※この記事はSIMフリースマホ、arrows M02の魅力とは【外観編】の続きとなります。
前回に引き続き、mineo版のarrows M02のレビューとなります。今回はソフトウェア面の紹介です。
新たなシンプルさ、Leaf UI
ドロワーボタンの存在しない、左右スワイプで切り替えを行うタイプのホームアプリです。
左側のページが発着信履歴で、右側のページがアプリケーションドロワーとなっています。ドロワー画面左下のPin!ボタンを押すと、あらかじめピンを立てておいたアプリだけをドロワーに表示することができます。履歴から電話を掛けることが多い方には便利な機能ですね。
好みの分かれるインターフェースですが、私は標準の「NX!ホーム」からこちらへ切り替えてみました。思いのほか不自由なく、むしろ結構便利だなと感じています。
ちなみにこの「Leaf UI」、Playストアで公開されているのでarrows Fitなどへはインストール出来るのですが、他のデバイスにはインストールすることができません。
Super ATOK ULTIAS搭載
ARROWS NX F-05Fより初登場したARROWS専用のATOKがarrows M02にも搭載されています。キーボードデザインも「オリジナル」「STYLE-XP(Xperia)」「STYLE-GA(Galaxy)」「STYLE-AQ(AQUOS)」「STYLE-EL(ELUGA)」「STYLE-IP(iPhone)」「STYLE-FP(フィーチャーフォン)」の7種類が選べます。
高機能かつ変換周りで不便を感じることが殆どなかったので最初は気に入っていたのですが、さ行フリックで「し」を入力する際、フリックミスですぐ隣の削除キーをフリックしてしまって全削除機能が実行されてしまうことが多々ありました。通常版ATOKでは「文字削除フリックの設定」項目があり、機能のオンオフや判定までの速度を0~600msの範囲で指定することが出来たのです。しかし、「Super ATOK ULTIAS」にはその項目が見当たらず、これだけのために不便を強いられたので利用をやめてしまいました。
一応削除キーを下フリックすると戻すことは出来るのですが、全削除後に1文字でも入力してしまうと履歴は消えてしまいますし、何よりも意図せず文章が吹き飛んだ時のショックはなかなか大きなものです。
私個人としては、これがarrows M02唯一の不満点かもしれません。
ちょっぴり見た目をカスタマイズ
arrows M02ではナビゲーションバーや電池アイコン、キーボード(Superr ATOK ULTIAS)のデザインを変更する項目があります。ナビゲーションバーの色は「ブラック」「ホワイト」「ライトグレー」「ダークグレー」の4種類。
有機EL搭載機なので、発光時間による色ムラ・焼き付きを軽減するためにナビゲーションバーの色はブラック以外にしておくと良いかもしれません。ステータスバーは変更することが出来ませんが、非対応のアプリ以外はステータスバーの色が変化するのでナビゲーションバーほど気にする必要はなさそうです。
ナビゲーションバーといえば、一番右端のボタンはARROWSではお馴染みの「スライドディスプレイ」機能です。画面が下に移動するので、片手操作も楽々ですね。
様々な便利機能たち
「手袋タッチ」や「イヤホンランチャー」、「スライドイン機能」や「キャプメモ」、「なぞってコピー」などがありました。ディスプレイカテゴリ内の項目ですが、外観編で少し紹介した「タッチでON」も便利な機能のひとつですね。端末を持っている間は画面を消灯しない「持ってる間ON」も搭載されています。
「スライドイン機能」は画面外からスワイプでランチャーを立ち上げる機能。1つのランチャーにつき8つのアプリや機能を割り当てることができ、最大4つのランチャーを設定することができます。また、スライドインする場所も左右の端に3か所、4隅に1か所ずつ設定可能です。
「キャプメモ」と「なぞってコピー」は「スライドイン機能」と組み合わせて使うものとなっており、呼び出しに「スライドイン機能」を使います。「なぞってコピー」は正面から綺麗に撮影できていれば写真でも認識してくれました。
VoLTE、おサイフケータイ対応。
「VoLTE」対応により、素早い発信や高品質な通話を実現。いま通話している環境を自動的に認識して相手の声をより聞き取りやすくしてくれる「スーパーはっきりボイス4」などの組み合わせで、聞き取りにくいなどの問題で困ることはほぼないでしょう。携帯電話としての品質に妥協を感じません。
そして何よりも「おサイフケータイ」に対応!「Edy」や「iD」といった電子マネーの利用ができます。そして今年の12月2日、モバイルSuica10周年のプレスリリースでおサイフケータイ搭載のMVNO向けスマートフォンのモバイルSuica対応が発表されました。12月22日現在、モバイルSuica対応のMVNO向けスマートフォンはmineo向けの「SHL25」「KYL22」、「Xperia J1 Compact」、「AQUOS SH-M02」とその派生モデル、そしてこの「arrows M02(RM02)」です。
あいにく私の住んでいる名古屋圏内では「モバイルSuica」で定期券機能を利用することが出来ないうえ、「TOICA」や「manaca」の定期券を所持していれば別途「モバイルSuica」を利用するメリットが感じられないなど、「モバイルSuica」の使い道が殆どありませんでした。なので、今使っている「TOICA」の通学定期が満了したら検討してみようと思います。
シンプルなカメラ
カメラ機能はいたってシンプル。上のスクリーンショットではWBと露出の設定ボタンを表示させていますが、撮影モードはオート一択で設定項目はなく、その他にこれといって設定する項目はなさそうです。静止画は最高8MP(3264×2448px アスペクト比4:3)で撮影が可能です。動画撮影は一度メニューから選ばなければならないのでそこは手間かもしれません。動画は最大でFHDでの撮影になります。
画質面では、富士通独自の画像処理エンジンとして「GRANVU(グランビュー)」というものが搭載されています。どんなシーンも最適な色味に自動調整してくれるとのことです。
明暗のメリハリがしっかりとしているように感じますし、暗所での撮影もあまり明るく写らず不向きとはいえ、思いのほかノイズは少なめです。
料理に関してもホワイトバランスは良好だと思います。料理モードで撮影しても青寄りでイマイチな一昔前のXperiaと比べるのも酷なものですが、SNSでアップロードする用途としては十分でしょう。
パフォーマンスや電池持ち
価格相応、比較的スムーズな動作
arrows M02は「Snapdragon 410(MSMS8916 1.2GHz クアッドコア)」と2330mAhのバッテリーを搭載しているとのことで、カテゴリーとしてはミドルレンジ。決して高性能な部類というわけではありませんが、しっかりした動きを見せてくれます。
「Snapdragon 410」はコアとして省電力な「Cortex-A53」を4つ搭載したクアッドコアのプロセッサ。GPU部の「Adreno 306」もハイエンドモデルと比べて非力なものになるので3Dゲーム用途には不向きですが、HD解像度で基本的な動作をさせる分には十分です。今のところフリーズや極端なカクツキなどには遭遇しておらず、ミドルレンジモデル相応の動きを見せてくれます。
…とはいえどの程度までなら遊べるのか検証するべく、ベンチマーク…ではなくて大人気リズムゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」こと「デレステ」で遊んでみました。執筆時点で「デレステ」のバージョンは1.4.8となります。
当然ながら3D標準の設定はMVですらコマ落ちやカクつきが目に見えてわかるので、ひとまず3D軽量の設定で2回ほどプレイ。ある程度の難易度まではこれでも遊べないこともないですが、所々に引っ掛かりがあるので超高難易度の楽曲では入力ミスや取りこぼしが起きてしまいそうです。大人しく2D設定で遊ぶ分には問題ありませんでしたが、上下のベゼルに大きな差があるので両手持ちで遊ぶのには適していないように思います。
しっかり長持ちバッテリー、軽く使えば3日間
「ヒューマンセントリックエンジンによる最適化で省電力を実現、たっぷり3日間使える」という謳い文句のarrows M02は本当に長持ちなのか。何日か使い込んで検証してみました。
初日は早朝3時ごろから利用を開始し、短時間の通話や軽いメールチェックやTwitterをしながら過ごしてみたところ、3日目のお昼過ぎに電池切れとなりました。
グラフを見るとわかるとおり、最後の最後で電池消費が急激に増えています。その理由は13時から14時半までの約1時間半、電車内で音楽を聴きつつTwitterやブラウジングというハードな使い方をしてしまったからです。それでも1時間半で20%ちょっとの消費であり、3日間トータルで見ると急激に見えますが、異常な減り方ではありません。
それなりに操作することが多かったと思うのですが、ライトな利用スタイルであればギリギリ3日間は充電せずに使えることでしょう。もちろん、しっかり使い込んでも丸1日は安心して利用することが出来ました。2日に1回の充電で十分なように思えます。公式にはLTEでの連続待ち受け時間が約540時間とありましたが、データ通信が有効である限り通知などのバックグラウンドサービスでじわじわと消費するので、1週間程度が限度ではないかと思われます。
強固で多機能なarrows M02
ハードウェアも頑丈で多機能でありながら、価格は3万円台中頃というのはお手頃感。ヘビーユーザーでなければ概ね満足できる出来であると私は思っています。
これだけ色々な機能があると、あれもこれもと機能を付けるのは無駄であり、必要がないという意見もあります。しかしその機能を必要としている人もいますし、それがリソースを無駄に食って動作を遅くしたり、普段の利用で支障をきたすような機能でなければ、ただ使わなければいいだけの話なのです。テレビのリモコンのようなごった煮はどうかと思いますが、多機能なのは決して悪いことではないと思います。
過去の問題だらけな製品のお陰でarrowsは敬遠されがちですが、今は見違えるほど良くなっています(F-04Gの回収騒ぎがありましたが……)し、オススメできる完成度となっています。まずは店頭でお試しを。
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