Pixel WatchをやめてTicWatch Pro 5に乗り換えた話

皆さん、スマートウォッチは使っていますか?

自分は、2015年から愛用しており、色々と乗り換えつつ今日に至ります。

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まだApple Watchが出る前のAndroid Wear時代のスマートウォッチから使い始めましたが、かれこれ5年以上は進化が見られないような状況だったと感じています。

というのも、初期の頃はSnapdragon 400を搭載しておりパフォーマンスもそこそこでしたが、Snapdragon Wearシリーズに移行してからも大して変化がなく、むしろパフォーマンスが落ちた割にバッテリー持ちに変化が見られないという残念な状況が続きました。Pixel WatchではSnapdragon Wearではなく、Exynos 9110が搭載されていますが、これは少し古めのSoCです。パフォーマンスはそこまで悪くありませんが、やはりバッテリー持ちは1日程度と変わりありません。

そして現在、パフォーマンスとバッテリー持ちが劇的に向上した「Snapdragon W5+ Gen 1」が登場しました。この最新のSoCとWearOS 3.5を搭載しているのが、今回お話しするMobvoiの「TicWatch Pro 5」です。

余裕の3日間、バッテリー持ちが大幅アップ

右が初代TicWatch Pro

過去に使っていた初代TicWatch Proは、2日程度使えればOKって具合のバッテリー持ちでしたが、TicWatch Pro 5では更に長持ちするようになりました。

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628mAhのバッテリーを搭載し、公称値80時間のロングバッテリーとなっています。

実際に軽く利用してみたところ1%/h程度の消費速度だったので、1日あたり25%未満のバッテリー消費となりました。3日間は余裕で利用できますし、通知チェック程度の使い方だとピッタリ4日間使えました。心拍数のリアルタイム測定や傾きセンサーを有効にしてこの消費速度だったので、とても優秀です。また、アプリのインストールや更新、タイマーの利用などもしていましたが、急激にバッテリーが減るようなことはありませんでした。

このロングバッテリーがPixel Watchから乗り換えた理由のひとつです。自分の使い方だとPixel Watchの3倍以上の時間使えます。

エッセンシャルモードで更に長持ち

上記のバッテリー持ちは、スマートウォッチとしてWearOSを稼働させている状態の「スマートモード」での話です。WearOSをシャットダウンして、時計として利用する「エッセンシャルモード」に切り替えると、45日間も利用できます。TicWatch Proシリーズお馴染みの機能です。

エッセンシャルモード中でも心拍数モニターなどは使えますし、スマートウォッチを取り外したときや睡眠時に自動でエッセンシャルモードに切り替える事も出来ます。

30分で65%の急速充電

TicWatch Pro 5は無接点充電ではありませんが、その代わりに急速充電が行えます。マグネットでピッタリとくっつく2ピンの充電器を使用し、30分で65%まで充電が可能という仕様になっています。

また、充電器に接続した際はバッテリー残量が小数点以下まで表示され、リアルタイムに充電されていく様子が確認できます。どんどん数字が増えていくのは見ていて気持ちが良いですね。(※動画はサードパーティの充電器に接続したもの)

充電時の発熱も控えめで、過熱の心配もありませんでした。

常時表示用に省エネなモノクロ液晶搭載

TicWatch Proシリーズでは、AMOLEDディスプレイの上にモノクロの液晶ディスプレイが搭載されており、普段はこのモノクロディスプレイ側が常時表示されています。

その特徴はなんといっても超低消費電力であること。TicWatch Proシリーズのロングバッテリーを支えている大事な機能です。もちろん、暗いところではAMOLEDが点灯してバックライトとして機能しますので、初代TicWatch Proのように暗いところで見えないという事はありません。

更に、ワークアウト中は心拍数に応じてバックライトの色が変わるようになっているので、モノクロディスプレイの状態でも、どの程度の負荷が掛かっているかが分かりやすくなっています。

心拍数に応じて、青、青緑(?)、黄、オレンジ、紫、赤の順に色が変わっていくようです。

MIL-STD-810H準拠の頑丈さ

アウトドアでしっかりと使われることを想定していると思われ、MIL規格への対応やコンパス、気圧計などの装備が整っています。

少々ゴツくなってしまいますが、丈夫なのは嬉しいです。Pixel Watchはスリムなデザインが魅力的でしたが、耐久性やハードウェアの品質的に不安な点が多く、1年もせず故障しそうな気配があったので手放しました。OTAの度にフリーズしたり、あるとき突然画面が反転したりするのは不安になりますし、Pixel Watchは不良品を引いてしまったのかもしれません。

Mobvoi製品でも不良品は存在しますが、長年TicWatchを作ってきただけのことはあり、ボタンや蓋が取れるようなヤワな構造はしていないだろうと思っています。ソフトウェア面のイマイチさは相変わらずですが、ハードウェアは堅牢そうな造りです。

Pixel Watchから乗り換えて失ったもの

色々と良い点はありますが、使えなくなった機能が存在します。

Google Assistant非対応

買ってしばらくしてから気が付いたのですが、TicWatch Pro 5からGoogle Assistantが使えなくなっています。Playストアからのインストールも行えないため、正規に利用する方法は無いと思われます。

一応AmazonのAlexaはインストール出来るのと、リューズボタン長押しでAlexaを呼び出すことは可能です。但し、ウェイクアップワードでAlexaを呼び出すことは出来なさそうでした。

アシスタント機能は、Pixel Watchぐらいの性能から実用的な応答速度になったように思うのですが、これまで使ってこなかったのもあって、個人的には不要な機能となってしまっています。Google Assistantを使う機会がある方は気をつけた方が良いでしょう。

FeliCa非対応

NFCによる決済機能は使えますが、FeliCaは搭載していません。その為、Suicaで改札を通ったりQUICPayで決済したりは出来ません。

今後はFeliCa対応のスマートウォッチがいくつか登場するとは思うのですが、WearOSにおいてまだまだな部分です。スマートウォッチで決済するというのは、個人的に思うところが少しあります。Apple Watchを使っていた頃にQUICPayで決済することがありましたが、毎回店員に驚かれるなど、認知の具合が地域によって激しい感じがしますね。気分の問題なんですが、ちょっと使いにくさは感じています。

Gboardでの日本語変換利用不可(解消済み?)

これはTicWatch Pro 5に限らず、WearOS 3を搭載するPixel Watch以外のスマートウォッチに言える問題らしいのですが、Gboardによる日本語入力時に変換機能が利用できません。

というのも、日本語言語パックがダウンロードされず、漢字変換が行えないようなのです。ひらがなしか入力できません。中国語や韓国語等、他の言語は予測変換もバッチリ動くのですが日本語だけがダメです。イジメかな?

データ削除、権限付与、キーボードを出したまま放置するなど、色々と試してみましたが未だに解決せず……。(いっそ中国語キーボードを併用して入力する?)

バージョン情報の欄に、メイン(en_US)と表記されているのが気になるところですが、解決策が見つからずなんとも言えない状況です。一応音声入力時は漢字もよしなにしてくれるようなのですが……。

解消したみたい?

最近再セットアップをしたところ、「2.5.07.555298297-release-armeabi-v7a 359386」というバージョンになっており、en_USの表記も消えて日本語入力が行えるようになっていました。

ヘルスコネクトがあまり活用されていない

Pixel Watchでは、Fitbitからのデータを他サービスとやりとりするのにヘルスコネクトが活用されていました。

TicWatch Pro 5を管理する「Mobvoi Health」アプリでもヘルスコネクトの項目は存在するのですが、対応しているのは歩数の読み取りのみです。書き込みは許可しても機能しません。

心拍数や睡眠測定など、他の情報はどうするのかというと、これまで通りMobvoi HealthアプリをGoogleアカウントと連携させる方式となっています。以前、Mobvoiアプリ(※旧TicWatch向け)がGoogleから拒否されてデータ連係が一時的に行えなくなった事件がありましたので、少々不安が残ります。

ヘルスコネクト経由なら安心なのかと言われるとなんとも言えないところですが、ヘルスコネクトの使われ方が歩数の読み取りだけというのは、なんだかむなしいですね。

バンドの選択肢があまり無い

TicWatch Pro 5のバンドは24mmで一般的な構造のものとなっています。その為、純正品以外のバンドも取り付ける事が可能です。しかし、24mmという太さのせいか、バリエーションが非常に少ないです。

例えば、Apple WatchやPixel Watchで採用されているタイプのスポーツバンドは、24mmサイズだと見つけることが出来ませんでした。そちらに関してはそもそもパチモン感が否めませんが、シリコンや金属のバンドを探しても種類が少ないです。気に入ったデザインの物が見つからない可能性があります。

22mm変換アダプター付きの商品あり

24mmから22mmへの変換するアタッチメント付きの商品がありました。

耐久性は分からないのですが、これでお好みのバンドを取り付けやすくなるのではないかと思われます。(自分はバンドが痛むまではそのまま使うつもりです。)

Amazon

失ったものはあるが満足度は非常に高い

TicWatch Pro 5はWearOS搭載機でありながら、3日間は余裕のバッテリーと最高のパフォーマンスという大きな利点を持つスマートウォッチです。

自分はPixel Watchに不満や不安を感じていたので、幾つかの機能を代償にTicWatch Pro 5へと乗り換えましたが、とても満足しています。ハードウェアの頑丈さと、充電をあまり気にしなくても良くなった点は個人的にかなりのプラスとなっています。

Pixel Watchも次世代はより良い物に改良されるはずでしょうし、ようやくWearOSもスタート地点に立てたかなと思います。

WearOSはかなりの周回遅れではありますが、今後に期待したいですね。

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2023/11/16:日本語入力とバンドについて更新と追記。

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