PICO 4 Ultraを身近に使ってるフレンドがいたりして、今回の特別セールで新たに入手した方もいらっしゃるかと思います。現在、そのまま使おうとすると「つまずいてしまうポイント」がいくつかありますので、無事PC版VRChatが始められるところまで簡単に説明していきます。
PICO 4 UltraとPICO Motion Trackerのセットが数量限定で登場
VRChatと協議して用意された、PICO 4 UltraとPICO Motion Trackerのセットとなる、「PICO 4 Ultra GIFT SET」が1,068セット数量限定で販売されました。(※完売したようです)ポリウレタン製フェイスカバーやクリスマスカードも同梱されます。
本来なら89,800円+11,800円で税込み101,600円してしまうところ、なんと税込み86,800円と最安価格で販売されていました。今後もセット販売があるかもしれないので、要チェックですね。
(※正規販売店はAmazon、ヨドバシカメラ、ビックカメラだけですのでご注意ください。)
本体のセットアップ
電源を入れたら、まずは画面に出る指示に従って最初のセットアップを済ませておきましょう。ホーム画面まで辿り着いたらスタートです。
レンズの歪みがないか確認しよう
もしかすると文字が歪んで見える個体があるかもしれませんので、よく確認しておきます。
多少の歪みは仕様ですが、文字が酷く歪んでいて画像すらも歪むようなら初期不良です。PICOのサポートに問い合わせて修理や交換をしてもらってください。
PICO OSのアップデートをしよう
不具合の改善などが含まれていますので、設定からOSアップデートを行っておきます。2024年11月27日時点での最新版はバージョン5.12.0.Uです。
アプリの自動アップデートをオフに(任意)
ストアアプリの左下にあるボタン(マイアプリ)から、アプリのアップデートなどが行えます。多分自動更新はオフの状態がデフォルトだと思うので、基本的にはそのままで構いません。というのも、過去に少しトラブルがあり、Connectアプリが自動アップデートされてしまうとバージョン不一致となる不具合がありました。(※2024年11月頃~12月4日にあった出来事)
自動更新がオフでも、更新の必要があればドック上に更新ボタンが出てくるので、更新し忘れは起こりにくいはずです。
PICO Connectの更新頻度自体はかなり低いので頻繁にこのようなトラブルが起こるとは考えにくいのですが、最近のPICOは人手が足りないのかちょっと手が回っていないように感じられます。(※あくまでも個人の感想です)
目を離した隙にアップデートされちゃったけど?
Connectアプリの件だけは特殊な状況のように見受けられるため、自動アップデートを無効にしていても勝手にアップデートされていることがあるかもしれません。
公式の方法ではありませんが、バージョン10.2.7に戻したい場合は「Androidの標準設定」を呼び出すと、アプリ設定からアップデートのアンインストールが行えます。
開発者モードでadbコマンドを入力するか、settingsアプリを入れるとAndroid標準の設定画面を出すことが可能です。本来ならばこういったアプリを入れる必要はありませんが、何故かPICOの設定からはアップデートのアンインストールが行えないようになっていますので、やむを得ず活用しています。
PICO Motion Trackerを繋いでみよう
プリインストールされているMotion Trackerアプリで接続が行えます。
最初にやることはペアリングと身長設定ぐらいですね。どうにもしっくりこないときは、VRChat内の身長設定やトラッキング設定を変えた方が良さそうです。足首に装着する際は、ズボンの裾などでトラッカーが隠れないように気をつけてください。取り付ける向きもボタンやLEDがある方が上になります。
2回目以降はPICO Motion Trackerの電源を入れて足首に装着し、キャリブレーションを行うだけとなります。
PC側の準備
Windowsの修復やグラフィックドライバのクリーンインストールを行っておく
Windowsやドライバー類が壊れているところへSteamVRやPICO Connectをインストールしても正常に動作しない可能性が大いにあります。壊したつもりがなくても、知らないうちにあちこち壊れていることはよくあるので、土台となる部分をしっかり整えておきましょう。
設定→システム→回復から「Windows Updateで問題を解決する」を選んでWindowsの再インストールをする方法もありますが、今回はコマンドで簡単に修復をしておきます。
Windowsのメンテナンス
- コマンドプロンプトやターミナルを管理者権限で起動する
スタートボタンを右クリックするとターミナルを管理者権限で起動する事ができます。
- DISMコマンドを実行して修復に必要なファイルを準備する
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
お使いのPCによっては時間が掛かる場合があります。
- システムファイルチェッカーを実行する
sfc /scannow
DISMが終了したら続けてSFCを実行します。こちらも時間が掛かる場合があります。
- 実行結果を確認する
「Windows リソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。」あるいは、「Windows Resource Protection で破損したファイルが見つかり、正常に修復されました。」と表示されていれば完了です。
グラフィックドライバのクリーンインストール
DDU(Display Driver Uninstaller)をセーフモードで実行して、グラフィックドライバを完全に削除した状態でドライバの再インストールを行ってください。AMD Radeon環境の場合は、AMD Cleanup Utilityを使用することもできます。
SteamVRとVRChatのインストール
Steamをインストールして、SteamVRとVRChatを入れます。(詳細は割愛しますが、必要に応じてOVR Advanced SettingsやXSOverlayなどもインストールしましょう。)
PICO Connectのインストール
PICO 4 UltraをPCで使うために、「PICO Connect」をインストールします。同じダウンロードページにある「ストリーミングアシスタント」は入れないでください。
PICO Motion Trackerを使いたい場合は、PICO Connectが必要です。Virtual Desktopではまだ動かせないので注意してください。
バージョン不一致と出てしまうときは
PICO 4 Ultra側が新しいバージョンに自動更新されてしまい、PCの方が古いときに出るエラーです。更新ボタンを押して更新されるようなら一応それでも構いませんが、例外としてバージョン10.3.9からアップデートするときは中国版がインストールされてしまいますので、公式サイトからインストーラーをダウンロードしてください。
ログイン不要、ゲストモードでOK
ログインをする必要はありません。
ログインすると自動接続する便利な機能が使えますが、そのぐらいの差しかありません。また、過去に誤配信されたバージョン10.3.9などの中国版には日本などのアカウントではログインできない仕様があるので、中国語のログイン画面が出てきてログインできなくても慌てないように。
バージョン10.3.10からはちゃんとグローバル版が配信されていますので、まだ10.3.9の方は必ず公式サイトからダウンロードして手動でアップデートしてください。
PCと接続してからは
マイクの音量を確認しよう
マイクの音量は50を超えないようにしてください。100はもってのほかです。バリバリに割れます。
マイクの音量を確認したい場合は、Windowsサウンドレコーダーを起動して録音してみてください。録音した声が割れないレベルまで音量を調節しておくと悲惨な事態は避けられます。PICO Connectで接続してWindowsのデスクトップ画面が表示されている状態であれば、左下のメニューで「マイク(PicoStreamingMicrophone)」を選ぶとPICO 4 Ultraのマイクで録音が行えます。
リアルタイムに自分の声を聴きながら調整したい場合は、マイクのプロパティから「このデバイスを聴く」を有効にするとヘッドホンやスピーカーから自分の声が聞こえてきます。
Windowsのマイクテスト機能を使用する方法もあります。
下のスクリーンショットでは、左から順に100・75・50の音量で録音したものが表示されています。音量100はNGです。
VRChatのノイズ抑制はオフに
PICO Connect側で自動的にノイズキャンセリングが動作するので、VRChatの「ノイズの抑制」はオフにします。オンだと喋り始めが途切れます。
PICO Connect側の音量が50ぐらいになっていれば、VRChat側の音量は100%で大丈夫なはずです。
SteamVRを起動して動作を確認
画面右上の「SteamVRを起動」ボタンからSteamVRが起動可能です。デスクトップ画面から既に起動中のSteamVRに戻るときも「SteamVRを起動」ボタンを押しましょう。
もしルームセットアップが動いてしまう場合は、PCのデスクトップ画面に出ているウィンドウを閉じてしまうか、「立位のみ」で適当に済ませて完了してください。
床の高さなどのルームスケール設定はSteamVRが起動する度にPICO 4 Ultra本体のものが使われるので、SteamVRのルームセットアップは重要ではありません。もし適当にルームセットアップして床の高さがおかしくなっても、SteamVRを立ち上げ直すとPICO 4 Ultraでの床の高さに戻ります。
ちなみに、ヘッドセットを外してスリープに入ってしまうと「次へ」ボタンが押せませんので、どうしてもルームセットアップを済ませたいという方はレンズの間にあるセンサーを隠した状態で済ませてしまいましょう。
さて、SteamVRのメニューが出てきたら、コントローラーに問題がないか確認します。メニューは左手コントローラーのメニューボタンを1回押すと出てきます。(2回押すとデスクトップに戻ります)
「コントローラ」から「コントローラのテスト」を選んで動作確認をしておきましょう。
PICOコントローラーはスティックが帯電してしまう事があるので、タッチセンサーがおかしく感じたら「コントローラのテスト」で確認しましょう。酷いようならバインドで無効にします。
滅多にドリフトしないことに定評がありますが、もし買ったばかりなのにスティックが明らかにドリフトしている場合はサポートに問い合わせてすぐ修理に出しましょう。初期不良です。
PICO Motion Trackerの設定
画面下にある丸くて青いアイコンがPICO Connectの設定です。
PICO 4 Ultra側で処理したPICO Motion Trackerのトラッキング情報を、どこまで使用するかを設定できます。VRChatでは「肩」と「手首」と「ヒップ」はトラッカーとして認識されない場所なので不要です。個人的に肘はあった方が良いと思います。
VRChatログインまでの一連の流れを動画で観る
【重要】VRChatのコントローラー設定を変更
PICO Connectのコントローラーバインドにはバグがあり、そのままではVRChatのジェスチャーが正常に動作しません。
VRChatを起動してからでも構いませんので、コントローラーの設定を1ヶ所だけ変更します。
両手のスケルトンを未使用に設定すれば完了です。こちらはハンドトラッキングに必要な機能のはずですが、PICO Connectではまだハンドトラッキングを正式に提供していませんので、それまでは未使用のままで大丈夫です。ハンドトラッキングが実装されたときにはバグも直っているはずですから、その際はスケルトンの割り当てを元に戻しておいてください。
その他トラブルや使い方について
関連情報をまとめたページを用意しました。
PICO Connectの設定などはこちら
動かない、繋がらないなどのトラブルシューティングはこちら
購入先に注意
PICOの正規販売店はAmazon、ヨドバシカメラ、ビックカメラだけですのでご注意ください。
アクセサリーなど
コントローラーのグリップはAMVRからのみ登場しています。シリコンで覆うタイプのカバーは動作しなくなるので購入しないでください。
AMVRのアクセサリーはAmazonで購入できるようになりましたが、BOBOVRはまだ中国の公式ショップから購入することになります。PICO 4用とPICO 4 Ultra用に分かれていますので、購入する際は注意してください。フェイスカバーは互換性があります。
度付きのレンズもJINSから販売されています。
2024/12/01:誤字などが酷いので修正・追記
2024/12/03:マイクについて追記
2024/12/05:10.3.10アップデートについて追記