ったばかりなのに明らかにスティックがドリフトしている場合はサポートに問い合わせてすぐ修理に出しましょう。初期不良です。
コントローラーの位置調整
両手の指でハートを作ったり、手を合わせようとしてもコントローラーがぶつかってしまうときは、SteamVRダッシュボードにあるPICO Connectのコントローラー設定から位置調整が行えます。
VRChatでのハンドトラッキング
コントローラーを机の上に置くか、音量ボタン上下の同時押しによる「クイックインタラクション」からハンドトラッキングに切り替える事ができます。
PICO Motion Trackerの設定
SteamVRダッシュボードの画面下にある、丸くて青いアイコンがPICO Connectの設定です。
PICO 4 Ultra側で処理したPICO Motion Trackerのトラッキング情報を、SteamVR側でどこまで使用するかを設定できます。
VRChatでは「肩」と「手首」と「ヒップ」はトラッカーとして認識されない場所なので不要ですが、個人的に「胸」や「肘」はあった方が良いかなと思います。
また、「膝」は有効だとあぐらの姿勢で膝の位置が下がってくれない問題がありますので、不満があれば「膝」をオフにしてみてください。
- ウエスト(VRChatでは必須)
- 足首(VRChatでは必須)
- 胸(あると良い)
- 肘(あると良い)
- 手首(あると少し楽)
- 膝(あぐらを多用するならオフ)
- 肩(不要)
- ヒップ(不要)
それぞれお好みで設定してください。
「肘」を使う場合はTポーズキャリブレーション時にずれてしまう問題が起こりやすいので、「手首」があると肘の位置合わせが楽になります。
VRChatログインまでの一連の流れを動画で観る
VRChat Plusは最安値
「VRChat Plus(VRC+)」はMeta QuestやSteamからしか契約できないと思っていませんか?大丈夫、PICOから行えます!
PICO単体版のVRChatからVRC+へのサブスクリプション契約が行えます。価格は以下の通りですので、Metaで契約するのと同様に最安値となります。(2025年5月13日現在)
プラットフォーム | 月額 | 年額 |
---|---|---|
PICO | 990円 | 9,900円 |
Meta | 990円 | 9,900円 |
Steam | 9.99ドル | 99.99ドル |
Google Play | 1,500円 | 15,000円 |
VIVE | サポートなし | サポートなし |
支払い設定は事前にアプリから行う
PICOアプリを開いて、マイページの「お支払い方法」から支払い設定が可能です。VPNや広告ブロック等を使用していると接続エラーになる場合があります。
支払い方法は「PayPal」か「クレジットカード・デビットカード」が登録できます。
設定後は、PICO単体版のVRChatを開いてVRC+の欄でサブスクリプション契約を行います。
ダイアログが表示されるので、価格と支払い方法を確認して問題がなければ「申し込む」を押して決済します。
PayPalで購入したところ、反映は即時でした。
サブスクの管理はPICOのストアアプリから行えます。
支払いが完了すると確認メールも届きます。
支払い手続きが完了してもVRChat側で反映されない場合は、PICOやVRChatのサポートへ問い合わせた方が良いです。Steam決済などでもVRC+が反映されないというトラブルが起きることがたまにあるようですので、PICO側で決済が問題なく完了している場合はVRChatに問い合わせることになります。ただ、VRChatのサポートは忙しいようなので対応には時間が掛かるとは思います。
アカウント間違いに注意
VRC+契約の際はアカウントを間違えないように気をつけてください。
PICOストアでVRChatをインストールして起動すると、VRChatとPICOのどちらでログインするかを聞かれます。VRChatアカウントで直接ログインした場合は大丈夫ですが、PICOアカウントでログインした場合は既存のVRChatアカウントとの連携を行わないと、別アカウントとしてカウントされます。これはMeta Questでも同様ですので、十分注意してください。
初めてVRChatを遊ぶ場合は、あらかじめVRChatアカウントを作成してから始めることを強くおすすめいたします。
その他トラブルや使い方について
ソフトウェアバージョンの不一致と言われて接続できない
PICO本体のConnectアプリは、ストアの設定に関係なく自動更新されるようになっています。その為、新しいバージョンのConnectアプリからPCに接続しようとすると、「PCのストリーミングアシスタントが最新バージョンであることを確認してください」と書かれたエラーが出ます。
エラーで接続できないときは、PC側に表示されている更新ボタンを押してPICO Connectのアップデートをします。間違ってもストリーミングアシスタントをダウンロードしてこないようにしてください。
更新を押しても最新版だと言われる場合は、一度PCから切断して再度バージョン不一致エラーからの更新を試します。
稀にアップデートに失敗する事がありますので、その場合は公式サイトからインストーラーをダウンロードして再インストールをしておき、それからアップデートを試してください。(内部バージョンが微妙に違う物へアップデートしようとしたときなど)
最新版でトラブルが起きたので戻したい場合
公式の方法ではありませんが、初期バージョンの10.2.7に戻したい場合は「Androidの標準設定」を呼び出すと、アプリ設定からアップデートのアンインストールが行えます。(※5.13.3.Uアップデート後は10.4.5までしか戻せません)
PC用のPICO Connectは公式のダウンロードリンクがそのままになっているので、リンクが切れない限りは以下からダウンロードできます。
PICO Connect 10.4.55(ベータ版)(Windows版及びAPKファイル)
開発者モードでadbコマンドを入力するか、settingsアプリを入れるとAndroid標準の設定画面を出すことが可能です。本来ならばこういったアプリを入れる必要はありませんが、何故かPICOの設定からはアップデートのアンインストールが行えないようになっていますので、やむを得ず活用しています。
SteamVRを起動すると映像が止まって切断される
まず大前提としてPCスペックが足りているかを確認してください。内蔵グラフィックスで動かすのは困難です。
次に、Wi-FiやUSBケーブルに問題があると上手く動作しない事があります。Wi-Fiが遅すぎるとストリーミングが間に合わなくなって切断されます。Wi-Fiのリンク速度が50Mbps程度だと最低設定でも接続を維持できないようです。Wi-Fi接続が遅すぎる場合はWi-Fiルーターの設置位置を変えたり、Wi-Fiのチャンネル変更などを試すかWi-Fiルーターの買い替えを検討します。
また、有線の場合でもUSB 2.0接続になっていると実効速度が250~300Mbps程度となるので、ビットレートを下げる必要があります。USB 3.0のケーブルや差し込み口を使用しましょう。
USBケーブルとポートがUSB 3.0であっても、ゆっくり挿し込んだり接続が甘かったりするとUSB 2.0として認識されるので注意してください。その他には5mクラスの長いケーブルで接続に問題が発生することもあるようです。
頭を大きく振ると映像が間に合わなくなり、周りに黒い帯などが表示される
Wi-Fi接続には問題なくルーターとの距離も至近距離で、スピードテストをすれば十分すぎる速度が出ているにもかかわらず、ストリーミング中に頭を振ると映像が間に合わなくなってしまう場合の対処方法です。(Wi-Fiの電波が弱かったり混線している場合は先にそちらを改善する必要があります)
Wi-Fi接続のトラブルは様々な要因が考えられますが、ここではWi-Fiルーターのマルチキャスト伝送速度の変更を試みます。自動設定が上手く行ってないのであれば、改善される可能性があります。
NEC Atermのサポートにあるマルチキャスト伝送速度の設定案内として「必要とする帯域 を1.6倍した数値より大きく、かつ、もっとも近い数値に設定してください。」と記載がありますが、300Mbpsで使いたいからと考えなしに最大の54Mbpsには設定せず、安定する設定を探しましょう。
手元の環境(ASUS RT-AX3000及びNEC Aterm WX1800HP)では54や36Mbpsではイマイチで、24Mbpsにすると安定するようになりました。
動作確認はSteamVRの画面で頭を左右に大きく振るだけで十分です。パフォーマンスパネルのTransmitの値も同時に確認するのもおすすめです。大きく変動しないようになれば大丈夫です。(PICO Connect側でオンにするか、左コントローラーのメニューボタン長押しで表示できます)
安定する設定を見つけたらVRChatなどを起動してみて、負荷が掛かっていても大丈夫か確認してみましょう。
どの場面でもギリギリ90FPSが出ない
多くの場合はCPUあるいはGPUの性能が不足しているなどが考えられます。
但し、AMD Radeon環境の場合は例外があります。
AMD Radeon環境の場合
Radeonをお使いの場合、そのままではVRChatのパフォーマンスが出ない状態になっています。具体的にはGPUの負荷が低く「リフレッシュレートを90Hzにしていると80FPS前後までしか出なくなった」り、80FPS出せるならと「リフレッシュレートを72Hzに下げると60FPS程度しか出なくなる」という状況です。VRChatのメニューを出すと不安定になる場合も該当します。
これは「AMD Software:Adrenaline Edition 24.12.1以降」かつPICO Connect 10.3か10.4辺りの組み合わせで発生します。Virtual Desktopを使用する場合はそのままで大丈夫なはずです。
詳細については記事の途中にも記載してありますが、VRChatの起動オプションに「–disable-amd-stutter-workaround」を入れてください。(※ハイフンは2つ入れてください)
Virtual Desktopを使おうとすると繋がらない
PICO Connectが起動している状態ではVirtual Desktopで接続が行えません。
Virtual Desktopを使うときはPICO Connectを閉じましょう。設定によっては閉じたつもりでもタスクトレイに最小化していることがあるので、終了してからお試しください。
その他の関連情報をまとめたページを用意しました

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購入先に注意
PICOの正規販売店はAmazon、ヨドバシカメラ、ビックカメラだけですのでご注意ください。
正規販売店以外で購入したり、中古品を購入したりすると不具合があってもサポートを受けることができません。フリマ等はリスクがあることを承知の上ご利用ください。
アクセサリーなど

正常に使用できるコントローラーのグリップは「AMVR」のものだけがあります。
コントローラーのトラッキングは表面のLEDとコントローラーの形状認識で行っているので、シリコンで覆うタイプのカバーは内部のLEDが隠れてしまって動作しなくなります。購入しないでください。

AMVRのアクセサリーはAmazonで購入できるようになりましたが、BOBOVRはまだいくつかの商品は中国の公式ショップから購入することになります。PICO 4用とPICO 4 Ultra用に分かれていますので、購入する際は注意してください。フェイスカバーは互換性があります。

また、BOBOVRのバッテリーは通常のB2と大容量高出力なB100の2種類があり、後発のB100バッテリーに対応したヘッドストラップ(BOBOVR P4U)も発売されましたので今買うならそちらがおすすめです。
度付きのレンズはJINSから販売されています。もちろん探せば他にもありますが、内容をよく確認して信頼できるところを選ぶのが良いでしょう。
【2025年7月8日追記】国内の眼鏡店のオーダーメイドで販売されているレンズとして、メガネSHOPアイのFavotemもあります。JINSのレンズは売り切れとなっているので、安心して買えるお店としてご紹介しておきます。
USB接続で使用したいけど充電が間に合わない場合は、急速充電対応のLinkケーブルを用意すると充電器からも同時に電力供給されるようになります。
2024/12/01:誤字などが酷いので修正・追記
2024/12/03:マイクについて追記
2024/12/05:10.3.10アップデートについて追記
2025/01/20:各種情報を更新
2025/02/08:SteamVR beta 2.9.6での修正について追記
2025/02/12:Radeon関連の情報を追記
2025/02/28:キャンペーン情報や不具合情報などを追記
2025/03/31:マイク音量などについて追記
2025/04/02:Virtual DesktopでのPICO Motion Tracker利用について情報を追記
2025/04/11:手首の仮想トラッカーについて追記
2025/04/26:マイク音量について再調査
2025/05/12:トラブルシューティングなどについて追記
2025/05/13:VRC+の購入方法について追記
2025/05/21:ビットレート設定周りについて追記
2025/06/12:マイクの遅延対策について追記
2025/06/23:記事の見直しと書き直し
2025/07/08:PICO 4 Ultra対応レンズについて追記
2025/07/13:PICO Motion Trackerの電源ボタン操作について追記