ZenFone 3 Laserレビュー、カメラの写り具合やゲームプレイを試す

今回、ご縁がありましてモバレコ様からZenFone 3 Laser (ZC551KL) をお借りすることができました。本サイトでは久しぶりのスマートフォンレビューとなります。ASUSのデバイスレビューは初めてかな?ビルド番号MMB29P.JP_user_13.40.105.16_20161021でのレビューとなります。

大画面と金属ボディが特徴的なミドルレンジモデル

ZenFone 3 Laserは5.5インチの大型ディスプレイを搭載。2.58mmの挟ベゼルにより画面占有率は77%と非常にコンパクトな仕上がりとなっています。ボディは金属で、3万円台のスマートフォンとしては十分な質感であると感じられます。

手に持った感じとしては、小さそうに見える見た目とは裏腹に手に余る大きさが感じられ、やはり5.5インチのデバイスだなと痛感しました。手の小さな人は両手で使いましょう。5.2インチぐらいなら平気って人でもこれは結構大きいです。片手ではどうしても…って人は、Pie ControlやAll in one Gesturesなどでナビキーを好きな場所で出せるようにしたり、タッチキーの配列を変えたりしてみると良いかもしれませんよ。

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背面に指紋センサー搭載

本体の背面カメラ下に指紋センサーが搭載されており、ワンタッチで画面の点灯とロック解除が行なえます。指紋認証そのものは非常に速いのですが、肝心の画面の点灯に時間がかかってしまうので、指紋センサーに指を当ててから実際に画面が表示されるまでワンテンポほど待たされてしまいます。

また、この指紋センサーはダブルタップでカメラを起動したり、シャッターを切ったりするような使い方も可能なので、必要に応じて設定してみると便利です。

カメラ写りは上々、オートでバシバシ撮れる

あまりこだわらず撮ることが多かったのですが、オートでも綺麗に撮れるという印象を持ちました。料理なども美味しそうに撮れていますし、明るい場所ではオートでバンバン撮っても特に問題はないでしょう。

料理も美味しく撮れる。

あいにくの天気

暗所での撮影では、ローライトモードの利用をおすすめされます。撮影解像度が200万画素へ変更されますが、簡単に明るく撮ることができます。マニュアルモードも搭載されているので、調整次第で低ノイズな写真を撮影することも可能です。

マニュアル撮影時の色味になんとなく見覚えを感じていたのですが、ZenFone 3 Laserの利用しているセンサーはSONYのIMX214で、HTC J butterfly HTL23やHTC Desire EYE、HTC One A9と同じものでした。それらHTCデバイスでよく夜景を撮っていたので、ZenFone 3 Laserでの撮影も納得の写り具合だと思いました。オートでの撮影ではノイズが気になるので、夜景モードやマニュアルモードで撮影したほうが良さそうです。

オート。ISOを目一杯上げて撮るので空のノイズが目立つ。

マニュアル(もう少し明るめに撮ったほうが良かったかもしれない…いや、そもそもブログ側の圧縮が)

画質は満足できる品質であると感じましたが、操作性で少し気になる点がありました。スマホのカメラでよく話題になるシャッター音などです。そのシャッター音は静かな印象を感じましたが、オートフォーカスの音が非常に大きく感じられました。レーザーAF搭載により素早くピントが合うのですが、狙ったとおりの場所にピントが合うとは限りません。そういったときに画面をタップしてフォーカスし直すことがあるのですが、そのときの「ピピッ」という効果音がシャッター音より目立っていて非常に使いづらいです。あまりに大きいので、フォーカス操作をしようとするのは憚られてしまいます。もう少し音量が大人しいと撮りやすいのですが……。ASUSさん、シャッター音よりもオートフォーカス音を静かにして頂けるととっても嬉しいです。お願いします。

ゲームをプレイしてみた

デレステ

タップ音を有効にしてプレイすると、タップ音が酷く途切れたりだとか、2D軽量ですら譜面の遅延に悩まされたりします。残念ながらタップ音を鳴らしたい人には不向きなデバイスです。これはZenFone Selfieも同様だったため、ASUSのミドルレンジモデルは同じ傾向にあるのかもしれません。(ハイエンドモデルは試したことがないです。)

しかし、タップ音を鳴らさない設定であれば、3D標準設定でも殆どもたつくことはなく、フルコンも十分に狙えそうです。ソフトフィルタを有効にした紙吹雪の舞うMVもバッチリ楽しむことができます。

タップ音無しなら大丈夫、耳で聴いたとおりにタップすればちゃんとフルコンとれます。

注意点があるとすれば、指紋センサーをダブルタップでカメラを起動する設定にしていると、熱中している間にうっかりカメラを立ち上げてしまうことがあります。両手持ちして親指プレイしているプロデューサーの方は、そこだけ注意したら大丈夫でしょう。

FGO

チュートリアルから1時間程度プレイしてみましたが、メモリ4GBということもあってリソースにかなり余裕があります。しかしFGOは重い部類のゲームです。戦闘中にエフェクトの激しい攻撃があると若干カクつくような場面がありました。また、カードを選択するときもクリティカルスターの割り振りで少し引っかかりが生じます。長期間遊んだ場合のパフォーマンスの変化までは予測できませんが、ちゃんとゲームプレイは行えるかと思います。

金属ボディであることや、省電力なSoCであることもあって、発熱やバッテリー消費は控えめな印象でした。でも減り具合から推測するに4時間半が限度ではないかなと。省電力設定を見直してみるともう少し伸びる可能性はあります。

FGOプレイ時の電池消費

オルガル

基本的な動作は問題ありませんでした。バッチリ遊べます。若干のカクつきが気になる場合は、設定で画質を下げてみましょう。

ジャイロを搭載しているので、VRラウンジも遊べます。

ジャイロといえばポケモンGOですが、体調不良でずっと篭ってるので試してないです…。

パフォーマンスについて

Snapdragon 430(MSM8937)のGPUはAdreno 505。Snapdragon 410(MSM8916)のAdreno 306と比較すると動作クロックは50MHzの差ですが、GFLOPSは倍ちょっとの違いがあります。

ミドルレンジモデルのSoCだと侮っていましたが、予想よりはパワーがあるようです。同時期に発表されたSnapdragon 617との比較もしてみましょう。

比較に使用したのはお馴染みAntutuベンチマーク。ベンチマークテストは体感のパフォーマンスは測れないため、スコアの良さが必ずしも動作の快適さに繋がるわけではありませんが、ベンチマークの数値というのは性能を語る上では分かりやすい指標であると思います。

ZenFone 3 Laserの総合スコアは44146でした。内訳は3Dが9171、UXが15607、CPUが14559、RAMが4809です。比較対象としたSnapdragon 617搭載のHTC One A9はUX I/Oパフォーマンスの測定エラーが発生して正確な総合スコアが出せませんが、それを考慮して計算するとほぼ同スコア。RAMのスコアは少し劣りましたが、大きな違いと言えば3DのスコアがZenFoneのが少しだけ高めだったことでしょうか。

この結果から、まだ利用をはじめて間もないことなどを考慮しても、新しい世代のグラフィックスAPIを使用しているSnapdragon 430は、Snapdragon 617相当の実力があるのではないかと考えられます。

細かなことを言うと、CPU周波数が抑えられていることや、DSPが1つ前のものだったりすること、LTE Cat.4であったりとSnapdragon 617とは差別化は図られています。それでも400番台のSoCであるからといってパフォーマンス面に劣ることはなく、動作を過度に心配する必要はないでしょう。

auでの運用について

ZenFone 3 Laserはドコモだけではなくauでも使うことができます。

auのSIMカードを挿入すると、APN一覧にIIJmio、UQ mobile、mineoが表示されるようになります。今回はau純正のSIMカードを利用したので、APNは手動で入力しました。また、au VoLTE対応なので、ステータスバーにはVoLTEのアイコンが表示されます。

さて、auでの利用となると少し前に話題になったIIJのミーティングを思い出します。auから販売されていないデバイスでは、au網で利用する際に幾つかの問題が生じる可能性があるというものです。該当していたのは具体的に次の2つです。

IP MTU問題

詳細はIIJの資料を読んでもらうとして、au網で利用する際MTUが一般的な値である1500に設定されているとパケットが分割されてしまって速度低下が発生するというこの問題。au端末ではMTUが1420になっているのですが、ZenFone 3 Laserはというと。

1500です。こればかりは(通常は)ユーザーが変更できないので仕方ないですね。実際に速度の低下を感じているかと言われると、au純正の回線を利用している限りではこれといって遅さは感じませんでした。下り40Mbpsぐらい出てますし。

ちなみにSCV31だとこう表示されます。

着信時の+81表示問題

これも詳細はIIJの資料を読んでもらうとして、着信時の相手の電話番号が090-xxxx-xxxxではなく+81 90-xxxx-xxxxで表示されてしまいます。…が、修正アップデートが来ています。(14.40.144.37_20170119)流石ASUSさん。システムパフォーマンスも改善しているようです。

修正前。背景伸びてるのも凄く気になる。

着信時といえば、操作中の着信は上からフライアウトが表示されるので、全画面表示で邪魔されるようなことがなくて嬉しいですよね。

音楽も聴いてみた

ZenFone 3 Laserは他のZenFone 3シリーズとは違ってハイレゾ対応はしていませんが、音楽を聴いてみました。プリインストールアプリはGoogle Play ミュージックのみのようだったので、別途PowerAmpを入れてあります。(うっかり上限超えると困るので)

レビュー時はPowerAmpのイコライザーやエンハンサーは利用せずに聴いてみることにしました。イヤホンジャックが少し固めなので、再生前にしっかり奥まで挿し込まれているか確認することをおすすめします。試聴にはMDR-CD900STを利用しています。

イヤホンジャックは上部、しっかり挿し込もう。

さて、肝心の音のほうはというと、ホワイトノイズなどの問題も特に見当たらなく良好。少し音が狭く感じますが、偏りのないフラットな音を奏でてくれました。高級なデバイスと比べると流石に解像度感や音の広がりなどの物足りなさを感じてしまいますが、ミドルレンジのスマートフォンとしては文句はないでしょう。癖がないのはいいことです。

今回試聴に用いたのはモニターヘッドホンでしたが、お使いのイヤホン・ヘッドホンによってはもう少し高音や低音を強調しないと物足りないと感じることがあるでしょう。純正の音楽アプリはプリインストールされていませんでしたが、ASUS純正のイコライザーは付属していますので、簡単な設定で少しだけ音に味付けをすることもできますよ。

総評

安価ながら大画面や薄型の金属ボディ、そして十分な性能を備えていることから、手に馴染めば「買い」なスマートフォンであると感じられました。満足感は比較的高めです。所詮400番台のミドルレンジモデルと侮ると驚かされるかもしれません。もちろんゲームがしたいだとか、良い音で音楽を聴きたいとなると上位モデルのZenFone 3を選ぶほうが良いです。

あれもこれもと欲張ると物足りなくなるのは当たり前のことです。中ぐらいの位置付けをされているスマートフォンをどう使うのか、自分の利用スタイルと相談して検討するとベストな選択ができることでしょう。

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