PICO 4 Ultraを身近に使ってるフレンドがいたりして、今回の特別セールで新たに入手した方もいらっしゃるかと思います。現在、そのまま使おうとすると「つまずいてしまうポイント」がいくつかありますので、無事PC版VRChatが始められるところまで簡単に説明していきます。
時々セールをしているPICO 4 Ultra
過去にはVRChatと協議して用意された、PICO 4 UltraとPICO Motion Trackerのセットとなる、「PICO 4 Ultra GIFT SET」が1,068セット数量限定で販売されました。ポリウレタン製フェイスカバーやクリスマスカードも同梱されます。
本来なら89,800円+11,800円で税込み101,600円してしまうところ、なんと税込み86,800円と最安価格で販売されていました。今後もセット販売があるかもしれないので、要チェックですね。
(※正規販売店はAmazon、ヨドバシカメラ、ビックカメラだけですのでご注意ください。)
2025/2/28~3/7までのキャンペーン情報
PICO Motion TrackerとDMMポイント6,000ptのキャンペーンが実施されています。
本体のセットアップ
電源を入れたら、まずは画面に出る指示に従って最初のセットアップを済ませておきましょう。ホーム画面まで辿り着いたらスタートです。
レンズの歪みがないか確認しよう
もしかすると文字が歪んで見える個体があるかもしれませんので、よく確認しておきます。
多少の歪みは仕様ですが、文字が酷く歪んでいて画像すらも歪むようなら初期不良です。PICOのサポートに問い合わせて修理や交換をしてもらってください。
PICO OSのアップデートをしよう
不具合の改善などが含まれていますので、設定からOSアップデートを行っておきます。2025年1月20日時点での最新版はバージョン5.12.6.Uです。
アプリの自動アップデートはお好みで
ストアアプリの左下にあるボタン(マイアプリ)から、アプリのアップデートなどが行えます。多分自動更新はオフの状態がデフォルトだと思うので、基本的にはそのままで構いません。というのも、過去に少しトラブルがあり、Connectアプリが自動アップデートされてしまうとバージョン不一致となって、PC側が上手く更新されない不具合がありました。但し、それは自動更新の設定に関係なく発生していました。(※2024年11月頃~12月4日にあった出来事)
自動更新がオフでも、更新の必要があればドック上に更新ボタンが出てくるので、更新し忘れは起こりにくいはずです。
PICO Connectの更新頻度自体は低く、本来ならば適切にアップデートされるので頻繁にこのようなトラブルが起こるとは考えにくいのですが、もしPC側のアップデートが降ってこない状況になったときには以下の方法をお試しください。
目を離した隙にアップデートされちゃったけど?(PC側のアップデート方法)
PICO本体のConnectアプリは、自動アップデートを無効にしていても勝手にアップデートされていることがあるかもしれません。(再起動をしたときなど)
新しいバージョンのConnectアプリからPCに接続しようとすると、バージョン不一致のエラーが出ますので、更新ボタンを押してアップデートしてください。更新を押しても最新版だと言われる場合は、一度PCから切断して再度バージョン不一致エラーからの更新を試します。
稀にアップデートに失敗する事がありますので、その場合は公式サイトから最新のインストーラーをダウンロードしてアップデートを試してください。(内部バージョンが微妙に違う物へアップデートしようとしたときなど)
最新版でトラブルが起きたので戻したい場合
公式の方法ではありませんが、初期バージョンの10.2.7に戻したい場合は「Androidの標準設定」を呼び出すと、アプリ設定からアップデートのアンインストールが行えます。
PC用のPICO Connect 10.2.7は公式のダウンロードリンクがそのままになっているので、リンクが切れない限りは以下からダウンロードできます。
開発者モードでadbコマンドを入力するか、settingsアプリを入れるとAndroid標準の設定画面を出すことが可能です。本来ならばこういったアプリを入れる必要はありませんが、何故かPICOの設定からはアップデートのアンインストールが行えないようになっていますので、やむを得ず活用しています。
PICO Motion Trackerを繋いでみよう
プリインストールされているMotion Trackerアプリで、トラッカーの接続が行えます。
最初にやることといってもペアリングと身長設定ぐらいです。どうにもしっくりこないときは、VRChat内の身長設定やトラッキング設定を変えた方が良さそうです。足首に装着する際は、ズボンの裾などでトラッカーが隠れないように気をつけてください。取り付ける向きもボタンやLEDがある方が上になります。
2回目以降はPICO Motion Trackerの電源を入れて足首に装着し、キャリブレーションを行うだけとなります。
キャリブレーションができなくなったときは
PICO Motion Trackerが接続されており、取り付ける向きも上下逆になっていないにもかかわらず、キャリブレーションが動かなくなった場合はペアリングを解除します。トラッカーの詳細情報ボタンからペアリングを解除できます。
腰トラッカーを固定したい
PICO Motion Trackerは足首の2個だけで利用可能ですが、3個目を買ってきて腰に取り付けると座ったときの動作が安定します。
腰固定用のベルトはないため、適当に延長するか別のベルトに簡易固定するなどして装着をします。
写真の場合は、DAISOで買ってきたGIベルトに面ファスナーを使うことでPICO Motion Trackerを固定してあります。
近所に100円ショップがあれば長さなどを確認してから購入できますし、最安で済ませられると思います。
PC側の準備
Windowsの修復やグラフィックドライバのクリーンインストールを行っておく
Windowsやドライバー類が壊れているところへSteamVRやPICO Connectをインストールしても正常に動作しない可能性が大いにあります。壊したつもりがなくても、知らないうちにあちこち壊れていることはよくあるので、土台となる部分をしっかり整えておきましょう。
設定→システム→回復から「Windows Updateで問題を解決する」を選んでWindowsの再インストールをする方法もありますが、今回はコマンドで簡単に修復をしておきます。
Windowsのメンテナンス
- コマンドプロンプトやターミナルを管理者権限で起動する
スタートボタンを右クリックするとターミナルを管理者権限で起動する事ができます。
- DISMコマンドを実行して修復に必要なファイルを準備する
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
お使いのPCによっては時間が掛かる場合があります。
- システムファイルチェッカーを実行する
sfc /scannow
DISMが終了したら続けてSFCを実行します。こちらも時間が掛かる場合があります。
- 実行結果を確認する
「Windows リソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。」あるいは、「Windows Resource Protection で破損したファイルが見つかり、正常に修復されました。」と表示されていれば完了です。
修復に失敗した際は、セーフモードで実行する必要がある場合も。
グラフィックドライバのクリーンインストール
DDU(Display Driver Uninstaller)をセーフモードで実行して、グラフィックドライバを完全に削除した状態でドライバの再インストールを行ってください。AMD Radeon環境の場合は、AMD Cleanup Utilityを使用することもできます。

グラフィックドライバのバージョンについて
AMD Radeonの場合
Radeonの場合は最新バージョンの24.12.1をインストールして正常に動作することを確認しています。(確認次第随時更新予定)
最新のドライバーを使用する場合、VRChatで「–disable-amd-stutter-workaround」を起動オプションに入れておくとスタッターの問題がなくなり非常にスムーズに動くようになります。(※ドライバーの更新により、かつての不具合対策が不要になった可能性がある)
NVIDIA GeForceの場合
GeForceは最新の572.16で多数の不具合が確認されているため、GeForce RTX4000番台までをお使いの場合はひとつ前の566.36にしておくのが無難かと思われます。(※5080や5090は非対応)
また、ドライバーバージョンによっては、長時間プレイ中にエンコーダーが応答しなくなり映像が停止するトラブルに遭遇することがあるようです。
Game ReadyドライバかStudioドライバのどちらを選ぶかについては、最新ゲームをいち早く遊ぶ目的ならGame Readyドライバをインストールします。Studioドライバはクリエイティブ用途での動作確認が行われているため、安定性重視ならStudioドライバにしておくと良いでしょう。(例えばUnityやPhotoshopなどでアバターの改変をするようなものが該当します)
SteamVRとVRChatのインストール
Steamをインストールして、SteamVRとVRChatを入れます。(詳細は割愛しますが、必要に応じてOVR Advanced SettingsやXSOverlayなどもインストールしましょう。)

2025年2月20日にリリースされた、SteamVR 2.9.6であれば問題ありません。今後のSteamVRアップデートで不具合が生じた場合、ベータの項目からbeta及びpreviousを選択してみることも可能です。
PICO Connectのインストール
PICO 4 UltraをPCで使うために、「PICO Connect」をインストールします。同じダウンロードページにある「ストリーミングアシスタント」は入れないでください。
PICO Motion Trackerを使いたい場合は、PICO Connectが必要です。Virtual DesktopではPICO Motion Trackerを動かせないので注意してください。(※ALVR・Virtual Desktop共に対応予定はあり)
ログイン不要、ゲストモードでOK
ログインをする必要はありません。
ログインすると自動接続する便利な機能が使えますが、そのぐらいの差しかありません。また、過去に誤配信されたバージョン10.3.9などの中国版には日本などのアカウントではログインできない仕様があるので、中国語のログイン画面が出てきてログインできなくても慌てないように。
バージョン10.3.10からはちゃんとグローバル版が配信されていますので、まだ10.3.9の方は必ず公式サイトからダウンロードして手動でアップデートしてください。
ネットワークアダプターの省電力設定を無効化する
デバイスマネージャーからネットワークアダプターのプロパティを開き、省電力設定を無効化します。この操作が必要ないPC環境もありますが、PICO Connect使用時に頻繁に切断されたり映像が停止したりする場合はこの対策が必要です。
また、関連するかもしれない情報として、認識不良防止のために「USBのセレクティブサスペンド」も無効にしておくことをおすすめします。こちらはコントロールパネル側の電源オプションから変更可能ですが、SteamVR起動時に高パフォーマンスプロファイルに切り替わるはずですので、そちらの方を変更しておいてください。
PCと接続してからは
音声出力デバイスは接続前に設定しておこう
PCの音声をPICO本体から出力したい場合は、音声出力デバイスを「ヘッドセット」に設定します。この設定はPICOをPCに接続する前に行わないと上手く音が出ない事があるようです。
イヤホンジャックがないので有線イヤホンを使うにはUSBから音声出力する必要がありますが、USBハブを経由すると動作しないなどの制約があってあまりおすすめはしません。手元の環境では、PCにアンテナ付きのBluetoothアダプターを繋いでBluetoothイヤホンを使用するのが安定しました。(※Bluetoothイヤホンのマイクは使用しません)
マイクの音量を確認しよう
マイクの音量は50を超えないようにしてください。100はもってのほかです。バリバリに割れます。
マイクの音量を確認したい場合は、Windowsサウンドレコーダーを起動して録音してみてください。録音した声が割れないレベルまで音量を調節しておくと悲惨な事態は避けられます。PICO Connectで接続してWindowsのデスクトップ画面が表示されている状態であれば、左下のメニューで「マイク(PicoStreamingMicrophone)」を選ぶとPICO 4 Ultraのマイクで録音が行えます。
リアルタイムに自分の声を聴きながら調整したい場合は、マイクのプロパティから「このデバイスを聴く」を有効にするとヘッドホンやスピーカーから自分の声が聞こえてきます。
Windowsのマイクテスト機能を使用する方法もあります。
下のスクリーンショットでは、左から順に100・75・50の音量で録音したものが表示されています。音量100はNGです。
VRChatのノイズ抑制はオフに
PICO Connect側で自動的にノイズキャンセリングが動作するので、VRChatの「ノイズの抑制」はオフにします。オンだと喋り始めが途切れます。
PICO Connect側の音量が50ぐらいになっていれば、VRChat側の音量は100%でも大丈夫なはずです。自分の声の大きさに合わせてVRChat側を調整すると良いでしょう。
SteamVRを起動して動作を確認
画面右上の「SteamVRを起動」ボタンからSteamVRが起動可能です。デスクトップ画面から既に起動中のSteamVRに戻るときも同様に「SteamVRに切り替える」ボタンを押しましょう。
もしルームセットアップが動いてしまう場合は、PCのデスクトップ画面に出ているウィンドウを閉じてしまうか、「立位のみ」で適当に済ませて完了してください。
床の高さなどのルームスケール設定はSteamVRが起動する度にPICO 4 Ultra本体のものが使われるので、SteamVRのルームセットアップは重要ではありません。もし適当にルームセットアップして床の高さがおかしくなっても、SteamVRを立ち上げ直すとPICO 4 Ultraでの床の高さに戻ります。
ちなみに、ヘッドセットを外してスリープに入ってしまうと「次へ」ボタンが押せませんので、どうしてもルームセットアップを済ませたいという方はレンズの間にある近接センサーを隠した状態で済ませてしまいましょう。
さて、SteamVRのメニューが出てきたら、コントローラーに問題がないか確認します。メニューは左手コントローラーのメニューボタンを1回押すと出てきます。(2回押すとデスクトップに戻ります)
「コントローラ」から「コントローラのテスト」を選んで動作確認をしておきましょう。
PICOコントローラーはスティックが帯電してしまう事があるので、タッチセンサーがおかしくなったと感じたら「コントローラのテスト」で確認しましょう。酷いようならバインドで無効にします。
滅多にドリフトしないことに定評がありますが、もし買ったばかりなのにスティックが明らかにドリフトしている場合はサポートに問い合わせてすぐ修理に出しましょう。初期不良です。
PICO Motion Trackerの設定
SteamVRダッシュボードの画面下にある、丸くて青いアイコンがPICO Connectの設定です。
PICO 4 Ultra側で処理したPICO Motion Trackerのトラッキング情報を、どこまで使用するかを設定できます。VRChatでは「肩」と「手首」と「ヒップ」はトラッカーとして認識されない場所なので不要です。個人的に肘はあった方が良いかなと思います。お好みで設定してください。
VRChatログインまでの一連の流れを動画で観る
VRChatでのコントローラーとハンドトラッキング設定について
コントローラーの位置調整が行える
両手の指でハートを作ったり、手を合わせようとしてもコントローラーがぶつかってしまうときは、SteamVRダッシュボードにあるPICO Connectのコントローラー設定から位置調整が行えます。
VRChatでのハンドトラッキングも可能に
PICO Connect 10.4.5からハンドジェスチャーの不具合はなくなりました。特別な操作は不要です。
PICO Connect 10.4.5以降でハンドトラッキング(フィンガートラッキング)に対応したのと同時に、コントローラーのジェスチャーが壊れていたのが直りました。
もしコントローラーのバインドからスケルトン設定を「未使用」に変更していた方は、元に戻す必要があります。
その他トラブルや使い方について
Radeonをお使いの場合、ドライバー側の不具合修正によりそのままではVRChatのパフォーマンスが出ない状態になっています。具体的にはGPUの負荷が低く「リフレッシュレートを90Hzにしていると80FPS前後までしか出なくなった」り、80FPS出せるならと「リフレッシュレートを72Hzに下げると60FPS程度しか出なくなる」という状況です。
これは「AMD Software:Adrenaline Edition 24.12.1以降」かつPICO Connect 10.3か10.4辺りの組み合わせで発生します。不具合というよりかは、ドライバーの不具合修正によってVRChat独自のRadeon用不具合回避策を使用する必要がなくなったというような感じがあります。
詳細については記事の途中にも記載してありますが、VRChatの起動オプションに「–disable-amd-stutter-workaround」を入れてください。(※ハイフンは2つ入れてください)
その他の関連情報をまとめたページを用意しました

PICO Connectの設定などはこちら

動かない、繋がらないなどのトラブルシューティングはこちら

購入先に注意
PICOの正規販売店はAmazon、ヨドバシカメラ、ビックカメラだけですのでご注意ください。
アクセサリーなど
コントローラーのグリップはAMVRからのみ登場しています。シリコンで覆うタイプのカバーは動作しなくなるので購入しないでください。


AMVRのアクセサリーはAmazonで購入できるようになりましたが、BOBOVRはまだ中国の公式ショップから購入することになります。PICO 4用とPICO 4 Ultra用に分かれていますので、購入する際は注意してください。フェイスカバーは互換性があります。また、BOBOVRのバッテリーは通常のB2と大容量高出力なB100の2種類があり、後発のB100バッテリー対応版も発売されましたので今買うならそちらがおすすめです。
度付きのレンズもJINSから販売されています。
2024/12/01:誤字などが酷いので修正・追記
2024/12/03:マイクについて追記
2024/12/05:10.3.10アップデートについて追記
2025/01/20:各種情報を更新
2025/02/08:SteamVR beta 2.9.6での修正について追記
2025/02/12:Radeon関連の情報を追記
2025/02/28:キャンペーン情報や不具合情報などを追記