おすすめはどれ?
前置きが長いので先に結論を述べておくと、11~14万円出せるならRX7900XTかRX9070XT、10万円未満ならRX7800XT辺りをおすすめします。
9万円までしか出せなくてRX7800XTも在庫がないようなら、Radeonの選択肢は中古のRX6800以降となりますが、中古品を手放しにおすすめはできません。そして、VRAMが16GBあって7万円と安くてもRX9060XTはVRAM帯域幅という点で不向きです。VRAMを使い切る前にパフォーマンスが落ちるので、RX9060XTは設定や使い方をかなり妥協することになります。
昨今の情勢を考えると、新品で15万円以内だと今後1~2年はRX9070XT一択になりそうですね。
何故VRAM帯域幅が重要なのか
VRChatはVRAMを多く使用するので16GBあった方が安心できますが、そのVRAMの速度が遅いとVRAMを使いきってなくても常に遅いという状況に陥ります。特にポストプロセスやアンチエイリアシングといった処理は、1人で遊んでいてもVRAM帯域幅を多く必要とする部分です。
まず、VRChat内に自分1人だけという条件で大まかな見積もりを出してみました。
以下の表はVRAM帯域幅がどう関係してくるかの説明用に見積もったものです。常にこの程度の帯域幅が必要になるというわけではありませんので、1つのケースとして参考にする程度に留めてください。
| なし | 2xMSAA | 4xMSAA | 8xMSAA | |
|---|---|---|---|---|
| Potato 1344px | 41GB/s | 47GB/s | 57GB/s | 77GB/s |
| Low 1728px | 69GB/s | 78GB/s | 95GB/s | 130GB/s |
| Medium 2016px | 94GB/s | 106GB/s | 129GB/s | 176GB/s |
| High 2592px | 154GB/s | 174GB/s | 212GB/s | 290GB/s |
| Ultra 2784px | 179GB/s | 201GB/s | 246GB/s | 335GB/s |
| Godlike 3168px | 232GB/s | 260GB/s | 318GB/s | 434GB/s |
| Monster 3648px | 306GB/s | 345GB/s | 421GB/s | 574GB/s |
- Virtual Desktopの解像度を基準(PICO 4 Ultra)
- 両目分の解像度:(片目縦 x 片目横) x 2
- カラーバッファ:両目解像度 x 8Byte/px
- 深度バッファ:両目分解像度 x 4Byte/px
- フレームバッファ:カラーバッファ + 深度バッファ
- 不透明オブジェクトのレンダリング部分:カラーバッファwrite + 深度バッファread + 深度バッファwrite
- MSAAありの場合:不透明オブジェクトのレンダリング部分をMSAAの倍率で掛ける
- 半透明オブジェクトのレンダリング部分:オーバードロー4回程度を想定(カラーバッファread + カラーバッファwrite)x4
- ポストプロセス部分:ブルームやカラーグレーディングなどでフレームバッファの4倍程度を想定
- 1フレームあたりの合計:不透明 + 半透明 + ポストプロセス
- 1秒あたり:1フレームあたりの合計 x 90Hz
- その他ディスプレイへの表示やエンコードなどは一切考慮せず
片目2K~2.5K解像度で複数人と交流することを考えると、そこそこ遊べるラインとして256GB/s以上は安定して欲しいかな?と感じます。これを元にして実際の動作を確認してみましょう。
VRAMの実効帯域幅は半分ぐらい?
256GB/sなら、320GB/sのRX9060XTでも余裕なのでは?と思うかもしれませんが、常に最高速度が出せるわけではありません。単純なデータのコピーでもピーク性能は8~9割で、一般的なゲームでもVRAMの実効帯域幅7割以上を満たすのは難しいという話もあります。ユーザーが自由にコンテンツを作成できるおかげで最適化とは程遠く、ポストプロセス処理や4Kテクスチャが多くてキャッシュミスが多発するVRChatにおいては更に状況が悪くなることが予想されます。
最悪ケースとして悲観的に考えると320GB/sの半分は160GB/sです。楽観的に7割で見積もっても224GB/sとなるので、RX9060XTのようなVRAM帯域幅の狭いGPUでは解像度を下げて、アンチエイリアシングをオフにするといった妥協をせざるを得ない状況が容易に想像できます。
つまり、256GB/sをきっちり満たそうと思うとグラフィックボード側のスペックは倍の512GB/s必要になりますし、余裕を持たせると600GB/sぐらいは欲しいという話になります。
ここまでの仮定を元にして実際の動作を確認してみましょう。VRAMなどの正確なデータを計測することは困難なので、大まかな予測を立ててみます。先程の表からGPUのVRAM帯域幅が最高448GB/sであれば半分となる224GB/sを想定し、「片目2592pxでは4xMSAA辺りで90FPSに必要なフレームタイム11.1msを満たせなくなる可能性がある」という予測を立てました。
帯域幅が支配的になりやすい例として、RTX2080 8GB(448GB/s)でのテスト結果が以下のような感じです。測定場所としてVRChat Homeを使用しています。
| RTX2080(224GB/s@50%) | なし | 2xMSAA | 4xMSAA | 8xMSAA |
|---|---|---|---|---|
| Medium 2016px | 5.0ms/90FPS | 6.2ms/90FPS | 7.2ms/90FPS | 8.6ms/90FPS |
| High 2592px | 7.6ms/90FPS | 10.3ms/86FPS | 11.4ms/79FPS | – |
| Ultra 2784px | 9.4ms/90FPS | 11.5ms/75FPS | – | – |
| Godlike 3168px | 11.8ms/76FPS | – | – | – |
フレームレートとしてはズレが生じていますが、予測に近い結果が出ています。RX7900XTとRX9070XTでの予測と比較も行いましたが、「実効帯域幅は半分ぐらいになる」という想定はそこまで的外れではないかなという感覚があります。最悪ケースの見積もりとしては甘いのですが、半分というのはイメージがしやすいです。
RX7900XTよりRX9070XTの方が基本性能が高くても、VRAM帯域幅が足りなくなってくるとVRAM帯域幅に余裕のあるRX7900XTがRX9070XTを逆転するという結果も出ています。

正確な予測を立てるには、MSAAなどの最終処理にかかわるROP数の違いや、シェーダー性能なども考慮しなくてはならないので難しいところです。ワールド内に自分1人で居てこの状況ですから、他人のアバターを表示するとギリギリのVRAM帯域幅ではパフォーマンスを維持できなくなると想定できますね。
新品で買えるおすすめのモデル
VRChatという環境が極端すぎるので、一般的なゲームのベンチマーク結果を見て判断すると見誤ります。もちろん、CPUやGPUの処理能力を総合的に判断する必要はありますが、VRAM性能で補正を掛けて考えると大失敗は避けられるはずです。
さて、VRAM帯域幅も大事であるというのを踏まえて、メモリ周りの情報と一緒におすすめをいくつか紹介します。Infinity Cacheは4K解像度を超えるVRChatのような状況ではヒット率が低く、効果が限定的となりますが一応掲載しておきました。
Radeon RX 7900 XT 20GB
- メモリインターフェース:320bit
- 帯域幅:800GB/s
- Infinity Cache:80MB
1世代違うこともあって基本的な性能はRX9070XTに劣る部分がありますが、VRChatにおいてはVRAM帯域幅の広さが発揮されます。アンチエイリアシング設定を2~4倍で使う場合や、描画するオブジェクトやポストプロセスの多いワールドではRX9070XTよりもパフォーマンスが出ます。

また、VRAMが20GBもあるので解像度を欲張らなければ不足する心配は殆どありません。大人数のイベントや集会に参加する事が多いのであれば検討したいところです。発熱や消費電力が少々大きめですが、扱いに困るほどではないという感じです。
新品は12~14万円で購入できるものの、RX7000シリーズは生産終了しているはずなので出回っている数は少なくなっています。発売から時間が経っていて程よく枯れていることから安定しており、現在はトラブルも少なくなりました。RX7900XTよりも上の性能を目指すと、17万円以上出せばNVIDIAのRTX5070Ti 16GB(896GB/s)があります。流石にVRAM容量は減りますが、それ以外の全体的な性能が高いです。
RX7900XTは1年前にレビューしたときの記事があります。

Radeon RX 9070 XT 16GB
- メモリインターフェース:256bit
- 帯域幅:640GB/s
- Infinity Cache:64MB
安ければ11〜13万円で購入できるRadeonの最新モデルです。基本性能は比較的高く、消費電力や発熱のバランスも取れているので扱いやすいです。VRChatだけでなく、レイトレーシングを使用するゲームをプレイするならこちらです。VRChatにおいても軽い場面ではRX7900XTを凌駕するパフォーマンスを発揮してくれますが、VRAM帯域幅の差でRX7900XTよりも遅くなってしまう事のが多いです。RX7900XTよりもパフォーマンスが落ちてしまう具体的な例として、ガウシアンスプラッティングやGPU Grassといった表現があります。
当面は新モデルが出ないことや在庫状況を考慮すると、1~2年は最有力候補となりそうです。(※中古を除く場合)
VRAM32GB欲しい時は
ちなみに、RX9070XTをベースにVRAM容量が倍になっただけとも言える、Radeon AI PRO R9700というものも存在します。26~30万円ぐらい出せば買えますが、普段は32GBのVRAMを使い切る前にVRAM帯域幅の方で足を引っ張りやすいと思います。
どうしても16GBでは足りない使い方をするなら検討しても良いかもしれませんが、VRChat目的というよりクリエイティブな用途やAI用途などがある方向けです。R9700とRX9070XTの一部モデルは電源コネクタが12V-2×6になるので注意が必要です。
Radeon RX 9070 16GB
- メモリインターフェース:256bit
- 帯域幅:640GB/s
- Infinity Cache:64MB
処理能力の差はありますが、VRAM周りはRX9070XTと同等です。しかし、1万円差でRX9070XTが買えてしまいます。10万円台なら似たような価格でRTX5070(672GB/s)もあるので、VRAM12GBでもよければそちらを選ぶという選択肢が出てきます。
Radeon RX 7800 XT 16GB
- メモリインターフェース:256bit
- 帯域幅:624GB/s
- Infinity Cache:64MB
8万円台から購入可能ですが、こちらもかなり数が少なくなっています。RX9070より安く売っていたら検討しても良いと思いますが、もう新品での購入は難しいかもしれません。
人気が高くて多く出回っていたこともあり、初期不良の報告が目立ちます。初期不良が特定のメーカーに偏っているのではという話もありますが、断言できる情報を持ち合わせていませんし、曖昧なのでここでは取り扱わないこととします。
RX7800XTに限った話ではありませんが、ゲームのベンチマークなどで再現性のある問題が生じるようであれば速やかにRMAするようにしましょう。(※確実にゲームが落ちたりPCが再起動してしまうなどで、ログにTDRが記録されるなら初期不良・故障の疑いがあります)
尤も、交換用の在庫がない可能性がありますから、返金になるか同等品と交換となってしまうかもしれませんが。
Radeonの最上級モデル(売っていれば)
Radeon RX 7900 XTX 24GB
- メモリインターフェース:384bit
- 帯域幅:960GB/s
- Infinity Cache:96MB
2026年2月時点で最もパワーがあるRadeonです。
残念ながら、ほぼ在庫がないので入手困難です。発熱と消費電力が大きいという問題がありますが、20万円以内で運良く入手できればラッキーですね。ただ、そこまで予算が出せるのならVRAM容量は16GBで我慢してRTX5070Tiを選ぶという選択肢も考えた方が良いでしょう。まぁ、どうしてもVRAM24GBが欲しいだとか、電源コネクタに12V-2×6は使いたくないなどの個人的な事情があるかどうかだとは思います。
Amazonなどを見ると、信頼できる出品者なのかが怪しいですね。
中古のリスクを許容できるなら
Radeon RX 6000シリーズ全般
- メモリインターフェース:256bit
- 帯域幅:512GB/s(RX6950XTは576GB/s)
- Infinity Cache:128MB
RDNA2は既にメンテナンスモードに入っていますが、まだ現役で使えるGPUです。PS5などと同じ世代です。RX6800以上の製品であればそこそこ遊べることが期待できますが、流石に今から購入する物ではないと思います。RX6800以降はVRAM帯域幅がどれも512GB/sぐらいなので、欲張らなければ足りなくもないという絶妙なラインです。
RX6800を例として挙げると、片目2.5K アンチエイリアシング4倍という条件では、RX7900XTで46FPS出せる場面で31FPSぐらいになります。66FPS出せる場面なら60FPSぐらいです。VRChatを複数人で遊ぶことを前提とするとVRAM帯域幅的には結構ギリギリなので、片目2.5Kならアンチエイリアシング無効か2倍ぐらいで使うことになるとは思います。
製品自体が古いのでAV1コーデックが使えないほか、中古品は経年劣化などによるコアやVRAMの損傷が懸念されます。ドライバーをRUUしてから入れ直したり、OSをクリーンインストールした環境であっても、表示が乱れたり真っ白な背景に黒やマゼンタの細かいグリッジが表示されるような事があれば、ハードウェア側の故障が疑われます。急なブラックアウトや再起動が生じる場合も怪しいです。
新品があったとしても割高となりますし、中古はリスクがあります。たまに新品らしきものはあります。

グラボの中古品を買うときの注意点
Radeon・GeForce共に少なくともフリマサービスでの購入は避け、保証のある販売店での購入を強くおすすめします。掘り出し物があればラッキーぐらいのつもりで、万が一があっても泣かないと覚悟を決めて購入するなら止めはしません。
中古品を買う場合は、じゃんぱらやドスパラ、パソコン工房などのグラフィックボードの中古保証が1週間〜1ヶ月ある販売店での購入をしましょう。
VRChat目的では不向き・妥協案
Radeon RX 9060 XT 16GB
- メモリインターフェース:128bit
- 帯域幅:320GB/s
- Infinity Cache:32MB
16GBモデルが7万円台で購入できますが、VRAM容量の多さにつられて考えなしに購入するのはやめておいた方が良いでしょう。
そもそもRX9060XTは4K最高設定で遊ぶことを想定して設計されていません。VRChat以外の1人プレイのVRゲームや、最近のゲームタイトルを程々の設定で遊ぶのであれば十分な実力を発揮してくれますが、VRChatをVRモードで遊ぶには荷が重いです。
VRAMの実効帯域幅が半分程度になると想定すると、片目2.5K解像度の時点で既に足を引っ張る可能性が高いです。比較的軽量なワールドかつ少人数で遊ぶとしても、片目2K解像度でアンチエイリアシングなしの設定が現実的なラインです。(Virtual DesktopではMedium設定あたり)
これはVRAM16GBの恩恵にあずかる以前の問題です。アンチエイリアシングを使うとしたら2倍が限度ですし、できれば片目1.7KとなるLow設定まで下げておきたいところ。パフォーマンスはRTX4060以上を期待できそうですが、RTX4060TiやRTX5060未満の動作になりそうだと推測できます。
例えば「他のゲームもよくプレイするのでVRAMは16GB欲しい」という場合や、「VRChatはRTX3060やRTX5050と同等程度に動けば構わない」という妥協ができるなら、動かないということはないでしょう。VRAM帯域幅320GB/sという値はRTX5050と同等であり、VRChat用途で人気だったRTX3060 12GB(360GB/s)を僅かに下回るという点を留意する必要はあります。
7万円台で新品という条件では、VRAM16GBの選択肢はRX9060XTぐらいです。9万円まで出せるならRX7800XTが買えますが在庫限りです。RX7800XTの在庫がなければVRAM帯域幅は少し妥協して、RTX5060Tiの16GBモデルが選択肢に入ってきます。
Radeonが苦手とする場面や補足説明
RadeonをVRChat目的で購入するとなると気になるのは相性や不具合です。「ユーザーがアップロードしたワールドやアバターがGeForceでしか動作確認されていない事が多い」という意味では微妙なところだと思います。
ただ、2年以上RadeonだけでVRChatを楽しんできた身としては、ドライバーは安定してきていますしRadeonだからVRChatで困ったという経験がほとんどありませんでした。とはいえ、そもそもできないことや苦手とする場面はいくつかあるので、紹介しておきます。
広大な水面など、「巨大すぎるスケールのオブジェクト」があるワールド
今のところ確実に起こる問題はひとつあり、スケール倍率の大きなオブジェクトを表示すると、計算に誤差が生じてガタガタと揺れてしまいます。水面の描画がブレることがあるのは、これが該当します。
以下はUnity上で地面(Quad)のスケールを大きく変更したときのRadeonとGeForceの違いです。(※PICO Connectの設定を揃え忘れたので動画の色味が大きく異なっています)
個人的な肌感覚では、Radeonで遭遇しやすい問題は断トツでこれです。浮動小数点数の有効桁数の都合で、大きなスケールを元に計算すると、大きな数値と小さな数値を混ぜて計算する際に精度が低くなってしまうわけです。

これは正確さを担保できない状態のものを表示することで起きている問題なので、プレイヤー目線では不具合ですが厳密には不具合とは言い難いですね。
スケール倍率の大きなオブジェクトを表示することはGeForceにも多少の影響がありますが、あちらのが誤差の丸め方が上手いです。ワールド制作をするのであれば、地面などはスケール倍率を果てしなく大きくして雑に設置するようなことは避けましょう。ある程度分割したり、スケールを変更するのではなく元から大きいメッシュとして制作するなど、誤差が生じにくい方法を選ぶのが最適だと思います。
水の表現に不具合が起こりやすい理由
Radeonは水シェーダーの表示で不具合が起こると言われていますが、その表現は正確ではないと考えます。
この問題は水平線が見えるほど広大な水面を、1つの巨大なスケールのオブジェクトを使って表現していることに起因しています。つまり、水だから表示に不具合が起きたのではなく、巨大すぎるオブジェクトを使う場面がたまたま水であることが多かったということですね。
2020年頃は噴水などに使われていたシェーダーが壊れるという話もありましたが、2023年に検証したときには既に正常に表示できるようになっていました。ドライバーが成熟してきた現在は、あれから多くの問題が解決しています。
Radeonで不具合があるという場合の時期や状況といった具体的な情報が少なく、どれも古い話や他人から聞いたというレベルのものをよく見かけます。もちろんGeForceとRadeonで計算結果が完全に同一とならないものはありますが、普通に遊んでいるとシェーダー不具合は滅多に遭遇しないので、再現性のある致命的な不具合を狙って探す方が難しいです。VRChatで壊れたものを見つけたときはGeForce側も同じように壊れているものばかりでしたので、あまり心配しなくても大丈夫だと思います。
HEVC 10-bit コーデック
QuestやPICOを接続するのによく使われるVirtual Desktopにおいては、Radeonで最もトラブルが起こりやすいのはHEVC 10-bitのコーデックを使用したときです。
例えば、VRストリーミング中にエンコーダーが停止してしまう不具合のあるバージョンのドライバーが存在します。デスクトップ画面に戻ると復帰可能ですが、煩わしいですよね。直近ではRX9000シリーズとAMD Software 26.1.1の組み合わせでHEVC 10-bitに問題が発生する事が確認されています。
Virtual Desktopの詳細なドキュメントがなく、開発者からの断片的な情報を元に推測しているものが含まれてしまいますが、こういった問題をある程度回避する目的でVirtual Desktopではコーデック毎に使用するAPIが異なります。具体的には、Microsoftが用意している「Media Foundation」を経由する方法とAMD側の「AMF SDK」を直接呼び出す方法があります。H.264やHEVCはMedia Foundationを使用し、HEVC 10-bitとAV1 10-bitはAMF SDKを使用するそうです。(NVIDIAの場合はNVENC)
Windows側のアップデートで不具合が起こりやすいのはMedia Foundationを経由するコーデックで、ドライバーのアップデートで問題が起こるのはAMF SDKの方です。Media Foundationに何か問題があったときはGeForce側でもトラブルが生じている事があります。(現在は修正済みですが、Windows 11 24H2でSSWとH.264を組み合わせて使うと不具合が起こる問題などがありました。)
CUDAを使用するアプリケーション
NVIDIAのCUDAを使用しているアプリケーションやプラグインなどは、Radeon上で動かす事ができません。全く動かなくなるか、CPUを使って低速に処理を行う事になります。
VRChatそのものには一切関係しませんが、例えば一部のボイスチェンジャーやUnityで使える有料のライトベイクプラグイン(Bakery)などでCUDAが必要となることがあります。
生成AI関連もCUDAが必須とも言える状況でしたが、2026年現在はAMDのROCm 7の登場によりホビーユースレベルであればRadeonでも難なく動く状況になりつつあります。既にLLMや画像生成などのAI、動画の文字起こしなどはRadeon上で高速に実行することができます。ROCmはCUDAからの移植も容易なので、これから新規に作られる場合や、余程GeForce特化で作り込まれたものでなければRadeonに対応されることに期待できます。
問題は、サポートが切れているかあまりメンテナンスされていない古いアプリケーションがCUDAを使用している場合です。「CUDAって何?」という方ほど、自分が今使っているアプリケーションにCUDAが必要かどうかをよく調べておくことをおすすめします。特にGPUを使って高速に処理できることを謳っているアプリケーションは、CUDAを必要としていることが多いです。
そして代替手段があるかどうかを確認しておきましょう。VRChatのワールド制作でBakeryが手放せないという場合だと厳しいのですが、ちょっとワールド制作を試してみたいだけであればUnity標準のライトベイク機能があります。これはAMDが開発に関わっており、当然ながらRadeonでも動作します。

在庫の枯渇と価格高騰
今後はRX9070XTしか選択肢がないかも
今後1〜2年はメモリ高騰の影響で、VRChat目的で購入できるRadeonはRX9070XT一択という状況になることが予想されます。
よく言われる「RadeonはVRAMが多くて安い」というのは、10万円台というそこそこの価格帯にVRAM16GBの競合が存在しないだけだということが分かります。(対象を最新モデルに絞っていますが、1世代前でも似たような感じでした。)
これからGPUの価格も上がるはずなので、12〜15万円付近ならRX9070XTを選び、17〜18万円出せるならRTX5070Tiという感じになるのではないかと考えています。
10万円未満の最新モデルだと、RadeonではなくGeForce RTX5060Ti 16GB(448GB/s)が無難な選択肢になるかと思います。RX9060XTはVRAM帯域幅が320GB/sと遅いので、VRChatが目的ならあまりおすすめできません。RTX5060TiならVRChatも快適!というわけではありませんが、個人的にはVRChatがある程度動く最低ラインだと考えています。GeForceの場合は、VRAM16GBにこだわらないなら12GBのRTX5070を選びたいところです。
もちろん、新品ではなく中古を買うのであれば選択肢は広がります。グラボだけでなくPCパーツ全般が手に入りにくい状況なので中古品に手を出すこと自体は仕方ないと思いますが、フリマでの購入は避けて中古保証がある場所で購入するべきです。新品か中古にかかわらず、動作チェックは入念に行っておきましょう。
いやいや、VRChatやるのにこんなにお金かかるのおかしくない?
アバターや衣装がリッチになりすぎています。
VRChatそのものは大して重くなっていませんが、ユーザーがアップロードするアバターやワールドがどんどん重くなっているのです。4Kテクスチャてんこ盛りでマテリアル数が異常に多い衣装をアバターに着せたりするのを辞めたら、こんなに頭を悩ませることはないです。
とはいえ、色んな服を着せてアバター改変をするのはやりたいですよね。もし何もしてないのであれば、是非とも軽量化・最適化に手を出しましょう。
自分は、見た目の美しさを維持しながらも、ある程度の軽量化を行っている人の多いコミュニティに属しています。そこへ初対面の人がやってきても、ほとんどのメンバーはShow Avatarせずアバターを表示できるぐらい軽いです。全員Very Poorですが「この人を視界に入れると重たいな」って感じることは滅多にありませんし、誰もが全力で軽量化に取り組んでいるわけでもありません。手軽にやれる範囲での軽量化でも、その場に居る全員がしていれば十分な効果を感じられます。
不必要に4Kテクスチャを使用しない事や、マテリアル数が多くなりすぎないように気にするのはもちろんですが、「AAO:Avatar Optimizer」を入れてTrace And Optimizeを設定するだけでも全然違います。
Very Poorから脱却するのではなくて、軽いVery Poorを目指すだけで構いません。アバター軽量化なんて無理!と諦めず、まずは簡単なことから試してみましょう。少し上手く行ったらフレンドに自慢してみたら良いんです。何か困ったことがあってもお互い相談できる仲になれたら嬉しいですよね。
まぁ、流石に作り直しを要求されるレベルの作業が必要になったりすると厳しいです。ユーザー側でやれることにも限度があるので、衣装の製作・販売をする側もVRChat用のデータとして適切な処理を怠らないで欲しいというのが本音ですが……。(サブディビジョンサーフェスのやり過ぎ、マテリアル・テクスチャ数があまりにも多過ぎるなど)














