2024年9月20日、PICO 4 Ultraが発売されました。価格は89,800円。手軽にフルトラできることが話題になり、Quest 3と並んでVRChat目的でおすすめしやすい人気機種です。
発売から1年が過ぎ、度重なるアップデートにより発売当初よりもVRChat用途で充実した機能を有するようになりました。今回はPCVR、特にVRChat目的でPICO 4 Ultraを購入するのはどうなのかについてご紹介したいと思います。
他の製品やPICO 4からの乗り換えや、初めてのVR機器として検討する際の参考になればと思って書きました。発売当時の少し古い情報も残っていますが、2025年11月に大きく書き直しをしてあります。PICO 4 Ultra単体でVRChatをプレイする場合も少しだけ紹介しておきますね。
セール情報(11/21~12/1まで)
2025年11月21日(金)00:00~12月1日(月)23:59までの期間限定で、「PICO 4 Ultra – Black Friday Special Box 2025」が800個限定で販売されます。
本体とトラッカー2個に加えて、5個使用したときに使える太もも・手首用のベルトが付属して84,800円となります。
【正規販売店】Amazon(オンライン)、ヨドバシカメラ(オンライン・店頭)、ビックカメラ(オンライン)

メリットとデメリット
まず最初にメリット・デメリットを簡単に紹介します。
PICO 4 Ultraのメリット
- 前後のバランスが良く、良好な装着感
- レンズが大きく、外側・内側共に視野角が広い
- 数秒で準備完了、お手軽フルトラなPICO Motion Trackerに対応
- PICO Motion Tracker併用ならハンドトラッキングもロストしにくい
- スタンドアロンのVRChatでもフルトラ可能
- VRC+のサブスクリプション契約が安い
- ドリフトしにくい丈夫なコントローラー
- 不具合が少ないOSアップデート
- Wi-Fi 7搭載、公式アプリではWi-Fi・USBストリーミング両対応
- Virtual DesktopではMonser解像度に対応
- シースルーカメラも歪みが少なくて良好
- 最初からフルトラ前提なら非常に安価
装着感の良さと視野の広さ、スティックがドリフトしにくいコントローラー、そして何よりもフルトラの手軽さが主なメリットだと感じています。安定志向で比較的バランスの取れた構成だとは思います。
PICO 4 Ultraのデメリット
- 後頭部ストラップのバッテリーは外せない
- 頭の動きがないと自動スリープするためV睡には不向き
- レンズの品質などはQuest 3に劣ることも
- アクセサリーの種類はQuestほど豊富ではない
- コントローラーの重量がある
- 保証期間終了後の不安
- VRChat使用時のマイクは要調整
- イヤホンジャック無し
- Virtual Desktopではハンドトラッキングが使用できない
- ハンドトラッキングの精度は今ひとつ
- アップデート頻度は少なめ
V睡には不向きなことや、PCVR用途以外では少し物足りなさを感じる部分などが主なデメリットです。Meta Questのように挑戦的な機能が次々と実装されるわけでもありません。
さて、ここからは自分の知っている事を可能な限りじっくりと紹介しますので、十分なお時間のあるときに読んで頂けると幸いです。
PICO 4 Ultraの特徴を解説
バランスの良い「装着感」
バッテリーが後ろにあるので重量バランスが良い
全てのコンポーネントを前方に詰め込んであるMeta Quest 3と異なり、PICO 4はバッテリーを後方に移動してカウンターウェイトとすることで重量バランスの良い設計になっています。バッテリーがある後部ストラップにはダイヤルがあり、締め付け具合を調節できます。丁度Quest Proなどと似たような感じです。
全体の重さは580g程で、内訳はフェイスカバーを含めた前部が304g、ストラップやバッテリー、クッションを含む後部が276gとの事です。全体重量は515gとQuest 3のが軽いのですが、Eliteストラップを取り付けると600gちょっとになるので大きく変わりませんし、Quest 3はバッテリーが前にあるので前方に500g程度の重さが掛かるという違いがあります。
見落としがちな点として、前から後ろに掛けて頭頂部を通るベルトが付属します。このベルトの長さを適切に調節すると、ヘルメットを被っているような感じで使えるようになりますので、ストラップをキツく締めなくても大丈夫です。
このように素の状態でEliteストラップ付きのような状態となるので、バランス良く使用できます。これがPICO 4の着け心地が最高だと言われている理由です。
純正の状態でも比較的楽に感じられますが、それでも後頭部のクッションなどが硬いのでストラップを強く締めると頭が痛くなりやすいです。そのため、サードパーティー製品に替えている人は居ます。
自分はPICO 4に拡張バッテリーが取り付け可能な「BOBOVR P4(※最新はBOBOVR P4U)」などを取り付けて使用しているのですが、フェイスカバーと拡張バッテリー無しで724g、拡張バッテリーありで863gという重量となっています。それでも前後のバランスは良いのでとても軽く感じられます。
PICO 4 UltraとPICO 4では後頭部のバックプレートに互換性がないので、Geekvr以外の製品では「PICO 4 Ultra専用品」を買う必要があるので注意。
平たい顔族の作ったHMD
ByteDance傘下のPICOは中国の企業です。我々日本人と同じアジアの人達に合わせているのか分かりませんが、鼻の隙間が大きく開くことなくピッタリとフィットします。
鼻の隙間がないと周囲を見たりスマホを覗き見できないじゃないかって?大丈夫です。もし、鼻の隙間から直接外を見ながら利用したい場合は、AMVR製の額で支えるためのヘッドストラップを取り付けてフェイスカバーを外すという使い方もできます。下方向しか見えませんが、Geekvrのフェイスクッションからクッションだけを外して使う方法もあります。
それらは当然ながらメーカー推奨の使い方ではありません。とはいえ、前述したとおり前後のバランスが良い構造をしているのでそのような使い方が容易に行えます。前後のバランスが良いので、おでこと後頭部でしっかり挟まなくても軽く頭に乗っけるだけでも傾くことなく安定しやすいです。
自分は肌が荒れやすいので普段からフェイスクッション無しで使っていますが、MR目的で使用するときはその方が上手く馴染むかもしれませんね。AMVRやGeekvrのストラップを使うと、VIVE XR EliteのMRガスケットみたいな使い方ができます。
内外共に広い視野角
視野の広さはPICO 4特有とも言えるメリットです。軽さや着け心地も重要ですが、個人的に特に推したい点でもあります。
縦方向の視野が広いPICO
縦方向の視野というのは垂直視野角の事です。PICO 4及びPICO 4 Ultraは水平・垂直共に105度の視野角を有します。水平視野角の広いHMDは多くありますが、垂直視野角の広いメジャーな製品はほとんど存在しません。
例えば、現在最も人気のQuest 3は水平視野角108度、垂直視野角98度あります。Valve Indexの場合は水平視野角が最大130度と言われていますが、実測値では水平108度で垂直109度ぐらいとなるそうです。(ちなみにIndexはIPDに応じてパネルが最大で5度回転する)
実際にVRChatでテストできるワールドがあるので確認をしてみました。中心をぼんやりと眺めながら、赤いラインが見え隠れするラインを攻める感じです。眼鏡や専用レンズなどは使用せず裸眼で着用し、IPDは64mmに設定しています。
純正のフェイスクッションを取り付けて裸眼で計測してみたところ、赤いラインの気配が分かるというギリギリの最大値は水平垂直共に106度となりました。2度刻みで調節しか出来なかったので公称値を1度超えてるのは誤差みたいなものでしょう。確実にラインが見えるきつめの評価をする場合は水平垂直102度ぐらいかなといったところでしょうか。
もちろん装着具合や瞳孔間距離(IPD)そして眼鏡の有無などで変わってきますが、特に垂直視野角の広さはPICOの利点です。
ワールド内に設置されている表では参考値が104度ぐらい(※105度が選べないので)だそうです。仮にIndexから乗り換えるという場合は、PICO 4は狭さを感じにくいのではないかと思われます。
ちなみに、片目2592px設定で視力検査的なものを試した結果は、裸眼では14番が確実に読めて15番が目を細めれば見えなくもないという感じになりました。(※裸眼視力0.6~0.8)
改めて矯正視力1.0となるレンズを取り付けて片目2592px設定で再確認したところ、15番は余裕で16番は分からなくもない感じで、17番は厳しいという結果になりました。
正確な測定かどうかはさておき、こちらは既にVRChatをプレイしているのなら気軽に試せます。
MrDummy_NL World˸ VR HMD TestRoom
内側の視野も広く、視界中央に影ができにくい
HMDには「片目でしか見えていない部分」と「両目で見えている部分」があり、その度合いによっては近くのものを見たときの立体感などが損なわれる可能性があります。
イメージとしては双眼鏡を覗き込むような感じでしょうか。レンズとの距離や左右の位置によっては中央部分に黒い影が入り込むように見えてしまう事があるかもしれません。中央の影は特にQuest 3で顕著なものです。(下の例は画像編集で作ったものですが、ちょっと極端かも?)
MinaSoco ~水底~
※Android版でログインした際のスクリーンショットを使用しています
PICO 4 Ultraは他のHMDと比べても両目で見えている部分(重なる部分)が広く、違和感の少ない状態で見ることが可能です。視界も双眼鏡ではなく、もっと大きな筒を両目で覗き込む感じと言ったら良いでしょうか。視界の中央部分も黒い影は入りません。
やたら距離感の近いフレンドがいたりいなかったりするVRChatですが、至近距離まで顔を近づけたときに立体感がありちゃんと綺麗に見えるかどうかは(人によっては)かなり重要であることでしょう。
最近は耳にしなくなった気がしますが、「ガチ恋距離」に最適な製品ではないかと思います。ちなみに「ガチ恋距離」とは、「本気で恋してしまうほど近い距離」の事であり、思わずドキッとしてしまうほどの至近距離で顔を近づけている状況だそうです。
外側の水平視野角を優先する製品が多い中、何故かPICO 4 Ultraは外と内を52度ずつ均等に振り分けており、両目で見えている範囲が52度という内側も見やすい特殊なHMDになっています。Quest 3の場合は片目94度の水平視野角のうち外側に54度、内側に40度という振り分けをして、両目で見えている範囲は40度という設計になっているようです。
大雑把な計測ですが、レンズも広々としています。
記事にするにあたって色々と調べましたが、視野角の話は間違ったことを書いているかもしれません。しかし、個人的にとても気に入っている部分なので書きました。その辺りをご了承ください。
PICO 4 Ultraでは輝度と色合いが向上
解像度は2160pxのままですが、PICO 4と比べて画面の明るさや色合いが向上しています。
PICO 4 Ultraで半分の明るさにしたときがPICO 4の最大の明るさのように感じます。明るさの上限が上がっただけで、最も暗くしたときは多分同じぐらい(?)だと思います。また、画面の色合いが良くなったので、見慣れたVRChatのホームワールドを見たときにかなりの違いがありました。解像度の違いはありませんが、明るさや色合いが向上したことでPICO 4よりもPICO 4 Ultraのが少し鮮明に感じられるのではないでしょうか。
端末情報で得られた内容ですが、PICO 4の頃はJDI49372というJDI製のパネルでしたが、PICO 4 UltraはSHARP製のLS026B3SAを使用しているようです。
専用レンズは買える
眼鏡の使用も可能ですが、専用の度付きレンズも購入可能です。有名どころでは「diVRseのVRsatile/ヴァーサタイル」「ROOX」「メガネSHOPアイのFavotem」といったオーダーメイドの専用レンズが販売されています。JINSでも販売されていましたが、現在は売り切れとなっています。

レンズ・画質周りはQuest 3のが上
視野の広さはPICO 4 Ultra大きなメリットと言える部分ですが、レンズそのものの品質はQuest 3のが鮮明でより良いものとなっているようです。
自分でQuest 3をじっくり試す機会がほぼないので店頭で少し触ったり、各所で聞きかじった程度の情報しか持ち合わせていませんが、全体的な品質はQuest 3のが良いという声が非常に多いです。見比べないと気が付かないという意見や、明らかに違うという意見もあり人それぞれですが、画質周りはQuest 3の方が肯定的な意見が多いようです。
PICO 4と比べたときの意見が多いので、PICO 4 Ultraと比べた場合は感想が異なる部分はあると思います。PICO 4 Ultraでは画面の明るさと色合いが向上したので、明瞭さはPICO 4と比べると段違いです。
レンズゴーストが目立つ
レンズ内反射で発生するゴースト(レンズグレア?)もPICO 4 Ultraでは目立ちます。この辺りはQuest 3のが若干抑えられているようです。以下の画像はPICOのホーム画面ですが、下の水色の発光している物体が視界の端に来ると、左側の図のようにふんわりと色が反射して見えます。
手描きなのであくまでもイメージなんですが、暗いところで明るいものを視界に入れると反射が気になる感じはあります。白や青だと目立ちやすいようです。(最初の方で紹介したVRChatの測定ワールドでテストが行えます。)
パンケーキレンズの仕組み上、内部のハーフミラーを通過することで光の利用効率が1/4以下となり、想定した経路を辿れなかった光が目に到達するとグレアやゴーストとなって見えてしまいます。同じくパンケーキレンズを採用しているQuest 3でも、コントラストが高い状況では中央付近のグレアやゴーストが目立つという意見も存在しています。
どちらの方が影響が少ないかは同じ状況で比べてみないと分からないのですが、Quest 3のが控えめという情報が多いです。ゴーストが出てしまうのはパンケーキレンズ特有の問題であり完全に避けるのは難しいようです。
また、こちらは不具合ではなく仕様なので、修理して直るものではありません。
Ghosting is a constant challenge for manufacturers of optical devices (mobile phones, cameras, etc.). Ghosting on a screen or lens occurs due to multiple reflections when too much light enters a display device, and is a normal phenomenon in all optical devices.
https://www.picoxr.com/jp/support/faq
レンズの端がぼやける
フレネルレンズのHMD程ではありませんが、Quest 3と比べるとレンズの中央以外は幾らかぼやけます。パンケーキレンズ採用のHMDとしてはスイートスポットが少し狭い感じです。
真正面を見ている際の視野角が広い反面、視線だけを動かしてレンズの端を見るとぼやけていて気になることでしょう。昔からVRをやっていて、目線を動かさず常に中心を見る癖が付いている人は気にならないと思いますが、惜しい部分です。
ビックカメラやヨドバシカメラに展示機があれば、どんな具合なのか一度確認しておくことをおすすめしますよ。
レンズに歪みがないか確認しよう
ゴーストについては仕様ですが、個体によってはレンズに明らかな歪みが生じているものがあるようなので、そちらに遭遇してしまった場合は初期不良として問い合わせる必要があります。PICO 4での話なので、PICO 4 Ultraでも同様かは分かりませんが注意しておくに越したことはありません。

頭を動かしたときに文字だけが少し歪む場合は、レンズの構造やコーティング剤の都合で生じているものであり、多くの場合正常です。画像や動画が歪むレベルだと異常です。
Ripples in text-heavy environments when the user shakes their head can not be fully eliminated due to limitations in optics technology and lens coating materials. This does not hinder the VR device’s overall gaming or video viewing experience.
https://www.picoxr.com/jp/support/faq
手持ちのPICO 4・PICO 4 Pro・PICO 4 Enterpriseも若干の歪みがあるようで、ブラウザで文字を読むときに歪んでいることが分かります。画像を見たり他人のアバターを見る限りでは気が付かないレベルの問題です。
スペック表などにこれといった表記はありませんが、PICO 4 UltraはPICO 4と比べてレンズ内の反射具合が異なるように見えます。レンズに変更はないだろうと言われていますが、PICO 4ほど文字の歪みは感じられませんでした。もちろん全く歪みが無いとは言い切れませんが良好です。一応、購入した際は注意深くチェックしましょう。
ちなみに、IPD設定がズレていると歪みを感じる事もありますので要注意。それと度付きレンズを注文する際は、品質の高いものを選ぶのはもちろんのこと、誤った内容で注文しないように気をつけましょう。
PICO Motion Trackerによるお手軽フルトラ
色々とハードルの高い「フルトラ」ですが、PICO 4 UltraとPICO Motion Trackerであればお手軽に全身トラッキングのVRが楽しめます。これはPICO 4 Ultra最大の長所と言っても良いでしょう。
かなり小さく、軽くて邪魔になりません。そして時々外し忘れます。
VIVEトラッカーと比べると明らかに精度は劣りますが、PICO Motion Trackerは軽量でバッテリーが最大25時間持つことに加えて、トラッカー装着後の準備はたったの数秒で済みます。
PICO Motion Trackerは「PICO単体版のVRChatでも使用可能」なので、「VRが出来る性能のPCを持ってないけどフルトラでVRChatがしたい!」という方にもうってつけです。もちろん、PCVRでもPICO Motion Trackerを使用することは可能です。PCVRで利用する際はキャリブレーションをしてからPICO ConnectやVirtual DesktopでPCと繋ぐだけです。
装着からVRChatへログインするまで大体2~3分で行えるはずです。
色々と書きたいことがあるので、PICO Motion Trackerの詳細については後述します。
頑丈でドリフトしにくいコントローラー
PICO本体はぶん投げられたりねじったりといった力に耐えられるなど、やたら頑丈なので初期不良以外で本体が物理的に損傷する事は少ないはずです。
もちろん、コントローラーもジョイスティックが摩耗してドリフトしてしまう可能性はありますが、少なくとも短期間でおかしくなる事はないようで、コントローラーはかなり頑丈なようです。仮にドリフトしてもスティックへ入力を行って離した際、別方向に一瞬だけ僅かな入力が入るタイプの軽微なものが多いです。
ジョイスティックのモジュールは日本のアルプスアルパイン製だそうです。(見た目はRKJX2シリーズのように見えます)PICO 4 Ultraのコントローラーも同様かは確認できていませんが、余程の事がない限りは普通に丁寧な扱いをすれば長持ちするはずです。スティックのドリフトに悩まされる可能性はかなり低いと思います。もし、購入してすぐ壊れた場合は初期不良でしょうからサポートに連絡しましょう。
VRChatフレンドの話ですが、スティックのカバーがもげるまで使い込んでもセンサーは壊れていないという事例もありました。どういうこと?

低頻度だが堅実なアップデート
3~4ヶ月に1回程度の頻度ですが、継続してOSのアップデートが行われています。例えばPICO Motion Trackerの改善はOSアップデートで提供されます。
アップデートによって急にUIが変わったり、機器全体の動作が不安定になるような事はほぼありません。ベースとしてAndroidを採用するスタンドアロンタイプのVR機器の中ではとても安定している方だと思います。Androidにありがちなトラブルはありますが、初期化して直らないような致命的な不具合は滅多にないです。
ひとつだけあったのは、ごく一部の環境においてOSアップデート後にVirtual Desktopだけが上手く動作しなくなるという事がありました。現在はVirtual Desktop側のアップデートで動作するようになっているようです。
人手不足?少数精鋭?基礎技術に注力
PICOは2022年に大きなレイオフがあり、コンテンツやマーケティングではなくハードウェアやコアテクノロジーに注力する方針になったと報じられています。基礎技術への投資は増加していて、技術開発は盛んに行われているようです。実際、PICO 4 UltraではMRでの利用とPCVRを重視した製品としてアピールしているのは、製品ページの様子からも感じ取れます。
方針が変わっているのはもちろんのこと、人手不足なこともあってか、新しい技術の現行製品への反映はMetaほど挑戦的ではないように感じます。少なくとも試験的な機能が次々と投入される感じではありません。会社の規模が違いすぎるので比べるのは酷な話ですが、見方を変えると慎重であると捉える事もできますね。
主にMicroOLEDや光学系の開発といったハードウェアの基礎技術研究や、トラッキングデータの収集システムの構築による精度向上などに注力しているようなので、ハンドトラッキングなどのソフトウェア的な改善が時々やってくる感じがあります。トラッキングアルゴリズムの改善は行われており、つい最近SLAM(Simultaneous Localization and Mapping・自己位置推定とマッピングの同時作成)のアップデートがありました。(※PICO OS 5.14.4.U)
サポートに関してはフィードバックのあった不具合はちゃんと修正されています。


OSアップデートでUIが変化しない点は目新しさに欠けますが、変化を嫌う方にとってはありがたいかもしれません。若干操作が変わる事はありますが、頻繁に見た目が変化することはまずありません。
再現性のある不具合が非常に少ないので、初期化しても動作がおかしいときは初期不良の可能性があります。買ったらまずは動作確認をして、おかしければ早めにサポートに連絡して対応してもらいましょう。
Wi-Fi 7に対応「ワイヤレス」であることの快適さ
PCとケーブルを繋ぐ必要が無い
PICO 4 UltraやQuest 3のような単体で動作するHMDはバッテリーを内蔵しており、PCVRを行う際はWi-Fiで映像をストリーミングする方式が一般的です。バッテリーが続く限りという制限はありますが、完全ワイヤレスで楽しめます。Wi-Fi 7にも対応しているので、Wi-Fiルーターを適切な設定にして接続すれば高速かつ低遅延なワイヤレスストリーミングも行えます。(手元に試せる環境がない……。)
Wi-Fiストリーミング時は既存のルーターは使用せず、PICO専用のルーターを1台用意してAPモードで動かしておくと安定しやすいです。PCも無線だとあまり安定しませんので、PCだけはLANケーブルで繋いでおくことを強くおすすめします。
また、GeForce RTX4000シリーズやRadeon RX7000シリーズ以上であれば、PICO 4 UltraはQuest 3と同様にAV1コーデックを使ったストリーミングも可能です。AV1は低ビットレートでも比較的綺麗な映像になるのが特徴ですので、Wi-Fiの速度があまり安定しなくて低ビットレートで使用せざるを得ない場合に有用です。
ベースステーションは不要
コンセントがない、設置場所がない、USBポートの余裕がないなど、様々な理由でベースステーションを設置できないご家庭もあることでしょう。
PICO 4やQuest 3は現在の主流と言えるようになってきたインサイドアウト方式のトラッキングシステムを採用しています。Wi-Fiの届く限りは好きな場所で利用できます。いつもと違う場所で使うときは、周りに十分注意して使用したいですね。
ケーブルを繋ぐ場合はUSB1本だけでOK
充電しながらの利用や、ストリーミングの画質を最優先で遊びたいときはUSBケーブルを繋いで使用してみましょう。Wi-Fiが安定しないときもUSB接続をお勧めします。
PICO専用の接続アプリであるPICO Connectでは、USB接続時も特別な設定を必要とすることなくストリーミングを開始できます。HEVCやAV1では最大150Mbpsまでとなりますが、AVC(H.264)コーデックではUSB使用時に最大1000Mbpsの設定で接続できます。(※ビットレートを上げすぎると不安定になる可能性あり)
尚、USBでストリーミングしつつ充電もしたい場合は、補助用の電源を接続できる特殊なケーブルを使う必要があります。注意点として、それらのケーブルは壊れやすい事と不安定になりやすいという欠点があります。
これまでにケーブルの故障によるトラブルの相談が何件かありました。
バッテリー駆動時間は短い
PICO 4 Ultraを使用し、PCVRでの利用を想定してPICO Connect 超高画質(2592px)HEVC 150Mbpsで接続して数分ほど動かしてみたときの情報です。PICO 4 Ultraのディスプレイの明るさは最大で、PICO Motion Trackerを接続した状態です。
その結果、PCVR用途で最もバッテリーを消費しそうな設定では、25分で30%消費しました。10分あたりでは12~13%ぐらいですので、1時間で約80%消費します。バッテリーセーバー機能を用いると90Hzから72Hzになり、レンダリングされる領域が若干狭くなりますが、PICO Connectの使用かつ短時間の計測では有意差は見られませんでした。バッテリー消費の大部分がディスプレイのバックライトによるものであると推測し、ディスプレイの明るさを0~25%で試してみると10分あたり7~8%程度の消費に下がりました。
以上のことから、ワイヤレスで長時間遊ぼうと思うとモバイルバッテリーなどの外部バッテリーの接続は必須です。画面の明るさを下げればPICO単体で2時間程度の動作が見込めますが、最短では1時間程で電池切れになります。(PICO 4 5,300mAh/PICO 4 Ultra 5,700mAh)
手元のPICO 4ではBOBOVRの拡張バッテリー(B2バッテリー 5200mAh 5V/2.6A)4個をローテーションしながら使用しています。拡張バッテリー1個につき最長1時間30分ぐらいはバッテリー残量をそのまま維持できる感じで、PICO 4 Ultraでも大丈夫そうでした。但し、解像度やビットレートが高すぎたり画面が明るかったりすると消費も早くなり、充電が間に合わなくなって本体のバッテリーが少しずつ減っていくようです。
充電に関しては45Wの急速充電(USB PD 3.0/Quick Charge 4.0)に対応しているので、電池切れでもすぐに復帰可能です。Quick Charge 3.0などの充電器ではネゴシエーションが上手く行かない事があるという報告もありますので、USB PD推奨です。PICO 4 Ultraでモバイルバッテリーを使う場合は、USB PD対応(45W以上)のものを使えば大丈夫だと思います。
OSアップデートで基本動作やハンドトラッキングなどのバッテリー消費が減って、改善することもあります。
マルチウィンドウに対応、アプリの自由配置が可能
PCVR用途ではありませんが、個人的に時々使う機能なので紹介しておきます。
ブラウザのウィンドウや、サイドロードした2Dアプリなどを好きなように配置できます。PICO 4 UltraはSnapdragon XR2 Gen2に12GBのRAMを搭載していますから、かなりの余裕があります。
シースルーモードで使うことも可能なので、MR用途で使用するのも面白いと思います。ある程度の限度はありますが、ハンドトラッキングを有効にしておき、ブラウザで何か表示しながらシースルーカメラ越しに他のことをする使い方もできます。
VRモード中は2Dアプリを1つだけ動かせる
PICO 4 Ultraでは、PICO ConnectやVirtual Desktopなどを動かしていても2Dアプリが1つだけ実行可能です。早い話がVRChatしながらブラウザが使えます。これは現時点のPICO 4では行えない操作です。
PCVRではXSOverlayを使うことが多いかと思いますが、PCスペックがギリギリだったり誤操作で絶対に誤爆したくない場合はPICO側のブラウザを使う方法が取れます。
これはPICO単体版のVRChatをしているときも同様なので、スマホを手に取らなくても調べ物ができます。
他にも、スクリーンショットを撮ってブラウザ経由でAIに翻訳や解説をしてもらう使い方もやれます。Android XRほどスマートではありませんが、使いどころはあるかもしれませんね。
アプリ毎に解像度やパフォーマンスの調整ができる
PICO 4 Ultra専用の機能として、「パフォーマンス調整」ツールがあります。これを使うとスタンドアロンでゲームをプレイするときに表示品質などを細かく調整できます。例えば、PICO 4やQuest 2時代に作られたゲームを遊ぶ場合は、設定を上げた高品質な状態でのプレイが期待できます。
PICO版VRChatの解像度なども変更できるので、少人数でプレイされている方は少しだけ解像度を盛ってしまうのも手です。VRChatはCPUがボトルネックになりやすいので、バッテリー消費が増えるのを許容してCPUレベルだけを上げて使用することもできます。(あまり変わらないかもしれませんが……。)
PCVRでの利用について
公式・無料の「PICO Connect」でOK
「PICO Connect」というPCと接続してストリーミングが行えるアプリケーションが提供されています。以下でガッツリとレビューしていますが、かつて「Streaming Assistant(ストリーミングアシスタント)」という名称だった頃と比べると非常に安定して動作しています。
これはVirtual Desktopと似たような事が行えるPICO公式のアプリです。PICO 4 Ultraの全機能を利用するならPICO Connectをおすすめします。
マイク用に強力なノイズキャンセリング機能も備えており、逆にPICO本体のノイズキャンセリング機能を完全にオフにできるのもPICO Connectだけとなります。その他にはコントローラーのオフセットを設定したり、PICO Motion Trackerの部分的なオン・オフをリアルタイムに行えます。
VRChat目的であればコントローラーの不具合も解消されていて現在は問題なくプレイできますし、PICOのディスプレイに合わせた色合いで楽しみたい場合やハンドトラッキングなどの機能をフルで使いたい場合も、PICO Connectを使うのがベストだと考えています。もちろん、VRChat以外の用途では互換性の問題が生じるゲームもあると聞いていますし、好みが分かれる部分もあると思います。Virtual Desktopの使用感も好きですが、個人的にはPICO Connectのが好みに合っていたのでそちらでVRChatをプレイしています。
公式サイトの同じページ内にダウンロードリンクが並んでいるので、うっかりストリーミングアシスタントを入れないように注意しましょう。


不具合などについて
PICO Connectはベータ版の頃からずっと使用していますが、大きなトラブルもなく安定して動作しています。
NVIDIA GeForceを使用しているのであれば、ドライバーバージョンを566.36にしておくと安定することがほとんどです。RTX5000シリーズの場合は572.83が安定しやすいです。困ったときに備えてALVRやVirtual Desktopなどの接続手段を用意しておくと安心できます。
もちろんAMD Radeonでも大丈夫!むしろPICO関連の情報を日本語で積極的に発信している人が何故か揃いも揃ってRadeonユーザーなので、複数の動作実績があります。弊サイトの情報は全てRadeon環境下での内容となっています。

一応過去にあったトラブルを挙げておくと、2024年11月に正式リリースが案内されていないバージョンのアプリが配信されてしまい、PICO Connectのバージョンが合わなくなってPCと接続できなくなるトラブルはありました。色々と混乱が見られましたが、現在は先行リリース版に自動更新されても、PCに接続しようとした際に正常にアップデートされるようになっています。
2025年8月にはPICO ConnectでXSOverlayなどが透過してしまう不具合もありましたが、これはすぐ対応されたので正式バージョンを再インストールしておけば解決します。
新しいバージョンが公式サイトに反映されたら、念のため上書きインストールしておくのを心掛けておけば大丈夫です。
Virtual Desktopでは「Monser」解像度に対応
ハンドトラッキングが使用できない制限などがあるものの、Virtual DesktopはPICO 4 Ultraでも利用可能です。もちろん、PICO Motion Trackerも使えます。
PICO 4 Ultraでは、Godlike解像度を超えるMonser解像度にも対応しています。

| 片目あたりの解像度(PICO 4 Ultra) | グラフィックボードの目安 |
|---|---|
| Potato(1488px) | GTX970 / RX580 |
| Low(1776px) | GTX1070 / RX5500XT |
| Medium(2064px) | RTX2070 / RX5700XT |
| High(2544px) | RTX3070 / RX6800XT |
| Ultra(2736px) | RTX4070Ti RTX 3090/ RX9070XT RX6950XT |
| Godlike(3120px) | RTX4090 / RX7900XTX |
| Monster(3648px) | RTX5090 |
Virtual Desktopの開発者曰く、PICO 4 UltraはQuest 3と比べてオーバーヘッドが少なく僅かにクロックレートも高いため、Monster解像度の対応ができたとの事です。
Virtual Desktopでは利用できない機能について
まず色合いについては、Virtual Desktopを使った比較ではPICO 4は全体的に淡い色合いに見えてしまいます。これに関してはVirtual Desktop側からPICOの色空間を扱えないなどの理由でそうなるようで、PICO Connectを使う限りは問題ありません。(これに関しては好みなので、気にならないと言う人は居ます。)
現時点ではハンドトラッキングの対応がありません。少し機能が不足しますが、Virtual Desktopのデスクトップ操作部分などの基本的な部分を気に入っているのなら買っても良いと思います。
ALVRは独自にAPIを呼び出しているのか、PICO Motion Trackerとハンドトラッキングの両方が動かせる状態になっています。(PICO 4 ProなどであればアイトラッキングもALVRで可能)
PICO Motion TrackerについてはOpenXR側でPICO向けのエクステンションIDが用意されており、2025年2月5日に「XR_BD_body_tracking」が追加されました。それらのアップデートは2025年の4月に提供されたようなので、2025年4月2日に出たVirtual Desktopの1.34.0アップデートでPICO Motion Trackerに対応しています。

Virtual Desktop使用時の不具合について
最近の事例では、ごく一部の環境においてPICO OS 5.13.3.UでVirtual Desktopのストリーミング映像が動作しなくなる原因不明の問題が発生しているようです。手元では再現しないのですが、Virtual Desktop側の更新で直ったという話は聞いています。これについてはPICO ConnectやALVRで使用する分には問題がないものでしたので、常に複数の手段でPCVRができるように備えておくと安心できます。
Steam Linkも登場
PICO 4 UltraでもSteam Linkは使用できます。Steam Linkにはフォービエイテッドエンコーディングがあるため、画質と接続安定性を両立しやすいのがメリットとなります。

今のところSteam LinkでPICO Motion Trackerは使えない
残念ながら現時点ではPICO Motion Trackerやハンドトラッキングが使用できません。有線接続でのストリーミングも非対応なので、基本的な機能だけが提供されます。
ALVRという手も
PICO ConnectでもVirtual Desktopでもなく、ALVRで接続する手段もあります。こちらについては扱いが難しいので詳細は割愛しますが、細かな調整をしたい方やLinux環境で利用したい場合に役立つかもしれません。
PCVRは複雑、トラブルシューティングについて
正常なPC環境であればPICO Connect、Virtual Desktop、Steam Linkといったストリーミング用アプリはどれも問題なく動作します。PCVR時はWindowsやグラフィックドライバー、SteamVRやVRChatなどが複雑に連携して動作していますので、不具合が生じた際は全体をよく確認して対処する必要があります。また、ワイヤレスで遊ぶ際はWi-Fi周りの設定ミスやトラブルもあり得ます。
何か深刻なトラブルが起きているときはWindowsやドライバーなどの不調である事が多く、土台となるそれらを整えておかない限りはアプリ側のアップデートで直る事はまずありません。多くの場合、PICO ConnectやVirtual Desktopよりも手前の部分で問題が起きています。
例えばWindows Updateで破損や不整合が生じてしまったり、ドライバが正常に認識されていないなどが考えられます。Intel 13世代や14世代のCPUを使っているのであれば、CPUの故障もあり得るでしょう。ネットワークアダプターの省電力設定が影響していた事もありました。
もしトラブルが起きたときにSteamVRやVRChatの問題なのか、それとも接続アプリやネットワークの問題かを切り分けるためにも複数の接続方法を用意しておくのがいいですね。何を使うにしてもトラブルが決して起こらないとは言い切れませんから、トラブルに遭ったときに慌てず冷静に対処することが大切です。
それでも上手く動かないときは
まずはWindowsのメンテナンス、次にドライバのクリーンインストール、そしてSteamVRの整合性確認などを行ってみましょう。複数の環境をトラブルシューティングしたことがありますが、しばらくするとクラッシュして切断されるという問題があるときは、グラフィックドライバーの都合である事が多かったです。
もちろん、複数の環境での再現性が高く、確実にアプリ側の不具合と言える問題も発生することがあります。そのようなときは、フィードバック機能を使って不具合報告とログを一緒に送ると良いでしょう。


PICO Motion Trackerについて
たったの2個からでもOK!
PICO Motion Trackerは足首2個だけで使用することが可能です。値段は2個セット11,800円です。たった2個足首に取り付けるだけにもかかわらず、PICO 4本体のトラッキングカメラによる追跡と位置推定を組み合わせることで全身のトラッキングを実現しています。
VRChatでフルトラするには両足に加えて腰を加えた最低3点(全身合わせて6点トラッキングになる)が必要ですが、PICOの場合は仮想トラッカーがSteamVRに送られますので腰トラッカーを用意しなくてもOK!
物理トラッカー2点だけでのフルトラというのは不可能ではないものの、なかなか真似できるものではありません。ここは専用品ならではの仕組みであると感じられました。複雑な動きをしなければトラッカーは2個でも十分に機能します。
精度向上を目的として3個目となる腰用を追加購入して取り付けたり、合計5個揃えて膝や手首のトラッキングを強化することもできます。
5個使うと何ができる?
PICO OS 5.14.4.Uアップデートにより、これまで3個までが上限だったPICO Motion Trackerが最大5個までの同時利用に対応しました。VRChatで最低限必要な「両足首」と「腰」に加えて、「膝」か「手首」のどちらかを追加で装着できます。
膝につけた場合は、他のIMU方式のトラッカーとほぼ同等の動きが行えるようになります。より複雑な足の動きに対応できるようになりますし、手首に取り付ければトラッキング範囲外に移動しても完全にトラッキングを失うことが減ります。(「トラッキング範囲の拡大」機能は今のところハンドトラッキング時のみ対応)
注意点としては、現時点では「太もも・手首用の専用ベルト」が国内未発売です。
また、膝のトラッカーの装着位置がズレるとおかしな動きになりやすいので要注意です。
簡易的な仮想肘トラッカーとしても
PICO Motion Tracker使用時は、腰以外にも手首や肘、胸などにも仮想トラッカーが用意されます。PICO Connectでは使用中にトラッカー部位のオン・オフがSteamVR内で行えます。
例えば、仮想の肘トラッカーはVRChatにおいて有用です。
手首の仮想トラッカーも、トラッキングが失われやすいPICO 4 UltraのコントローラーでTポーズを取るときに役立つ場面があります。
PICO Motion Trackerを5個使用して手首に取り付ければ、仮想トラッカーの肘もある程度意図して動かせるようになります。
精度はどんな感じ?
精度に関しては12個の赤外線センサーによる追跡と9軸IMUセンサーの組み合わせという、いいとこ取りな仕組みになっています。公称値では遅延が約20ミリ秒、位置偏差が平均5cm、角度偏差が平均6度以下との事です。VIVEトラッカーには敵わないのは分かりきっていますが、簡易トラッカーとしては十分な精度がありました。足首と腰に加えて膝にも取り付けて5個使用すれば概ね問題ないと思います。
但し、以下の5個対応の際に構造が大きく変わってしまったため、2~3個使用したときの全身推定の精度が低下してしまっています。最大3個までだったこれまでもアップデートで随分と良くなった事例がありますので、今後のアップデートで徐々に改善されるのを期待したいところです。
寝転がっているときの動作
寝転がって使用するのであれば、5個使用した方が良いです。PICO OS 5.14.4.Uの時点では2~3個での精度がPICO OS 5.12.0.U相当の精度まで低下しているように感じます。
VIVEトラッカー(Ultimate)との位置を比較
流石にVIVEトラッカー(Ultimate)と比較すると精度の違いがあります。ただ、5個使った時の動きは3個の時ほどの違和感はなく良好です。
VIVEトラッカーやFluxPoseなどのトラッカーと併用も可能ですので、将来的に別のトラッカーを購入することになったとしても上手く使い分けることはできます。PICO Motion Trackerでは満足できなくなったら検討してみましょう。

VRChatでフルトラしてる人を見た初心者の方が、「自分も同じようなことをしたい!」となってVRデビューと同時にフルトラになる用途では「PICO 4 Ultra + PICO Motion Tracker」の組み合わせはバッチリです。というか、本当にそういう方が何人かいらっしゃいました。
PICO 4 Ultraをトラッカー足首2点セットで買った場合の合計価格は101,600円です。後述しますが、時々数量限定でトラッカー同梱キャンペーンをしていることもあるので、そういうのを見かけた際は買いだと思います。
自動補正のおかげでドリフトはしにくい
AI全身推定ということもあってIMU方式の他のトラッカーと比較して動作が安定しているので、知らないうちにドリフトして足腰がねじ切れる事もなさそうです。個人的に嬉しかったのは、金属を含む椅子に座ったり、足を投げ出して床に座っても真っ直ぐ前を向いてくれたことです。足首だけの2点でフルトラを実現していることを考えるとなかなか良いです。
ドリフトしにくいと言っても、服の裾などで少しでもトラッカーが隠れているとキャリブレーションやドリフト補正が動作しないので、まくっておくなどの対策は必要です。キャリブレーション後は多少隠れても動作しますが、赤外線によるドリフト補正が動かなくなります。
赤外線ライトを使用して暗闇で使用する事も可能です。あらぬ方向へ吹き飛んでいくことはなさそうでした。(※ヘッドセットのスリープ時などを除く)
手首に着けてハンドトラッキングもよりお手軽に
コントローラーから手を離してハンドトラッキングだけで遊ぶ場合も、手首のPICO Motion Trackerが大活躍します。視界から外れるとすぐその場に停止していたハンドトラッキングでしたが、拡張設定を行うと視界の外でも動かせるようになります。(流石に指の形はトラッカーでカバーはできません)
ハンドトラッキングの精度について
PICO 4 UltraもSoCはQuest 3と同じSnapdragon XR2 Gen2を使用しています。Snapdragon XR 2 Gen1と比べてトラッキング性能(AI性能など)に差があると考えられることから、ハンドトラッキングの精度はPICO 4から向上しているとは思います。それでも現時点での反応や機能面はQuest 2にすら劣る状態だと感じられました。特に通常時はQuest 2のハンドトラッキングよりも範囲が狭く、精度も劣る感じです。
そんなPICOのハンドトラッキングですが、常にアップデートが行われています。
PICO OS 5.12.0.Uアップデートでトラッキングの遅延が小さくなり、誤作動も少なくて使いやすくなりました。その後のPICO OS 5.13.3.Uアップデートでは、ハンドトラッキングの更なる精度向上が図られています。
そしてPICO OS 5.14.4.Uアップデートで、手首に装着したPICO Motion Trackerによる遅延とブレの軽減やハンドトラッキング範囲の拡大が行われました。細かく荒ぶったり指の位置が間違っているような問題も減っています。
但し、5.14.4.Uで追加されたトラッカーの手首への使用はリリース直後ということもあり、トラッキング範囲を拡大する設定にするとジッターが増えるなどの問題はあります。指の形が綺麗にトラッキングされない事があるなど、精度はまだ改善の余地があると思いますが、位置がロストしにくいハンドトラッキングが行えるのは大きな利点です。
PICO本体とトラッカー間の「接続トラブル」は心配無用
一般的なトラッカーはPC側と接続して使用しますが、PCのBluetoothや専用ドングルとの接続によくトラブルが発生します。これはWindows周辺のソフトウェアトラブルだったり、電波干渉などによる接続不良などが考えられます。
PICO Motion TrackerはPICO 4 Ultraと直接接続し、PICOとPCのやりとりはWi-FiかUSBです。少なくとも不具合などでトラッカーが本体と繋がらなかったり、急に切断されたりというトラブルはPICO 4 Ultraでは一切発生しませんでした。
もちろん、既に接続されている状態での動作トラブルについては別問題です。VRChat内の設定不備で位置がおかしくなるのはありがちなトラブルです。その他にはメモリ不足でMotion Trackerアプリが終了してしまったと思われるトラブルがあり、スペック不足でこの問題が発生しやすかったPICO 4の方ではPICO OS 5.13.7.Sアップデートで修正が行われています。今後PICO 4 Ultraにも同様の修正が入ると思いますが、少なくともPICO 4 UltraとPICO Motion Trackerの「接続不良」に関してほぼ無いと考えて大丈夫です。
万が一のトラブル時に疑うべき箇所が減るので、トラブルシューティングも幾らか楽になります。
PICO 4 Ultra専用アクセサリーについて
PICO 4は装着感が良いので別途アクセサリー類を購入しなくても大丈夫な人も居ると思いますが、より快適に使う為にストラップやコントローラーカバー(ストラップ)を購入することはあるでしょう。
しかし、その場合の選択肢はQuestほど多くはありません。例えばAmazonでヘッドストラップなどを探してみると、複数のレビューがあって品質を信頼できるのはAMVRやGeekvr、BOBOVR辺りです。
どれもしっかりとした品質なので、それらのブランドのアクセサリーさえあれば十分ではあります。これまでに掲載した写真に写っているものは、AMVRとBOBOVRのアクセサリーを組み合わせています。
AMVRやBOBOVRなどの定番アクセサリーについて
PICO 4 Ultraの構造上、バックプレート部分をこじ開けて取り付けるタイプの製品が殆どです。
種類については数が少ないので迷う必要がないと考えることもできますが、その分自由度は低いです。充電スタンドのような便利な製品はありませんし、PICO 4 Ultraではコントローラーの形状がPICO 4から変更されたので、それらの専用品もAMVR製のもの一択の状況です。(※不透明のシリコンでコントローラー全体を覆うタイプはLEDを覆ってしまってトラッキングに問題が生じてしまうので買わないように!半透明ならギリギリOKっぽい)
コントローラーとバックプレート部分は互換がありませんが、レンズやフェイスカバー類はPICO 4用のものが使用できます。中にはGeekvrのようにPICO 4/PICO 4 Ultra兼用の設計になっているものもあります。
どれもちゃんと表記されていますので、対応製品をよく確認してから購入しましょう。

アクセサリーはQuest 3一強と言える状況ですので、PICO 4 Ultra向けに色々と出てくるかどうかは今後の売れ行き次第でしょうか。発売当初よりは選択肢が増えているように感じます。


コントローラーについて
PICO 4やQuest 2と比べるとトラッキングが外れやすい
PICO 4 Ultraのコントローラーはリングレス仕様になったので、PICO 4のものと比べるとトラッキングが外れやすいです。トラッキング用カメラはPICO 4と同じOMNIVISIONのov7251を使っていますし、上下4方向に取り付けられているのも同じですから、やはりリングの有無が影響しています。
このあたりはQuest 3も同様なようで、Quest 3に関してはSoCの性能が向上したことでリング無しでも高精度な追跡が可能になったという話がありました。しかし、Quest 3のコントローラーもQuest 2と比べてトラッキングロストしやすいというのも耳にします。
手を下ろしてジッと静止していると飛びやすいのですが、短時間であればトラッキングカメラの外に出ても位置推定が上手く動作します。
これに関しては対処が難しいので、コントローラーが飛びにくい使い方(角度など)を覚える方が早いです。希望があるとしたらPICO Motion Trackerが手首に使用できるようになったため、今後のアップデートでコントローラーのトラッキング問題も改善されることに期待したいですね。もし改善したら書いておきます。
コントローラーのサイズが大きくて重い
PICO 4やPICO 4 Ultraのコントローラーは片手につき単三乾電池2本を使用します。サードパーティー製品の落下防止ストラップを取り付けた状態では188gにまで達します。(※アルカリ乾電池ではなくリチウムバッテリー使用時に測定)これは似たようなストラップを取り付けたQuest 2のコントローラーと同じ重さでした。
(あれ、そんなに重くない気がしてきたな……。)
PICO 4 Ultraのコントローラーは大きなリングがなくなって164g(ケース類なし電池あり)と若干軽くなりましたが、Quest 3のコントローラーが130gぐらいらしいので少々重ためです。コントローラー全体のサイズもPICO 4のものより一回り大きいです。
ちなみにIndexコントローラーが195gぐらい、VIVEコントローラーが200gぐらいだそうです。
使用する電池に注意
1.2Vのニッケル水素充電池を使用するとタッチセンサーなどが不安定になるらしいので、素直にメーカー推奨の1.5Vのアルカリ乾電池を使用するか、非推奨ですが動作はする1.5Vのリチウムイオン電池などを使用することになります。
リチウムイオン電池を使用した場合は、電圧が一定となる都合で電池残量が分からなくなりますので、頃合いを見計らって充電する必要があります。毎日使って大体1~2ヶ月ぐらい?人によっては3ヶ月ぐらいは電池が保つかもしれません。
マイクやスピーカー、イヤホンについて
マイク品質が悪い?必ずマイク音量を調節しよう
確かにPICO Connectで音量を100にすると割れますが、PICO Connect初期設定の音量50のままであれば多くの場合問題はありません。
但しVRChatでの利用においては、VRChat側でコンプレッサーやブーストが掛かるのでかなり音量を下げないと音が割れます。
相手と重なるほどの至近距離で会話をしたり、無条件に全員に声を届けるギミックなどがあると音が割れやすいです。自分が普段使っている設定はPICO Connectでの「ノイズ削減」はオン、マイク音量を25~30に設定、VRChat側の「ノイズの抑制」はオフ、「マイクが有効になる音量」は1~2%辺りです。必要に応じてVRChat側のマイク音量で微調整しています。
声の大きい方はVRChat側のマイク音量を更に下げて調整するのが適切かと思います。人によって声質が異なりますので、上記はあくまでも目安です。
Virtual Desktopを使用した場合もかなり音量を下げることになりましたが、明らかにおかしな設定にしなければ音が割れるようなことはなかったので大丈夫なはずです。そう、設定を間違えなければ問題はありません。音量控えめを意識しましょう。
マイクは替えた方が良い?
外付けのピンマイクとして「DJI Mic Mini」を試してみたこともあります。適切な音量設定であれば、PICO 4 UltraのマイクとDJI Mic MiniとでVRChat越しでの聞こえ方に大差ありませんでした。

マイクの遅延はある?
そのまま使用すると、VRChat内でマイクの遅延が生じる恐れがあります。
音量設定はもちろんのこと、PICO Connectのマイク遅延についても回避策があるので詳細は以下をどうぞ。

スピーカーにQuest程の迫力はない
しっかりと聴き比べたわけではないのですが、Quest 2比でもちょっとインパクトに欠ける感じがありました。Quest 3はもっと良くなったと聞いていますので、後述する有線イヤホンが使いにくいのも相まって、どうにも見劣りしてしまう部分です。別に音が悪いとは感じていませんが、比べてしまうと惜しい部分かなと思います。
ただこれに関しては「話し声が他人に聞かれにくいのが良いんですよ!」って意見もありました。確かにヘッドセットを外すと、近距離でもスピーカーからの声が聞き取りにくくなるのを確認しています。
イヤホンジャック無し
PICO 4 / PICO 4 Ultra(とQuest 3S)にはイヤホンジャックがありません。USB接続でのストリーミングと有線イヤホンは両立できません。USBでのストリーミングをしたい場合は本体スピーカーをそのまま使うか、Bluetoothイヤホンを使用する必要があります。これはUSBハブを経由するとUSBイヤホンを認識してくれないからです。(少なくともPICO 4ではそうなる)
但し、イヤホンジャックのないスマートフォン向けに売られている、「充電しながら使えるイヤホン変換ケーブル」は使用可能です。この場合は、有線でデータ通信は行えませんので無線でPCVRをする事になります。
有線イヤホンは諦めて外部アンテナ搭載のBluetoothドングルを使い、PCとBluetoothイヤホンを直接繋いでおいた方が安定しますし楽です。Quest 3Sもイヤホンジャックがなくなっていますので、同様の対策が役立つとは思います。
V睡には適さない
バッテリーのある後頭部ストラップは外せない(つまり寝にくい)
重量のあるバッテリーを後頭部に移動したことでバランスが良くなり、着け心地の良いPICOですが、これを取り外すことはできません。純正のバックプレートを外してクッション部分をサードパーティー製品に取り替えることは可能ですが、Quest標準のペラペラなバンドのようなものにすることはできませんので、PICOで寝転がるのは難しいかな?と感じています。バッテリー側を頭頂部へフリップアップするだとか、工夫をすれば仰向けで寝ることは難しくないです。横向きが難しい……。
同様の構造をしているQuest ProでV睡している人達からすると問題はないのかもしれませんが……。寝られるかどうかはあくまでも個人的な意見なので、「ストラップを完全に取り外すことはできないよ」とだけ分かればOKです。
バッテリー搭載製品の注意点
PICO公式より、国内で発生したPICO 4のバッテリー発火事故について発表がありました。
なにもPICO 4に限った話ではありませんが、スマートフォンなどと同様にバッテリーを搭載する製品なので取り扱いには注意しなくてはいけません。ここのところはモバイルバッテリーの事故などが目立ちますからね。
今回の場合は、二次流通品(中古販売などが該当、オークションで新品と謳っていたものを購入したとのこと)かつ、充電器を繋いでも反応しない過放電と思われる状態で充電器の接続を数十回繰り返しを行い、加えて長時間の充電をした結果の事故だったようです。(発火時は充電器を外していた状態)
詳しい仕組みについては言及を避けますが、過放電したリチウムイオン電池を充電すると発火する危険性があります。通常こういった製品には保護回路が搭載されていますが、インターネット上にはその保護機構を無視してなんとか充電しようとする方法が掲載されています。昨今の製品は保護回路があるから安全だろうと考えて、動作するまで根気よく充電を繰り返すのは大変危険な行為です。
責めるような書き方をしてしまいましたが、もし自分が同じ立場だったら充電器に繋ぎっぱなしにして様子を見るぐらいは軽率に行ったと思います。
そして、万が一の場合に保証を受ける為にも、正規の販売ルートで新品を購入する事も大切です。(偉そうなことを言っていますが、Quest 2やPICO 4は中古で購入しました。初代QuestやPICO 4 Ultraは新品購入しましたが、中古はリスクがあることを承知の上で購入しましょう。)
PICO 4 Ultraは自動スリープの無効化ができない
V睡絡みでもうひとつ。PICO 4 Ultraを頭に被った状態で完全に静止していると、5分で強制スリープに移行します。これは不具合ではなく仕様です。
また、過去に5.12.0.UアップデートでV睡に対応したという話がありましたが、あれはトラッカーが自動スリープしないようにするアップデートなので本体のスリープは関係ない話です。やはり静止状態では自動スリープします。PICO 4 Ultraの5.13.3.Uアップデートでスリープ時間を変更する機能が提供されましたが、これも頭に被っていないときしか機能しないものなので意味はありません。
PICO 4では隠し設定を呼び出すと自動スリープを無効にできましたが、PICO 4 UltraはOSバージョンが大きく異なる別物なので隠し設定は存在しません。Enterpriseモデルでのみ無効化が可能なようです。

それでも寝たい貴方へ
V睡用まくらや、くぼみのある枕を使用すると寝転がること自体は楽になります。
しかし、自動スリープはPICO 4 Ultraではソフトウェア的な対処が行えないので、ある程度妥協する必要があります。自動スリープするとPICO Motion Trackerのトラッキングが失われて身体が飛んで行ってしまうので、PICOでV睡したいという方は睡眠用のAFKアニメーションなどを組んでおくか、仮想トラッカーのStandableにフォールバックするなどの対策をしておきましょう。

目が覚めたときにHMDがスリープしていて視界が真っ暗なのはどうにもならないので、そこに拘る方はPICOをおすすめしません。一応テープを貼ることもできますが、そもそも後頭部にバッテリーがある状態で寝ることになるので推奨しません。
シースルーカメラの品質について
PICO 4 Ultraではカラーシースルーモードの画質が向上して立体視もできるようになりました。HMDを被ったまま周囲を確認したり、シースルーのままPICO ConnectでPCやスマートフォンの画面をミラーリングすることも可能です。
シースルーモードの品質は良好で、VIVE XR Eliteと比べてもPICO 4 Ultraのが明らかに見やすいです。ディスプレイの文字が白飛びしたりせず、読もうと思えばちゃんと読めるのは大きな差だと思います。
PICO 4 Ultraでのシースルーモードについて興味がある方は別途記事を用意したので、そちらをご覧ください。

保証・サポートについて
コントローラーの単品販売が無い(サポートからなら買えるかも?)
国内では公式通販がないため、コントローラーの単品販売はしていません。ジョイスティックの交換部品らしきものは流通していますが、分解の難易度は高いと思われるのでお勧めできる手段ではありません。
コントローラーは頑丈で致命的なドリフトはしにくい代わりに、ジョイスティックのタッチセンサーが帯電してしまって誤作動しやすいという問題はあります。PICO 4 Ultraのコントローラーで改善しているかどうかは分かりませんが、この問題に遭遇したときはSteamVRのバインドで無効にする対処が必要になる事は覚えておくと良いです。(※コントローラーの電源を入れ直すか電池を入れ直す事でも一時的に解決できます)(※PICOに限らずQuestのコントローラーでも同様の現象が発生します)
具体的にはVRChatでピースサインが出っぱなしになります。自分は最初からないものとして扱い、スティックのタッチセンサーはバインドで無効化して使っています。

サポートから購入できるらしい
フェイスクッションはサポートから購入できるとのことですので、コントローラーに関してもダメ元で日本のPICO公式サポートに問い合わせてみると良いかもしれません。
以前は存在しなかったのですが、公式サイトに「スペアパーツ価格」という項目が登場しました。恐らくフェイスクッションやコントローラーの値段を掲載するつもりで用意されているように思いますが、何も表示されません。
自分はまだ問い合わせたことがありませんが、購入できたという話はいくつか耳にしています。中国のPICO公式通販やAliExpressなどの価格を見る限りでは、恐らくコントローラー1個で1万円程度はするかと思われます。まだ壊したことはありませんが、スペアパーツの購入が容易になるなどのサポートがあると嬉しいところですね。
保証期間終了後の有償修理について
保証方針を確認すると、最後に以下ような記述があります。
本製品が本方針に定める保証範囲に適合しない場合(例えば、保証期間を超えた場合、保証対象外となった場合など)、PICOは、本製品が保証対象外となった旨をお客様にご連絡し、無償でご返却いたしますので、本製品をご購入いただいた販売店までご連絡ください。または、有償修理にご同意いただいた場合、当社で修理を進め、関連料金の請求および修理報告書の提出を行います。
https://www.picoxr.com/jp/support/warranty-policy
ここを読む限りでは、1年の保証期間終了後でも有償修理に応じてくれる可能性がありそうです。
過去の話を探すと、PICOは1年間の保証期間終了後は修理を受け付けていないような話が見つかります。ウェブサイトのリニューアルが行われたこともあり、過去の保証方針については2024年8月頃までしか遡って確認できませんでした。上記の記述は2024年8月時点で存在しています。また、当時修理を断られた人がどのようなやり取りで断られたのかがよく分かっていません。
購入後1年経ってから故障した際は、保証外の有償修理をお願いする前提で問い合わせてみると良いかと思います。
(※Meta Questも保証期間終了後は修理受付不可との話があるものの、期間終了後でも対応して貰えたという報告があります。なお、交換品はMeta公式通販で別途購入が可能。)
VRC+のサブスクリプション契約でトラブルが起きたときは
PICO単体版のVRChatでは、VRC+を月額990円または年額9,900円で契約が可能です。これはMetaで契約するのと同じ価格です。
ただ、時々自動更新に失敗したりすることがあります。PICOストアかスマートフォンのPICOアプリから、一度キャンセルして再契約すると上手く行くこともありますが、エラーとなる場合はサポートへ連絡する必要があります。
PICOのサポートはチャットや電話、メールでの問い合わせが行えます。チャットと電話は平日の10:00~19:00に限られますので、メールでの問い合わせが最もやりやすいです。
過去の話やよくある質問など
PICO Motion Trackerの過去の改善について
過去に行われた改善や、当時の動作比較の動画です。
5.12.0.U
5.13.0.U
アプリが異様に少ない?
PICO 4 Ultraのページに書いてある公式情報では、2024年8月19日時点でVRアプリが650個、MRアプリが40個あります。もちろんMeta Quest対応のアプリと比べると文字通り桁違いの差がありますが、やたらと数が少なかったのは昔の話です。一応サイドロードは容易に行えますし、最初からPCVR目的で買う方はあまり気にしてないとは思いますが……。
まぁ、日本向けの新作や名前を聞いたことあるようなアプリがとても少ないと言われればそうですね。ガンダムとか進撃の巨人とか、ああいった人気コンテンツは取り扱っていません。それらも遊びたいとなるとQuest一択になります。
人気ゲームが登場することも?
「進撃の巨人VR: Unbreakable」が2025年6月5日にリリースされました。PICO Motion Trackerにも対応しているようで、リリース当時は早くも有料アプリランキングのトップ3に君臨していました。
コントローラーにタッチセンサーはある?
タッチセンサーあります!
PICO 4 UltraのコントローラーにはQuest Touchコントローラーと同等の機能があります。前述したとおり、ジョイスティックのタッチセンサーが誤作動して困ってる人が居るぐらいです。(SteamVR側のバインドで無効にできます!)
PICO Neo3 Linkの頃は上手く使えなかったようですが、PICO 4となった現在はタッチセンサーもトリガー、ABXYボタン、ジョイスティックにちゃんと存在します。親指レストゾーンのセンサーも反応していることは確認できましたが、これが利用できるかどうかはアプリケーション次第です。現時点ではVirtual Desktopでのみレストゾーンが正しく動作します。
VRChatで利用する際もQuestコントローラーと同じバインドになっています。スティックを押し込みながら移動しないといけないなんてこともございません。過去にはピースサインが出せないという話が出ていましたが、VRChatの入力方式変更(SteamVR Input 2.0対応)による一時的な問題です。こちらも現在は特別な設定をすることなく正常に動作するように修正されています。
ヘッドストラップの取り外しができないので、なんだか壊れやすそうに見える
自分もPICO 4を初めて見たときはその辺りを懸念していました。乱暴に扱った耐久試験動画にあるとおり、非常に頑丈なのでそんな心配は杞憂に終わりました。今は安心して使っています。それでも寝るのにはあまり使いたくないと思ってます。
PICO Motion TrackerはPICO以外でも使える?
悪いなのび太、このトラッカーはPICO専用なんだ。
もれなくPICO Motion Trackerが付いてくるって聞いたけど?
認定販売店であるAmazon・ヨドバシカメラ・ビックカメラで購入した場合に、数量限定でPICO Motion Trackerも無料で付いてくるというキャンペーンが時々実施されます。
例えば、VRChatと協議して「PICO 4 Ultra GIFT SET」という商品を数量限定で出していたこともありました。2025年になってからは足用と腰用の3点もセットになったキャンペーンも実施されています。1周年記念のセット販売や、Amazonプライムデーのときにもセット販売がありました。
時々そういったトラッカー同梱のキャンペーンを開催していることはありますので、公式情報をチェックしてみましょう。

キャンペーンを狙ったり、「楽」できることを考慮するとそこまで高くはない
さて、ここまで色々と書き連ねてきましたが、やはり気になるのは価格ですよね。
PICO 4 Ultra(256GB)の価格は89,800円であり、Quest 3(512GB)の81,400円と比べると少し高く感じます。また、PCVR目的で使う場合は64GBでも足りてしまうのが実状です。かつてPICO 4が5万円で買えた事を思うと、PICO 4 Ultraは単体でのコストパフォーマンスの良さという大きなメリットを失ってしまったわけです。
価格の比較
では、フルトラを目的とする場合も考えてみましょう。
IMU方式のトラッカーは幾つかありますので、ここではHaritoraXワイヤレスを購入する場合を考えてみます。HaritoraX 2(※HaritoraX 2 Proや足トラッキング拡張セットなどは考慮せず)は39,999円で、安定性重視で専用のGX6ドングルを追加購入した場合は4,980円追加で合計44,979円となります。それ以外では、VIVEトラッカーとベースステーション2点込みのフルセットを新規購入すると108,150円ほど、Ultimateトラッカーの場合は3+1セットで91,900円です。
48,400円からのQuest 3Sもありますが、Quest 2と同様にフレネルレンズ採用で厚みがあり、視野角も狭めなのであくまでも参考として載せておきます。
| デバイス名 | 価格 |
|---|---|
| Quest 3S(128GB) | 48,400円 |
| Quest 3(512GB) | 81,400円 |
| PICO 4 Ultra(256GB) | 89,800円 |
| HaritoraX ワイヤレス + GX6ドングル | 39,999 + 4,980 = 44,979円 |
| VIVEトラッカー(3点)+ ベースステーション(2点) | 57,000 + 51,150 = 108,150円 |
| VIVEトラッカー(Ultimate) 3+1 セット | 91,900円 |
| PICO Motion Tracker 足首2個セット | 11,800円 |
| PICO Motion Tracker Waist Version(腰1個のみ) | 5,900円 |
| PICO Motion Trackerを5個フルで揃えた場合 (専用ベルト含まず、PICO OS 5.14.0.U以降必須) | 29,500円 |
| 完全新規にフルトラする場合(安い順) | |
|---|---|
| Quest 3S(128GB)とHaritoraXワイヤレスを買う(GX6ドングル込み) | 97,379円 |
| PICO 4 UltraとPICO Motion Tracker2個を買う | 101,600円 |
| PICO 4 UltraとPICO Motion Tracker3個を買う | 107,500円 |
| PICO 4 UltraとPICO Motion Tracker5個を買う (専用ベルト含まず、PICO OS 5.14.0.U以降必須) | 119,300円 |
| Quest 3(512GB)とHaritoraXワイヤレスを買う(GX6ドングル込み) | 126,379円 |
| Quest 3(512GB)とUltimateトラッカー3+1セットを買う | 173,300円 |
| Quest 3(512GB)とVIVEトラッカーフルセットを買う | 189,550円 |
全て新規に購入でフルトラしようとすると10~12万円程度掛かります。ある程度妥協してQuest 3SとHaritoraX 2を選べば安価ではありますが、ほぼ10万円となります。このほぼ10万円という価格はPICO 4 UltraとPICO Motion Trackerを買ったときの価格と非常に近いです。
また、純正状態でも比較的快適なためアクセサリー類を買い揃える必要性が薄いことや、PICO Connectでも十分なのでVirtual Desktopの購入は必須ではないという点も考慮すると、より出費が抑えられます。(まぁ結局買うとは思いますが初期費用にはならない可能性がありますね)
PICO Motion Trackerを選んだときの利点
PICO Motion Trackerを使う場合の利点は、出っ張りも少なく軽量であることや約25時間使えるバッテリー持ち、そして両足首にそれぞれ1つずつの取り付けで済むというお手軽感にあります。加えてドリフトも起こりにくいです。同じように軽量で長時間利用できるHaritoraXシリーズも取り付けは非常に楽ですが、基本的には全部着用する事になります。また、IMU方式のトラッカーは使用環境によってはドリフトして頻繁にキャリブレーションしなくてはならないことがあります。
PICO 4 UltraとPICO Motion Trackerの組み合わせは、簡易トラッカーとしてはそれなりの精度や使用時の手軽さが見込めるうえにトータルの費用が抑えられるという利点があります。PICO Motion Trackerを5個購入しても29,500円という異様な安さですし、キャンペーン時に購入すればトラッカー代が掛からない事すらあります。(※例えばAmazonプライムデーのときは、PICO 4 UltraとPICO Motion Tracker2個のセットが79,800円と特価だった事がありました)
FluxPoseなどの新しい方式のトラッカーなどが幾つか発表されていますし、ValveがSteam Frameでインサイドアウト方式に移行したことで、Lighthouse方式も雲行きが怪しい感じがします。いきなり18万円かけてフルトラ環境を用意するよりも、ひとまずセール時を狙ってPICO 4 Ultra+PICO Motion Trackerで様子見しておき、満足できなくなったり魅力的なものが登場したら高精度なトラッカーに乗り換えるという選択肢もありだと考えます。
PICO 4 Ultraの廉価版は期待できないかも
中国の公式通販では、PICO 4とPICO 4 Ultraは現時点で1000元(2万円ぐらい)の価格差となっており、PICO 4の再生産をしても物価の都合や古い部品の調達コストなどで当時(2022年)より高くなってしまうことが考えられます。中国でのPICO 4新品価格が2,999~3,299元なので、日本円だと大体60,000~67,000円ぐらいです。(※2025年5月のレート)
しかも、色々と構造が異なるQuest 3/3Sと違ってSoCとカメラ(とディスプレイ)以外ほぼ一緒なので削れるところがなく、仮にPICO 4のSoCをSnapdragon XR2 Gen2にしただけのものを作ってもあまり安くならないと思われます。(※コントローラーの価格も750~1,000円の差しかなく、ボディやレンズなどの共通部分が多いことから価格差のほとんどがSoCやソフトウェア等開発費だと考えられるため)
PICO 4 Ultraは最初から256GBモデルひとつに絞ることでコスト削減を狙ってそうなのと、容量違いを後から作ると余計な管理コストなどが掛かってしまうので、128GBモデルなども出ないような気がします。代わりに頻繁にキャンペーンを実施しているので、トラッカー分の価格をオマケすることで対応しているのかなと勝手に推測してます。
Steam Frameってどう?
軽量な本体、広い視野角、大きなレンズ、磁気方式でスティックがドリフトしにくいコントローラーなどなど。PICO 4 Ultraにもあるメリットを幾つか備えているのでそちらも魅力的です。
まだ値段が発表されていませんので、そこはなんとも言えないところです。Valve Index程は高くしないと言っているので、10~15万円ぐらいになるのかなと予想しています。
Steam Frameでフルトラ環境も用意しようと思うと、20万円を超えてしまうのではないかと思います。

PICO 4 Ultraが向いてる人・向いてない人
Metaのストアにあるアプリも遊びたい人はQuest 3
あくまでも個人的な意見ですが、豊富なラインナップのアプリなど、Metaが用意したエコシステムに乗っかりたい人はQuest 3を購入するのが良いと考えています。
日本からリリースされるアニメ・漫画を扱ったゲームはQuest向けにしかリリースされませんし、PC不要・HMD単体で遊べることが多いのは間違いなくQuestです。V睡したい場合も、ストラップが完全に取り外せるQuestのが楽だと思います。VRChat内でのマイク品質が最も良く聞こえるのもQuest 3だと感じます。
安定志向でPCVRがメイン、手軽にフルトラしたい人はPICO 4 Ultra
反面、PCと接続してVRChatしかしないような方であれば、PICO 4 Ultraでは手軽にフルトラ出来ることに加えて、重量バランスが良くて軽い装着感や上下の視野の広さなどの恩恵が得られます。搭載メモリ量が12GBと多いことやPICO単体版のVRChatでも簡単にフルトラできるのも強みです。(※Quest 3は8GB)
PICO OS自体が比較的安定していることや、コントローラーが頑丈でドリフトの心配が非常に少ないことも大きな利点です。(※もちろん初期不良があれば対応して貰いましょう)
但し、VRChatしかプレイしない場合でも、VRで睡眠を取るつまり「V睡」目的の方はあまりお勧めしません。寝転がるのに適した形状をしていないことや、完全静止状態が5分間続くと自動スリープしてしまう仕様があるからです。
余談ですが、気軽にアプリをサイドロードして遊びたい方もPICOのが向いてる可能性はあります。標準搭載のファイルマネージャーアプリからサイドロードが行えるほか、サイドロードは開発者オプションすら不要です。
PICO 4 「Ultra」であって「PICO 5」ではない
これまでPICO 4はQuest 2以上Quest 3未満の存在で、5万円という価格的にも美味しいポジションにありました。後継機となるはずだったPICO 5の開発はキャンセルされ、PICO 4 Ultraが登場することとなりましたが、あくまでもナンバリングは「PICO 4」です。良くも悪くもそのままの部分が多く、マイナーチェンジのような形で留まっています。中身はQuest 3相当の処理性能となりましたが、大きな強みだった価格もQuest 3を超えてしまい、PICO 4 Ultra単体では決定打に欠けるような感じがします。(※今回はPCVR、特にVRChat用途という視点で評価をしていますので、MRや空間ビデオ撮影などの新機能、そして650個あるVRアプリと40個のMRアプリについてはあまり触れていません。)
そんなPICO 4 Ultraが味方につけた秘密兵器がPICO Motion Trackerです。たった2つだけの装着と低価格で全身トラッキングを実現しており、現時点においてこれは唯一無二だと言えます。他のトラッカーは外部センサーを設置する場所の問題や、接続・設定時に起きた問題のトラブルシューティングの複雑さがあり、導入するには敷居が高めです。(※人によります)
その点、PICO Motion Trackerは簡単かつお手頃です。VRChat内で座ってお喋りするだけでダンスなどをしないのであっても、より良いコミュニケーションや没入感を高めるために足のトラッキングを行いたい、あるいは動かせるのが羨ましいという人は少なくないと思います。この頼れる相棒(PICO Motion Tracker)が一緒に居てくれるお陰で、PICO 4 Ultraにも注目が集まっているように感じます。
そして、PICO Motion Trackerの競合製品を作れる立場にあるMetaが、「PICOが成功しなければQuest用のトラッカーを作る考えはない」と言っている状況なので、PICOは今がチャンスです。PICOは単体で動作するリズムゲームやサッカーゲームなどの他にVRChat(SteamVRも含む)にも力を入れている様子で、国内の体験会でもトラッカー推しでVRChat関連のイベントにも出展していることがあります。
特に国内でのVRChatは新規ユーザーが急増しているタイミングということもあり、これからVR機器を買う予定の方も居るはずです。Quest 3は大変素晴らしいのですが、PICO 4 Ultraという選択肢にも目を向けてほしいなと思います。きっと2年もすれば状況も変わってることでしょうから、現時点での最善だと感じるものを選んでおいて、また2~3年後ぐらいに乗り換え先を検討したら良いのではないかなと自分は考えています。(※2024年執筆時の話。1年半経った今も開けてすぐフルトラな製品は出てきていませんが、Steam Frameなどの新しいVR製品が2026年から発売されようとしていますね。)
そうそう、Amazonの商品タイトルに「VR Chat」って入っていることに気が付きましたか?多分そういうことです。
Steam FrameやFluxPoseなどの新しい製品が発表されたりと、2026年のVRもまだまだ活気があるように感じられます。値段や手軽さ、安定性を考慮すると個人的にPICO 4 Ultraは強くおすすめしたい製品です。しかし、人によっては相性の悪い部分や気に食わないところがあることでしょう。この記事が製品選びの参考になれば幸いです。
とても気に入って使っていますが、今後大きなトラブルが発覚して手のひらを返す事のないよう願っています。



































































