PICO 4 Ultra使用時において、VRChatのマイク音声が割れたり歪んだりした状態で相手に聞こえてしまうのを回避するための設定です。マイク音質が悪い、こもって聞こえる、声にやたらと圧があるといった状況がいくらか良くなるはずです。
声について何か言われてガッカリしたり、嫌な思いをするようなことがないようにという思いで書きました。この内容が上手く当てはまらない方もいらっしゃるかもしれませんが、参考となれば幸いです。
注意事項
- 声質や声量には個人差がありますので、あくまで目安としてご参照ください。
- 技術的な内容については推測も含まれており、正確でない場合があります。
- PICO 4 Ultra(PICO OS 5.14.5.U)とPICO Connect 10.6.6あるいはVirtual Desktop 1.34.12での動作を想定しています。
- PICO 4やPICO 4 Proでは傾向は似ていますが、マイクの音量バランスが異なります。PICO 4 Ultraよりも小さめとなるようです。
機材とバージョン
- PICO 4 Ultra(PICO OS 5.14.5.U)
- PICO Connect 10.6.6
- Virtual Desktop 1.34.12
- VRChat (Build 1750)
マイク音量以外のセットアップについてはこちら。

VRChatでマイクの音割れが起こりにくい設定
PICO Connectのマイク設定
ヘッドセットのマイク「15~25」
デフォルトは音量50ですが、音量を15~25ぐらいまで下げます。声量のある方は15ぐらいと小さめ、かなり小声の方は上げるとしても30ぐらいが基準です。声が大きかった場合の微調整はVRChat側で行いますので、基本的にPICO Connectの音量は下げる方向で弄ってください。但し、15よりも下になってくると小さい音を無理やり持ち上げるような感じになるので、下げすぎないように。
ヘッドセットのマイクのノイズ削減「オン」
デフォルトで有効になっているノイズキャンセリング機能です。マイクブーストが掛かるので、音量15~25というのはこれがオンになっている前提の目安です。このノイキャンは結構強力で、ノイズの考慮をしなくてもよくなるので、音量設定はPICO Connectのノイズキャンセリングをオンにしておいた方が比較的楽です。
ちなみにノイズキャンセリングによる遅延は0.1~0.2秒程度でした。(他のUSBマイクと同時録音をしてズレを確認)
VRChatのマイク設定
マイクの出力音量100%が前提の場合は「PICO Connectは15が目安」
VRChatのマイクの出力音量が100前提で設定する場合は、PICO Connectの音量は15まで下げます。これはPICO 4 Ultraの場合なので、PICO 4やPICO 4 Proなら25ぐらいが目安です。声の大きい人はもう少し下げる必要があると思いますので、PICO Connectの音量を1ずつ調整してみましょう。
ノイズの抑制「オフ」
PICO Connectの方でノイズキャンセリングが動作しているので、VRChat側のノイズキャンセリングは使用しません。二重で動作させると声が上手く聞こえなくなる可能性があります。但し、あまりにも周辺ノイズが多い場合はあえて有効にしてみると上手くノイズキャンセリングできる場合があります。やむを得ない状況なら試してみましょう。
マイクが有効になる音量「1~2%」
PICO Connectのノイズキャンセリングでかなり抑えているので、部屋にひとりで居る場合は0%でも割と大丈夫ですが、小さい音も入りやすくなるので注意が必要です。
設定をしておきたい場合は1~2%ぐらいにしておきましょう。同じ部屋で家族が喋っているといった状況だともう少し上げる必要があるかもしれませんが、ここを上げてしまうと喋り始めが途切れる原因になるので、通常はほぼ設定しないような状態で問題ありません。
設定例
色々と試してみたところ、以下のような感じになりました。(※PICO 4 Ultraの場合)
| PICO Connectの音量 | VRChatのマイクの出力音量 | |
|---|---|---|
| パターンA | 15 | 100 |
| パターンB | 20 | 50~60 |
| パターンC | 30 | 30 |
パターンA~Cのどれも音量バランスは同じぐらいですが、PICO ConnectやVRChat側で自動的にマイクブースト(コンプレッサーやリミッター?)が2重に掛かる都合上、聞こえ方が微妙に違うように感じました。
実際にどう聞こえるかは分からないので、何人かのフレンドに協力してもらって3パターンとも試し、好評だった設定をベースにVRChat側の音量を微調整してみるのが良さそうです。
ちなみにPICO Connectの音量を15未満まで下げてしまうと、VRChatのコンプレッサー処理で持ち上げるにしても小さすぎるようで、フレンド曰くなんとも言い難い違和感があるとの事でした。相手との距離にもよるでしょうから、調整が難しいところです。
これらはあくまでも目安ですので、自分に合った設定を探してみてください。
マイクインジケーターを確認しよう
例えばPICO Connectの音量が15~25の場合でも、VRChat側で「若干のコンプレッサー」と「追加で6dBのブースト」が掛かるようなので、マイク設定内のマイクインジケーターが1/5か1/4ぐらいまで安定して出ていれば十分です。VRChatのマイクテスト機能はありますが、最終的にはフレンドの方に声を聞いてもらいながら5%刻みぐらいで調整するのが良いかと思います。
インジケーターが微動だにしない時は、マイクデバイスが間違っている可能性があります。「PicoStreamingMicrophone」になっていることを確認してください。
動画で音割れ(クリッピング)する様子を観る・PICO Connect編
Virtual Desktopのマイク設定
VRChatのマイクを100にしてはいけない
Virtual Desktopの場合、VRChat側のマイク音量が100である前提で調整すると、Virtual Desktopの音量を最低値の10%まで下げても音が割れてしまいます。
目安としては以下の通りです。もちろん個人差がありますから、あくまでも目安です。
| Virtual Desktopの音量 | VRChatのマイクの出力音量 | |
|---|---|---|
| パターンA | 10 | 25~30 |
| パターンB | 15 | 20~25 |
| パターンC | 20 | 15~20 |
PICO Connectのときとは異なり、Virtual Desktop側ではマイクブーストが入らない?ようなので、Virtual DesktopとVRChatの音量の関係は概ね比例するようです。
動画で音割れ(クリッピング)する様子を観る・Virtual Desktop編
PICO Connectのノイズキャンセリングを「使用しない」場合は?
「ヘッドセットのマイクのノイズ削減」を使用しない場合、環境ノイズがそのまま入り、マイクブーストも掛からなくなります。声の減衰もしなくなるので、歌を歌ったりしたい方や別のノイズキャンセリング機能を利用したい方向けです。
先程と違って具体的な設定例を提示するのは難しいので、こちらは要点だけ説明します。
PICO Connectのマイク設定(ノイキャンなし版)
ヘッドセットのマイク「50程度」
ノイズキャンセリングを使用しない場合はブーストが掛からない分マイク音量が小さくなるので、40~60ぐらいまで上げる感じになりそうです。
ヘッドセットのマイクのノイズ削減「オフ」
ノイズキャンセリングを使用しないので、オフにします。
今のところPICO Connectを使用するときに限り、PICO本体側のノイズキャンセリングも同時にオフにできます。ALVRやVirtual DesktopではPICO側のノイズキャンセリングを完全にオフにはできませんので、声を伸ばすと2~3秒でノイズ判定されて大きな減衰が発生します。
VRChatのマイク設定(ノイキャンなし版)
マイクの出力音量
こちらも出力50%ぐらいにしておくと、ここから上げたり下げたりして調整をしやすいと思います。PICO Connectのマイク(ノイキャンなし)が50なら、VRChat側は多分100で十分な音量になります。
ノイズの抑制「必要に応じてオン」
自前でノイズキャンセリングを用意しない場合はここをオンにしておきます。VRChat側のノイズキャンセリングを使用しないと、PICOのスピーカーから聞こえる他人の声がマイクに入ってしまう可能性があります。
マイクが有効になる音量
使用するノイズキャンセリングの具合に応じて調整します。具体例を出すのが難しいので上手いこと頑張ってください……。
PCやPICOにBluetoothイヤホンを繋いでしまって、PICOのスピーカーからは音を出さないようにするのも手です。
Voice Clarityは動く?
Windows 11の新機能である「Voice Clarity」の「音声フォーカス」でノイズキャンセリングが利用できるようです。
ただ、Voice Clarityを有効にしただけでは特に変化はないようです。しかも肝心の「音声フォーカス」をオンにしようとするとこちらの環境ではWindowsの設定が落ちてしまうので、効果を確認できませんでした。そもそもこの機能が使えるPCが最近セットアップした1台だけだったので、まだ利用できない環境も多くありそうです。他のノイズキャンセリングと同様に、当面の間は本記事内で検証しない予定です。
音割れ(クリッピング)が起こる理由・声がガビガビな理由
VRChatにはコンプレッサーなどの音声処理がある
Windows上でマイク音量を確認したときは大丈夫そうなのに、VRChat内で音が割れたり圧のある声になってしまうのは、VRChat側のマイクブーストなどが原因です。
VRChatでは声を聞き取りやすくするために、プレイヤーとの距離に応じて軽いコンプレッサーやブーストの処理が入ります。具体的には小さい声は大きく、大きい声は小さくなる調整が入ります。VRChatのドキュメントには「軽い」と記載がありますが、音量によっては結構ガッツリ掛かる感じがします。

これらの調整はワールドによって異なり、ゲイン設定は「VRC_PlayerAudioOverride」で行います。そしてプレイヤーの声は他の音と比べて追加で6dBのブーストが掛かるようになっており、この6dBのブーストは「VRC_PlayerAudioOverride」で設定した音に対して追加で適用されます。
All player voice gets an addition 6db boost relative to other sounds. This is on top of any you apply with the .Gain VRC_PlayerAudioOverride
あまり詳しくないのですが、音量が6dB上がると倍率が2倍になるので、体感で音量が倍に感じられると思います。そのため、VRChatのマイクインジケーターが半分を超えるような調整をしていると、ブーストが掛かって音が割れたり潰れたりしやすいようです。残念ながら、ここについては詳しい検証ができていません。
それとPICOに限らず、Questでもマイク設定が大きすぎると声が割れたり歪んだりしていることがあります。状況は非常に限られますが、特にメガホンなどのワールドギミックは距離の減衰無しでダイレクトに響くので、音が割れていると感じやすいです。
ボイスチャット品質にエンコードされて相手に届く(イコライザー設定について)
VRChatに入力した自分の声は、非常に小さく圧縮されて相手に送信されます。手元で確認したときと全然違う声が相手に聞こえるのは、恐らくこの部分が大きく影響しています。低ビットレートでのエンコードとなるため、かなり音質が劣化するようです。とはいえ、ここについての知識も乏しく手元ではちゃんと検証できていません。
これについて調べてみると、かなり詳しく検証している方がいらっしゃいましたのでご紹介いたします。配信関連の音響設定に関するアドバイスや研究をされているようで、大変詳しい方だとお見受けします。
どのような設定でエンコードされるのかについては、YouTubeの動画説明文から引用すると以下の通りです。
●ボイストラックのエンコード仕様について
一聴してわかる通り、VRCのボイス用音声チャンネルは サンプルレートとビットレートが非常に低いようです。
測定結果と、VRCのボイス機能実装(Photon Voice)等からみて おそらく下記の設定であると思われます。
コーデック:Opus voip
サンプリングレート:24kHz
ビット深度:16Bit
チャンネル数:1ch
ビットレート:30kbps (Photon Voice標準設定)この設定はPhoton Voiceのデフォルト設定です。
手元で用意したUnity上の試験環境にて実施した Photon Voice2を用いた試験でもほぼ同じ音響特性の 測定結果が得られたため、上記設定である可能性が高いです。一般的な音楽ではサンプリングレートが44.1kHz、或いは48kHzであるため、 この半分程度であることがわかります。
同じくOpusを用いているDiscordのデフォルトが 「 48kHz / 64kbps 」であることを踏まえると、 その半分以下の品質ということになります。
VRChat 音質改善EQ 比較試聴動画★本動画がモノラルであることは意図的なものです★★字幕を有効にしてご視聴下さい★============================多くの人に使われている無料の仮想ミキサである、「Voicemeeter Banana」を用いて、VRCh...
PICO 4 UltraのマイクとDJI Mic Miniを比較して大差ないように感じるのも、このあたりの関係がありそうですね。Discordの半分以下の品質になってしまうことを考えると、DJI Mic Miniよりも高いマイクを使っても、VRChat内で良い感じの声になることを期待できるかは怪しいところです。

YouTubeの動画説明文にはより詳細な説明がありますので、そちらも是非読んでみてください。イコライザー設定に関する投稿がリンクされていますので、その一部を引用しておきます。
EQの設定ファイル置いときます。
①設定したい出力デバイスのEQボタン右クリック
②ウィンドウタイトル右クリック
③Load EQ Settingshttps://t.co/2HWRJvuXDi pic.twitter.com/E01fzPJ3xi— ✞きょう✞ (@2ZGRG) February 27, 2022
令和最新版
VRChat内でマイクを用いてライブする際の音質を改善できるEQカーブ pic.twitter.com/itUboBGOns
— ✞きょう✞ (@2ZGRG) November 1, 2024
もちろん、PICO 4 Ultraのマイク特性に合わせて調整は必要だと思いますが、イコライザーを使ってマイクの補正もしたいならこれらの情報が参考になるはずです。たとえ音割れしてなくてもガビガビとした声になりやすい方は、イコライザー調整で抑えられるかもしれません。
PICOでの音声処理の流れについて
PICO 4 Ultraにおいては、おおよそ以下のような流れでマイクの処理が行われているものと考えられます。
①のPICO OSで動作するノイズキャンセリングについては明確な記載がありませんが、簡易的なノイズキャンセリングが機能しているような挙動を確認できました。声を伸ばすなど同じ音を出し続けると2~3秒でノイズ判定されて音の減衰が入ります。ノイズキャンセリングを設定していないALVRやVirtual Desktopでも同様の減衰が確認されたので、基本的にはオフにできない機能です。(OS内に設定項目が存在しない)
②ではPICO Connect側で強力なノイズキャンセリング処理が入ります。恐らくPC側で処理していると思われますが、こちらも詳細は不明です。ノイズキャンセリングと同時にマイクブーストも掛かるので、デフォルトの音量50でも結構大きな音になります。PICO Connectの設定でノイズキャンセリングをオフにすると、①のPICO OSでのノイズキャンセリングも同時にオフになるようです。今のところこれが完全にノイズキャンセリングをオフにする唯一の方法となります。
Windows上で簡単に確認できるのはPICO Connectで処理が行われたマイク音量まで(図では②に該当)なので、この時点で音割れせず程よく聞き取りやすい音量に調整してしまうと、③のVRChat側でブーストされたときに音が割れる可能性があります。
音割れは相手に届いてから起きている
VRChatのローカルテストを行ったところ以下のようになりました。(※ローカルテストの方法については後述)
実際のマイク入力音量よりも大きな音が相手に聞こえています。PCでマイクテストしたときは割れていないのに、VRChatでは音割れしていると言われてしまう理由は恐らくこれです。
特にPICO Connect使用時に音が割れやすくなる原因として、PICO ConnectとVRChat側の両方でマイクブーストが2重に掛かっているからということがありそうです。それを念頭においてマイク音量を小さめに調節すればクリッピングによる音割れを回避できるはずです。
ところで、VRChatによる6dBのブーストについては最後に音声がミックスされる段階で行われるので各クライアント側でやっていると思いますが、マイク入力のコンプレッサーやリミッターの処理は自分側と相手側のどちらで行っているかはよく分かりませんでした。(自分側でやってそうな気もします)
相手側のスピーカーやイヤホンの音量設定が100のままってことはあまりないとは思うので、爆音ボイスを聴かせているということはなさそうです。しかし、デフォルトのマイク音量設定だと歪んだ感じの声や、ガビガビとした声となった状態で相手に聞こえている可能性が高いのは容易に想像ができます。
VRChat内での聞こえ方を確認する
マイクテスト機能を使う
VRChatでの聞こえ方を確認する簡単な方法です……が、あまりアテに出来ない感じがします。
ビルド1695以降、VRChatの設定内にマイクテスト機能が搭載されました。自分の声を録音して再生することができます。ワールドの設定や相手との距離によって聞こえ方に違いはありますが、ここでは反映されないようです。
録音時に波形を見る事ができます。割と控えめにしても大丈夫です。フレンドに確認してもらうのも大事ですが、まずはVRChat内のマイクテスト機能を上手く活用してみてください。
ローカルテストで確認する
VRChatを2つ起動して、どのような声が聞こえてくるか確認する方法です。
アバターではなくワールド用のプロジェクトを作成してテストビルドするという手段を用いると、VRモードとデスクトップモードのローカルテスト用のVRChatを同時に起動できます。VRChatアカウントは1つで大丈夫です。
アバターのアップロードをするときと同じようにUnityを使用します。ワールド用のVRChatプロジェクトを作成して、そのままVRChat SDKのBuilder画面を出します。VRで動かす準備をするために必ずPICO Connectを接続しておいてください。
「Force Non-VR」にチェックが入っているとデスクトップモードで起動します。まずは「Build & Test Your World」に設定してBuild & Testボタンを押してVRChatを起動してみましょう。
VRChatが起動できたのを確認したら、VRChat内でマイクのミュートをしておいてください。今度は「Test Your Last Build」に変更します。
VRモードのまま2つ起動することはできませんので、1つ目のVRChatをVRモードで起動している場合はForce Non-VRにチェックを入れてからTest Last Buildボタンを押します。既に1つ目がデスクトップモードで起動していた場合はチェックを外してからVRモードで起動します。(Force Non-VRのチェックの有無は手順が逆でも大丈夫だと思います。)
PICOを装着して、少し後ろに下がるともうひとりの自分がそこに立っているのが分かると思います。(エラーアバターになっている場合もあります)
VRモードとデスクトップモードのどちらもPICOのマイクを使う設定になっている状態ですので、VRChatの設定で片方がミュートになっていれば声が二重に聞こえてくることはないはずです。
アバター同士が重なるほどの至近距離に移動したり、普段フレンドと会話をするぐらいの距離に移動したりしながら、マイク音量の調整を行います。コンプレッサーやリミッターなどの影響で、設定音量の割に声が大きく聞こえるのが分かると思います。また、声の劣化具合も確認できますので、イコライザー調整をする場合もローカルテストが役立つはずです。
但し、これは1台のPCで行うローカルテストなので、ネットワークを経由して相手の元に届いたときにテスト時と全く同じ聞こえ方をしているとは限りません。一応PC2台で確認したときと変化がないようでしたが、ローカルテスト後は念のため複数のフレンドに声を確認してもらうことをおすすめします。(いくつかのワールドで試した方が良さそう)
QuestとPICOのマイク入力比較
Virtual Desktopの音量を100%に設定した場合、QuestとPICOでどういった差があるかを確認しました。
また、Virtual Desktopだけでのマイク比較は公平ではない可能性があるので、ALVRでも同じ傾向にあることも確認しました。
Meta Quest 2の場合
Quest 2の場合は、気持ち大きめの声を出しても半分ちょっとぐらいでした。Virtual DesktopとVRChatの両方を100に設定していても、そこまで酷く割れることはなさそうです。そのため、Questでもマイクインジケーターが半分を超えないような音量調整にしておけば、メガホンなどのギミックを使ってもVRChatのコンプレッサーやブーストで音が潰れたりせずに済むと思います。
ALVRではVirtual Desktopと比べてマイク音量が小さめでした。ちょっと声を張り上げても以下のようなレベルです。
PICO 4 Ultraの場合
PICO 4 Ultraの場合、Virtual Desktopの音量が100%だと余裕で振り切れます。Virtual Desktopのマイク入力がそのままパススルーされてるのかは分かりませんが、ゲイン調整があったとしてもPICO向けの調整となってない感じはします。
ALVRでも試してみたところ、Virtual Desktopよりは小さいのですがQuestと比べてマイク音量が大きい傾向は一緒でした。ALVR(VB Cable)のマイク入力の場合は、Virtual Desktopほど簡単に振り切れるというわけではなさそうです。
ちなみにVirtual Desktopの音量を30%にしても、VRChatの音量が50ぐらいだと以下のようにそこそこ大きめの音が入っています。前述したように、Virtual Desktop側を10~20%まで下げて、VRChat側の音量も30以下に絞ると良さそうです。
PICOの音が割れやすいのは、そもそもQuestと比べてマイクの入力音量が明らかに大きいという理由があるようです。特にPICO 4 Ultraにおいては、正面のカメラで空間ビデオを撮影する機能があるので、周辺の音も記録できるようなマイク構成になってそうな感じがします。
どういった理由でそのようなマイク設計になっているかはさておき、VRChatでPICOのマイクを使う場合はしっかりと音量を絞った方が良いということだけ覚えておけばOKだと思います。
動画でまとめを観る
| PICO Connectの音量 | VRChatのマイクの出力音量 | |
|---|---|---|
| パターンA | 15 | 100 |
| パターンB | 20 | 50~60 |
| パターンC | 30 | 30 |
| Virtual Desktopの音量 | VRChatのマイクの出力音量 | |
|---|---|---|
| パターンA | 10 | 25~30 |
| パターンB | 15 | 20~25 |
| パターンC | 20 | 15~20 |
マイクが遅延する場合の対処方法
VRChat自体の遅延について
まず大前提として、VRChatでの会話の遅延は避けることができません。ワールドを立てるときに海外のサーバーを選んでいると大きく遅延するのはもちろんのこと、日本サーバーを選択していても経路によっては数百msのネットワーク遅延が起こる事があります。(※修正されているかは不明)また、Pingが僅か数十ms程度であっても音声が届くまで0.5秒程度掛かるようです。
例えばの話ですが、QuestやPICOのような無線のHMDを使ってお互いにVRChatをしたとしましょう。適当に見積もってHMDのマイクからPCまで0.1秒、VRChatの処理とネットワークを経由するのに0.5秒、PCからHMDのスピーカーまで0.1秒掛かったと仮定すると、手元のマイクから発した自分の声が相手のスピーカーに届くまでの間に0.7秒掛かるということになります。携帯電話並の違和感のない通話をするには150ms(0.15秒)以内の遅延に抑える必要があると言われていますので、結構厳しいです。
VRChatの2025年3月26日の更新(Build 1606)で声の遅延が受信側が最大で250ms短くはなっていますが、それでも0.5秒ぐらいは掛かるので、Discordのような低遅延ボイスチャットとは程遠いです。まぁ、これでも以前よりは会話がしやすくなっているとは思います。多分これまではトータルで1秒ぐらいは掛かってたんじゃないかなと……。
Reduced player voice latency.
By up to 250ms, on the receiver’s side.
PICOのマイク遅延について・回避策
マイクを常時動作状態にしておくと良い
国内のPICO公式Discordで「音声デバイスをWindowsの既定から外してVRChat側で指定する」か「OBSなどを立ち上げたままにしてマイクを常時使用状態にしておく」ことでVRChatのワールド移動後にマイクが遅延するのが解消したとの情報がありました。
前者については後ほどじっくり検証しようとは思いますが、後者の方法は有効でした。
まず、VRChatでワールド移動する際はマイクが使用されなくなるので、ワールド移動中はタスクトレイのマイク使用中のアイコンが一旦消えることが確認できます。
次に、ワールド移動を短時間で複数回行った後にWindowsのマイクアクティビティを確認してみると、確かにマイクアクセスの要求がインスタンスに入ったときに行われているのが分かります。VRChatからマイクが呼び出されてアクティブになったときに問題が起きて遅延しやすいようですので、常にマイクを使用している状態を維持しておけば良いわけです。(※これが初期化処理の都合なのか詳細は不明)
もちろん、PCと接続した時点でマイクが遅延している場合は意味がありませんが、大きく遅延していない状態を維持するだけなら、Windowsのサウンド設定などを開きっぱなしにしておくのもありだと思います。
「このデバイスを聴く」を使って、適当なデバイスにマイク音声を流しっぱなしにすることでも回避可能でした。特に不都合がなければ、こちらの方法を設定しておくのが最も楽です。
既に遅延してしまった場合は繋ぎ直すか、ノイズキャンセリングのオン・オフを数回試す
PCと接続した時点でマイクが遅延してしまった場合は、左手コントローラーのメニューボタン2回押しでデスクトップ表示に戻ってPCと再接続をするか、PICO Connectの「ヘッドセットのマイクのノイズ削減」を数回ほどオン・オフすると戻ります。(大体3~5回程度)
良好な状態で大体0.1秒ぐらい
さて、PICOからPCまでのマイク遅延は上記のような問題が起きてなければ0.1秒程度で済むはずです。PICO Connect経由のマイクをUSBマイクと同時に録音を行ったところ、PICO Connectのノイズキャンセリングを有効にしていても0.1秒の遅延となりました。(※自分の声を確認しながらボイスチェンジャーを使いたいという人にとっては0.1秒程度の遅延でも致命的なので、これはボイチェンしない前提での話です。)
Windowsのマイク設定などでインジケーターが0.5~1秒ぐらい遅延している場合や、VRChatで自分のアバターのリップシンクが大きく遅れているように見える場合は、トラブルが起こっている可能性があります。もしSteamVRではなくPICO単体版のVRChatでも同じ問題が起きているのであれば、PICO本体の問題の可能性がありますのでPICOを再起動してみましょう。
VRChat側やネットワークの問題であることも
原因がPICO本体ではなかった場合、よくある原因としてはネットワークの問題が挙げられます。例えばWi-Fi接続が安定せずストリーミングの映像が引っかかるような事が何度か起こると、音声遅延が蓄積されてしまう事が考えられます。また、ネットワークに問題があると、接続時点で既にマイクが遅延している状態になります。
関連する情報として、Virtual Desktopのノイズキャンセリング機能は無音の送信を続けてしまうことを避けて、遅延を軽減するという目的もあるようですので、これ自体はWi-Fi接続でVRストリーミングをするときの一般的な問題だと思われます。
Wi-Fi接続が途切れがちでしばらく使用していると遅延してくる場合は、一度PICO ConnectやVirtual DesktopからPICO本体を切断してから再接続を行うと改善する可能性があります。PC側のPICO ConnectやVirtual Desktop、SteamVRを終了しないように気をつけておけばちゃんと戻ってこられます。あるいは前述したように、「PICO Connectのヘッドセットのマイクのノイズ削減」スイッチを操作するとリセットが掛かるような挙動をするので、何度かオン・オフを試してみてください。
ネットワークの問題かどうかは、USB接続での動作を確認することでも判断できます。PICO Connectの設定を見直すという場合は、フレームバッファリングがデフォルトで有効なのでネットワークが不安定な場合はそちらをオフにして様子を見ることもできますが、ネットワーク機器の構成やネットワーク設定の見直しをする必要があるかと思います。
DJI Mic Miniとの比較に挙がることがあるHollylandのLark M2も良い勝負らしいです。
2025/04/27:マイクの遅延についても追記
2025/05/04:ノイズキャンセリングを二重に使用する場合や、マイクが有効になる音量について補足
2025/05/24:マイク遅延について追加情報があったので追記
2025/08/30:VRChatの新機能であるマイクテスト機能について追記
2025/12/01:マイク音量の目安を更新
2025/12/02:記事全体の見直しを行い、参考動画などの追加情報を幾つか追記


































