はじめに
2014年9月5日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて株式会社WACOM様の新製品発表会が行われました。
会場の照明が暗くなり、突如流れ出した残酷な天使のテーゼとともに現れたのは、スタイリッシュに踊るサラリーマン集団Team Black Starz!
カッコよく踊ってWACOM新製品を片手にビシッとキメていました。
どんな新製品?
今回発表された新製品は3つ。
製品仕様などの細かなことは他のメディアや同席したこちらのお二人の方が書いていると思いますので先にご紹介させていただきます。
スタイラスペンの進化を見た!ワコム新製品発表会に参加してきました – Gadget Drawer –
ワコムの新製品発表会に参加してきたお話。 – どこにでもいる学生のブログ-どこブロ-
私はこの会場にはあまり居なかったと思われる「イラスト用途でスタイラスペンを使うアマチュア視点」でレビューさせていただきます。
第3世代Bamboo Stylus solo及びBamboo Stylus duo
こちらは標準的な静電容量式タッチパネル向けのスタイラスペン。
Bamboo Stylus duoはsoloにボールペンも備え付けたモデルで、仕事使いにもぴったり。
なんだ、いつものやつじゃんと思ったそこの貴方。侮ることなかれ、いつものBamboo Stylusじゃないんです…!具体的には先端のゴム素材が新開発の繊維素材に変更され、従来よりも強度と滑らかさが増しています。
個人的にこの製品はWindowsタブレットを使っている人に是非試して頂きたいですね。
先端が細くて安定しているのでタブレットの操作、特に8インチのWindowsタブレットのデスクトップモードでの使い勝手がとても良いです。指ではタップしづらいエクスプローラ上での操作を軽く行ってみましたが、ほぼ思った通りに操作が出来ました。
タブレットの感度によっては、軽く触れる程度では反応しない場面もあるかと思います。でもゴムより長持ちしそうなこの新素材、ちょっと強めに使っても大丈夫そうです。これを使ってiPadに文字を書くことに関しては、スラスラと書けて気持ちが良かったです。
携帯電話の契約手続きなどでiPadに対してサインすることがあるのですが、そのスタイラスペンは全部これにして欲しいぐらいです。もうゴム製のペンには戻れません!
Bamboo Stylus fineline
これに関しては結構興味を持ってる方が多いようでして、Twitter上で電池は?イラスト用途としての描き心地は?といった声がありました。
電池は背面のキャップを外すとmicroUSBポートが出てきまして、そこから給電可能になってます。連続26時間の稼働が可能なので、(使い方にもよりますが)大体1週間ぐらいは充電を気にせず使えるとの事です。iPadの充電と同じタイミングぐらいで充電をすると丁度良さそうですね。
外観は今までのスタイラスペンとは思えないペン先の細さ!!こんなので本当に書けるの!?って疑ってしまう細さです。ペン先が細いのとアプリ側の制御のおかげか描画のズレは小さめ。iPad専用ですが、iPad以外でもタッチパネルの感度が良いデバイスならば通常のスタイラスペンとして利用ができました。
そして気になる描き心地。ノートにiPadを使った筆記用途ならばバッチリ。BanbooPaperアプリでは、サイドボタンを押し続けている間は消しゴムツールに変わるので、何度もツール切り替えのために手を伸ばす必要がありません。ボタンの割り当ては一つ戻る操作に割り当てることも出来るので書き損じた時もすぐに戻せて安心です。
こちらは自宅にあるiPad miniでも試してみました。描きやすい角度にキャンバスを回すように、iPadを斜めにしたりして書くとズレが生じてしまうようです。ちなみにiPad miniにインストールしたBanbooPaperと、このfinefeelを使って描いたものがこちらです。
でも……
Intuos Creative Stylus 2
イラスト用途ならばこちらです。
finelineを触った直後に体験しましたがこれは衝撃的です。ペン先はfinelineよりもすこし太めですが、従来品と比べると物凄く細くなりました。
finelineとの違いはサイドボタンが2つで筆圧レベルが2048段階まで感知できることです。Intuos Creative Stylus 2はBamboo Stylus finelineよりもイラスト用として扱いやすく、繊細な描き心地を必要とするCreativeな人たちに向けた最高のiPad用スタイラスペンであると感じました。
特殊な機能としては、画面に手をおいて利用したとき、手の接地面は描画扱いとしないように制御する「パームリジェクション機能」が搭載されています。残念ながらそちらはまだ完璧とは言い難いものでしたが、描けます描けますガシガシ描けます。これの為にiPad欲しいぐらいです。
WACOMの方とのお話
今回もiPad向けのスタイラスペンを中心に発表されたのですが、今後他社のタブレットでも扱えることは考えているのかどうか。もちろん、多種多様にわたるタブレットへの対応は相当手ごわいのでは……。
質問をしてみたところ、確かにそういう難しさはありますが、対応していきたいという考えはあるそうです。実際にテストはしているもののまだ納得の行くレベルには達していないとのこと。
また、「Wacom feel IT technologies」搭載のvivo tab noteやSurfaceでのペン先のズレについては、タブレット側のデザイン上の制約だとかも色々あって生じているとのことで、もちろんそのような改善すべき点がまだまだあるということは認識しているそうです。まだまだこれから、とても期待ができそうです。
(ちなみにCintiq Companionはそういうことは無いですから安心してください。私も欲しいです。→翌年Cintiq13HDを買いました、最高です。)
最後に
なんとライバルは鉛筆というWACOMさん。発展途上の技術ということですが、いずれはペンの種類を気にせずそのまま書けるように…といった、担当の方との今後の発展が期待できるようなお話をたくさんすることができました。
素敵な新商品を体験できる場へご招待して頂きましたWACOMさん。また、不慣れな東京を案内してくださった、くしいさんとしょーやさん。ありがとうございました、最高の一日でした!