PCVRができるストリーミングアプリ「PICO Connect」レビュー

本記事はPICO Connect 10.5.10での情報です(随時更新)

「PICO Connect」は「PICO OS 5.11.2」以降で利用できるPICOデバイス向けのストリーミングアプリです。これは、これまで利用できた「Streaming Assistant」の後継アプリとなります。

「PICO Connect」ではPCのデスクトップに接続して操作したり、SteamVRのゲームをストリーミングで楽しんだりすることができます。早い話が、無料で「Virtual Desktop」と同じようなことができるアプリです。

PICO Connect | PICO Japan
オールインワンヘッドセットのストリーミングアシスタントであるPico Linkを使用して、PC VRゲームをお楽しみください。インストールのガイダンスに従ってください。

今回は、「PICO Connect」にどういった利点があるのか、「Virtual Desktop」などと比べてどう違うのかに注目してレビューしていきたいと思います。

※2024年6月18日に配信された10.1.5アップデートでBetaの表記がなくなりました。解像度やビットレート設定も大幅に向上しています。

「同一バージョンのビルド番号違いとなる10.4.5.1946(先行公開されたもの)から10.4.5.1989(公式サイトにある正式版)にアップデートする」という特殊な状況でエラーが発生したことがあります。もし「10.4.5.1946」から「10.5.10.0」にアップデートしようとしてエラーが出た場合は、まずは公式サイトにある「10.4.5.1989のインストーラーで上書きインストール」を行ってからアップデートをお試しください。

良かった点

  • 公式機能なので無料ですぐ試せる
  • PICO 4のディスプレイに合わせた鮮やかな色合いで楽しめる
  • 解像度は片目3480pxまで対応
  • Wi-Fiでも、USB接続でも簡単に利用可能
  • コントローラーのトラッキングも良好
  • コントローラーの位置・角度調整に対応
  • 「AVC 1000Mbps」設定が追加(※USB接続時のみ)
  • AV1対応(PICO 4 Ultra専用)
  • PICO Motion Tracker、ハンドトラッキング対応

悪かった点

  • PICO 4でのマルチディスプレイ時、画面の切り替えに時間が掛かる(PICO 4 Ultraでは3画面表示に対応しました
  • SteamVR側へHMDとコントローラーのバッテリーを通知してくれない(XSOverlayなどで確認できない)

記事長過ぎ、簡単にまとめて。

PICOヘッドセット専用に作られた、Wi-FiとUSBどちらでも簡単に接続できる無料のPCVRストリーミングアプリ。価格・手軽さ・機能等を考慮すると個人的に甲乙付け難く、Virtual Desktopとは良い勝負。

  1. アップデートとインストール
    1. PICO 4本体のアップデート
    2. PICO本体側のアプリをアップデート
    3. PCにPICO Connectをインストールする
  2. 各種設定
  3. パフォーマンスなどを比較
    1. 解像度は片目3480pxまで設定可能
    2. コーデックはAVCやHEVCの他にAV1が利用可能に
    3. AVC 300Mbpsと500Mbpsを試す
    4. Virtual DesktopとHEVC 150Mbpsで比較
    5. HEVC/AV1使用時の色は8bit?
    6. シャープや超解像度ビデオで調整するのもアリ
    7. 負荷について
    8. 遅延具合は同等
    9. 表示は色鮮やか
    10. マイク音量と遅延について
  4. その他機能や注意事項について
    1. コントローラーの遅延が小さい(気がする)
    2. Windowsで使用する際のキーボードについて
    3. PICO 4の場合ディスプレイの切り替えで(少し)時間がかかる
    4. 接続が切れても復帰できる
    5. 管理者権限で動くので注意
    6. SteamVRからバッテリー残量は確認できない
    7. 一部のショートカットキーが動作しなくなる(部分的に改善済み)
  5. SteamVRでのコントローラー設定について
    1. バインドはPICOコントローラー用
    2. デフォルトのコントローラーボタン割り当て
    3. XボタンでSpace Dragする例
    4. 【VRChat】ピースサインしか出せなくなったときは
    5. 【VRChat】人差し指だけが曲がるなど、ジェスチャーがおかしいときは(10.3.10までの問題、現在は対処の必要なし)
    6. ハンドトラッキングについて(10.4以降で対応)
    7. アップデートのアンインストール方法(10.2.7に戻す)
    8. 【その他トラブルシューティング】繋がらない!動かない!落ちる!なにかがおかしいときは
  6. 公式の機能で十分な品質

アップデートとインストール

「PICO Connect」は「PICO OS 5.11.2」以降で利用できるアプリなので、まずはPICO本体のアップデートを行う必要があります。PICO 4 Ultraではプリインストールされているので、PICO本体へのインストールに関しては特筆のない限りはPICO 4を使っている前提で説明をします。

PICO 4本体のアップデート

設定から「PICO OS 5.11.2以降」へアップデートをします。詳細は割愛しますが、ここで手間取ることはないと思います。

PICO本体側のアプリをアップデート

PICO OSを更新しただけでは古いアプリのままとなっていて利用できない場合があります。何かおかしいときはストアで新しくアプリを入れましょう。

  • ストアで「Connect」と検索してアップデートをします。
  • スマートフォン側からアプリを検索してインストールすることもできます。

※現在はPICO Connectではなく「Connect」にアプリ名が変更されています。

PICO Store - Connect
Only on OS 5.9.0 and above, Streaming your desktop and Play SteamVR games.

スマートフォンアプリは以下

PICO
PICO
金額: 無料

PCにPICO Connectをインストールする

【SteamVRの新規インストール・修復をしておこう】
トラブルを避けるためにも、予めSteamVRをインストールしておきます。また、以前から利用している場合はSteamライブラリでSteamVRのプロパティを開き、インストール済みファイルの欄で「ツールファイルの整合性を確認」しておくのをお勧めします。

【Streaming Assistantはアンインストールしておくこと】
PICO Connectと競合してしまい、上手く動作しなくなる可能性があります。

公式サイトからダウンロードして、PCにインストールしましょう。

PICOアカウントへのログインは行わなくても利用できます。

但し、ログインしていない場合は同一ネットワーク内にある他のPICOヘッドセットからPCに接続できてしまいますので、そのような環境ならばログインしておいた方が安全です。(個人ではそういう心配はほぼない)

自動接続機能が使いたい場合はログインしてみてください。

各種設定

長くなるため別記事に移動しました。

「PICO Connect」の機能解説と設定方法
PICO Connectの解説です。2025年5月13日時点での最新となるバージョン10.5.10を基準に執筆しています。インストールとアップデートPICO本体PICO OSが最新になっていれば「Connectアプリ」がプリインストールされ...

パフォーマンスなどを比較

動作確認環境

  • Windows 11 Pro 23H2
  • Ryzen 7 5800X3D
  • Radeon RX 7900 XT/RX 7900 GRE / Radeon RX 6800
  • AMD Software: Adrenaline Edition(24.5.1~25.3.2)
  • PICO 4 / PICO 4 Ultra
  • PICO Connect(10.1.5~10.5.10)
    • ガンマ 1.00
    • 超高解像度ビデオ オン
    • 画像のシャープ化 75%(75%が初期設定)
  • Virtual Desktop(1.32.5)
    • Gamma 1.00
    • Increase video nominal range オフ
    • Sharpening 50%
  • ALVR(20.6.1)
  • 無線:Aterm WX1800HP Wi-Fi 6(5GHz)/ ASUS RT-AX3000 Wi-Fi6(5GHz)
  • 有線:USB3.0ケーブル(5Gbps)
  • VRChat 高設定(アンチエイリアス4x)

10.1.5アップデート時に検証し直しているので、幾らか設定にばらつきが生じています。また、PICO 4標準のスクリーンショット機能を用いていますので、画像の劣化が生じています。予めご了承ください。

10.1.5アップデートでビットレート上限が大幅に変更されました。HEVCコーデック使用時は150Mbpsのまま変わりませんが、AVCコーデックの場合は300Mbpsを超えてもPICO本体側が簡単には悲鳴を上げないようになっています。それでも負荷は掛かってバッテリー消費が増える可能性があるので程々にしておきましょう。

解像度は片目3480pxまで設定可能

PICO ConnectVirtual Desktop
Potato 1488px
スムーズ(Smooth)1728pxLow 1776px
標準画質(Standard)1920pxMedium 2064px
高画質(High)2208px
超高画質(Super)2592pxHigh 2544px
Ultra 2736px
ウルトラHD(Ultra)3120pxGodlike 3120px
ウルトラHD+(Ultra+)3480px

(※近そうな解像度で比較)

10.1.5アップデートで設定可能な解像度が引き上げられました。「PICO Connect(Beta)」の頃はUltra設定(2560px)が最高設定でしたが、アップデート後は「Virtual Desktop」のGodlike(3120px)相当の設定やそれを超える設定が追加されました。

通常のスクリーンショットは1920×1920のJPEGファイルにされてしまうので、adbコマンドで取得しました。超高解像度ビデオ(SGSR)は全て有効で、コーデック設定はワイヤレスで無難に接続できるHEVC 150Mbpsとしています。

adb shell screencap -p /sdcard/スクリーンショット.png

adbコマンドで取得するとこのような形でスクリーンショットされる

解像度別比較

まずは「スムーズ」から「高画質」まで。

ビットレートを一定にできないので大雑把な比較となりますが、遠目に見ても順当に鮮明になっているように感じられます。

次は「超高画質」から「ウルトラHD+」です。

PICO 4 Ultraの解像度(2160px)は既に超えているので、コメントに困りますね。

最後に、最低画質の「スムーズ」と実解像度に近い「高画質」、そして最高画質の「ウルトラHD+」で比較してみます。

「スムーズ」設定でも「超高解像度ビデオ(SGSR)」が上手く効いていますね。「高画質」か「超高画質」あたりでシャープ設定を調節するのが丁度良いぐらいになりそうに感じました。

ちなみに、過去にPICO 4で「超高画質(Super)」と「ウルトラHD+(Ultra+)」で比較したときのスクリーンショットが以下。PICO 4 Ultraとは色合いの補正が違うようで、ちょっと緑っぽいです。

拡大してみます。

なんとなくですが、「ウルトラHD+」の方が細かな部分が潰れずに済んでいるように見えます。スクリーンショットでは上手く伝えられないのが残念です。

※公式の案内によるとウルトラHD(Ultra/Ultra+)設定に関してもバッテリー寿命の低下の他に、Dockバーの遅延、画面録画のスタッタリング、モーショントラッカーの遅延増加などが生じる可能性があるとのこと。適切な設定を心掛けましょう。

【備考】SteamVR側でレンダリング解像度を上げるのと何が違うの?

PICO Connectの解像度設定を変更すると、SteamVRのスケーリング100%時のサイズも変更されます。では、「PICO Connectの解像度設定は標準画質(1920px)のままSteamVRのレンダリング解像度を3480px相当まで大きくした場合」と「PICO Connectの解像度設定をウルトラHD+(3480px)まで大きくした場合」では、後者の方が綺麗に見えるはずです。

PICO Connectで設定した解像度でエンコードも行うと思われるので、「PICO Connectの解像度設定は標準画質(1920px)のままSteamVRのレンダリング解像度を3480px相当まで大きくした場合」は実際にPICO本体に送られてくる映像は1920pxとなります。逆にSteamVRのレンダリング解像度を1000px相当まで下げていても、PICO Connectの解像度をウルトラHD+にしていると1000pxを3480pxまで引き延ばしただけの映像が送られてくるはずですので、PICO本体に無駄な負担が掛かることになります。

EBW(Eye Buffer Width)とEBH(Eye Buffer Height)が3480となっているのが確認できる

PICO Connectの解像度設定をウルトラHD+(3480px)に設定したところ、PICO 4側のEye Bufferも連動して3480pxとなるのを確認しています。SteamVR側でレンダリング解像度を変更してもEye Bufferは連動はしません。

これはVirtual Desktopでも同様で、Godlike設定時に3120pxになることを確認しました。

エンコード解像度とレンダリング解像度の関係はVirtual DesktopやALVRでも同様ですから、SteamVRのレンダリング解像度を変更する際はアンバランスな設定にしないよう気をつけましょう。

コーデックはAVCやHEVCの他にAV1が利用可能に

映像のエンコードに使用するコーデックを変えることで、画質を優先したりネットワークの負荷を軽減したりすることができます。Wi-Fi接続での上限で比較するなら、AVC 300Mbpsが最も綺麗に感じられました。HEVCとAV1の150Mbps設定は甲乙付け難い感じがあります。

PICO 4 Ultraを使っていて、なおかつ低ビットレート設定ならばAV1のが優位性がありそうです。

大雑把な比較、レイテンシーの差は小さい

USB接続の状態で負荷やレイテンシーを比較してみましたが、Radeon RX 7900 GREにおいては差が出ないという結果になりました。全く負荷のない状態で試したところ、AVCが最も遅いという結果になりましたがそれでも2~4ms程度の差でした。

GeForce環境では違いが出るかもしれませんし、Wi-Fi接続で使用する場合はAVCで300MbpsにするとHEVC150Mbpsと比べて伝送が間に合わなくなる可能性が出てきます。

AV1だと若干バッテリーを消費するかも?

AVC 300Mbpsと500Mbpsを試す

10.1.5アップデートで、AVCコーデック使用時にUSB接続で最大1000Mbpsを設定可能になりました。また、ワイヤレス接続時の上限も150から300Mbpsに向上しています。

Betaの頃はファイルを改変して無理やり300Mbpsなどに設定する手法がありましたが、PICO側のデコードが間に合わなくなるなどのトラブルが起きるので実用的ではありませんでした。しかし、今回のアップデートからはAVC 300~500Mbpsでのデコードは問題なく行えるようになっています。とはいえ、流石に1000 Mbpsはやり過ぎなようで、USB接続でもマトモに動作しなくなり、映像が止まってしばらく応答が無くなる事もあります。その場合はPICO本体のメニュー画面はすぐ出せるので、一度アプリを終了して開き直すと復帰できます。

ほとんどの場面で綺麗に表示されるため、今回は桜並木やアスファルトの路面がある場所といった、あえてかなりの悪条件で比較をしてみます。こういったものは細かいせいでエンコードが潰れやすいからです。金網とかも表示が潰れやすいです。

解像度設定は高画質(High)2208pxで、超高解像度ビデオ設定を有効にしています。

遠目に見た感じ

ワイヤレス接続の上限値では、AVC 300MbpsとHEVC 150Mbpsが大体同じぐらいか、AVCのが少し上という感覚がありました。どちらもアスファルトのようなディテールが細かなものは潰れてしまいます。

簡易的な確認だけで限界は切り詰めていないのですが、700~800Mbpsぐらいから苦しそうな感じがあるので上げすぎは禁物です。とりあえず半分の500Mbpsかなと試したわけなのですが、十分に綺麗な表示で楽しめます。

分かりやすいようにトリミング

HEVCがイマイチなように見えますが、AVC 250~300Mbps相当(?)を150Mbpsで実現しているのでネットワーク周りが安定するはずです。余裕があるのならUSB接続でAVC 500Mbps、Wi-FiではAVC 300Mbpsで遊ぶという運用が丁度良いかもしれません。

USBケーブルを接続して有線で遊ぶなら、AVCにしたほうがいいね。

※公式の案内によると高ビットレート設定はバッテリー寿命の低下の他に、Dockバーの遅延、画面録画のスタッタリング、モーショントラッカーの遅延増加などが生じる可能性があるとのこと。適切な設定を心掛けましょう。

Virtual DesktopとHEVC 150Mbpsで比較

PICO 4の場合、HEVCでのビットレートは「Vitrual Desktop」と同様に150Mbpsが上限です。「PICO Connect」の方はパフォーマンスを監視していると150Mbps以上出ているときもあるようです。

PICO 4 Ultraの場合、Virtual DesktopはQuest 3と同様にH.264+で600Mbps、HEVC/AV1で200Mbpsが選べるようになっています。PICO ConnectではPICO 4 UltraとPICO 4とではAV1対応以外の違いはありません。

但し、先程のように雨が降っているワールドなどの視界はイマイチで、「PICO Connect」のHEVCコーデックはエンコードが潰れやすい状況下での表示品質は少し悪いようです。

動きのある場面も苦手なようで、車で桜並木を駆け抜けていくような場面でも表示が潰れてしまいがちです。道路の中央線が潰れて遠くの方が消えているほか、桜もモヤがかかってしまいました。そういうときはビットレートが100~130Mbpsぐらいだったりして、150Mbpsは出ていません。

VRChat内での比較

Radeonにおいては同じHEVC 150Mbps設定の場合、「Virtual Desktop」の方が表示が潰れにくくて良好でした。「Virtual Desktop」はステータス表示を見ると固定ビットレートで動作しているように見えますが、設定値が表示されているだけなのでPICO Connectと同様にビットレートは変動していました。それでも画質を最優先にかなり詰めた調整をしているようで、同じビットレート設定でもVirtual Desktopのが綺麗に表示されます。(その分エンコードやデコードに時間が掛かっている?)

また、AVCの場合は「Virtual Desktop」の方が「ワイヤレスでH.264+ 400Mbps」に対応している分だけ優位性があります。(※「PICO Connect」はワイヤレスでAVCは300Mbpsまで)ネットワーク環境によっては400Mbpsは安定しないのですが、300Mbpsあれば良い感じでした。

画質を優先したいけれどもWi-Fiルーターとの接続が安定しないのであれば、「Virtual Desktop」でHEVC 150Mbps(※こちらは10-bitモードも選べます)で遊ぶのが良さそうです。

「PICO Connect」と「Virtual Desktop」共にWi-Fiルーターの性能に余裕があるのなら、HEVCよりもAVCのが高ビットレートに設定できてより綺麗です。

HEVC/AV1使用時の色は8bit?

10bit表示になっているかどうかについては、恐らく8bitのままだと思われます。VRChatのロード画面で見比べてみるとカラーバンディングはあるものの、普段から目立つかどうかについてはそこまで顕著ではないと感じました。

VRChatのロード画面での比較

10bitモードではないので、AMD Radeon RX 6800 / RX 7900 GRE(ドライバ 24.5.1~24.10.1)でもHEVC/AV1コーデックは不具合なく快適に動作しています。

シャープや超解像度ビデオで調整するのもアリ

シャープの掛け具合で品質にかなりの差が生じますので、無理して超高画質やウルトラHDに設定する必要はなさそうだと感じました。高画質設定でもシャープや超解像度ビデオ機能を有効にするなどして、PCに負荷を掛けすぎないようにするのも大事だと思います。

負荷について

10.1.5アップデート後、簡単に検証しました。他と比べてPICO Connectの方が明らかに重いという事はなかったので大丈夫です。

GPU負荷比較(大体の目安)

Radeon RX 6800とSteamVR Homeで確認したときの負荷です。大雑把な比較ですが、VRAM使用量はかなりの差が出ているのでVRChat用途であれば「High」か「Super」ぐらいにしておくのをおすすめします。

解像度GPU使用率VRAM使用量
高画質(High)2208px63~80%5.7GB
超高画質(Super)2592px78~85%6.0GB
ウルトラHD(Ultra)3120px67~89%6.8GB
ウルトラHD+(Ultra+)3480px85~90%7.4GB

パフォーマンス比較 その1

PICO Connect 10.1.5Virtual Desktop 1.32.5
  • 超高画質(Super)2592px
  • HEVC 150Mbps(無線)
  • 90Hz
  • ASW オフ
  • High 2544px
  • HEVC 150Mbps(無線)
  • 90Hz
  • SSW オフ
  • VRChat 高設定
  • VRChat アンチエイリアスx4
  • VRChat ミラーの解像度 無制限
  • PICO 4(※Ultraではなく無印)
  • Radeon RX 6800
  • AMD Software: Adrenaline Edition 24.5.1
  • KanaRoom 701
  • Carnelian Town – Rainy Night

KanaRoom入ってすぐ横のミラー前と、Carnelian Town入ってすぐのガイド前で簡易測定をしました。

簡易測定した限りではフレームレートはどちらも大差なく、変動もありません。VRAM使用量についても影響が出るほどの違いはなさそうです。短時間の測定なので、平均フレームレートについては無視してください。GPU/CPUのフレームタイムを見ると「PICO Connect」の方が若干負荷が高いように見えますが、そもそも解像度が違うのでその差は出てしまいそうです。

というわけで、SteamVRの設定を変更して可能な限り解像度を合わせたのが以下。

96%設定にすると片目2540pxになるので、レンダリング解像度は大体同じになります。(エンコード解像度はそのまま)GPUのフレームレートとフレームタイムもほぼ横並びとなりました。GPU側の条件をできる限り揃えてみましたが、それでも「Virtual Desktop」の方がCPU使用率が僅かに低いという差が見られます。タスクマネージャーで確認すると、どちらも全く使ってないように見えます。

表面しか見えていないので流石にどのような処理の違いがあるのかまでは分かりませんが、数値の差は小さくて体感できるような違いはありませんので、許容範囲だと思います。

尚、SteamVRの解像度スライダーを弄るときにうっかり解像度を上げてしまった影響が出ているので、96%設定時のRAMとVRAM使用量、平均フレームレートは参考にしないでください。

パフォーマンス比較 その2

色々と環境も変わったので、PICO 4 UltraとRadeon RX 7900 GREで軽く確認してみました。

PICO Connect 10.3.9Virtual Desktop 1.33.3
  • ウルトラHD 3120px
  • HEVC 150Mbps(無線)
  • 72Hz
  • ASW オフ
  • フレームバッファリング オン
  • Godlike 3120px
  • HEVC 150Mbps(無線)
  • 72Hz
  • SSW オフ
  • Video buffering オン
  • PICO 4 Ultra
  • Radeon RX 7900 GRE
  • AMD Software: Adrenaline Edition 24.10.1
  • SteamVR beta 2.9.2

できる限り解像度とコーデック、ビットレートを合わせてあります。PICO ConnectのLatencyの値は各項目の合計値が出ていますが、Virtual Desktopの場合はそうではないようで16~18ms程度大きい値が出ているように見えます。

パフォーマンス比較 その3

詳細は別記事となりますが、PICO Connect 10.5.10とVirtual Desktop 1.34.0ではCPU負荷が逆転していました。

Virtual DesktopがPICO Motion Trackerに対応、バージョン1.34.0アップデート
2025年4月2日、Virtual Desktop 1.34.0アップデートで待望の「PICO Motion Tracker」に対応しました。Meta Questで動作するようになったわけではなく、これまでPCVR用途ではPICO Conn...

遅延具合は同等

検証によると、PICO ConnectとVirtual Desktopの双方とも比較的優れた結果を残しているようです。

GitHub - Greendayle/VR-Motion-to-photon-latency-
Contribute to Greendayle/VR-Motion-to-photon-latency- development by creating an account on GitHub.

表示は色鮮やか

Quest 2などからPICO 4に乗り換えたとき、「Virtual Desktop」の映像があまり鮮やかではないと感じたことかと思います。これはQuest版の「Virtual Desktop」で使用している機能がPICO側にない都合だとは思いますが、「PICO Connect」や「ALVR」ではちゃんと色合いが鮮やかに表示されます。

鮮やかさについては「ALVR」はエンコードの細かな設定ができるという都合もありますが、そもそもPICO用の「Virtual Desktop」では、Quest版に存在する「Increase color vibrance(色の鮮やかさを高める)」の項目が存在しません。OS側のカラープロファイルを変更しているらしいのですが、PICO 4では「Virtual Desktop」側から呼び出せるカラープロファイルが存在しないようです。(※Increase video nominal rangeの設定はある)

また、「πランチャー」などからAndroid標準の設定を呼び出して、ディスプレイ表示をビビット設定にしても「Virtual Desktop」ではあまり変化を感じられないと思います。

別に「Virtual Desktop」に何か問題があるわけではなく、ありのままを映しているだけです。恐らく「PICO Connect」側はPICO 4の液晶に合わせて何かしらの補正を掛けているのだと考えられます。その為、スマホなどでスクリーンショットを見ると濃すぎるように感じますが、PICO 4のディスプレイではこのぐらいが丁度良く見えます。

最終的にこれは好みの問題ですが、個人的には「PICO Connect」の彩度の方が心地よく感じられました。

色合いは変更可能

PICO Connect 10.3.10で「色彩強調」機能が追加されました。再起動不要で即座に反映されます。

PICOのディスプレイで見栄えするような調整が入っていると思われるので、スクリーンショットをPCやスマホから見ると「鮮明」設定はかなり赤みがかって見えると思います。PICOヘッドセット越しに見ると、「自然」は少し緑っぽさが感じられ、「鮮明」では全体的に色の表現が豊かに感じられるように思いました。色の正確さを求める機能ではないので、好みで設定したら良いと思います。

元々動いていた機能に、選択肢が追加されたという感じに見えました。うろ覚えですがPICO 4では「自然」、PICO 4 Ultraでは「鮮明」がバージョン10.2.7までの見え方に近いような気がします。PICO 4 Ultraを使っていて、「アップデートで以前と色が変わった気がする?」という方は「自然」から「鮮明」に変更してみてください。

マイク音量と遅延について

個人的なお勧めは「PICO Connectの音量30」「VRChatの音量30~50」「VRChatのノイズの抑制はオフ」「マイクが有効になる音量は1~5%程度」です。(※個人差あり)PICO Connectアップデートの度に確認を推奨します。

初期設定の音量50のままであれば多くの場合問題ありません。わざわざ音量を上げて100に設定しなければ大丈夫ですが、話し声の大きな方は50よりも下げる必要があるかもしれません。但し、VRChatで使用した場合に音量50だと至近距離で会話をしたり声の減衰がないワールドやギミックを使用した場合に音が割れる事があったため、ローカルテストなどを行って調整しておくと事故を防げそうです。

PICO Connect側で行った音量設定はWindowsの録音デバイスのレベルと連動していますので、勝手にマイク音量を弄るようなアプリケーションを使っている場合は影響するかもしれないので注意してください。

「Windows標準のサウンドレコーダー」で録音したmp3データは以下の通りです。(※Audacityでくっつけました)

話し声程度の声量で、PICO Connect マイク音量100→75→50の後にVirtual Desktopで100→75を収録してあります。(Virtual DesktopはノイズキャンセルOFFの状態)PICO Connectでは2つあるマイクをそのまま使用した16bit 48000Hzのステレオ録音になりますが、Virtual Desktopはモノラルになるという違いがありました。

前半がPICO Connectでの録音、後半がVirtual Desktopでの録音。PICO Connectでは2chでの録音となる。

スクリーンショットの波形を見て分かるとおり、PICO Connectの音量100は爆音なので、十分に注意して再生してください。(ちょっと声枯れてるけど勘弁ね)

デュアルマイクだったPICO 4に対して、PICO 4 Ultraではマイクが4つに増えて空間オーディオの録音をサポートするといったハードウェア面で大きな変更がありますので、時間のあるときに改めて録り比べをする予定です。(※VRChatにおいてはステレオマイクは左側音声のみ拾って尚且つモノラル音声出力になると思うので、ステレオマイクかどうかはあまり関係ないはず……?)

音声の遅延に関してはWindows側で監視した限りでは酷くは感じられませんでしたが、VRChat上ではリップシンクの反映までに若干の遅れが見られました。無線接続であることを考慮しても十分許容範囲の遅延だと思います。Wi-Fiの接続具合などの問題で、マイクが入力されるまで1~2秒も遅れるような大きな遅延が発生してしまった場合は、ビットレート設定を見直したり一度接続を切って再接続してみると良いかもしれません。もちろん、VRChatにおいては相手へ声が届くまでに更にネットワークの遅延が生じてしまうので、ジェスチャーも上手く活用して会話するのが良いでしょう。

マイクテスト機能なども活用して音が割れないように調整しておこう

ノイズ抑制機能があるとのこと

マイクに関しては、より詳しい情報をまとめている方がいらっしゃいます。PICO 4関連情報を探すと必ず見かけるので皆さんご存じの、みみずくさんの記事です。

Pico4のマイク設定について|みみずく
2024/9/19 VRCのノイズ抑制について記載しました。 Pico connect でのマイクについて Pico connectのバージョンを10.2.7にしてください。 マイクの設定が修正されました。 Ver.10.1.5からマイク設...

その中で、「同じ音が続くと少々過剰にノイズカットされる機能がある」という情報がありました。それは知らなかったので驚いたのと同時に、詳細がとても気になったのでどのぐらい過剰か試したところ、こんな感じでした。

大体2秒連続音が続くとカットされるようです。VRChatでノイキャン無しで使っていて、爆音でファンを回してるPCや扇風機の音が全然入らなかったり、同じ部屋で家族が喋っていても割と平気だったりするのはなんとなく感じていましたが、これは知らなかった……。なかなか気が付かないですね。

以下は「あーーーー」って言ってるだけのしょうもない音声サンプルです。先程より大きめの声を出してるのでちょっと割れ気味かな?(音量70)

ちなみに風量を上げたサーキュレーターの目の前に居るときの音はこんな感じでした。(音量70)

この2秒後の減衰は、PICO OS 5.13.3.UとPICO Connect 10.5以降の組み合わせでノイズキャンセリングをオフにすると切れるようになったので、歌を歌う方や他のノイズキャンセリングと併用する予定の方はお試しください。

【Tips】VRChat内で自分の声を確認するには

VRChatでの聞こえ方を確認する方法です。VRChat側で声にコンプレッサーやブーストが掛かるので、相手との距離によっては音が割れる事があるようです。もちろん挙動はワールドの設定によって異なりますが、VRChatデフォルト設定での音量を実際に確認しておくと良さそうです。

アバターではなくワールド用のプロジェクトを作成してテストビルドするという手段を用いると、VRモードとデスクトップモードのローカルテスト用のVRChatを同時に起動できます。

アバターのアップロードをするときと同じようにUnityを使用します。ワールド用のVRChatプロジェクトを作成して、そのままVRChat SDKのBuilder画面を出します。VRで動かす準備をするために必ずPICO Connectを接続しておいてください。

「Force Non-VR」にチェックが入っているとデスクトップモードで起動します。まずは「Build & Test Your World」に設定してBuild & Testボタンを押してVRChatを起動してみましょう。

VRChatが起動できたのを確認したら、VRChat内でマイクのミュートをしておいてください。今度は「Test Your Last Build」に変更します。

1つ目のVRChatをVRモードで起動している場合はForce Non-VRにチェックを入れてからTest Last Buildボタンを押します。デスクトップモードで起動していた場合はチェックを外してから起動します。(Force Non-VRのチェックの有無は手順が逆でも大丈夫だと思います。)

PICOを装着して、少し後ろに下がるともうひとりの自分がエラーアバターでそこに立っているのが分かると思います。VRモードとデスクトップモードのどちらもPICOのマイクを使う設定になっている状態ですので、VRChatの設定で片方がミュートになっていれば声が二重に聞こえてくることはないはずです。

アバター同士が重なるほどの至近距離に移動したり、普段フレンドと会話をするぐらいの距離に移動したりしながら、マイク音量の調整を行います。

VRC_PlayerAudioOverride
A region in a world where user voice and avatar audio properties can be adjusted.

その他機能や注意事項について

コントローラーの遅延が小さい(気がする)

「PICO Connect」にはコントローラーのトラッキング感度の設定があります。デフォルト設定の50%で利用していますが、軽快にトラッキングしているように感じられました。100%まで上げるとかなり敏感にトラッキングするようになるので、手ブレが酷くなります。速度重視なら感度高めにすると良いのかもしれません。(いや、それで合ってるのかは分からない)

また、手を後ろに回した時のトラッキングも問題はなさそうです。トラッキングが外れてもある程度はなんとかしてくれます。

Windowsで使用する際のキーボードについて

「Virtual Desktop」で左手コントローラーのXボタンを押すと専用キーボードが出てきて、そちらから文字入力することができましたが、「PICO Connect(Beta)」の頃にはそれがありませんでした。

10.1.5アップデートで、右上にキーボードボタンが追加されました。その時Windowsのスクリーンキーボードを呼び出すことができました。

10.1.5アップデート時のUI

現在はPICO Connect 10.5.10のアップデートによって、PICOのシステムキーボード(英字配列)が利用できるように変更されました。

但し、PICO 4 Ultraの「キーボードとマウスでのインタラクション機能」はPICO Connectに対応していません。PICO Connectで接続しているWindowsに対してPICOに繋いだBluetoothマウスは利用できませんでした。

PICO 4 Ultraの発表時に、最大3画面でPCやスマートフォンの画面をキャストする事が可能との情報がありました。スマートフォンのキャストに関してはPICO 4 Ultra 5.12.0.Uアップデートで追加されました。PICO 4 Ultraでの3画面表示は10.3.10アップデートで対応しています。更にマルチディスプレイ環境において、PICOコントローラーだけで画面を跨いだウィンドウの移動も行えるようにアップデートされました。

コントローラーから手を離してPC側のキーボードを使用することが多い場合は、誤作動防止のためハンドトラッキングをオフにしておくことをおすすめします。

PICO 4の場合ディスプレイの切り替えで(少し)時間がかかる

「Virtual Desktop」ではディスプレイ間の移動はYボタンで瞬時に切り替えができましたが、PICO 4での「PICO Connect」は左上に表示された1や2と表示されたボタンを押して切り替えることになります。ディスプレイの切り替えが完了するまでほんの少しだけ読み込み時間が発生します。

マルチディスプレイ対応そのものについては1画面のみでしたが、10.3.10以降は3画面に対応しています。PICO 4の場合はシングルディスプレイとなりますが、PICO 4 Ultraであればマルチディスプレイで利用できます。PICO 4 UltraのOSバージョンを5.12.6.Uにアップデートすると、ディスプレイを跨いだウィンドウの移動も可能です。

現在PICO 4 Ultraで対応する解像度はワイドディスプレイとなっています。

3840×1080 2560×1080 1920×1080に対応

3840×1080に設定した状態。いや、広すぎる。

接続が切れても復帰できる

USBケーブルが外れたりWi-Fiネットワークの問題が生じるなどして、PCとの接続が切れてしまっても再接続が可能です。たとえPICOの電池が切れてシャットダウンしてしまっても、SteamVRなどは保持されています。充電して起動すれば、そのままPCVRへ復帰できます。

これは「Virtual Desktop」も同様です。接続が怪しいときなど、PICOヘッドセット側のアプリを立ち上げ直したりしてもPC側のSteamVR等は起動したままなので大丈夫です。

管理者権限で動くので注意

「PICO Connect」は管理者権限で動作します。

10.5.10アップデートでUACの動作に調整が入ったので、PICO Connect経由でUACダイアログを操作できるようになりました。

「XSOverlay」などでマウスカーソルが「PICO Connect」のウィンドウと重なると操作できなくなるので、「XSOverlay」に管理者権限を付与しておく必要があります。(XSOverlayの設定内にあります)

SteamVRからバッテリー残量は確認できない

「PICO Connect」のUI上でHMDとコントローラーのバッテリー残量を確認できますが、StemaVRに送ってはくれないようなので、「XSOverlay」などで確認したり通知することはできないようです。「ALVR」や「Virtual Desktop」ではHMDのバッテリー残量のみ取得可能でした。今後の対応に期待したいですね。

一部のショートカットキーが動作しなくなる(部分的に改善済み)

PICO Connectの使用中は一部のキーボードショートカットが「グローバルホットキー」として設定されるので、他のアプリケーションで使用することができなくなるようです。例えばPhotoshopやCLIP STUDIO PAINTの「選択範囲を反転(Ctrl + Shift + I)」やBlenderの「選択範囲の拡大/縮小(Ctrl + Num+またはCtrl + Num-)」などが動作しなくなります。ブラウザのズーム周りも同じショートカットですね。

これはPICO Connectを閉じると元通り動作するようになります。

PICO Connect使用中に動作しないショートカット一覧
Ctrl + Shift + I
Ctrl + Num+(テンキーの+)※10.3.10で削除
Ctrl + Num-(テンキーの-)※10.3.10で削除
Ctrl + =※10.3.10で削除
Ctrl + Shift + =※10.3.10で削除
Ctrl + -(テンキーじゃない方の-)※10.3.10で削除
Ctrl + Shift + –※10.3.10で削除

10.3.10がリリースされた際に、Ctrl + Shift + Iのショートカットキー以外は消えました。

SteamVRでのコントローラー設定について

バインドはPICOコントローラー用

また、SteamVRからQuestのコントローラーとして認識される「Virtual Desktop」とは異なり、「PICO Connect」ではPICOコントローラーとしての扱いになります。バインドは新しく設定し直すことになるので気をつけてください。一応、互換モードでQusetのコントローラーとして動作するようにはなっています。

デフォルトのコントローラーボタン割り当て

左スティックleft_axis0
右スティックright_axis0
左トリガーleft_axis1
右トリガーright_axis1
左グリップleft_axis2
右グリップright_axis2
Aボタンright_a
Bボタンright_applicationmenu
Xボタンleft_a
Yボタンleft_applicationmenu

SteamVR側で割り当てされていないaxis3やsystemなどは、どういった挙動をするか調べていません。ごめんね。

XボタンでSpace Dragする例

VRChatを楽しんでいる方であれば、「OVR Advanced Settings」のSpace Drag機能でプレイスペースの高さを変えて飛んだり地面に埋まったりするのも必須な設定ですよね。こちらもXボタンだけでドラッグ操作と高さリセットを行えるようにしてみます。

OVR Advanced Settings
OVR Advanced Settings
開発者: OVRAS Team
金額: 920 JPY

コントローラーバインド設定を見てみると、詳細設定に長押しが2種類あります。2つある長押しのうち、片方は一定時間長押しを続けると実行されるものです。今回は長押し1をリセット(resetoffsets)に割り当てて、長押し2をSpace Drag(lefthandspacedrag)にしてみましょう。

motion欄のXボタンにresetoffsetsとlefthandspacedragを割り当てる

長押しを続けるとSteamアイコンが表示され、Steamアイコンの周りをインジケーターが1周するとリセットが実行されます。インジケーターが1周する前にボタンを放す場合はリセットは実行されません。

【VRChat】ピースサインしか出せなくなったときは

コントローラーから手を離してもピースサインになってしまうときは、タッチセンサーにトラブルが起きてると思われます。とりあえず該当するセンサーのタッチ操作を割り当て無しにすると対処できます。恐らくスティックのタッチセンサーが帯電しています。

QuestやPICO 4コントローラーで「ピースサイン」しか出なくなる問題に対処する(VRChat向け)
PICO 4コントローラーが誤作動をしてしまい、手を離してもVRChat上でピースサインが出てしまう問題に対処しました。Meta Quest 2や3のコントローラーでも同様の対応が可能です。情報としては既出のものです。電池を付け直したり電源...

【VRChat】人差し指だけが曲がるなど、ジェスチャーがおかしいときは(10.3.10までの問題、現在は対処の必要なし)

VRChat 2024.3.1(ビルド1490)から、SteamVR Input 2.0とQuestを使ったPCVRでのハンドトラッキングサポートが追加されています。

しかし、PICO Connect 10.3.10までのバージョンではコントローラーのバインドがおかしくなり、人差し指や親指だけが曲がるなど、殆どのジェスチャーが行えない状況になってしまいます。これはSteamVRからはQuestコントローラーであると認識がされるVirtual Desktopでは発生しませんので、PICO Motion Trackerを使う為に乗り換えた方は困惑していると思います。

[1485]Gestures do not work properly on Pico4. | Open Beta | VRChat
Gestures are not working correctly when Pico4 is connected with Pico Connect. I can't do the peace, rock'n'roll gesture.

現在はPICO Connectにハンドトラッキング対応が来たので、スケルトン設定を未使用に変更する必要はありません。過去に変更した方は元に戻すのをお忘れなく。

今回はVRChatの設定→コントロール→Edit SteamVR Bindingsから開きます。

Meta Touchのバインドになっていることを確認してください。HTC ViveやValve Indexになっている場合は変更してください。次に編集を押します。

現在のバインドの編集画面になったら、バインドの設定からスケルトンを選択

右手と左手のスケルトンの割り当てが未使用になっている場合は、それぞれ割り当てをし直します。

ハンドトラッキングについて(10.4以降で対応)

PICO 4 Ultraをお使いの場合で、既にバージョン10.4.5が自動配信されている方はハンドトラッキングを試すことができます。

VRChatにおいては、PICOコントローラーに戻したときにアクションメニューが操作できなくなる不具合がありました。その場合、もう一度ハンドトラッキングとコントローラーを行き来すると直る事があります。

アップデートのアンインストール方法(10.2.7に戻す)

開発者モードにしたPICO 4 UltraをPCに接続し、adbコマンドを打ってアプリ情報を開くか、settings.apkなどからAndroid標準設定を開いてConnectアプリのアプリ情報を開くと、「アップデートのアンインストール」が行えます。PICO 4 Ultraを5.12.0.Uにアップデート済みの方は、10.2.7に戻ります。

【adbコマンド】
adb shell am start -a android.settings.APPLICATION_DETAILS_SETTINGS -d package:com.picovr.picostreamassistant

【その他トラブルシューティング】繋がらない!動かない!落ちる!なにかがおかしいときは

別記事に移動しました。今のところ簡易的なメモです。WindowsやSteamVR、グラフィックドライバ等の自動アップデートで問題が起こることがよくありますので、頻繁な更新のないPICO Connectを疑う前にまずはそちらの修復や再インストールを試すのを強く推奨します。

PICO 4 / PICO 4 Ultraのトラブルシューティング
2025年5月12日 更新PICO 4やPICO 4 Ultraでトラブルが起きたときのまとめです。PICO Connectがクラッシュしたり、急に切断されて接続が上手くいかないなどの問題に対処します。自分でトラブルに遭遇しないと詳しく書け...

公式の機能で十分な品質

古いバージョンである「Streaming Assistant」は試していないので比較できなくて申し訳ないのですが、過去の評判を見る限りでは、「PICO Connect」になったことで品質はかなり向上したのではないかと感じられました。鮮やかな色合いでPCVRをやれるのが魅力のひとつだと思います。ALVRやVirtual DesktopでもPICO Motion Trackerが動くようになったので、PICO Connectの利点がひとつ減りましたが、PICO Connectの場合は追加の補正が掛かるので姿勢に違いがありました。

Virtual DesktopがPICO Motion Trackerに対応、バージョン1.34.0アップデート
2025年4月2日、Virtual Desktop 1.34.0アップデートで待望の「PICO Motion Tracker」に対応しました。Meta Questで動作するようになったわけではなく、これまでPCVR用途ではPICO Conn...

PCのデスクトップを操作する用途としては少しイマイチな部分がありますが、SteamVRでPCVRを楽しむのは快適に行えました。PICO公式の機能で無料ですから、気軽に試せます。Betaの頃から結構しっかりとしていて、正式版となった現在も比較的安定して動いています。あとは今後のアップデートでSteamVRへのバッテリー残量通知などが追加されることに期待したいですね。

記事の冒頭に書いたとおり、2024年11月頃から誤配信によるバージョン不一致となるトラブルで混乱が生じていました。そちらのバージョン(10.3.9)からアップデートを行うと中国版がインストールされてしまいますので、公式サイトからインストーラーをダウンロードするようにしましょう。また、アップデートに失敗する場合は一度再インストールを試してみてください。

2024/04/10:ビットレートについて追記
2024/04/17:Radeon環境での品質について追記
2024/04/27:超解像度ビデオ機能の効果について追記
2024/06/20:10.1.5アップデートによる解像度とビットレート設定の追加などを追記
2024/06/20:ASWについて勘違いしていたので修正、パフォーマンス測定と幾つかの古い情報を手直し
2024/06/22:解像度別の検証などを追加、細かな手直し
2024/08/20:PICO 4 Ultraが発表されたので少しだけ追記
2024/08/21:古い情報などを整理
2024/09/02:10.2.7アップデートについて追記
2024/09/12:トラッカー対応の情報を追記
2024/09/14:VRChatにおいてジェスチャーが機能しない問題について手直し、PICOモーショントラッカーの参考URLを日本版に変更
2024/09/16:基本操作一覧を追記
2024/09/19:マイク音量についてより詳しく追記
2024/09/20:あちこち微修正しつつレンダリング解像度とエンコード解像度の話とノイズキャンセリングについて追記(PICO 4 Ultra早く届いて欲しい~)
2024/09/22:PICO 4 Ultra関連情報を追記
2024/09/23:表示の鮮やかさについて手直し、OpenXR関連の情報を追記
2024/09/24:簡易的なトラブルシューティングを追加、そのうち追記予定
2024/10/05:Eye Bufferも確認したので追記
2024/10/21:解像度・コーデック比較をPICO 4 Ultraを用いて更新
2024/11/03:動作しなくなるキーボードショートカット一覧を追記
2024/11/15:文面の調整、ちょっとしたコメントの追加
2024/11/18:OVR Dynamic Resolutionの紹介を追加
2024/11/21:PC側のPICO Connect 10.3.9のダウンロードが行えない状態でPICO本体側のアプリがアップデートされてしまったので、一時的にアップデートのアンインストールを行う方法を記載
2024/11/29:パフォーマンステストを追記
2024/12/04:色彩強調について追記
2024/12/05:10.3.10アップデートについて追記
2025/01/06:マルチウィンドウやハンドトラッキングについて追記
2025/03/30:10.5.10の変更内容を追記。キーボードや設定内容の変更に対応し、マイク音量に関する情報の追記と訂正
2025/04/02:Virtual DesktopでのPICO Motion Trackerについて追記
2025/05/13:長すぎるため設定部分を別記事に分離

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