2025年9月26日、PICOでもSteam Linkが利用可能になりました。ストアから無料でダウンロードできます。バージョンは2.0.19です。
接続してみよう
Steam Linkを起動すると、接続するためのセットアップが開始されます。
所々権限を要求されるので、許可をしてください。
PCと同じネットワークに接続されており、Steamが起動していればPCが候補に出てきます。
見当たらなければ、Steamの設定でリモートプレイが有効になっている事を確認します。
ペアリング用の4桁の数字が出てくるので、PC側で入力してペアリングを完了してください。SteamVRの画面が表示されるはずです。
各種設定
※フォービエイテッドエンコーディングの都合上、何故かスクリーンショットがおかしくなるので見づらいです。ヘッドセット越しの見え方は正常なのでご安心ください。
Steamのメニューから「Steamリンク」を選択するとビットレートやエンコード解像度を変更できます。
ビットレートは350Mbpsまで
ターゲット帯域幅を「手動」に変更して、「ターゲット帯域幅(Mbps)」のスライダーを使ってビットレートを設定できます。パフォーマンスの都合上350Mbpsが上限です。
エンコード解像度は1344pxまで
エンコードされた動画サイズを「手動」に変更すると、「エンコードされた動画サイズ(px)」のスライダーでエンコード解像度を変更できます。ここがちょっと特殊なので詳細については後述します。
レンダリング解像度やリフレッシュレートの変更は「動画」タブで
リフレッシュレートの変更は「動画」に設定項目があります。72Hzまたは90Hzを選択できます。
レンダリング解像度もここで変更してください。100%設定では2048pxとなります。
コントローラーのバインドはPICO Connectと同じ
コントローラーのイラストがPICO 4 Ultraのものに変わっている以外は、PICOコントローラーとして扱われますのでPICO Connectで使用していたときのバインド設定が使えます。
音が出ないときは
SteamVR側でヘッドセットのスピーカーを使用する設定になっていても音が出ないときは、Windows側で「Steam Streaming Speakers」を手動で設定してみてください。マイク「Steam Streaming Microphone」についても同様です。
Steam Linkでの解像度設定について
Steam Linkで「エンコードされた動画サイズ」を変更すると、PICO側のEyebufferも変更されているように見えます。しかし、PICO ConnectやVirtual Desktopでの解像度設定とは仕組みが異なるようで、これは映像全体のエンコード解像度ではなく、中心禍の解像度のようです。(フォービエイテッドエンコーディング)
スクリーンショットがおかしく映るのも、こういった特殊なことをしている都合かと思われます。
設定値は512~1344pxの範囲で変更可能です。言い換えれば、鮮明に見える中央の範囲を指定するのが「エンコードされた動画サイズ」です。この範囲外は低解像度になります。
端まできっちり見たい場合は1344pxにすると良さそうですが、1280px程度でもあまり気にならないはずです。映像全体の解像度はSteamVRのレンダリング解像度で変更する感じになります。片目あたりの解像度150%程度(2508px)で十分かと思われます。
アイトラッキングでのフォービエイテッドエンコーディングに対応
PICO 4 ProやPICO 4 Enterpriseの場合、アイトラッキングがフォービエイテッドエンコーディングと連動します。中心部分だけが固定されるPICO 4やPICO 4 Ultraと異なり、視線を合わせている部分が常に高解像度な状態を維持できます。
基本的な機能のみ提供
現時点では基本的な3点トラッキングでのVRストリーミングだけが行えます。PICO Motion Trackerやハンドトラッキングの対応はありません。早期アクセスとして提供されていますので、今後正式版としてリリースされたのちに順次対応されていく可能性があります。
現在も機能のテストや不具合修正といった対応が活発に進められているようです。
10bit mainプロファイルでのエンコードに対応
Valveのスタッフ曰く、10bit mainプロファイルでエンコードをしているとのこと。デコードに負荷が掛かるため、350Mbpsよりも上のビットレートに対応する予定はないそうです。
PICO Motion Trackerへの対応は検討中
PICO Motion Trackerやフェイストラッキングへの対応は検討中とのこと。
PICO 4 Proはグローバル販売されてないこともあり、公式サポートがあるかは微妙なところです。アイトラッキングは「OSCを有効化」「OSC出力ポート 9015(ALT)」「このPCの他のアプリにアイトラッキングデータを共有」と設定することで、視線追跡だけは動作しました。VRCFT経由で動作が可能でしたが、瞬きは動作しませんでした。
他の設定項目については未確認ですので、もしかしたら動作するのかもしれません。一応ストア上での対応機種には含まれています。
部分的なハンドトラッキングの実装を検討中
ハンドトラッキング対応もPICO側が必要なエクステンションを提供するかどうか次第なので、ここはVirtual Desktopと同じ事情で実装されていません。
ただ、手のポーズ情報だけのハンドトラッキング、つまりピンチ操作や掴み操作などのジェスチャー入力に対応していない部分的なハンドトラッキングであれば可能とのことなので、近いうちに実装されるかもしれません。
USB接続でのストリーミングも難しい
USBケーブル経由でのストリーミングもサポートしたいという意欲はあるそうですが、PICOとの連携が必要であるため実現は容易ではないようです。
映像のシャープ化もなし
PICO Connectの「画像のシャープ化」やVirtual Desktopの「Sharpening」に相当する機能はありません。そのため、少々鮮明さに欠けるように見えるかもしれません。
他のアプリとの比較
※PICO 4 Ultraでの動作を想定。アイ・フェイストラッキングのみPICO 4 Proで確認。
スマートフォン向けのSteam LinkとQuest/PICO用のSteam Linkは用途が異なるので、別物として考えた方が良いです。また、細かな機能についてはよく分からない部分が多いですね。何か分かれば都度追記しておこうとは思います。
見たところSteam Linkを選ぶ理由がなさそうに思えますが、別途アプリのインストールが必要ないという部分が大きな利点だと言えるでしょう。例えばVIVEトラッカーを使っていて、PICO Motion Trackerを使用していない場合はSteam Linkで接続してしまっても悪くはなさそうに感じました。レイテンシーについても良好との意見があるので、遅延をできるだけ抑えたい人は一度試してみると良いかもしれません。
PICO側でアプリを終了しないように気をつけよう
PICO ConnectやVirtual Desktopと違ってPICO側でSteam Linkを終了すると、SteamVRごと全部終了してしまいます。うっかりアプリを終了しないように気をつけましょう。
設定内に「切断時にSteamVRを終了」がありますが、明示的にSteam Linkアプリを終了させた場合は例外です。
PICO本体の動画プレイヤーなどを使おうとして「終了して続行」を押した場合は大丈夫です。ホームに戻った後でもSteam Linkを起動すると復帰します。
アプリを終了させるとSteamVRも終了します。
PICO以外ではHTCのデバイスでも利用可能に
VIVE Focus VisionやVIVE XR Eliteでも利用可能になっているようです。XR Eliteについては今年の後半に対応予定です。(※1, 現在XR Eliteでベータテスト中のAndroid 12アップデートで変更される機能が必要になるため)(※2, 2026年になりましたが、XR EliteのAndroid 12ベータテスト進捗がないので、いつ来るのかが不明です。)
フィードバックが大切とのことですので、利用される方は積極的にフィードバックを送ってみましょう。

ベータ版について
SteamVRをベータに切り替えていると、ストアにあるものより新しいベータ版のAPKファイルが入手できることがあります。
“C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\SteamVR\drivers\vrlink\resources\android-steamlinkvr-release.apk”
PICOのモーション予測の誤りが発覚するに至った話
2026年1月7日現在、PICOストアにあるのは2.0.19です。Steam Link 2.0.20ではPICOのモーション予測の誤りをSteam Link側で補正する変更が入っています。2025年9月頃に行われたSteam Linkのベータテスト中に、Valve側で独自に補正を入れたことで原因が明確になったものです。尚、2026年1月頃のPICO OSアップデートでPICO 4 Ultraから順に修正される予定だとアナウンスされました。(※現在はアップデートが配信されており、修正はされているようなのですが手元では直っているかどうかの正確な確認が行えていません。)
これはPICOに長らく存在していた存在していたバグで、モーション予測が破綻することで視界がブレたりHMDの座標系に依存するトラッカー(特にFluxPoseなど)の動きがおかしくなる原因となっていました。
本来SteamVRが指定した基準空間(ワールド座標系)で渡されるべき角速度情報が、誤ってPICO自身のローカル座標系で報告されていたことが原因のようです。そのため、頭の向きによっては予測計算が大きく破綻し、逆方向に補正が掛かることで視界が揺れたり、画面の端に(本来とは異なる方向に)黒い帯が表示されることがありました。
動画にすると分かりづらいですが、コントローラーやStandableの仮想トラッカーがブレたりするのはこれが原因の可能性がありそうです。(※但しPICO Connectの場合はラボ機能にあるコントローラーの感度設定が大きく影響しています)





















