アクティブノイズキャンセリングを搭載する、完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」を購入しました。
色はブラックとプラチナシルバーがあり、今回レビューするのはプラチナシルバーとなります。個人的に印象に残った部分に絞ってレビューします。
(ソフトウェアバージョン:1.2.6)
ANC搭載の定番商品の最新モデル
完全ワイヤレスイヤホンとして人気を博した「WF-1000XM3」の後継モデルとなる、「WF-1000XM4」は業界最高レベルのノイズキャンセリングと、高音質を実現しています。
ノイズキャンセリング機能の強化や、LDACコーデックの対応、そしてDSEE Extremeを搭載と妥協のない作りとなっています。
それだけ高性能・高機能となると、定価33,000円とお値段が張りますが、満足できることは間違いないと思っています。
大粒で丸いイヤホン本体
パッケージを開けて最初に感じたのは、思ってたよりも大きいということ。大粒の飴玉かどんぐりが入っているのかと思うほどのサイズ感です。間違っても口に入れてはいけません。
大きいとは感じましたが、WF-1000XM3からは軽量化されており、片耳約7gでした。
装着感は良く、耳の中にすっぽりと収めるような感じです。耳からあまり出っ張らないですし、イヤホンを装着している感じは少ないので長時間利用していても不快感はありませんでした。
イヤーピースは、ポリウレタンフォーム素材の「ノイズアイソレーションイヤーピース」が採用されています。すんなりと耳に入っていき、しっかり密閉してくれます。密閉状態はアプリから確認が取れますので、適切なサイズのイヤーピースかどうか診断してから使い始めると良いでしょう。
コンパクトな専用ケース
専用ケースはとてもスリムで、ほとんど場所を取りません。イヤホン固定用のマグネットは結構強めです。
充電はUSB Type-Cあるいはワイヤレス充電に対応しています。
このサイズでもワイヤレス充電できるのは嬉しいですね。
Google Fast Pair対応
Android 6.0以降のスマートフォンであれば、イヤホンをペアリングモードにした状態で近づけるだけで接続が出来る「Google Fast Pair」に対応しています。
イヤホンに接続されてる状態であれば、音を鳴らすことが可能で、未接続時は最後に接続した場所を確認することができます。
複数台同時に接続するマルチポイント接続には非対応ですが、8台までペアリングできるマルチペアリングには対応しています。
よりパワーアップしたノイズキャンセリング
WF-1000Xシリーズ最大の長所と言っても過言ではない、ノイズキャンセリング機能はM3から更にパワーアップ。搭載するプロセッサーとドライバーを改善し、機能が向上しています。とりわけ高周波のノイズキャンセリングが改善され、人の声ですら殆ど聴こえなくなるレベルです。
喫茶店で隣の人がよく喋っている状況で利用してみましたが、音楽を再生していない状態で隣からなんとなく何かが聴こえるという感じで、それよりも遠くの音は全く聴こえない状態でした。ただのデジタル耳栓として使ってもかなり良いです。
また、ノイズキャンセリングで耳が詰まるような感覚は一切なく、とても静かな空間に居ると錯覚します。本当にノイズキャンセリングが機能しているのか疑いました。
違和感の少ない外音取り込みモード
ノイズキャンセリング性能が向上したことにより、外音取り込みの品質も良くなりました。
他社製品の外音取り込み機能を利用した際は、高音が刺さるような感覚があり、紙やビニールを擦ったときの音が不快に感じましたが、WF-1000XM4ではそのような音も直接耳で聴いているのと違いが分かりませんでした。もちろん、空調の音など直接聴くのと比べて少し強調される音はあります。そういった、マイク経由で聴いているとは思えないような自然さがあり、使い勝手は良いです。
取り込みレベルも20段階で調整が可能です。元々静かな場所で軽く外の音を確認しておきたいときや、外音取り込みしつつも音楽の方に集中したいときなど、好みのレベルの調整できるのは個人的に嬉しいポイントです。
会話時に活躍するスピーク・トゥ・チャット
誰かに話しかけるときに、自動で消音になり外音取り込みモードとなるスピーク・トゥ・チャットという機能があります。
高感度設定にしてあると、あくびやちょっとした独り言で反応してしまいますが、低感度設定であれば誤動作も少なく、明確に発声をしたときに動き出すような感じでした。
絶対使わないよって人は無効にしてしまうのが良さそうですが、個人的には便利なので低感度設定で利用しています。
通話時のマイク品質は?
これだけ高品質なマイクを搭載しているとなると、きっと通話時にはクリアな声を届けてくれるのだろうと思うかもしれません。
しかし、通話時に利用されるBluetoothのHSP・HFPプロファイルでは、最高でも16kHz/16bitのモノラル音声(HD Voice対応時)となってしまうので、有線接続のマイクと比べると品質は大きく劣ります。Bluetoothの宿命です、どうやっても避けられません。
もちろん、WF-1000XM4からのマイク音声にノイズがあるわけではありませんし、ただこもったような声になるだけではあります。必要十分ですが、外音取り込みモードで聴こえてくるようなクリアな声は期待できないことに注意しましょう。
Headphones Connectアプリで自動切り替え
専用アプリである「Headphones Connect」を利用すると、タッチセンサーの簡易カスタムやノイズキャンセリングの自動切り替えなどが行なえます。
ノイズキャンセリングのオンオフや、外音取り込みの切り替えを、場所や移動状態に合わせて自動でモード変更してくれます。散歩に出かけるときに外音取り込みに手動で切り替える必要はありませんし、自宅であれば常時ノイズキャンセリングにしておくことも出来ます。
また、状態の切り替えもスムーズで、ノイズキャンセリングや外音取り込みの切り替えに不快感や負担はありません。自動切り替え時の通知音をオフにしておけば、気がついたら切り替わってるぐらいのスムーズさがあります。
タッチセンサーの機能割り当て変更も、プリセットから選んで行うことが出来ました。タッチセンサーを無効にする場合はペアリングを除く全操作が無効となるので、シングルタップのみ無効といった個別設定は無理そうでした。
あ、そうそう。イコライザーの設定もHeadphones Connectから行えますよ。
LDAC対応、AACでも高音質
WF-1000XM4では、シリーズ初となるLDACコーデックに対応し、ワイヤレスでもハイレゾで音楽を楽しむことが出来るようになりました。ハイレゾ音源でなくても、DSEE Extremeによるアップスケーリング機能で高音質を実現しています。
LDACでの再生はもちろんのこと、AACであっても明瞭で良い音であると感じられました。これまで有線で聴いていた曲も、聴こえてなかった音が聴こえてきて、新しい発見があり面白いです。接続経路を気にするよりも、大前提としてイヤホン本体の出音がしっかりしてることが大事なんだなと思いました。
ワイヤレスでもいい音とは言いますが、ワイヤレスのがいい音という場面もありそうだなと思います。
基本的に96kHz/24bitとなるLDACですが、LDACでの接続は機種によっては48kHz/24bitにダウンコンバートされてしまう場合がありますので、注意が必要です。例えば、HTC U12+は最大32bitでの接続に対応しているとスペック表にありますが、AQUOS sense4 plusは48kHz/24bitが上限となります。
96kHzで接続されるとDSEEは機能しなくなる
LDACの96kHzで接続されると、44.1kHzなどの音源を再生してもDSEEは機能しないようです。
開発者オプションから48kHzに設定すると動作するようになりますが、イヤホン接続時に毎回設定する必要があるのでなかなか面倒です。
もちろん、ハイレゾ音源しか聴かないのであれば、そのままで良いとは思います。開発者オプションからではなく、アプリからコーデック設定が行えるものを見つけましたので共有しておきます。
有料機能として、イヤホン接続時に自動で設定を変更することができます。
万能タイプの定番商品
それなりな値段となりますが、全体的な完成度が高く、万人にオススメしやすいイヤホンであると感じました。あれもこれもと欲張った、全部入りイヤホンですし、満足度は非常に高いです。ひとまず「迷ったらコレ!」となる製品ですね。
失くしたり壊したりする可能性がある人は、補償サービスのある公式ストアでの購入をオススメします。
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