2025年7月31日にPICO 4 Ultra向けにPICO OS 5.14.4.Uがリリースされました。8月13日の夜からより多くのデバイスに対して配信されているようです。
公式サイトへの反映は9月4日に確認できました。
リリースノート
バージョン:5.14.4.U
サイズ:1.0GB(差分アップデート) / 5.8GB(フルパッケージ)
リリース日:2025/7/31(2025/8/13)
この更新により、空間アンカーデータのプライバシーが強化されます。ルームキャプチャと空間アンカーデータは、ユーザーアカウントとリンクされます。長期間ログインしていない場合は、更新の前にログインすることをおすすめします。そうしないと、アンカーデータがゲストアカウントに紐づいたままになります。更新後、既存のプレイ境界線の記録は消失し、新たに設定する必要があります。
- トラベルモードに新たに対応し、高速鉄道や飛行機などの移動中でも、安定して快適なXR体験をお楽しみいただけるようになりました。設定またはコントロールセンターで有効にできます。
- PICO Motion Trackerは、現在マルチモード強化トラッキング機能に対応しています。トラッカーを体の異なる部位(手首や太ももなど)に装着することで、特にジェスチャーベースのソーシャル、ダンス、フィットネスアプリにおいて、トラッキングの精度と安定性が大幅に向上し、より没入感のある体験を実現します。
- SLAMアルゴリズムがアップグレードされ、トラッキングの精度と効率が向上しました。これにより、広い空間や移動車両などの複雑な環境への適応力が強化され、さまざまな状況下でより高い安定性が確保されます。
- ハンドトラッキングアルゴリズムの最適化により、指の柔軟性と安定性を向上させました。また、消費電力を削減しながら全体的な精度を高め、遮蔽された場合や肌の色に近い背景に対して手首のトラッキング精度を向上させました。
- ビデオプレーヤーは、現在21:9の縦横比設定に対応しています。
- 全体的なシステム安定性が向上しました。
英語
This update enhances the privacy of spatial anchor data. Room Capture and spatial anchor data will now be linked to the user account. If you haven’t logged in for a long time, it’s recommended to log in before updating—otherwise, the anchor data will remain associated with the guest account. After the update, existing Play Boundary records will be lost, and you’ll need to set up a new one.
- Travel Mode is now supported, allowing you to enjoy a stable and comfortable XR experience on transportation like high-speed trains and airplanes. You can enable it in Settings or Control Center.
- ICO Motion Trackers now support multi-mode enhanced tracking. Wearing the trackers on different body parts (such as wrists or thighs) can significantly improve tracking accuracy and stability, especially in gesture-based social, dance, and fitness apps—bringing a more immersive experience.
- The SLAM algorithm is upgraded to improve tracking accuracy and efficiency, enhance adaptability to complex environments such as large spaces and moving vehicles, and ensure greater stability across various conditions.
- The hand tracking algorithm is optimized to improve finger flexibility and stability, enhance wrist tracking stability when occluded or against similar skin-tone backgrounds, and increase overall accuracy while reducing power consumption.
Video Player now supports setting the aspect ratio to 21:9.
- Increased overall system stability.
中国語
本次升级将会提升空间锚点数据的隐私权限,房间标定数据和空间锚点将与用户账号进行绑定,长时间未登录用户建议【先登录再升级】,否则锚点数据将保留在未登录账号中;升级后历史安全区记录将丢失,需要重建新的安全区。
- 支持旅行模式,在交通工具(如高铁、飞机等)上也可以稳定、舒适地享受 XR 体验,可以在设置或者控制中心中打开
- PICO体感追踪器支持多模式追踪增强,通过佩戴不同位置的追踪器(手腕、大腿),可显著提升身体各部位动作的追踪精度与稳定性,尤其在手势社交、舞蹈健身等场景中带来更沉浸的交互体验。
- 升级空间定位追踪算法,提高追踪算法精度与算法效率,增强对大空间、交通工具等复杂场景的适应性及不同环境下的稳定性
- 优化手势追踪算法,提升手指灵活度及稳定性,提升手腕在存在遮挡或者在肤色接近的背景时的追踪稳定性,提升精度降低功耗
- 视频播放器支持将画面比例设置为 21 : 9
- 优化系统稳定性
トラッカー5台に対応するアップデート
膝と手首のトラッキングに対応
PICO OS 5.14.4.Uでは拡張トラッキング機能が追加され、最大5台のPICO Motion Trackerを同時使用できるようになりました。5台使用時に追加できる箇所は「膝(太もも)」または「手首」となります。従来の2台・3台での使用方法に変更はありません。
| 名称 | 装着部位 | 備考 |
|---|---|---|
| 基本トラッキング | 足首のみ | |
| 拡張腰部トラッキング | 足首+腰 |
|
| 拡張大腿部トラッキング | 足首+腰+太もも |
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| 拡張前腕トラッキング | 足首+腰+手首 |
|
拡張トラッキングはPICO 4 Ultraでのみサポートする機能とのこと。PICO Connect 10.5.10を使用して動作を確認しています。
Motion TrackerアプリのUIも更新
アプリのバージョンが2.0.5となり、装着モードのUIなどが追加されました。Motion Trackerアプリの「設定>拡張トラッキング」を有効にすると、5台までの装着モードを選べます。
5台使用時の装着モードは「拡張大腿部トラッキング」と「拡張前腕トラッキング」の2つがあり、それぞれ腰トラッカーの位置を「腰部前面」と「腰部背面」のどちらかに設定することが可能です。2台使用時はこれまで通り足首のみですので、手首や膝だけに使用することはできません。
5台で使用する場合も、腰トラッカーの位置を前と後ろどちらにするか選ぶことをお忘れなく。
膝に装着した場合(拡張大腿部トラッキング)
足を上げたり、複雑な姿勢を取ったりしても上手くトラッキングするようになります。これまでできなかった「椅子に座った状態で足を上げる姿勢」などが行えるようになります。膝と足首のトラッカーでより正確な位置が推定できるので、他のIMU方式のトラッカーと同じ動きが行えるはずです。こちらのモードに関しては動作は概ね良好であると感じました。
注意点として、太もものトラッカーはズレやすい為、使用中に少しでも位置が変わると姿勢が崩れてしまいやすいです。足を曲げたりしゃがんだりしてもズレにくい位置に取り付ける必要があります。膝関節に近い位置で安定する場所を探して取り付けましょう。日本語のマニュアルでの記載は以下の通り。
「しゃがんだり屈んだりしたときにずれないように、トラッカーを膝関節のすぐ上に装着してください。」
上手くキャリブレーションできないときは
足首と膝のトラッカーが同一直線上に並ぶため、見下ろしたときに上手く認識されなかったり、認識に時間が掛かる場合があります。覗き込むように少し前のめりになって見るか、片足ずつ前に出して視界にトラッカーを映すことでもキャリブレーションは完了できます。
手首に装着した場合(拡張前腕トラッキング)
コントローラーと併用することでトラッキングがスムーズになり、手首の位置から推定することで肘のトラッキングもある程度可能になります。その他には、ハンドトラッキングの遅延軽減や動きがより正確になるなどの利点があります。また、後述する設定を行うとハンドトラッキング時に限り手を後ろに回しても動かすことが可能です。
トラッカーの取り付け位置は手首の外側(手の甲がある側)で、ボタンが手前側に向くようにします。手首を回したときに影響を受けすぎないようにするため、手首の関節に近すぎないぐらいを目安に取り付けます。服の袖でトラッカーを隠さないように注意しましょう。
コントローラーを置いてハンドトラッキングモードに切り替え、腕をまっすぐ前に伸ばしてキャリブレーションを行います。
一部のゲームでハンドトラッキングと併用する場合は注意
SteamVR(PICO ConnectまたはALVR)での使用や、VRChatなどの一部のゲームでトラッキング範囲を広げるには「ハンドトラッキング範囲の拡大」を有効にする必要があります。Motion Trackerアプリの「設定>実験的機能>ハンドトラッキング範囲の拡大」から有効にできます。
この機能を有効にするとハンドトラッキングのまま手を後ろに回すことが可能になりますが、手が視界の外に出ると再び視界内に戻ってくるまで手の形が固定されるという特徴があります。(※VRChatでのHand Openに相当)
「ハンドトラッキング範囲の拡大」機能のデメリットとして、ハンドトラッキングのズレやジッターが発生する事があります。つまり通常よりも精度が落ちます。具体的には指が上手く曲がらなかったり震えたりすることで、VRChatの指をつまむジェスチャーなどが行いにくくなる場合があります。
コントローラーが飛ばなくなるわけではない
コントローラーはこれまでと同様で、手を後ろに回すとトラッキングロストして回転しか取れなくなります。短時間であればある程度は位置推定される事と、復帰がより素早くなったことで以前よりもトラッキングが失われたときの違和感は少なくなりました。
SteamVRからはコントローラーとトラッカーは分離して認識されていますので、オーバーライドするといった事もできそうですが、基本的にはPICO Connect側のアップデートなどに期待することになりそうです。
初期リリースらしさが残っており、手首のトラッキングが上手く動作するときとしないときがあります。色々と挙動が怪しい感じもあります。特にこういった大きな変更があった直後はバグが起きやすいです。従来の2点や3点でのトラッキングにも影響が出ている場合もあるので、気付いたことがあれば積極的にフィードバックを送ってみましょう。
今のところ拡張前腕トラッキングは「肘のトラッキング重視で少しだけでも動かしたい」という人向けだと感じました。伸びしろはありそうなので、今後に期待したい機能です。
オブジェクトトラッキングモードでの使用
SteamVR上での使用はサポートしていない機能ですが、一部のゲームではオブジェクトトラッキングモードで拡張トラッキングを使用することも可能です。
但し、複数のトラッカーを同時に接続するといくつかの問題が生じやすくなるようです。例えば、トラッカーを素早く動かすとトラッキングに問題が生じたりドリフトが起こる可能性があったり、視界の外に移動した際に再認識に時間が掛かることがあります。
対応するゲームやアプリを所有していないので未検証です。ちなみにBusiness Streaming 2.0(Enterprise版のPICO Connect)の次のバージョンではOpenXR/SteamVRでのオブジェクトトラッキングの使用がサポートされる予定とのこと。
拡張トラッキングと装着モード(公式マニュアル)
Business Streaming 2.0 SDK Guide(PICO Business)
ハンドトラッキングなどのトラッキングアルゴリズムの精度向上
ハンドトラッキング使用時に手首が交差して隠れたり、手と同じような色が重なったりした場合の安定性が向上しました。消費電力も削減されています。遮蔽時に手が暴れ回る事が減ったように感じました。(※ハンドトラッキング範囲の拡大機能をオフにしていた場合)
また、トラッキングアルゴリズムの精度が向上したことで、屋内や屋外、広い空間のような様々な環境への適応性が向上しています。温度変化などに対する安定性も向上しているとのこと。具体的な検証が行えないのであくまでも推測となりますが、普段通り屋内で使用する場合でもプレイ境界線が消失したり床の高さが狂ったりする問題が減るのではないかと考えられます。
このSLAM(Simultaneous Localization and Mapping・自己位置推定とマッピングの同時作成)のアップデートに伴い、以前のプレイ境界線は使用できなくなりました。境界線を新しくセットアップし直す必要があります。
トラベルモード対応や動画プレーヤーの21:9対応など
トラベルモードに対応
新幹線や飛行機のような高速で移動する環境でも、6DoFでのトラッキングが安定して行えるようになりました。外で使う機会がないので、どのような挙動をするのかは確認できていません。
公式の案内によると、新幹線や飛行機などに乗っていることを検出するとトラベルモードへ切り替える事を促すダイアログが出るとのことです。
ビデオプレーヤーのアスペクト比21:9対応
PICO Playerアプリで動画を再生するときに、設定からアスペクト比21:9を選択できるようになりました。人によっては使いどころがある機能なのだと思います。
その他
ベルトの長さに注意
PICO Motion Tracker標準の足首用ベルトでは、手首や太ももに取り付けるには長すぎたり短かったりすることかと思います。PICO Motion Trackerのベルトは着脱が可能なので、近いうちに公式のベルトが販売されると思われますが、無理に取り付けようとして壊さないように注意してください。

当面の間はリストバンド越しに取り付けたり、百均のマジックテープ付きベルトとDカンを組み合わせるなどで延長して取り付けてみることをおすすめします。BOOTHなどで個人制作のマウンターを探してみるのも良いでしょう。
取り外し方
ベルトの根元を持ち上げると留め具が見えるので、留め具を押しながらベルトを外側に引くと取り外せます。
内部パラメータ等の変更点
アップデート前後で差分を取ってみましたが、persist.pvr.sleep_by_staticは1のままなのでヘッドセットを装着した状態だと完全静止状態で5分後に強制スリープするのは変わりありません。
Vendor及びAndroidセキュリティパッチレベルが2024年12月1日から2025年4月1日に上がっているという差はあります。
単体版のVRChatでも使用可能
PICO単機でのVRChatプレイ時も拡張トラッキングは使用できます。但し、アバターによっては腕が伸びきらないなどの違和感を覚える場合があります。
トラッカー5点対応という土台を用意する為のアップデートといった印象
膝のトラッカーは概ね良好、手首はまだまだこれから
これまでは足首だけのトラッキングとAIによる全身推定に頼っており、足の動きに制限がありました。今回のアップデートで膝のトラッカーが使えるようになったことで、かなり正確な動きが行えるようになったと感じました。他のIMU方式のトラッカーと同様の動きができるようになったと言っても良いでしょう。膝の装着がズレやすいことや独特の挙動などは昔使っていた「HaritoraX ワイヤレス」のような感じを思い起こします。もちろん、座りっぱなしでも激しくドリフトはしなかったので、これまで通り気楽に使えることかと思います。
手首のトラッカーについては、まだ準備段階のような不完全さを感じました。手首にトラッカーを取り付けて使用していると、姿勢によっては足の動きがおかしくなりやすかったです。何故か腰のドリフトも起きやすく、立ち上がっても自動補正が機能しないこともありました。とはいえ、ハンドトラッキングだけでVRChatをプレイするのがそれほど苦ではなくなりましたので、少々怪しい感じがしつつも上手く動いているときなら思いのほか良好です。
これについてはあくまでも推測ですが、PICO Motion Trackerには他のIMU方式のトラッカーと同じく地磁気センサーが搭載されているので、アップデート直後は地磁気環境の再学習などでしばらくは安定しない場合があるという可能性もありそうです。(※特に記載はありませんが、地磁気センサーがあるトラッカーの場合は磁気キャリブレーションをしていることがあります。)単に5台対応のためのアルゴリズム変更で不具合が起きているだけかもしれませんし、推測……というか憶測の域を出ません。新機能が搭載された直後なので、普段よりもバグが発生しやすいタイミングである事も念頭に置いておくと良いでしょう。これまでもちゃんと修正はありましたし、今後も精度が上がることでしょうから楽しみですね。
そして多くのユーザーが期待していたであろうコントローラーのトラッキング範囲の拡大は、残念ながら手首トラッカーとコントローラーが連携していないので非常に惜しい状況です。この点についてはベータテストの時点で多くのフィードバックが寄せられていることが想像に容易いので、是非とも対応してもらいたいところです。PICO Connect側の対応も必要になると考えられますので、本領を発揮するにはまだ時間が掛かりそうな気がします。
期待が大きかっただけにちょっとガッカリする部分もありましたが、トラッキング自体は良くなったのでストレスは減ったように思います。特に肘のトラッキングが独立して外側に動かせるようにはなったので、肘を身体の内側に動かすこともできるようになると個人的に嬉しいですね。
ハードウェアの性能限界を考える
余談ですが、これ以上トラッカーの台数を増やすことができるかどうかを考えてみましたが、既にコントローラーを含む7台の機器が無線で接続されている状況です。無線機器が増えることによる混線や安定性の問題は避けて通れないので、かなり難しいように思えます。
また、旧製品のPICO 4などはトラッカー3台の時点で処理能力的にギリギリなようですし、特にアイトラッキング・フェイストラッキングを併用可能なPICO 4 Proはストリーミングの設定によっては映像が乱れたりトラッカーが急に切断されるといった事が頻繁に起きています。仮にPICO 4 Ultraで更に2台のトラッカーを接続しようとした場合は、遅延や切断の不具合が起こりやすくなることが予想されます。今後の最適化によって追加対応の余地があるかどうかは分かりませんが、限られたスペックの中で最善の動作となるようサポートされると嬉しいですね。
The latest update, 5.14.0.U for PICO 4 Ultra, has officially rolled out!
https://community.picoxr.com/eu/post/7537687013743493125














