モンハン需要やPCの新調などで、Radeonを購入する人が増えました。前向きな理由で買った人もいれば、消極的な理由で買わざるを得なかったという人もいるかもしれません。特にVRChat用途で購入した場合は、過去の評判を聞いて不具合があるのではないか、情報が何もないのではないかという不安を感じていることかと思います。
そんなトラブルに遭ったとき、対処方法が分からないことを理由にRadeonを買ったことを後悔してほしくはないのでこの記事を書きました。様々な問題についての対処法を網羅しているわけではありませんが、追加情報を調べるヒントとなれば幸いです。内容は随時更新予定です。
2026年1月7日更新
注意事項
トラブル解決への足掛かりになる事を目的としており、各種アプリの操作手順といった内容を幾らか端折っています。また、環境によって動作が異なる場合や、今後のアップデートにより最新の情報ではなくなる事が考えられます。AMDと関係の無い一個人が検証した結果や情報収集した内容をまとめているに過ぎないため、誤った内容が書かれている可能性もございます。ここに書かれていることを鵜呑みにせず公式情報を参照するなどしていただけると幸いです。
何か操作を行う際は作業内容とその結果をメモしておき、問題の切り分けなどで役立てられるようにしておきましょう。ここで紹介する各種設定については自己責任となりますので、予めご了承ください。
本記事で対象となるVRヘッドセット
主にMeta QuestやPICO、VIVE Focusシリーズで無線やUSB接続で映像ストリーミングをして使用する場合を想定しています。Value IndexやVIVEシリーズ、BigScreenといったDisplayPortで接続するタイプのヘッドセット固有の情報はあまり取り扱いません。
Windowsのメンテナンスとグラフィックドライバのクリーンインストールなど
VR関連の前に、まずは基本的な部分から見ておきます。
可能であればWindowsのクリーンインストールがベスト
以前使っていたグラフィックボードなどの情報を残さないようにして、できるだけトラブルを避けたい場合は「Windowsのクリーンインストールがベスト」です。
知らないうちに壊れているコンポーネントや設定も初期状態になるので、不可解なトラブルに悩まされている場合もクリーンインストールした方が良いです。
DISMとSFCでWindowsのメンテナンス
ここからはWindowsのクリーンインストールをしない場合の簡単な紹介となります。Windows自体が破損していると話にならないので、確認と修復をしておきます。後述しますが、メンテナンス時はWindowsの高速スタートアップを無効にしておくことを推奨します。
あまりにも酷い壊れ方をしている場合はDISMとSFCで対処できないと思われるので、Windowsのクリーンインストールをすることになります。
Display Driver Uninstaller(DDU)を使おう
グラフィックボードを載せ換えるときや、ドライバーのアップデートなどで不調を感じたときはDDUを使ってグラフィックドライバのクリーンインストールを行います。(※ダウングレード時にも使用します)
特にグラフィックボードを載せ換えたときは要注意。ゲームの設定ファイルにNVIDIA向けの設定が残っているとゲームやPCがクラッシュする事があるので、DDUしたからと安心せずそれらもちゃんと削除しなければならない場合があります。
よく分からなければゲームを一度アンインストールするのが良いでしょう。Unity Editorのキャッシュなどもちゃんと削除しておかないと、表示に問題が起こる場合があります。
DDUは時々アップデートが行われていますので、最新バージョンを使うことを心掛けてください。

これらのメンテナンスは時々気にしておくと良いでしょう。
特定のベンチマークなどで確実にクラッシュする場合
DISM・SFCとDDUを使ってもダメな場合はあるので、ゲームのプレイ中にクラッシュしたりブルースクリーンになったりするのであれば素直にWindowsのクリーンインストールをしましょう。
もしWindowsのクリーンインストールをした状態でも再現性がある場合、ハードウェアの故障(不良品)という可能性も出てきます。具体的な統計があるわけではありませんが、ハードウェアの交換・修理で直ったという事例をよく耳にします。(事例1)(事例2)
新品購入していれば購入店へ持っていってサポートを受けるのが最善かと思います。ベンチマークで確実に落ちるといった再現性があれば店舗でも試して貰いやすいです。VRChatやUnityで頻繁に落ちるという場合は確認して貰えない事が多いので、それ以外で落ちる状況を探した方が良いです。

保証や修理が受けられない場合、タイムアウトまでの時間(デフォルトで2秒)を延ばしてその場しのぎをすることもできます。TDRについては多くのPCメーカーやソフトウェアメーカーからも案内が出ていることがありますが、変更にはリスクを伴う事を十分理解のうえでお試しください。
処理に時間が掛かりすぎるソフトウェアの問題ならまだしも、ハードウェアの故障が原因であれば、これが根本的な解決にならないという事も念頭に置くべきでしょう。

AMD Softwareが起動しなくなったときは
時々、設定ファイルなどが破損してAMD Softwareが起動しなくなることがあります。DDUやAMD Cleanup Toolsを使用して再インストールしても良いのですが、多くの場合CNフォルダを削除すると復旧します。
【CNフォルダを削除する】 %USERPROFILE%\AppData\Local\AMD\CN
AMD Softwareの設定などがリセットされるので再設定しておいてください。
AMD Softwareが頻繁に表に出てくる・エクスプローラーがフリーズするときは
右クリックメニューにAMD Softwareが登録されないようにレジストリを操作すると改善するとのこと。25.6.1~25.6.3で発生している不具合です。Radeon独自の機能が不要であれば、いっそのことAMD Softwareをインストールしない(ドライバーのみインストールする)という手もあります。
レジストリの変更は自己責任で行い、誤った操作を行わないように十分注意してください。
【レジストリキー】
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Shell Extensions\Blocked
{FDADFEE3-02D1-4E7C-A511-380F4C98D73B}を文字列値として登録(※値のデータは空欄)ドライバーの安定性や種類について
特段良いというわけではありませんが、ここ1~2年ほど使用していて大きな問題はありませんでした。もちろん時々微妙なドライバーが提供される事がありますが、不具合の程度も至って普通であると個人的に感じています。
ドライバーにはWindowsとの互換性があることを認められてMicrosoftによるドライバーの署名が行われている「WHQL(Windows Hardware Quality Labs)認定版のドライバー」と、そうではない「Optionalのドライバー」があります。
基本的にはWHQL通過版のドライバーをインストールしておけばOKです。これは主にWindows ハードウェア ラボ キットでの確認が行われたかどうかという違いなので、最新のゲームに対応したり不具合の修正があって、それを必要としているのであればOptional版を入れても構いません。詳細をリリースノートで確認することをおすすめします。
Adrenaline EditionとPRO Edition
AMD Softwareには一般向けの「Adrenaline Edition」と、業務用のRadeon Proに対応している「PRO Edition」が存在します。ゲーム用のAdrenalineとクリエイティブ向けのPROといった形になっており、NVIDIAのGame ReadyとStudioの関係に近い感じがします。
基本的にPRO EditionはRadeon Pro向けであり、PRO Editionでの機能や認定は一般向けのRadeonでは適用されません。PRO Editionは四半期ごとにリリースされます。(Q1とQ3のときもあれば、Q2とQ4のときもある模様)最新のゲームを遊んだりするのでなければ、安定版としてPRO Editionを利用するのもありだとは思います。
【注意】25.Q3に関しては不備があり、一部の製品で利用できない不具合があります。
プレビュードライバーって?
最近提供されたのはFSR 4のTechnical Previewで、過去にはAFMF 2 Technical Previewなどが提供されたことがありました。新機能をいち早く試したい方や、フィードバックを目的として人柱をする方向けのドライバーです。プレビュー版のドライバーなので不具合があったり不安定になったりする場合があります。また、通常のインストール・アンインストールプロセスでは問題が生じる可能性もありますので、元に戻すときはAMD Cleanup UtilityやDDUを使用しましょう。
ドライバーバージョンについて
AMD Software:Adrenaline Editionのバージョンは例えば2025年6月リリースであれば「25.6.1」というような形で表記されますが、ドライバーバージョンはそれとは異なります。
例えばAMD Software:Adrenaline Edition 25.6.1のリリースノートを確認すると、ドライバーバージョンは「25.10.13.01」とあります。
注目するところは先頭の2セクション(25.10.xx.xx)で、ここが変わるとドライバーのブランチが切り替わっているようです。ブランチが切り替わるタイミングでは新機能や新製品対応のような大きな変更が入っており、その後はしばらくバグ修正が続く形になります。(※同一ブランチ内で機能が増えることもあるので一概には言えない)
参考として、直近のバージョンをいくつか表でまとめてみると以下のようになります。(※2025年10月30日時点 RDNAグラフィックスの場合)
| ドライバーバージョン | AMD Softwareのバージョン | 備考 |
|---|---|---|
| 24.20.xx.xx |
|
|
| 24.30.xx.xx |
| |
| 25.10.xx.xx |
| |
| 25.20.xx.xx |
|
アップデートでトラブルが起きやすいのは、ドライバーのブランチが変わったタイミングであることが多いです。同一バージョン内であれば、後発のものほどバグが少なくなるとも考えられます。(※新機能が増えるタイミングなどを除く)
安定志向ならばブランチが切り替わる直前のバージョンをしばらく維持しておき、頃合いを見計らってアップデートするという感じになりそうです。例えば24.12.1に留まっている場合は、25.5.1が出たタイミングでリリースノートの不具合修正内容を見つつ25.3.1か25.4.1にアップデートするという形でしょうか。
あるいは新機能が追加される直前のバージョンを試すというのも手だと思います。例として、25.9.1でFSR関連の機能に大きめの変更があるので、25.8.1で留めておくという考え方もあります。
この辺りは人それぞれですので、そのようにすべきだという話ではありません。遊びたいゲームの対応具合に合わせたり、特定の不具合修正があったので最新にアップデートするという方針の方も居るかと思います。トラブルが起きたときにどこまで戻すかの参考となれば幸いです。
公式サイトでドライバーバージョンテーブルを確認する
更新が遅いようですが、AMDの公式サイトでバージョン情報を一覧で確認できます。

で、おすすめのバージョンはある?
使用するグラフィックボードのモデルや、使いたいアプリケーションによりけりなので難しいところです。
例えば、Virtual Desktopの提示する推奨ドライバーバージョンは「25.10.2」です。これは25.20系最初のドライバーです。Virtual Desktopは推奨ドライバーバージョンを頻繁に更新しないので、確認時期によっては非常に古いままになっている事があります。新しい製品を使用していてクリティカルな不具合がない限りは、比較的新しいバージョンを使用するのが望ましいです。古すぎるドライバーを使い続けるのはセキュリティリスクがあります。
もし、25.20系ドライバーに問題があってひとつ前のバージョンを使いたいなら、「25.9.1」が20.10系ドライバーの中で最後のバージョンです。
更に遡るのであれば、「25.3.1」が候補として挙がります。24.30系のドライバーなので、Optionalの「25.4.1」までは上げてしまっても大丈夫だと思います。Radeon RX6000シリーズなどで8bitモードのHEVCコーデックを使いたい場合は、25.3.1が安定するはずです。
注意点として、25.3.1や25.4.1を使用する場合は、メモリリーク対策のためにSteamVRのモーションスムージングをオフにする変更が必要になります。(※詳細は後述)
Radeon RX 9060 XTをお使いの場合は「25.6.1」からの対応となるので、新しいドライバーを使用してください。
アップデートで問題が起きたときは
注意していても特定の不具合に遭ってしまう事はあります。
問題があるときは「AMD Cleanup Utility」を使用してドライバーを削除し、正常だったバージョンのドライバーをインストールし直してみましょう。セーフモードでの実行を推奨します。(Shiftキーを押しながら再起動→トラブルシューティング→詳細オプション→スタートアップ設定→セーフモードを有効にする)
インターネットに繋がっているとWindows Update経由でドライバーが入ってくるので、オフラインの状態で再インストールまで済ませるのをおすすめします。もちろんDDUを使用することもできます。


ダウングレード時にブランチをまたぐ場合もDDU推奨
アップデートの際はもちろんのことですが、不具合やトラブルでダウングレードを行う際もAMD Cleanup UtilityやDDUを使用することを強くおすすめします。
特にドライバーバージョンが大きく変わったとき(ブランチが切り替わったとき)にダウングレードをするなら必ず使用してください。
ドライバーだけをインストールする方法も
AMD Softwareのインストール時には、ソフトウェアタイプを選択する追加オプションが設定できます。
「Default」では全ての機能がインストールされ、「Minimal」ではゲームパフォーマンスの調整や録画・キャプチャ機能を除く基本機能だけがインストールされます。「Driver Only」ではAMD Softwareのインストールも行わない、ドライバーのみの状態となります。
自分は常にDefaultで使用を続けていますが、どうしてもAMD Software絡みのトラブルを解決できないという場合は、MinimalやDriver Onlyを試すことも可能です。
最近はRadeonかどうかに関係なくWindows側の更新でトラブルが起こることも多いため、定期的なメンテナンスを心掛けておく必要はあります。Windowsのメンテナンスをする際は、グラフィックドライバーも一緒に気に掛けておくと良いでしょう。
自動更新について
各種ドライバーの自動更新の制御はAMD Install Managerで行います。チップセットドライバーの更新もここから行えます。ドライバーは手動で更新を行いたいという場合は「AMD Softwareを自動的に最新の状態に保つ」のチェックを外しておきましょう。
公式のヘルプセンター
モーションスムージングをオフにする(※強く推奨)
ここからVR関連の情報となります。
モーションスムージングはVR関係では真っ先に確認しておくべき項目です。
SteamVRのモーションスムージングはデフォルトでオンになっています。特にDisplayPortに接続する有線のVRヘッドセットにおいて、まともに遊べないという問題はこれが原因であることが多いです。
詳細は端折りますが、モーションスムージングは90FPSが出せないような環境でフレーム補間を行って、擬似的に90FPSにするような機能です。一見有用そうな機能ですが、残念ながらRadeonに限らずGeForceでも問題を引き起こすことがよくあるため、必要がなければオフにしておくことをおすすめします。
また、過去にはAMD Software:Adrenaline Edition 25.3.1においてモーションスムージングを使用すると「vrcompositor.exeがメモリリークする問題」がありました。(※この不具合は25.5.1で修正されています)
もちろん、正常に動作する環境もあるため、設定をオフにする前に現状を記録しておくことをおすすめします。SteamVRのパフォーマンスグラフやfpsVRなどを用いると良いでしょう。設定のオン・オフで数値的な変化があるかどうか確認して記録しておくと後々役に立つことがあります。
SteamVR側のモーションスムージングをオフにする
SteamVRの設定内でモーションスムージングをオフにします。これはダイレクトディスプレイモードとして動作するタイプの接続方法の場合に項目が出てくるようです。
「アプリケーションごとの動画設定」でも無効になっているかどうかを確認しておきましょう。
ここで無効にしてもまだ動作していたり、項目が出てこないが何かがおかしいようであれば、設定ファイルの書き換えを試します。
SteamVRの設定ファイルで変更・確認する
VRヘッドセットの接続方式によってはSteamVRの設定にモーションスムージングの項目が表示されないことがあります。その場合は、SteamVRの設定ファイルを直接書き換えてモーションスムージングを無効にします。環境によってはSteamVR内で設定してもちゃんとオフにならないこともあるので、念のために確認しておくことをおすすめします。
【デフォルトの設定ファイルの場所】(※基本的に変更しない) "C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SteamVR\resources\settings\default.vrsettings" 【ユーザー設定ファイルの場所】 "C:\Program Files (x86)\Steam\config\steamvr.vrsettings"
ユーザー設定ファイルとデフォルトの設定ファイルの2つがある
デフォルトの設定ファイル(default.vrsettings)には「DO NOT EDIT THIS FILE TO CHANGE YOUR PERSONAL SETTINGS.」と注意書きがあるので、まずはユーザー設定ファイル(steamvr.vrsettings)の方を書き換えます。
ユーザー設定ファイルが存在しない場合や、内容を書き換えても上手く行かないようならリスクを承知の上でデフォルトの方を書き換えてください。注意点として、デフォルトの設定ファイルはSteamVRのアップデートの際に上書きされます。
書き換える内容
“motionSmoothing”と書かれている場所を探し、trueからfalseに書き換えます。
見つからない場合は書き足します。一番最後の行に書き足す場合はカンマ(,)を入れてしまうと構文エラーが生じますのでご注意ください。書き間違えるとSteamVRの設定が飛びますので念のためバックアップを取っておいてください。コントローラーのバインド設定を変更している場合は、ちゃんと「個人用バインドを保存」しておくのをおすすめします。
"motionSmoothing" : false
書き換えた後に一度SteamVRを起動し、motionSmoothingがtrueに戻ってしまっていないか確認してください。先ほど書き足した場所から移動しているので、慌てないように。
困ったときはクリーンインストール
設定ファイルのバックアップを取ってなかったり、変なところを弄ってしまって元に戻せなくなったときはSteamVRのクリーンインストールを試すことが可能です。
予めSteamを終了しておき、以下の設定ファイルを削除します。
- C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SteamVR\resources\settings\default.vrsettings
- C:\Program Files (x86)\Steam\config\steamvr.vrsettings
次にSteamライブラリからSteamVRをアンインストールします。
アンインストール後に残っているデータがあれば削除します。
- C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SteamVR
各種接続用アプリケーションで設定を確認する
手元にQuestとPICOしかないので、無線のVRヘッドセットに関してのみ紹介します。DisplayPortで接続する有線のVRヘッドセットの場合も、専用の接続アプリに該当する項目があるかもしれないので要チェック。
Quest Link/Air Linkの場合
OculusDebugToolを使用して設定を変更します。この方法では毎回設定が必要なのと、管理者権限での起動が必要です。
OculusDebugTool "C:\Program Files\Oculus\Support\oculus-diagnostics\OculusDebugTool.exe"
ASWがAutoになっているので、Disabledに変更します。
ここの設定を変更して上手く動作するようであれば、他の手段で設定の永続化を検討します。例えばレジストリの変更や別のユーティリティでのアプリ別設定が可能とのことですので、以下を参考に試すことができます。

Virtual Desktopの場合
こちらはSteamVR側のモーションスムージングとは異なるのですが、Synchronous Spacewarp(SSW)を常時有効(Always enabled)にすると画面が点滅したりする場合があります。
これはWindows 11 24H2かつH.264/H.264+コーデックで287Mbps以上のビットレートに設定をしていると生じる既知の問題とのこと。こちらに関しては24H2起因のようで、GeForce環境でも起こることが考えられるため、問題があると感じられるのであれば「Disabled」に設定しておくのが無難です。(※1.34.6で修正済み)
また、一度フレームレートが半分を切るとSSWが常時有効になるので、VRChatのようなフレームレートが急激に低下しやすいゲームをプレイする場合はDisabledにしておく方が良い場合があります。
PICO Connectの場合
PICO Connect 10.5以降では「フレーム補間(Frame Interpolation)」がASWに該当します。ただ、こちらに関しても独自に動作している可能性もあり、有効にしてもメモリリークする問題は確認されませんでした。(説明を読んだ感じでは、フレーム補間をPICO本体側で行っているようです)
とはいえ、これはPC性能が低い環境でもなんとか動かす為の機能なので、Virtual DesktopのSSWと同様に基本的にオフにしておけば大丈夫です。もちろんお好みでオンにしても構いません。
モーションスムージングの利点について
個人的な立場としては無効にするのを薦めていますが、モーションスムージングはできるだけ多くの環境でVRを楽しめるように用意された機能です。
正しく機能すればスペックの足りないPCでも遊べるようになりますし、VR対応の高スペックな環境でもあえて設定して負荷や消費電力を下げたり、余裕ができた分だけレンダリングを高解像度に設定したりする用途で使われることもあります。また、遊ぶゲームによってはフレーム補間による描画の乱れも目立ちにくいでしょうから、特段問題がなければ好みでオン・オフを使い分けるのが良いのではないかと考えています。
上手く機能するなら是非活用したいと思いますが、残念ながらトラブルが起こる原因となってしまう事がよくあるため、何らかの問題が起きている場合はモーションスムージングをオフにして様子を見ることをおすすめしています。
Virtual Desktopなどのコーデック設定について
最近のRadeonであれば、基本的にはどのコーデックを使用しても大丈夫です。
過去にあった不具合で、特に問題が起こりやすいのがHEVCコーデックです。何か問題が生じた際は、AVC(H.264)コーデックを使用すると回避できることが多いです。
RX6000シリーズでのHEVC 8-bitの不具合
RX5000シリーズも対象かは分かりませんが、RX6000シリーズでHEVC 8-bitを使用すると画面がブレる不具合があります。これは頭を動かしたときに画面にブレが生じます。HEVC 10-bitやAVC(H.264)では問題ないようでした。(25.5.1~25.10.2での動作テスト)
RX6800とPICO 4 Ultraを使用したところ、PICO ConnectのHEVCと、Virtual DesktopのHEVCで影響が出るのを確認しています。これはゲーム固有の問題ではなく、SteamVRだけ起動している状態でも不具合が起こります。RX7000シリーズでは確認できませんでした。
このような状況に遭遇した場合は、AVC(H.264)かHEVC 10-bitを使用してください。(※PICO ConnectはHEVC 8-bitしかありません)
AMD Software 25.5.1(25.10.xx.xxドライバー)から発生しているようなので、RX6000シリーズを使っていてどうしてもHEVC 8-bitで使用したいのであれば25.3.1(24.30.xx.xxドライバー)に下げることになります。
PICO 4 UltraでMonster解像度使用時のHEVC/AV1の不具合
PICO 4のような正方形解像度のVRヘッドセットを使う場合に、画面の端に表示の問題が発生する事があります。(視界の端が間延びする、緑色のバーが表示されるなど)
これはかつてHEVCやAV1で発生していた問題で既に対策済みですが、Virtual DesktopのMonster解像度(3648px)ではこの問題への対策が機能しません。Virtual Desktop側としてはお手上げ状態な為、Godlike解像度(3120px)までに留めることを推奨しています。
そもそもMonser解像度に設定して満足に動かせるだけの性能を持つものがRTX5090ぐらいしか存在しないため、同等クラスの製品が存在しないRadeonにおいては無視しても良い不具合とも言えます。一応H.264+にコーデックを切り替えると表示の問題は回避できますので、どうしてもMonster解像度でプレイしたい場合はH.264+への変更をご検討ください。Monser解像度を使用したいのであれば、Fov Stencil機能で画面端をレンダリングしないようにして、画面中央の解像度を維持しながらレンダリング負荷を下げる方法もあります。
また、諸々のエンコーダー不具合が修正されているRX9070シリーズにて正方形解像度由来の不具合らしき報告を1件だけ確認していますが、こちらについては詳細不明です。もしRX9070シリーズとPICO 4やPICO 4 Ultraを使用していて何か問題がある場合は、AVC(H.264やH.264+)へコーデック設定の変更をして対処します。
で、どれを選んだら良い?
AVC(H.264)が最も安定すると言えます。RX7000シリーズ以降は以前と比べてHEVCなどを概ね問題なく利用可能ですが、RX6000シリーズのような古い製品では問題が起きる場合があるようです。
どのコーデックも正常に動く前提なら、ネットワーク環境に合わせて選ぶと良いです。
例えば300Mbpsを超えるようなビットレートを設定できるネットワーク環境であれば、AVC(H.264)に設定します。高ビットレートではWi-Fiが安定しない場合や、低ビットレートに設定しないと接続すらできない場合は、RX7000シリーズ以降ならAV1が使用可能です。Quest 3やPICO 4 Ultraを使用している場合はAV1コーデックの方がHEVCよりも高画質になります。(※低ビットレートの場合に顕著)
VIVE Hubについて
VIVE Focus Visionにおいて、DisplayPortモードでの接続安定性に問題があるようです。
現在RX9070シリーズはVIVE Hub 2.5.2 アルファ版(VIVEストリーミング 2.3.2)からの対応となっています。AMD Softwareの25.5.1以降を使用し、予めDisplayPortケーブルを接続してからストリーミングを開始する必要があるとのこと。
VIVE Hubのアルファ版を試すには、プライベートテストに参加するためのアクティベーションコードが必要です。詳細についてはVIVE公式Discordの案内をご確認ください。

PICO Connectについて
Radeon RX6800、RX7900GRE、RX7900XTと変えながら1年半ほどPICO Connectを使い続けていますが、対処が必要なほど大きな不具合は確認されていません。
一応、VRChatの起動オプションを試すとより安定するようになる可能性があります。環境によっては違いが分からないかもしれません。

固有の問題があれば、追記します。
Steam Linkについて
概ね問題なく動作していることを確認しています。コーデックはHEVC 10-bitが使用されます。
「SteamVR beta 2.14.1」において、Steam Link使用時に250エラーが出てフリーズする問題が修正されています。

Quest Link/Air Linkについて
Radeon RX 560を除く、ほぼ全ての製品がサポートされています。とはいえ、特別な理由がない限りはVirtual Desktopなどの別の接続方法を使用する方が良いでしょう。
表示に問題があるときは、OculusDebugToolでSliced Encodingを無効にした方が良いという情報もあるようです。
ALVRについて
ALVRは大変気難しいため、判断に悩みます。情報が整い次第、何かしらを記載しようと考えています。

SteamVRのその他の設定
レンダリング解像度
「レンダリング解像度」を自動から「カスタム」に切り替えて100%に設定しておきます。自動設定は負荷に応じてスケーリングを変更しますが、適切に機能しないことが多いです。自動設定ではフレームレートが低いにもかかわらず逆に解像度を上げてしまって高負荷が掛かってしまうことがあります。
VRヘッドセットのレンズのゆがみ補正を考慮して、100%から上げる場合はPCスペック次第です。一概には言えないものの、1.4倍程度で等倍になるヘッドセットもあるようなので、上げるとしても150%ぐらいで様子見するのを提案します。上げすぎないように注意しましょう。
リフレッシュレート
有線のHMDなどでリフレッシュレートを変更することが可能な場合、リフレッシュレート設定によってはスタッターが生じることがあるようです。80Hzや90Hzでスタッターする不具合は25.10.2で修正が入りましたが、一応覚えておきましょう。
ダイレクトモードを有効にできない場合は
Valve IndexやRX9070XTなどの組み合わせでダイレクトモードが有効にできないときは、Steamを管理者として実行すると解決したという情報があります。

CSMを無効にする
Radeon RX9000シリーズからはUEFIモードのみをサポートし、CSMはサポートしないと明言されています。
万が一CSMが有効になっている場合は「無効」にし、「AMD SmartAccess Memory」または「Resizable BAR」といった項目が有効になっていることを確認します。(※これはCSM無効でないと利用できない機能です)
Windows 11に正式対応している最近のPCであればあまり気にすることもないと思いますが、CSM有効かつMBRのパーティションでWindowsをインストールしてしまった場合は、パーティションをMBRからGPTに変換しないとCSM無効で起動しなくなるトラブルが起きることが考えられます。
根底的な部分を変更することになるので、CSM有効で動作している環境に対してCSM無効にしろと軽率なことは言いにくいのですが、既に古いものとなっていますのでUEFIモードで動作するようにしておくのが望ましいです。

Windows側の設定の確認
高速スタートアップを無効にする
機能の詳細については割愛しますが、Windowsで様々な問題を引き起こす原因として有名な「高速スタートアップ」を無効にします。SSDにWindowsをインストールするのが主流となった今ではあまりメリットがなく、高速スタートアップを使用するデメリットの方が大きいです。
"コントロール パネル\すべてのコントロール パネル項目\電源オプション\システム設定"
「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックし、「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外します。
チェックを外したら「変更の保存」をクリックして保存しましょう。
尚、高速スタートアップは休止状態の機能に依存しているため、休止状態が無効となっている場合は高速スタートアップの項目が表示されません。
ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング(HAGS)
基本的にオンにしておく方が望ましいです。但し、特定のハードウェア構成で不具合が生じてしまう場合は、HAGSをオフにして問題が解決するかどうかを試すことができます。例えば、ゲーム画面上はスムーズなのに有線のHMD側ではフレームレートが出なくなるなどの場合です。

ウィンドウ ゲームの最適化
引っ掛かったりカクついたりなど、動作に問題があるときにこの設定を変更することで改善するかどうか試すことができます。
システム全体でのオン・オフも可能ですし、アプリケーションのカスタム設定から個別にオン・オフできます。
GPUのユーザー設定
上記と同じ設定項目内で、アプリケーション別に使用するGPUを指定することができます。例えばCPU内蔵グラフィックスが搭載されている環境でトラブルが起きる場合に使用します。
「SteamVRのオーバーレイ表示でデスクトップ画面が出ない(黒画面になる)」などのトラブルも、Windowsによって自動的にCPU内蔵グラフィックスが指定されてしまっていることで起きているらしく、グラフィックの設定で「グラフィックボードを指定する(ハイパフォーマンスに設定する)」ことで改善する可能性があります。
「設定>システム>ディスプレイ>グラフィック>アプリケーションのカスタム設定」 「デスクトップアプリの追加」で以下を指定 "C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SteamVR\bin\win64\vrdashboard.exe"
ネットワークアダプターの省電力設定をオフにする
Radeonとは関係ありませんが、よくあるトラブルなので紹介します。Virtual DesktopやPICO Connectなどを使用していて接続が安定しないときに確認する設定です。
お使いのネットワークアダプターによって表示される項目が異なりますが、省電力に関連する設定をオフにします。USB接続でVRをする場合はUSBのセレクティブサスペンドもオフにしておくと良いかもしれません。
こちらはWindows Updateやドライバーの更新のタイミングで、ネットワークアダプターの省電力設定が有効に戻っている事があります。定期的にチェックしておきましょう。
AMD Softwareの設定を確認
基本的にデフォルト設定でOK
グローバル設定はデフォルトのままで大丈夫です。もちろん、不要だと思う機能があれば無効にしても構いません。念のため、ゲーム別設定の両方を確認しておきましょう。
インスタントリプレイはオフのが良さそう
ドライバーバージョンにもよると思いますが、インスタントリプレイやインスタントGIFが有効になっていると表示に問題が起こる可能性があるとのことです。参考動画
AMD Software「録画およびストリーム>設定>インスタントリプレイ」
VRChat 個別設定
有効にしてもVRChatでは機能しないものが殆どなので、多くの設定は有効にしなくてもOKです。関連する物だけ個別に解説します。
AMD Fluid Motion Frames
AFMFは汎用的なフレーム生成機能です。フルスクリーンまたはボーダレスウィンドウで動作する様々なゲームで利用できますが、VRモードでは動作しません。
但し、VRChatをデスクトップモードで遊ぶ場合はAFMFを使用することができます。AFMFを有効にする場合は垂直同期無効にし、VRChatのウィンドウをAlt + Enterでフルスクリーン状態にすると動作するようになります。テアリングが発生するので、FreeSyncに対応したディスプレイを使うのがおすすめです。
VRで遊ぶときにVRChatのウィンドウがフルスクリーン状態になっていると、無駄にAFMFが動作することになるので無効にしておくか、ウィンドウモードの状態にしておきます。余談ですが、VRChatのウィンドウをできるだけ小さくしておくと少しだけ負荷が小さくなります。
Radeon Chill
FPSリミッターです。AFMFと組み合わせるときに過剰にフレームレートが出ないようにリミッターを掛けることができます。VRモードで使用する場合も作用しますが、あえてフレームレートを制限したい理由が無ければ有効にする必要はありません。
垂直リフレッシュを待機
垂直同期のことです。「アプリケーションで指定しない限りオフ」のままにしておきます。オンにするとディスプレイのリフレッシュレートで固定されてしまうので、VRモード時に60FPSで頭打ちするといった場合はここがオンになっていないか確認します。
テッセレーション モード
現在は「AMDの最適化」のままで問題はありません。少なくともRX7000シリーズ以降での不具合はなさそうに思えます。
テッセレーションはハイポリのモデルをそのまま使用するのではなく、ローポリからハイポリを復元することでメモリや帯域幅を節約する目的で使われていました。具体的にはローポリをリアルタイムに分割してハイポリ化するのに使用したり、分割したポリゴンに対してディスプレイスメントで凹凸を作ったりといった使われ方をするようです。
ちなみに元々ハイポリのモデルに対してテッセレーションを使うのは負荷が高くなるので、VRでの利用はあまりお勧めできません。特にVRChat向けモデルはローポリで作られていることが少なく、どれもポリゴン数が多いので尚更です。

もし特定条件下においてどうしても問題が起こるという場合は「アプリケーション設定を使用する」に変更します。
気になる点として、RDNA2までとRDNA3以降では使用しているシェーダーコンパイラが異なるという情報があります。RX6000シリーズなどの古い製品では、依然としてテッセレーションモードを「アプリケーション設定を使用する」に変更しなければならないかもしれません。手元で検証できないので仮説レベルではありますが、テッセレーションに失敗して頂点データが壊れると、真っ白な背景に黒やピンク色のカラーノイズが表示されるといったトラブルが予想されます。それと、関連があるかは不明ですが25.10系ドライバー(25.5.1以降)を使用しているRX6600XTや6800XTで表示の不具合が起きているという報告を見かけています。
それらの異常はRX6800(25.12.1)やRX7000シリーズ以降でも再現できなかったため詳しくは把握していません。Navi 21系の製品は故障事例が多いらしいので、ハードウェアの故障であるようにも思えます。とはいえひとまず試せる手段ではありますので、明らかな異常があればDDUやクリーンインストールの前にテッセレーションモードの変更を試してみてください。(もちろんダメそうならDDU、保証があれば修理を依頼する)
また、最大テッセレーションレベルをコントロールしたいという強いこだわりがあれば「アプリケーション設定をオーバーライドする」に変更します。ここを変更すると、テッセレーションを使用しているシェーダーで見た目の変化が生じることが考えられますので、特にオーバーライドした場合は動作確認を行っておきましょう。
余談
現在はいくらか状況が変わっているとは思いますが、その当時(DirectX11が使われるようになった2010年頃)テッセレーションに対する考え方の違いがありました。
テッセレーションでポリゴンが過度に細かくなることを想定して、そのボトルネックの解消に注力していたNVIDIAに対し、AMDの場合はハイエンドGPU以外でもテッセレーションを利用することを想定しており、一般的なゲームでの利用に最適化した調整になっていたようです。テッセレーション周りでの違いは、このような経緯が関係しているのかもしれませんね。
VRChatの設定
起動オプション
起動オプションは色々とありますが、Radeonに関連する部分だけ紹介します。
起動オプションはSteamライブラリを開いて、VRChatのプロパティに入力します。(常時有効にしたい場合)
先頭のハイフンは2つ入力してください。
disable-amd-stutter-workaround
--disable-amd-stutter-workaround
VRChat独自のRadeon向けスタッター回避策を無効にします。良くも悪くも最も変化がある設定です。
このスタッター回避策は2024年10月に正式導入されました。Radeon環境では自動で有効になるもので、多くの場合上手く機能します。但し、「少々ハッキーな事」をしているらしく、導入された時期的にも古くなっているため意図したとおりに機能しない可能性もあります。そういったときにこのオプションを使って回避策の無効化を試します。
例えば、AMD Software 24.12.1以降かつ「PICO Connect」などの特定の接続方式では「–disable-amd-stutter-workaround」を設定しておかないと本来のパフォーマンスが出なくなる問題がありました。(※CPU性能などによっては違いが分からないかもしれません)
具体的には、90Hzに設定したPICO Connectで接続してVRChatをプレイすると軽い場所でも70~80FPS辺りを彷徨いて90FPSまで出せなくなり、その状態から72Hzに設定を変更すると50~60FPSしか出ないような状況になります。また、VRChatのメニューを出したときにGPUフレームタイムがスパイクする特徴があります。元々VRChat自体が72~90FPSきっかり出せる場面の少ないゲームなので気が付きにくい問題です。
但し、PICO Connect 10.6.6及びAMD Software 25.10.2でテストしたところ、現在は最大フレームレートが低くなる問題に関しては起こらないようでした。GPUフレームタイムについてはオプションの有無で微妙に差が出ます。
「–disable-amd-stutter-workaround」を使用すると、データ上はGPUフレームタイムのスパイクが大人しくなる傾向がありました。そもそも何が原因でスタッターしているのか、VRChatがどんな方法で回避策を講じたのかが分からない為、PC環境によっては逆効果となるかもしれません。それと、今後のドライバーやPICO Connect及びVirtual Desktopなどのアップデートによって変化が起きることも考慮しておく必要があります。もし違和感があればスタッター回避策の無効化を一度試してみてください。設定したことを忘れないように注意。

「Ryzen 7 5800X3D/Radeon RX6800」と「Ryzen 9 7950X3D/Radeon RX7900XT」の環境でテストした限りでは、スタッター回避策は無効にした方がスムーズに感じられます。
現時点(2025年10月30日)では、「–disable-amd-stutter-workaround」を使用してVRChatのスタッター回避策を無効にした方が上手く動作する可能性がありそうです。但し、オーバーレイが酷くブレたり視界が一瞬点滅するなどの現象が起きるようであれば、このオプションを使うのを辞めた方が良いでしょう。
disable-hw-video-decoding
--disable-hw-video-decoding
動画再生をCPUに任せるオプションです。Radeon環境の場合、このオプションを使用しない状態では「Unity Video Player」だけがハードウェアデコードで動画再生が行われます。
CPU性能によってはパフォーマンスに影響する可能性があります。GeForceを使用している場合でも、動画再生に不具合が生じたときに試すことができます。
enable-hw-video-decoding
--enable-hw-video-decoding
こちらは動画再生をGPUで行うよう強制するオプションです。「Unity Video Player」だけではなく「AVPro」でもハードウェアデコードで再生したいという場合に試すことが可能です。但し、一部の動画でエラーが生じるなど、動画再生に問題が生じる可能性があります。
CPU側に余裕ができるので普段はオプションを有効にしておいて、不都合が生じてからこのオプションを外す運用でも問題なさそうに思いますが設定は自己責任でお願いします。
ハードウェアデコードしているかどうか確認するには
VRChatをデスクトップモードで起動して、GPUの詳細項目を「Video Codec Engine」に切り替えて確認します。動画プレーヤーのあるワールドでデコーダーが動いているか確認しましょう。
QuestやPICOのような映像をストリーミングするタイプのVRヘッドセットを使用すると、ハードウェアエンコーダーが動作するので、VRモードだと確認するのが難しくなります。(※HAGSが有効の場合はHWエンコーダーとデコーダーはVideo Codec Engineでひとまとめに表示されるため)
グラフィック設定
Radeon固有というほどではありませんが、パフォーマンスに影響が出やすい項目のみ紹介。ここの設定を変えてもフレームレートが上がらない場合は、グラフィック以外の部分がボトルネックになっていることが考えられます。(ワールドのUdonギミックが頻繁にメモリアクセスしていて重すぎる、CPU性能が不足しているなど)
アンチエイリアシング
ポリゴンの輪郭に生じるジャギーに対して効果があるMultisample Anti-Aliasing(MSAA)です。「無効」「2倍」「4倍」「8倍」の設定があります。
ここの倍率によってフレームレートにかなりの差が出ます。「4倍」ぐらいが無難ですが、パフォーマンスが低く感じられる場合は「2倍」や「無効」に変更します。VRAM消費量も増えますので、無闇に上げるとVRAMが不足します。
最近話題に上がっている「VRC Gaussian Splatting」を使用しているワールドの場合は「無効」にしておかないとパフォーマンスが落ちるので覚えておきましょう。
ミラーの解像度
VRChatから警告されるように、「無制限」にするとパフォーマンスに影響を与えることがあります。ミラーを見ながら会話をしたいVRChatユーザーとしては考えなしに無制限としたいところですが、フレームレートやVRAMの使用量などを見つつ設定を検討しましょう。
細かさの度合い(LOD)
パフォーマンスに影響というか、設定を下げすぎると意図したとおりに表示されない事があります。特にアップロードされた時期が非常に古いワールドにおいて「低」に設定していると、オクルージョンカリングと組み合わさったときに上手く表示されない事がありました。
カメラのニアクリップ距離の上書き
これもパフォーマンスとは別の話ですがついでに。ここの設定が「強制」になっていると、広大なワールドを訪れたときに、遠景が消えたりして表示がおかしくなることがあります。
初期設定の「オフ」だと撫でられたり他人に近付いたときに身体が消えて中身が見えてしまうので、多くの場合は「ダイナミック」にしてあれば良いかと思います。ワールド側の意図したとおりの見え方にしたい場合は「オフ」にしておきましょう。(※現在のVRChatでは再起動してもここの設定はリセットされなくなりました)
VRChatのその他の設定
「アバターのカリング」やセーフティ設定、ダウンロードサイズの制限などがありますが、今回は解説しません。PCスペックに合わせて有効活用しましょう。
その他
VRChatのアバター・ワールド制作のときに気をつけておくと良さそうなことなどをメモしておきます。
避けたほうがいい設定など
深度テクスチャ
例えば、「D24_UNORM_S8_UINT」の深度テクスチャを使用すると問答無用でクラッシュするようでした。代わりに「D32_SFLOAT_S8_UINT」を使用する必要があります。

極端にスケールの大きなポリゴン
また、極端に大きなポリゴン(床のスケールを数万倍に拡大するなど)を使用すると表示がチラついたりブレたりします。この問題は地平線や水平線を表現しようと考えて、単一ポリゴンで巨大スケールの地面や水面を置いてしまったワールドで遭遇しやすいように感じます。
程度の違いはありますが巨大すぎるポリゴンはNVIDIA GeForceの環境でも表示にいくらか影響が出るので、平面を置くならちゃんと分割してタイル状に配置するなど、極端な数値設定を行うことを避けるのが望ましいです。

これは3Dモデルの頂点データはfloat32(IEEE 754 単精度浮動小数点)で処理しているので、値の大きさに対して必要な精度が有効桁数の約7桁を超えると、丸め誤差が顕在化して表示に問題が起こることがあるというものです。これは推測ですが、恐らくGeForceの場合は演算時に内部で高精度な中間結果を保持しているのではないかと思われ、最終的にfloat32の範囲へ丸めて出力しているので表示上の問題が起こりにくいのではないかと考えられます。
Radeonの場合もfloatの仕様に沿って正しく表現されていますが、その用途に必要な精度が満たせなくなった時点で早めに影響が可視化されるだけであり、不具合というより正常な動作だと思います。そもそも根本的な問題として、規格として正しく計算できる範囲を超えるデータを扱おうとすることにあります。VRChatはアマチュアのクリエイターが自由に表現できる環境であるため、業務での一般的なゲーム制作では扱わないような極端なスケールのデータが扱われることも珍しくはありません。
ユーザー目線ではGeForceが上手く誤魔化してくれることは良い点です。しかし、クリエイターの立場に立つなら、GeForceの挙動に甘えてた制作を続けるのは危険だと考えます。例えば、今後のハードウェアやドライバーの挙動が変わったときに、特定条件下でのみジッターが生じたりVRの片目だけ表示がずれて破綻が起こるといった、原因を特定しにくい壊れ方をする原因となります。安全圏外となってしまう極端に大きな(あるいは小さな)値のデータを扱わないように心掛けておきましょう。
Unityでのライトベイク
AMDと共同開発を行ったUnity標準の「プログレッシブ GPU ライトマッパー」を使用するときの注意点です。ライトマップ設定にある「プログレッシブな更新(ProgressiveUpdate)」にチェックが入っていると処理に時間が掛かってしまうようです。
これは一時的なプレビューのためにシーンビューに表示されている物を優先してベイクする機能らしいので、本番のベイク時はチェックを外しておきましょう。また、デノイザーはCPUベースのOpenImageDenoiseかGPU処理のRadeon Proを選択できます。
Unityで特定のプラグインが動作しない場合は(TexTransTool)
基本的には使用しない方法なのですが、主に「TexTransTool」で「TTT PSD Importer」を使用するときの不具合対策です。
「TexTransTool v0.9.x~v0.10.x」では、通常のDirectX 11で「TTT PSD Importer」が正常に動作せず、異常な負荷が掛かってドライバーがタイムアウトする現象が確認されています。「TexTransTool」の基本機能はDirectX 11でも正常に動作するため、「TTT PSD Importer」を使用しないのであれば対策は不要です。

Unityの起動オプションについては以下の通りです。

VCCの代わりにALCOMを使用していると、プロジェクト毎にUnityの起動オプションが指定できるので楽です。
起動時の引数に「-force-vulkan」を追加します。
Vulkanで起動したことで別の問題が発生する可能性もあるので、適当に新規プロジェクトを作成してから十分なテストを行うことを推奨します。
ChromeなどのChromium系アプリケーションの表示がおかしいときは
多くの場合はRadeon固有の問題というわけではありませんが、GPU全般に関連するのでついでに紹介しておきます。以下を参考にしてみてください。

ピンク色のグリッチが表示される場合は
Chromium系アプリケーションでハードウェアアクセラレーションが動作すると、ピンク色のグリッチ(ブロックノイズなど)が表示される不具合が確認されています。AMD Software 25.12.1と最新のチップセットドライバー 7.11.26.2142の組み合わせで修正されたという情報があります。

トラブルは報告しよう
表示の問題や予期せぬクラッシュなど、再現性のある不具合を見つけたときは「AMDバグレポートツール」での報告をおすすめします。バグレポートツールはドライバーがクラッシュした際に自動起動するほか、AMD Softwareの虫アイコンをクリックしたりスタートメニューから「AMD Bug Report Tool」を開くことで起動できます。
難しいことは要求されませんので、エラーレポートに協力してみましょう。ゲームやアプリケーションのメーカーへ報告するのと同時に行っておくと、いつの間にか直っている事があります。
また、AMD公式のコミュニティに書き込んでみるのもありです。騒ぎ立てるのはやり過ぎですが、不具合というのは誰かが言わなければ気付いてもらえません。
かつてあった旧フォーラムは閉鎖されており、新しいフォーラムとDiscordが開設されています。
Radeon RX9070XTのメモリを倍にした「Radeon AI Pro R9700」も売ってるけど、VRChat用途で買うのはどうなんだ?と思わんでもない。
2025/03/25:モーションスムージング関連の情報を追記
2025/04/13:コーデック設定について追記
2025/05/07:steamvr.vrsettingsファイルの書き方について注意と詳細を追記
2025/05/09:SteamVRがメモリリークする不具合が修正されたので情報を更新
2025/05/19:ドライバーの種類などについて追記
2025/05/21:文面の修正や不具合対策などを追記
2025/06/06:ドライバーバージョンについて追記
2025/06/07:文面の整理
2025/07/18:AMD Softwareが頻繁に前面に表示される不具合の対策について追記
2025/09/29:TDR発生時の対応やVIVE Hub関連の情報を追記
2025/10/23:Virtual DesktopのMonster解像度設定時の状況について追記
2025/11/03:RX6000シリーズでのHEVC 8-bitの不具合について追記
2025/11/15:25.11.1アップデートを踏まえて各種情報を更新
2025/12/16:テッセレーションモードについて追記











































